青い日記帳 

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「マンモス展」

日本科学未来館で開催中の
「マンモス展」-その『生命』は蘇るのか-に行って来ました。


www.mammothten.jp

「はじめ人間ギャートルズ」が真っ先に頭に思い浮かぶ旧い世代の人を除いて、マンモスから一般的にどんなイメージを想起するでしょうか。

2憶年以上も昔に地球上を闊歩していた恐竜とないまぜになっている方もいるかもしれませんが、マンモスは最古のものでも約500万前に地球上に誕生した生物です。

ざっくりとした捉え方ですが、ヒトが誕生したのとそう大きくは離れていません。実際にマンモスと人類が一緒にいた期間も数万年はありました(だからこそ「ギャートルズ」が描かれたわけです)。



遠い存在であり未だに新たな発見が相次ぐ恐竜とは違い、マンモスはとても身近な存在なのです。そして骨しか見つからない恐竜に対し、マンモスは皮膚や体毛付きでまるごと我々の目の前に現れるのです。

極寒の地シベリアの永久凍土の中から。


世界初公開「ケナガマンモスの鼻」(冷凍標本)

ご覧の通り、通常の化石などと違い、永久凍土から冷凍状態で出土するため、非常に生々しい姿で展示されています。

2013年に完全な形で発掘されたこの「ケナガマンモスの鼻」の発見によって、それまで考えられていたマンモスの鼻の形状が覆され真の姿が露わになった超貴重な標本なのです。

※「マンモス展」は一部を除き写真撮影が可能です。



象と外見で明らかに違う箇所が2つあります。それが「耳」と「尻尾」です。ダンボのように大きいイメージが象の耳の特徴ですが、マンモスほとんどどこにあるのか分からないほど小さな耳です。

また「尻尾」もとても短く、おまけ程度の長さしかありません。勿論、耳や尻尾以外にも象との違いは多々あるのですが、とりあえずこの2点を知っておくだけでも関心を持って接せられるはずです。


いとうせいこう氏が展示構成監修を行っているので、パネル解説も随所に工夫がなされており、とても分かりやすく、とにかく読んでみたくなります。

吃驚したのがマンモスの歯(歯の構造、生え変わりのメカニズム)です。


ケナガマンモスの下顎骨

下顎両脇に載っているゾウリムシのようなものがマンモスの歯です。そう両側に一本ずつ(上顎にも一本ずつあるので合計4本)しかありません。

草食動物ですから、この表面積の広い洗濯板のような歯で植物を磨り潰して食べていたのです。

そして一本の歯の寿命が約15年〜20年ほど。摩耗して使えなくなると新しい歯が口腔の奥からスライドして生え変わります(水平交換。人間は下から生えてくる垂直交換です)。

生え変わりは生涯で5回だけ。最後の歯が摩耗し使えなくなった時がマンモスの命が尽きる時です。



知っていそうで、まるでマンモスのことについて知らないので、片っ端から解説パネルを読みまくりました。この巨大な生物が人間と生活を共にしていた世界を想像するだけでワクワクしませんか。

しかし、ここまでは「マンモス展」のセクション1を紹介しただけに過ぎません。この展覧会凄いな〜と感じたのはこうした「過去」を見せるだけでなく、「現在」そして「未来」と繋げてしっかりとした時間軸上で展開している点です。

展覧会の構成もそれに沿っています。

1:マンモス、太古の記憶(過去)
2:永久凍土で待つもの(現在)
3:その「生命」は蘇るのか(未来)



展示の雰囲気もガラリと変わります。

下手すると冗長で難解となりがちな研究の過程をマンガ調でポップな展示にすることにより、とても身近で読もうと思わせることに見事成功しています。

随所に永久凍土を訪れた際の映像なども挟み込まれているので、全く飽きることなく高いテンションを維持したままマンモスの世界へぐいぐい惹き込まれていきます。

ロシアから驚愕のニュース 世界初の大発見! 氷河期の動物の遺体から液体の血液と尿を採取!

昨年8月、本企画展とロシア北東連邦大学北方応用生態研究所が合同で編成した調査隊が、サハ共和国ベルホヤンスク地区バタガイカ・クレーターの永久凍土より冷凍状態で発見された「仔ウマ」の現地調査を行いました。その後の調査・解剖の結果、この「仔ウマ」は約42,000年前の個体であり、世界唯一の古代ウマの「完全な遺体」であることが判明。さらに、ロシア北東連邦大学北方応用生態研究所での解剖の結果、古生物学史上初となる「液体の血液と尿」の採取に成功しました。
セクション3「その「生命」は蘇るのか(未来)」では、近畿大学マンモス復活プロジェクトを紹介しています。

「マンモス復活プロジェクト」は、マンモスを最先端生命科学で甦らせることだけでなく、倫理的な問題点にまで言及し、生命倫理の在り方について投げかけを行っています。

人と同じ時代に生きていたマンモスに遺伝子操作を人が行うことに抵抗感を覚えるのは人として当然なのかもしれません。


永久凍土から発掘された仔ケナガマンモス「ディーマ」(冷凍標本)

