青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< November 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< ニトリが運営する小樽芸術村に行って来ました。 | main | 「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展」 >>

「三国志展」

東京国立博物館で開催中の
日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」に行って来ました。


https://sangokushi2019.exhibit.jp/

展覧会にどんなに良い作品を集めてきても、物語が伴わないとその魅力は半減してしまいます。それとは逆にしっかりとした物語があれば2倍、3倍、10倍増しになるものです。

「三国志展」はそれを最も成功させている好例と言えます。


一級文物「五層穀倉楼」後漢時代・2世紀
1973年、河南省焦作市山陽区馬作出土 焦作市博物館

例えば、日本の国宝にあたる一級文物に指定されている今から1800年も昔に中国で作られたこの土製の大きな作品。

「三国志」の登場人物とは直接関係している作品ではありませんが、「リアル三国志」という文脈の展示に置かれるとひと際輝きを増してきます。


一級文物「酒樽」後漢時代・2〜3世紀
1969年、甘粛省武威市雷台墓出土 甘粛省博物館

東京国立博物館では何年かに一度、中国からお宝を借りてきて特別展を開催しています。「中国 王朝の至宝」(2012年)、「誕生!中国文明展」(2010年)などはまだ記憶に新しいところです。

ところが、仏像展や日本美術展に比べると中国文化を紹介する展覧会は全くと言っていいほど人気がありません。「中国 王朝の至宝」、「誕生!中国文明展」とも内容は素晴らしかったにも関わらず。。。

両展ともめっちゃ周りに勧めたのですが反応はいま一つでした。一級品が揃っているにも関わらず何が足りなかったのでしょうか。それが冒頭で記した「物語」に他なりません。


一級文物「銅鼓」三国(呉)〜南北朝時代・3〜6世紀
1964年、広西チワン族自治区藤県和平区古竹郷出土 広西民族博物館

翻って今回の中国古代文化を紹介する同じような展覧会ですが、「三国志」という圧倒的な知名度の物語が主軸として存在しています。

普段滅多にお目にかかれない中国からやってきた素晴らしい作品に誰もが知る「物語」が加われば、まさに鬼に金棒です。私たちは作品を見ながらその裏にある物語を常に求めているのです。

展覧会の構成は以下の通りです。

プロローグ 伝説のなかの三国志
第一章 曹操・劉備・孫権―英傑たちのルーツ
第二章 漢王朝の光と影
第三章 魏・蜀・呉―三国の鼎立
第四章 三国歴訪
第五章 曹操高陵と三国大墓
エピローグ 三国の終焉―天下は誰の手に



儀仗俑」後漢時代・2〜3世紀
1969年、甘粛省武威市雷台墓出土 甘粛省博物館

章立てもよく考えられ物語性を高めるのに一役買っています。たとえ「三国志」を読んだことがない人でもワクワクしながら作品を見ていけるような工夫が随所になされてもいます。

上手いな〜と思ったのは、要所要所にNHK「人形劇 三国志」で実際に使用された、川本喜八郎さんが手掛けた人形が展示ケースに鎮座している点です。


甘寧
長野県・飯田市川本喜八郎人形美術館

遺物や資料を並べるだけでなく、視覚的に分かりやすい人形を配置することで「リアル三国志」の世界にさらに没入できるのです。

またこれだけではありません。合戦の様子も視覚効果を存分に生かした展示で、臨場感を演出しています。



弩(クロスボウ)から的に向け一斉に放たれた矢を、現代アートのインスタレーション顔負けの展示で見せてくれます。

一点一点は決して派手でない(地味な)一級文物にちと飽きたかな〜というタイミングで、こうした特殊展示を挟んでくのは脱帽です。

「あっこの展覧会来て良かった」と思わせることに見事成功しています。尚、「三国志展」写真撮影全作品OKです。この弓矢の嵐の中に立ち写真を撮っている方何人もいました。


曹操の墓室をまさか、平成館の会場内に実寸で作り上げるとは…

展示作品、物語性、そして見せ方の三拍子が全て揃った「三国志展」。これまで中国関連の展覧会を敬遠されていた方でもこれなら存分に楽しめるはずです。

勿論、根っからの「三国志」マニアにとっては、まさに夢のような展覧会です。

個人的にこれは!と思う作品数多あった中で、あえて最後にこちらを紹介しておきます。


鎮墓俑」後漢時代・1世紀
1999年、重慶市巫山県麦沱47号墓出土 重慶中国三峡博物館

超能力で邪気や盗賊から墓を護るために副葬された俑。有名な兵馬俑と比べるととてもコミカルな表情をしています。

左手に毒蛇を握り、長い舌を胸の部分まで垂らしており、よく見ると牙や角まで生えています。

今の我々の目から見てもちっとも恐ろしくありませんが、2000年近くも土の中で墓を護っていたことを思うと見た目とは違う「恐ろしさ」を感じました。


一級文物「揺銭樹」後漢時代・2世紀
1983年、四川省広漢市新豊鎮獅象村出土 広漢市文物管理所(広漢市博物館)

英雄たちが駆け抜けた時代の文物から曹操高陵発掘レポまで見どころ満載の特別展「三国志」。きっと想像しているよりも何倍も楽しめるはずです。

「三国志展」は9月16日までです。是非是非!(個人利用にかぎり展示室内で写真撮影ができます。)


日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」

会期:2019年7月9日(火)〜9月16日(月・祝)
会場:東京国立博物館 平成館(上野公園)
開館時間:9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館)
休館日:月曜日、7月16日(火)
(ただし7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)は開館)
会場:東京国立博物館 平成館
https://www.tnm.jp/
主催:東京国立博物館、中国文物交流中心、 NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
後援外務省、中国国家文物局、中国大使館
協賛大日本印刷、三井住友海上火災保険、三井物産
協力飯田市川本喜八郎人形美術館、 コーエーテクモゲームス、日本航空、光プロダクション

展覧会公式サイト:
https://sangokushi2019.exhibit.jp/


三国志 全60巻箱入 (希望コミックス)
横山光輝(著)

Twitterやってます。
@taktwi

Facebookもチェック!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5546

JUGEMテーマ:アート・デザイン



本展は、「リアル三国志」を合言葉に、漢から三国の時代の文物を最新の成果によって読み解きます。2世紀末、漢王朝の権威がかげりをみせるなか、各地の有力武将が次々に歴史の表舞台へと躍り出ました。そうして魏、蜀、呉の三国が天下を分かち、新時代へと向かう大きなうねりとなりました。近年、三国志をめぐる研究は曹操高陵(そうそうこうりょう)の発掘など空前の活況を呈しています。それらは実物ならではの説得力と、歴史書や物語をしのぐ迫力があります。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

僕も三国志展、行ってきました。
とても良かったです。
全部巡るのに3時間ほどかかりました。
kaze | 2019/08/18 8:05 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/5546
この記事に対するトラックバック