青い日記帳 

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「狩野一信の五百羅漢図」

東京国立博物館で展示中の
「特集陳列 幕末の怪しき仏画―狩野一信の五百羅漢図」を観て来ました。

 

前回あまりきちんと観られなかった「書の至宝展」も昨日が最終日。
秋田から帰ってきたばかりでしたが、慌てて行って来ました。

今回も前回とそれ程大きな成長もなく(あるはずもなく)
慌しく混雑している会場を右往左往しながら「とりあえず」観て来ました。

相変わらずよく分からずに「撃沈」気味で平成館を後にし博物館本館へ。

普段ならとぼとぼこのまま落ち込んで帰るのですが、今回は目標がもう一つ。
本館2階の特別1・特別2室で2月14日から展示されている、
「特集陳列 幕末の怪しき仏画―狩野一信の五百羅漢図」です。

見もの・読みもの日記」のjchzさんが既に行かれたとのコメントをこちらの記事に下さったので「これは絶対行かねば!」と思っていました。

jchzさんもお書きになっている通り、狩野一信の五百羅漢図については
この本で紹介されています。
日本美術応援団 オトナの社会科見学
「日本美術応援団 オトナの社会科見学」赤瀬川 原平, 山下 裕二
増上寺で拝見した埋もれた名品・狩野一信筆「五百羅漢図」。圧倒的な迫力を持つこの作品も、通常は非公開。日本美術応援団は、一信を徹底的に応援し、「五百羅漢図」全百幅を常時、一般公開する空間をつくることを強く提案するのであった。

先日青山ブックセンターで聴いてきた辻惟雄先生と山下裕二先生の対談でも
しきりに山下先生がスライドで狩野一信のこと「凄い!」と持ち上げてました。

でも増上寺では非公開とのことで中々お目にかかれません。
そんな中、東京国立博物館での公開となったわけで
タイミングが怖いくらいに良すぎます。

ただ、増上寺のものではなく東博が所蔵するそれと同じ図柄のものでした。
東博って本当に色々お宝持っていますよね〜

今回ご覧いただく当館の五百羅漢図の全50幅は、明治天皇の皇女である富美宮、泰宮から当館に下賜されたものです。増上寺のものとほぼ同じ図柄ですが、かなり小ぶりなもので、1幅に2画面ずつ配し、ひとつの画面に、仏教の修行において最高の段階に達した人である羅漢を5人ずつ描いています。


増上寺の五百羅漢図は一幅に五人の羅漢を描きそれが百幅=五百羅漢
(東博所蔵のものは小さい分、増上寺のものと同じ図柄のものが二幅で一幅となっているので計五十幅で五百羅漢を表現しています。)

五百羅漢図 第二十五幅「六道 鬼趣」と第七十二幅「龍供」が増上寺よりレンタルされ並べて展示してありました。

大きさの違いひと目で分かるはずです。(約縦2倍・横4倍でしょうか)

50幅がずらりと展示されている様だけでも圧巻です。

羅漢とは正しくは「阿羅漢」というそうで、
小乗仏教の最高の悟りに達した聖者」を意味する言葉です。

そのもはや学ぶことがないとい聖人が一幅に五人(東博では十人)描かれているそれはそれは有り難い絵のはずなのですが・・・

羅漢からしてまず「悪人」っぽく、どう観ても聖者には観えません。
悟りに達していない凡人には。。。はっきり言って奇怪です。

それと呼応して描かれている木々もまた奇怪。
うねうねしていたり、偏執的にまで細々描かれていたり、
夜になれば動きだしそうな木ばかりです。

百聞は一見に如かず。狩野一信の描き出す世界をご覧あれ!


第42幅「七難・風」と第37幅「神通」(本来は第27幅)

左は風難・水難からの救済の場面だそうですが実際に助けているのは人間で羅漢は上から見ているだけのように思えます・・・

右は首吊り自殺をした女性を襲おうとする悪鬼(右の木の黒い部分に悪鬼がいます)を退散させている場面。でも逆に羅漢が首吊りさせているように見えるのは自分だけ??


