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アミューズミュージアムの「ボロ」が世界を巡回!「BORO World Tour」

今年(2019年)3月末に建物老朽化のため惜しまれつつ閉館した、アミューズミュージアム


http://www.amusemuseum.com/

アミューズミュージアムの展示品は泰西有名絵画や現代アートではなく、田中忠三郎という民俗学者が収集した古布・古民具のコレクションでした。

とりわけ江戸後期〜昭和期にかけて東北の農民漁民が着用していた、ツギハギを繰り返しながら着続けられた、ぼろ着物、「BORO」


BORO 丹前

ぼろ着物、「BORO」は、他に常設展示している館がないこともあり、日本国内だけでなく世界各国からファッションデザイナーが来館するなどする知る人ぞ知る美術館でした。

2013年にルイ・ヴィトン、2014年アルチュザラ、2015年コム・デ・ギャルソンが、「日本のBORO」をテーマにしたコレクションを発表し、注目を浴びたのもアミューズミュージアムがあったからに他なりません。


BORO 展示室

閉館前に訪れた美術評論家の椹木野衣氏をして「盲点だった。まさか浅草にこんな美術館があったとは。」と新聞紙面で言わしめたほどの、どこにもない素晴らしい展示が観られる場所だったのです。
盲点だった。まさか浅草にこんな美術館があったとは。浅草寺の裏手あたり、中国や韓国、台湾からの観 光客で賑わう路地の一角に、そのビルはお土産屋のような佇まいで建っている。しかしその上のフロアには、時間と距離を飛び越え、過去の東北からまるごとタイムスリップしてきたかのような奇跡的な世界が、暗い照明のもと、ひっそりと広がっているのだ。

これら「ぼろ」 と呼ばれる主に防 寒具の数々は、在野の民俗学者で考古学にも通じていた故・田中忠三郎が生涯をかけて東北をめぐり、自力・独学で集めた世界でも唯一のコレクションだ。田中の目が見出した民具や縄文土器が、これらのぼろと分 けられずに並べられているのも、整理や分類が行き届いた美術館、博物館の展示よりもかえって迫力がある。 というよりも、 ひとつひとつの品が生きている。もともとは、どれも私たちの想像を絶するような過酷な生活とともにあったからだろう。生活ととともにある造形、というと、近年なにかと話題になる民芸を思い出す人も多いはずだ。けれども、ここにあるのは、本来は無銘であるはずの、その民芸的な価値観かの峻別からもこぼれ落ちた、無銘のさらに向こうにある無償の果てで忘れられてきた品の数々だ。

2019年3月15日(金)東京新聞夕刊 美術評 椹木野衣

野性味あふれるボロが、アミューズミュージアム閉館に伴いもう観られなくなってしまった…と肩を落としていたろころ、なんと思いもよらぬ朗報が飛び込んできました。

世界巡回展:BORO World Tour」が決定したというのです!

2019年6月19日のオーストリア・シドニー展を皮切りに、メルボルン、キャンベラを巡回し、その後は中国そしてアメリカへ。


2019 AUSTRALIA(オーストラリア)
JUN(6月)〜 SYDNEY(シドニー)
Craft & Quilt Fair Sydney
Start/End Date:19/06/19 - 23/06/19 (Wednesday - Sunday)
Open/Close Time:9:00am - 4:30pm
Venue: ICC Sydney, Darling Harbour, Hall 5 & 6

JUL(7月)〜 MELBOURNE(メルボルン)
Craft & Quilt Fair Melbourne
Start/End Date:25/07/19 - 28/07/19 (Thursday to Sunday)
Open/Close Time:9:00am - 4:30pm
Venue: Melbourne Exhibition Centre, South Wharf, Hall 4

AUG(8月)〜 CANBERRA(キャンベラ)
Craft & Quilt Fair Canberra
Start/End Date:15/08/19 - 18/08/19 (Thursday - Sunday)
Open/Close Time:10:00am - 4:00pm
Venue: Exhibition Park In Canberra, Mitchell

2019 CHINA(中国)
OCT(10月)〜 BEIJING(北京)
DEC(12月)〜 SHENZHEN(深圳)

2020 USA(アメリカ)
MAR(3月)〜 NEW YORK(ニューヨーク)


※今後も世界各国を巡回。


BORO ドンシャ

「世界巡回展:BORO World Tour」は、単に作品貸出だけではなくアミューズミュージアム館長(10年館務めた方です)が展示監修を現地へ赴きするそうです。

オーストラリアキルトや中国の刺し子との比較展示など、各ミュージアムの館長やキュレーターと、共同キュレーションも行うなど積極性が感じられます。

もし、期間中オーストラリア、中国、アメリカへ行かる予定のある方は街中で「BORO」の文字を見つけたら迷うことなく展覧会会場へ足を運びましょう。



ビル老朽化に伴い浅草アミューズミュージアムは閉館してしまいましたが、捨てる神あれば拾う神あり。BOROたちは立派に独り立ちを果たし、世界中を颯爽と闊歩し始めました。

日本の他の場所に新アミューズミュージアムを開館すべく、調整も進めているそうです。BOROなどの作品が世界各地をまわり終え日本に戻ってくる頃には、新しい棲家が決まっていると良いですね。



今後は世界中から発信されるBORO関連ニュースをアンテナ立てておきましょう!


感性は感動しないー美術の見方、批評の作法 (教養みらい選書)
椹木 野衣 (著)

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