青い日記帳 

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「クリスチャン・ボルタンスキー展」

国立新美術館で開催中の
「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」展に行って来ました。


https://boltanski2019.exhibit.jp/

国立国際美術館(2月9日〜5月6日)で今年の2月に同展覧会を観ていましたが、ボルタンスキーはその会場に合わせた展示を行うので、東京展はどれだけ違っているのかが個人的に一番の関心どころでした。

国立国際美術館「クリスチャン・ボルタンスキー − Lifetime」展

結論からまず書いておくと、大阪と東京の展示はかなり違います。

勿論、出ている作品に大差はありません。東京展限定の展示もあることはありますが、そうした点数の問題ではなく、やはり一番大きな要因は会場です。



天井高が7.8メートルはある国立新美術館2階展示室を思い切り使ってしまえ〜という作家の思惑がこうした展示を生んでいます。

引きだと分かりませんが、モノクロの子どもらの顔が掲げられ、まるで祭壇画のようです。

第一印象は「ボルタンスキーにしては明るい!」でした。越後妻有「最後の教室」を引き合いに出すまでもなく、彼の作品は独特の憂いを帯びた暗さが魅力といえます。



これでも一般の展示に比べたら照度は落としてある方ですが、ボルタンスキーの作品を鑑賞する場としてはまだまだです。

大阪の会場も天井はそれなりに高いのですが、意図的に全体を暗くしてありました。「黄金の海」は東京ではまさに金ぴかでしたが、大阪は真っ暗でした。

画像載せてあるので確認してみて下さい。
国立国際美術館「クリスチャン・ボルタンスキー − Lifetime」展


クリスチャン・ボルタンスキー「黄金の海」2017年

どちらが良い悪いとかそんな単純な比較は勿論出来ません。ましてや東京展が初めての方にとっては目の前にあるものが「ボルタンスキー展」そのものです。

幸運にも自分は2会場で体験できたので、その違いを味わいながら彼が作り上げた空間にどっぷりと浸ることが出来ました。

ひとつだけ会場で気になったのが、解説付きの作品リストを熱心に読みながら鑑賞されている方の多い点です。


ボルタンスキー展作品リスト(とても丁寧に作られています)

大阪展ではここまで丁寧なものはなかったので、自ずと作品だけに集中し暗い会場にいる者同士一体感を味わいつつ鑑賞しました。

ところが、東京展は7割ほどの方が解説を読まれており、一体感は大阪のそれとは比べ物にならないほど低く、バラバラでした。

それを否定しているわけではありません。その状態がいかにも東京らしいな〜と感じたまでです。


クリスチャン・ボルタンスキー「白いモニュメント、来世」2019年

これも大阪展とは全然違ったので驚きました。

「展覧会をひとつの作品のように見せる」と自ら語るボルタンスキーだけあり、同じタイトルの展覧会でも、箱が変われば見せ方を大きく変えてくるのです。

死について、ユダヤ人虐殺について、人とは何かについて。インスタレーションを通じ作家が投げかけんとするボールを如何にキャッチできるかどうかで、評価の変わる展覧会



まずは、解説は読まずにタイトルもリストで確認せずに、ざーーーと「DEPART」(出発)から「ARRIUEE」(到着)と題された作品を通しで観ましょう。

何か心に引っ掛かるものや、感じることがあるはずです。必ず。

それを水先案内人として2周目からはリストと解説を読みながら進んで行きましょう。そうか、明るいのは解説を読むためか(多分違う…)


クリスチャン・ボルタンスキー「黄昏」2015年

会期初めは全部の明りが点いていますが、毎日毎日消えていき、最後は真っ暗に。そう展覧会の終焉「死」へと向かうのです。

会場だけでなく、同じ空間でも観に行くタイミングで作品すらも変化するボルタンスキーの変容するインスタレーション。


クリスチャン・ボルタンスキー(CHRISTIAN BOLTANSKI)1944年生まれ

東京展のあとは、最後に長崎県美術館(10月18日〜2020年1月5日)へ巡回します。

こうなると長崎へも観に行きたくなるものです。困るな〜ボルタンスキーさんったら。

「クリスチャン・ボルタンスキー展」は9月2日までです。是非是非!


「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」

会期:2019年6月12日(水)〜9月2日(月)
休館日:毎週火曜日
開館時間」10:00〜18:00
※毎週金・土曜日は、6月は20:00まで、7・8月は21:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7−22−2
主催:国立新美術館、朝日新聞社
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
協力:アニエスベージャパン株式会社
https://boltanski2019.exhibit.jp/


クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime

自己/他者の記憶、生/死、人間の不在/存在の痕跡をテーマとし、さまざまな素材、表現方法を用い、世界各地で創作活動を続けてきた作家の1960年代後半の初期作品から最新作までを紹介する大回顧展「クリスチャン・ボルタンスキー ― Lifetime」の公式図録。
展覧会担当者らによる論考、ボルタンスキーと杉本博司の対談、関口涼子のテキスト等掲載。


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現代のフランスを代表する作家、クリスチャン・ボルタンスキー(1944年-)の活動の全貌を紹介する、日本では過去最大規模の回顧展です。作家は1960年代後半から短編フィルムを発表、1970年代には写真を積極的に用いて、自己や他者の記憶にまつわる作品を制作し、注目されます。1980年代に入ると、光を用いたインスタレーションで宗教的なテーマに取り組み、国際的な評価を獲得。その後も歴史や記憶、人間の存在の痕跡といったものをテーマに据え、世界中で作品を発表しています。
本展では、50年にわたるボルタンスキーの様々な試みを振り返ると同時に、「空間のアーティスト」と自負する作家自身が、展覧会場に合わせたインスタレーションを手がけます。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

確かに薄暗くてお化け屋敷の様相でしたが大阪国際美術館はもっと暗いのですね。以前観た庭園美術館展でもかなり暗い影絵のインスタレーションが在った記憶が在りました!
pinewood | 2019/09/02 7:16 PM
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