第23幅「十二頭陀・節食之部」と第13幅「六道・鬼趣

左は食事の場面を描いたものです。増上寺本と比べ陰影がおとなしい作品。
増上寺本は真っ暗で夜のようです。

右は餓鬼道へ落ちた人々を救済する羅漢を描いた作品。
でも笑いながらの救済ってどうなのよ?!

たった4枚紹介しただけでもこの面白さです!
これが全部で100枚一気に展示してあり全部いっぺんに観られるのですから
これは行かないてはありません。もったいないです。

しかも、今回の展示にあわせてこんなカタログまで作ってます。東博!
オールカラーで100幅(50幅)全て載っていて1300円!!(安い!)


更に今なら来館者全員に国宝「十六羅漢像(第十五尊者)」他2作品をもれなく隣の3室で観ることが出来ます!


迷うことはありません。
今すぐお電話お待ちしています博物館へgo!!

狩野派決定版
狩野派決定版
山下 裕二, 安村 敏信, 山本 英男, 山下 善也
 知る人ぞ知る幕末の絵師・狩野一信(かのうかずのぶ)の五百羅漢図(ごひゃくらかんず)のすべてをまとめてご覧いただける絶好の機会です。一信は、仏画に秀でた画家で、その作品に千葉・成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)の釈迦堂天井の龍図や増上寺(ぞうじょうじ)の五百羅漢図などが知られています。
 明治時代には、近代洋画の父といわれた黒田清輝をはじめ、一信の独特な画風に魅せられた画家や評者たちに注目されていました。その遺作にして畢生(ひっせい)の名作、東京・芝の増上寺に納められた五百羅漢図の100幅は、寺を訪れる人たちの目にふれ、感嘆の声を集めていました。戦後、人々の目にふれる機会がほとんどなくなり、一信の名も次第に聞かれなくなったようです。しかし、近年の調査研究によって、増上寺の五百羅漢図の全貌が広く知られることとなり、一信にあらためて熱い視線が注がれることとなりました。
 今回ご覧いただく当館の五百羅漢図の全50幅は、明治天皇の皇女である富美宮、泰宮から当館に下賜されたものです。増上寺のものとほぼ同じ図柄ですが、かなり小ぶりなもので、1幅に2画面ずつ配し、ひとつの画面に、仏教の修行において最高の段階に達した人である羅漢を5人ずつ描いています。羅漢や背景が、執拗(しつよう)なまでに描写されて、その鮮烈な色彩には目を奪われるでしょう。さらに大きな特徴として、当時、西洋からもたされた絵画制作技法である陰影法などを取り入れています。その科学的理論を、完全には理解して描いていなかったのか、画面に独特な感覚をもたらすことになりました。
 さらに、この度は増上寺に納められる五百羅漢図のうちの2幅も、あわせてご覧いただけることとなりましたので、狩野一信という画家の妖しくも不可思議な魅力をぜひ堪能して下さい。
展覧会 | permalink | comments(12) | trackbacks(4)

この記事に対するコメント

TBありがとうございました。
「書の至宝展」に行った時に、狩野一信の五百羅漢図が出展されることを知って、ぜひ実物を見たいと思っていたところです。
もう展示されているのですね。
見に行かなければ。
nekoana1996 | 2006/02/20 10:11 PM
@nekoana1996さん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

いやーー言葉にできません。
凄い世界が展開されていました。
逃げ隠れしませんが
これは見逃せない展示です。
是非。
Tak管理人 | 2006/02/20 10:20 PM
土曜日に平成館ホールでオペラ関係の講演会があって、書のほうは、入場制限があって、見れなかったのですが、五百羅漢は見てきました。
あの頭にかぶったカプセルのようなものはなんですか。
じゅん | 2006/02/20 11:06 PM
@じゅんさん
こんばんは。

「書」は大混雑で大変でした。。。

カプセルは「光輪」です。
(辞書)
仏・菩薩のからだから発する円満の光。衆生の煩悩を砕く智慧の光。
Tak管理人 | 2006/02/20 11:39 PM
こんばんは.

