青い日記帳 

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『アートに学ぶ6つの「ビジネス法則」』

星雲社より刊行となった『アートに学ぶ6つの「ビジネス法則」』を読んでみました。


アートに学ぶ6つの「ビジネス法則」
盒極郎 (著)

京橋にある翠波画廊のオーナーによる2冊目のテーマは、今大流行中の「ビジネスとアート」に関する本です。
https://www.suiha.co.jp/

あの東京国立近代美術館でさえも、ビジネス×アートを前面に打ち出し、有料でトークイベントを開催する時代です。

「アートに正解はない」。東京国立近代美術館がビジネスパーソン向けの対話鑑賞プログラムを行う理由



類書が既に何冊も出ていますが、高橋氏の前著『「値段」で読み解く 魅惑のフランス近代絵画』がとても読みやすく楽しめたので『アートに学ぶ6つの「ビジネス法則」』も手に取ってみました。

《参考》
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4708



居丈高でなく、一般の鑑賞者やアート初心者の目線に寄りそうような盒胸瓩諒絃呂蓮△海亮蠅遼椶涼罎任郎任眇討靴澆笋垢、ちょっとした時間の合間に気軽に読めます。

勤め人から画廊の店主へ独立して約30年の間に経験してきた「売り手」の視点から基本的に書かれていますが、時としてその逆もあったりします。

タイトルにもあるように、「遊び力」「物語力」「俯瞰力」「観察力」「共感力」「類推力」6つのキーワードを軸に展開されています。

《目次》
第1章 アートとは何か
【コラム1】画家のキャリアは何歳がピークなのか?
第2章 遊び力「アートの自由さが、ビジネスに革命をもたらす」
【コラム2】どのような絵画の値が上がるのか
第3章 物語力「ストーリーが、お客様の心を動かす」
【コラム3】画家の人生は映画の題材にうってつけか?
第4章 俯瞰力「全体を俯瞰する力が、ビジネスに新しい局面を開く」
【コラム4】画家が死んでも残るもの
第5章 観察力「微に入り細を穿つ観察力が、ビジネスを強固にする」
【コラム5】草間彌生はいつから人気作家になったのか
第6章 共感力「アートの共感力が、お客様との信頼関係をつくる」
【コラム6】我が子のように愛したコレクション
第7章 類推力「異なるものを関連付ける類推力が、ビジネスアイデアを生む」
【コラム7】なぜ名画の価格はこんなに高いのか?
第8章 美に対する憧憬「アートの美が、お客様をひきつける」
【コラム8】アートマーケットが大きくならない日本
第9章 美術教養「アートは知れば知るほど面白くなる」



パンは誰が食べても、味覚の差が多少あってもパンですが、絵画の場合は、人によっては何百万払っても惜しくないものであっても、他の人にはほとんど興味が湧かないものだったりするのです。

休日になると何も他の選択肢は考えずにまず美術館へ向かう自分のような展覧会ジャンキーには、こうした当り前のことが意外と心に刺さるものです。

「当り前」をまず疑ってみる気持ちはアート作品と向かい合う際に忘れてはいけない大事な姿勢です。ビジネスでも自動車の運転でも「慣れ」からミスは起きるものですからね。



InstagramやTwitterなどSNSが展覧会の入場者数や作品の認知度をある意味、革命的に変化させる事象は皆さんも幾度となく目にしてきたはずです。

チーム・ラボ作品などその最たる例で、テキストであれこれと制作意図や込められた思いを語るよりも、SNSで拡散された写真が大きく知名度アップに寄与していることは、今更語ることもありません。

しかし、盒胸瓩郎から20年前にその前兆を体験していたのです。オランダの画家、ハンス・イヌメ(HANS INNEMEE)の絵を通して。


ハンス・イヌメ「意識と接触・・・・
https://www.suiha.co.jp/より。

パリの画廊で初めてこの作家の作品を目にした時、会期中にも関わらず全て売約済みの赤いシールが貼られていたそうです。

そこそこ知られていたとは言え、完売は異例です。そこにはある女性が絡んでいました。

個展の準備中にたまたま画廊の前を通りかかった女性がイヌメの作品に一目惚れし、その場で11点も購入してくれたそうです。

その女性こそ、スーパーモデルのクラウディア・シファー!しかもその日のテレビの番組で「とても良い出会いがあったの!」と彼の作品を紹介したのです。



この逸話は、インフルエンサーの元祖を紹介のために書かれているのではありません。作品には物語(ストーリー)が必要だと訴える文脈上で出てきます。

こうした、長年の経験談がベースとなっているので、『アートに学ぶ6つの「ビジネス法則」』は冒頭で述べたように、とっつきやすく親しみやすいのです。

読んで仕事にすぐに役立つとか、鑑賞力がメキメキ上達するなんてことは、何をしてもあり得ません。仕事も勉強も絵画鑑賞もそして人間関係も、日々のコツコツとした努力の上に成り立つものです。



この写真を見て「あっ!」と、とある画家の名前が出てくる人とそうでない人がいるように。

知識ではなく、絵画鑑賞や日々の生活でのヒントを記してくれている一冊なので、学生さんや主婦の方にもおススメできます。

盒胸瓩箸呂会いしたことありませんが、是非トークイベントでもご一緒できたなら〜とぼんやり考えながら読み進めました。


アートに学ぶ6つの「ビジネス法則」
盒極郎 (著)

「遊び力」「物語力」「俯瞰力」「観察力」「共感力」「類推力」。 未来のビジネスに必要な6つの「アート力」とは何か。 バブル崩壊後に独立し、様々な苦難を乗り越えた画廊経営歴30年の著者だからこそ語れる、 ビジネスのヒントになるアートの魅力! 本書は9章構成になっていますが、本編とは別に「うんちく」ともなるコラムが併録。 いろいろなアートの切り口から、ビジネスへのヒントが得られます。


「値段」で読み解く 魅惑のフランス近代絵画
盒極郎 (著)

レビュー
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4708

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この記事のURL
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アートに関する書籍というと、アートの専門知識がないとやや敷居が高い、と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、アートにも物語、ストーリーが必ずあります。それは、アートを手がけているのが、人間だからです。人間の営み、人生には物語がつきものです。なぜゴッホは貧乏だったのか、なぜピカソの絵は高いのか。そういった理由も、それぞれの物語があるためです。アートの専門知識が必要というわけでもないのです。 本書では、アートから学べる6つのビジネス法則を説いていますが、「物語力」もそのうちのひとつ。ビジネスにおいても、ブランド構築のためには物語、ストーリーが必要になっています。人は、物語やストーリーに共感して、初めてモノやサービスを買うからです。 本書は、アートの初学の方、これまでアートに精通してきた方、あるいは、アートの力をまさにビジネスに結びつけたいと考えている方におすすめの一冊です。 未来のビジネスのヒントは、アートに隠されている。ぜひ本書を通じて、ご自身で見つけてみてください。
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