「恐竜展」に何度行っても感じなかった生命倫理を「マンモス展」では強く感じさせられたのは、やはり我々に近い存在だからに他なりません。

そもそも、極寒の地ロシア連邦サハ共和国(首都ヤクーツク)の永久凍土からマンモスが発見されたのは1799年のことです。それは人間の所業が大きく関わっています。

温暖化です。

人間が起こした温暖化の影響で永久凍土の一部が溶け出し中に眠っていたマンモスが見つかったのです。それから40年しか経たぬ現在、遺伝子操作まで行おうとしているのもまた人間です。



そう考えるとこのポスターにあった「蘇るのですか。「蘇ったのですね。」というコピーに急に重みが出てきますね。そしてマンモスとマツコ・デラックスさんを起用したことも。

子供さんは文句なしに楽しめます。それ以上に大人がハマる展覧会であると言えます。予定より倍は観るのに時間がかかりました。

とても深く深く考えさせられる大人な展覧会でした。これは迷わず行くべき展覧会です。

「マンモス展」は11月4日までです。混雑必至です。なるべくお早めに!(「マンモス展」音声ガドは、人気声優のふたりが務めています。通常版:声優・梶 裕貴、ジュニア版:声優・東山奈央。)


企画展「マンモス展」-その『生命』は蘇るのか-

会期:2019年6月7日(金)〜11月4日(月・休)
開館時間:10:00〜17:00(入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日(ただし、7/23、30、8/6、13、20、27、10/22は開館)
会場:日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン(東京・お台場)
所在地:〒135-0064東京都江東区青海2-3-6)
https://www.miraikan.jst.go.jp/
主催:日本科学未来館/フジテレビジョン/読売新聞社
協力:ロシア連邦サハ共和国、サハ共和国科学アカデミー、ロシア北東連邦大学北方応用生態研究所、近畿大学生物理工学部、近畿大学先端技術総合研究所、野尻湖ナウマンゾウ博物館
後援:文部科学省、東京臨海高速鉄道、ゆりかもめ、BSフジ
監修:セミヨン・グレゴリエフ(サハ共和国「マンモスミュージアム」館長)
 展示構成監修:いとうせいこう(作家・クリエイター)
 生命科学監修:松本 和也(近畿大学大学院部長/生物理工学部教授)
 古生物学監修:近藤 洋一(野尻湖ナウマンゾウ博物館館長)
オフィシャルサイト:www.mammothten.jp


世界初公開「ケナガマンモスの鼻」(冷凍標本)

冷凍標本を展示するケースは今回の展覧会のためだけに作られた超特注品です。ケースの中を常にマイナス20度以下に保ちつつ、ガラス面に霜や氷が付着しないように作られています。

この展示ケースひとつで都心のマンションが購入できちゃうそうです。冷凍マンモスたち、お台場でも最も贅沢な場所に「住んで」います。


わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑

こちらの本と「マンモス展」コラボして展示会場やショップにも展開されています。

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@taktwi

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この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5505

JUGEMテーマ:アート・デザイン



近年、約4000年前に絶滅したと言われている大型哺乳類のマンモスが、地球温暖化の影響で、ロシア連邦サハ共和国の永久凍土から次々と発掘されています。掘り出されたマンモスは、通常の化石などと違い、冷凍状態で出土するため、非常に生々しいのが特徴です。

日本では、冷凍マンモスの頭部(ユカギルマンモス)が2005年夏に「愛・地球博」で初めて公開され、大フィーバーを巻き起こしました。2006年には、未来館をはじめ全国各地でも公開されました。本展では、その「ユカギルマンモス」のほか世界初公開となる「ケナガマンモスの鼻」や、昨年夏、本展のために発掘現場を訪れた調査隊が発見した「ケナガマンモスの皮膚」、そして1977年に完全体で発掘された仔ケナガマンモスの「ディーマ」などを公開。そこから明らかになった、マンモスの本当の姿を紹介します。

永久凍土からマンモスが発掘されてから今日まで、100年以上にわたってマンモスに関する研究は続けられています。世界の生命科学に関する研究機関が『マンモス復活プロジェクト』を立ち上げ挑戦していますが、最新の研究によると、現時点ではこれまでの科学技術だけでマンモスを復活させるのは難しいと分かってきました。

一方で、生命科学の進歩に伴い、研究者はマンモスなどの冷凍状態で発見される動物から、生命のさまざまな情報−遺伝情報やタンパク質情報−を取り出す技術を手に入れました。その情報を用いて、太古に起こっていただろう生命現象を再現しつつあり、ベールに覆われたマンモスの真の姿へ一歩ずつ近づいています。日本では、近畿大学がマンモスの全貌解明へ向けた研究を展開し、その姿を捉えようとしています。

マンモスをはじめとした生命科学研究がもたらす技術革新は、絶滅危惧種の保護やマンモスなどの絶滅種の再生の糸口につながるのみならず、先端医療や食糧問題、地球環境問題などさまざまな分野に役立つ可能性があります。同時に、絶滅種の復活については、倫理的な問題や生態系への影響など、私たちが考えなくてはならないさまざまな課題も存在しています。

本展では最先端生命科学の"今"をご紹介しながら、これからの生命科学のあり方についても考えていきます。
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