ぼくも土曜日に観ました.(羅漢の前でいづつやさんにまた会ってしまいました.)

おやじアバンギャルドって感じですよね.(笑)
おけはざま | 2006/02/21 12:23 AM
@おけはざまさん
こんにちは。

いづつやさんとばったりとは
これまた羅漢さまの仕業かと。

いやーー凄い展示でした。
Tak管理人 | 2006/02/22 7:46 AM
Takさま、五百羅漢様と今日お目にかかってきました。

いやはや〜〜本当に濃すぎる、超大圧巻のこれでもか展示でした。参りました。
不思議な想像の動物たちともお目にかかりました。
「白澤」って怪しいお尻に眼が三つついてる獅子のような、角だらけの変な奴が気に入りました。

どうも、辻マジック、トリック、奇想病に罹患してしまったような・・・
他にもなかなか見応えのある絵に沢山出会えました。
法隆寺館もお雛様も、お勧め〜〜!!
って、19日までのものがあるので、お気を付けて。
東博は本当にすごい。
ユニクロダンサーは、階段に青のクロスを引いてたのね。
いつもは赤だもんな。って、ぶつぶつ思ってきました。
あべまつ | 2006/03/17 10:42 PM
@あべまつさん
こんばんは。

実は私も今日(金曜日)に
博物館行ってきたんです。
谷中からテクテク歩いて。

目的は法隆寺館で公開されている国宝。
いやーー驚くことの多い毎日ですが
今日もまたご他聞にもれず驚かせて
もらってきました。
後で詳しく記事にしますね。

五百羅漢図は今日は時間の関係で
パスしてしまったのですが、
以前観た時の印象は強く心に
残っていて忘れられません。
Tak管理人 | 2006/03/18 12:45 AM
Takさん、こんにちは。
TB&コメントありがとうございます。
前評判で「凄い」と聞いていましたが、今までに見たことのない種の凄さで何より濃ゆ〜い中味で、見終わった後しばし放心していました。
本当に「笑いながらの救済ってどうよ?」とTakさんがおっしゃられるのも大いに頷けます。
私も「何でそこで笑う〜?」と叫んでいました(苦笑)
アイレ | 2006/03/21 4:41 PM
@アイレさん
こんばんは。

濃かったですね〜
濃いプラス数も多い!!
もう満腹です。

それにしても羅漢っていい人なのか
わるい人なのかほんと分かりませんね。
謎です。。。
Tak管理人 | 2006/03/22 1:43 AM
始めまして。私は韓国人です。
今、仏教美術を専攻しています。
狩野一信の仏画は初めに見たんですが,
その纎細さにとても驚いて, すごい作品だと考えられます.
元々は狩野芳崖の作品に魅かれてさまざまな日本の仏画を捜してみたんですが,
一信の仏画はもっと驚くべきですね..
インターネットで 一信の他の作品がないか調べた中に,
ブログがあって質問申し上げます。
五百羅漢図に似ている仏画がありますか?
あるいは, 有名な仏画をご存じだったら知らせてくださることができるんですか?

(今、日本語を勉強始めるばかりで、もし変な日本語ならすみません。)
RyuHJ | 2008/05/20 2:12 AM
@RyuHJさん
こんばんは。
はじめまして。コメントありがとうございます。

狩野一信の作品は異様な描写で
一度見たら忘れられなくなります。
揃いで観たら取り囲まれているような
錯覚さえ感じ少し怖かったこと覚えています。

ご質問にはきちんとお応えできませんが
東京国立博物館のサイトの所蔵作品検索や
文化遺産オンラインで検索をかければ
きっと同じような作品ご覧になれると
思います。試しに「五百羅漢図」で
検索かけましたがかなりの数ヒットしました。

今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。
Tak管理人 | 2008/05/20 8:28 PM
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