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「トム・サックス ティーセレモニー」

東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の
「トム・サックス ティーセレモニー」展に行って来ました。


https://www.operacity.jp/ag/

Tom Sachs(トム・サックス)はニューヨークで活躍する現役のアーティストです。ペインターというよりも本人は彫刻家を自認している通り、今回の展覧会でもその多くは立体物です。

日本の伝統文化である「茶道」をトム・サックス流に解釈した世界が、東京オペラシティ アートギャラリー全体で展開されています。




何も知らずに会場内に入ると、三分の一程度の方は「なんだこれは…」と嫌悪感を抱いてしまうかもしれません。

それは、茶道を茶化しているように見えてしまうからです。


Narrow Gate」2018年

会場入口で出迎えるこの作品を見て分かるように、「トム・サックス ティーセレモニー」は2016年ニューヨークのイサム・ノグチ美術館での展覧会として企画されたものです。

2016年から2018年にかけアメリカ国内を巡回し、いよいよ茶道の本場日本に上陸を果たしたました。それは作家の強い願いでもありました。



20歳そこその若手ではなく、1966年生まれの50歳を過ぎたベテラン作家が、創り上げた独自の世界観は観ていると次第にクセになる中毒性を持っています。

薄っぺらな表現に一見思える(または敢えてそのように見せている)作品群たちも、実は日本人よりも茶道哲学に精通している彼だからこそ作れるものなのです。

展覧会の構成は以下の通りです。

・THEATER
・HISTORICAL TEA ROOM
・OUTER GARDEN
・INNER GARDEN
・CORRIDOR


「Outer Garden(外露地)」「Inner Garden(内露地)」といった表現からも分かるように、我々鑑賞者はトム・サックスの茶会に招かれた客人として導線を辿っていく構成になっているのです。



可能であれば、茶会に行く前の準備として入口すぐのところにあるTHEATERで、約15分ほどの映像を観ることをお勧めします。

茶道に詳しい方もそうでない方も、ノグチ美術館での「ティーセレモニー」の様子を撮影した映像は、誤った認識を回避するためにとても要素となっています。



このシアターの為に作られた「Movie Dome」下のスクリーンで、まずは彼のお点前をゆっくりと拝見しましょう。椅子もただのパイプ椅子ではなく、全て作品のひとつです。

2周目で気が付いたのですが、「Inner Garden(内露地)」に設置された茶室の入口に、さり気なくこんなものが置かれていたのです。



立ち入り禁止を表示するために用いられる「止め石」(関守石)です。赤と白に塗られ工事現場風ですが…実際にこちらの茶室はイベント時だけですが、入ることが出来ます。

トム・サックスに茶道を指導したジョニー・フォグ氏が来日。「トム・サックス ティーセレモニー」展示室内で、普段公開していないTea Houseの内部をオープンにし、実際のティーセレモニーを行います。抽選により毎回3名の参加が可能です。



「トム・サックス ティーセレモニー」の会場には、このように茶道のみならず日本の文化を知らないとその意味や面白味が全く分からない展示がほとんどです。

つまり鑑賞者の日本文化度、茶道の理解度が露呈してしまう実に怖い展覧会なのです。面白そうだから彼女を誘ってデートでも。何て軽いノリで行くと思わぬ恥をかくことになりかねないのでご注意を。



日本文化だけでなく、彫刻家をリスペクトした作品もあります。こちらはブランクーシへのオマージュでしょう。

また、パロディ的な作品もあります。



鼠色の塀の名称は「Tadao Ando Wall」。日本のコンクリートが大好きな建築家をパロっていることが分からないと、ただの塀に過ぎません。

面白いと話題の展覧会ではありますが、文化的素養が浮き彫りになるのでくれぐれも、ご注意を。

「トム・サックス ティーセレモニー」は6月23日までです。写真撮影可能です。


「トム・サックス ティーセレモニー」
Tom Sachs: Tea Ceremony


期間:2019年4月20日(土)〜 6月23日(日)
開館時間:11:00〜19:00
(金・土は11:00〜20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日、ただし4月30日は開館)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー[3Fギャラリー1, 2]
https://www.operacity.jp/ag/
主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団/「トム・サックス ティーセレモニー東京展」実行委員会
特別協賛:日本生命保険相互会社
協賛:株式会社 ビームス
協力:相互物産株式会社/Galerie Thaddaeus Ropac/Vito Schnabel Projects/株式会社東京スタデオ
企画協力:小山登美夫ギャラリー


安藤忠雄の建築0 増補改訂版 Tadao Ando 0 Process and Idea

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2016年ニューヨークのノグチ美術館での展覧会のために制作された「トム・サックス ティーセレモニー」は、2016年から2017年にかけて「Space Program: Europa」(2016-17)の一環としてサンフランシスコのイエルバ・ブエナ芸術センター、その後ナッシャー彫刻センター(2017-18)に巡回しました。日本の伝統的な茶の湯の世界とそれを取り巻く様々な儀礼や形式を独自の解釈で再構築した作品を制作するために、2012年から本格的に茶道を学び始めて以来、日本国内での発表を念頭に置いてきたサックス。東京オペラシティアートギャラリーでの展覧会は、サックス自身が切望していた、作品の起源である日本での初個展となります。本展の作品は体感型の空間として、庭(「内露地」「外露地」)、手作りの合板の茶室、ボーイング747機の設備をより機能的にしたトイレユニット(「雪隠」)、鯉が泳ぐ美しい佇まいの池、そして様々な門によって構成されます。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

ユーモアに充ちた茶道精神にも精通した受容カルチャーの巧みなidea一杯の展覧会で大人気でした!
pinewood | 2019/06/20 7:24 PM
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