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「ジュリアン・オピー展」

東京オペラシティアートギャラリーで開催中の
「ジュリアン・オピー展」に行って来ました。


https://www.operacity.jp/ag/exh223/

2008年、水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催された「ジュリアン・オピー展」から11年が経過し、都内では初となる大規模展がようやく実現しました。

2015年にGMO Galleryで個人コレクションを会社内で展示公開した「熊谷コレクション 〜オフィスとアートの新しい関係〜ジュリアン・オピーの世界」展もあったため、さほど久々感はありませんでした。

しかし、会場がオペラシティなので期待値は嫌でも高まります。そして案の定、空間を最大限に生かした展示が実現していました。



展示構成やキュレーションはオピー自身によるものです。まず会場を入って驚くのが6メートル四方はある大作です。作品はバラバラにパズルのピースのような状態で空輸されてきたものを、ここの会場で組み上げたそうです。

因みに展示室の壁を黒く塗り、人物像の輪郭線としています。これは引きで観ていると会場でもそれに気が付かないほどある意味で巧妙です。

鑑賞者に「おやっ?!」と思わせることこ関してはオピーはいつも天才的な能力を発揮し、アイディアも枯渇しません。



また作品タイトルを連想するのもオピー展の楽しみのひとつです。会場内にはキャプションは貼られていません。「省略の美」を追い求めるオピーの意向により。

作品リストがもらえるのでそれがあれば確かに十分事は足ります。さて、この女性の彫刻のタイトル名は何でしょう??

今回のオピー展ではLEDを用いた作品が多く見られます。



中でも最も目を引き、長い時間飽きずに観ていられるのがこのカラスをLEDで表した作品です。

写真撮影可能な展示なのに、作品に集中し過ぎて撮るのを忘れてきてしまいました…これが5つ(5羽)ランダムに、床に置かれています。

5羽とも基本的な動きは単純なのですが、瞬間瞬間で捉えるとそれぞれ違った動きをしており、一度たりとも「同じ」になることはありません。時々糞をしたりもします。

私達も毎日ルーティンワークに忙殺されていますが、一日たりとも「同じ」日は決してありません。キョロキョロと落ち着きのないLEDのカラスをぼんやり見ているうちに、自分の姿と重なってきました。



オピーは展覧会カタログにLEDについてこのように述べています。ご参考まで。
LEDのスクリーンはとても明るくてキャッチーだ。実のところ、現代においてそれは、かつての煌めく黄金と同じ位置づけにあるのではないだろうか、最近は変わってきているとはいえ、エンターテイメントに使うには解像度が低すぎたこともあって、LEDのスクリーンは、緊急で重要な、公式の情報を伝えるために使われることが多い。ゆえにそこには権威性がある。人はそれに、電車が来る時間や、道を横断すべきタイミングを指示されるのだから。LEDのスクリーンに穏やかな美しさを期待する人なんて誰もいない。


これまでは、浮世絵との繋がりばかり気になっていましたが、今回の展覧会では古代エジプトの横向きの壁画が常に頭の片隅にへばりついていました。

特にカラスやヒツジなどの動物作品が幾つか混じっていたのも影響しているかと思います。カラスなんてよく見るとまんま古代エジプト壁画に描かれたトリだったりします。

総作品数が27点しかないので水戸芸と比べると随分と淡白な展示に感じますが、目に見えない作品まで今回出していて相変わらず楽しませてくれることには変わりありません。



どこかにありそうでどこにも存在しないビル。
どこかにいそうでどこにもいない人。
公園にいそうなLEDのカラス。

インディアンを見かけたというのは、つまりインディアンはそこにいないということです。」村上春樹の小説『めくらやなぎと眠る女』のこんな台詞を思い出しながら、会場を後にしました。

「ジュリアン・オピー展」は9月23日までです。それにしてもジュリアン・オピー一家がそれほどまでマラソン好きだったとは知らなかった…


ジュリアン・オピー
Julian Opie


期間:2019年7月10日(水)〜 9月23日(月)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー[3Fギャラリー1, 2]
開館時間:11:00〜19:00
(金・土は11:00〜20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月4日[日](全館休館日)
会場:東京オペラシティアートギャラリー
https://www.operacity.jp/ag/
主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:ジャパンリアルエステイト投資法人
協力:MAHO KUBOTA GALLERY


めくらやなぎと眠る女
村上春樹(著)

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日本の美術館では11年ぶりに開催されるジュリアン・オピーの大型個展です。前回は2008年、水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催され、日本でのオピーの人気を決定的なものにしました。
ジュリアン・オピーといえば、輪郭線のはっきりした、目を黒い点で表現しただけの実にシンプルな、それでいてモデルの個性や性格が的確に伝わってくる、1990年代後半から2000年代半ばのポートレイトを思い浮かべるかも知れません。近年のオピーは、都市の通りを行き交う人々を表現した絵画や映像、都市のビル群の立体やLEDによるカラス、田園風景や羊の彫刻、ジョギングする人々など、幅広い作品を制作しています。
本展は、作家自選による絵画、彫刻、映像など、本展で初めて公開される新作を中心に構成し、ジュリアン・オピーの現在を紹介します。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

本当によく観察された表現なんですね!
pinewood | 2019/09/13 7:48 PM
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