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「円山応挙から近代京都画壇へ」

東京藝術大学大学美術館にて開催中の
「円山応挙から近代京都画壇へ」展に行って来ました。

もふもふがいっぱい!「円山応挙から近代京都画壇へ」


https://okyokindai2019.exhibit.jp/

一番インパクトのある兵庫県・大乗寺、重要文化財の襖絵群の再現展示をまず展覧会の頭に持ってきています。会場に入るといきなりどーんと展開されています。


円山応挙「松に孔雀図」(重要文化財)寛政7年(1795)
兵庫・大乗寺

円山応挙の最晩年、亡くなった年に描かれた襖絵をここまで近寄って観られるとは!兵庫・大乗寺へ行っても保存の関係からレプリカしか見られません。

今回の展覧会では、この重文指定の襖絵群を大乗寺客殿各室の雰囲気そのままに体感できる贅沢な立体的展示を行います。


円山応挙「松に孔雀図」(重要文化財)寛政7年(1795)
兵庫・大乗寺
【兵庫県・大乗寺、重要文化財の襖絵群の再現展示】
兵庫県の日本海側、香美町にある大乗寺は、「応挙寺」とも呼ばれ親しまれています。円山応挙は天明7年(1787)に同寺と障壁画制作の契約を交わすと、一門を率いてその制作にあたりました。応挙自身が大乗寺を訪れたという記録はなく、京都の画室で制作したものを弟子たちに委ねたものと考えられています。東京では約10年ぶりとなる大乗寺襖絵の展示。応挙の「松に孔雀図」を中心に立体展示し、円山・四条派の系譜を合わせてご覧いただきます。
展覧会の前半と後半で大幅に展示替えが行われますが、今回の展覧会のアイコンとも言うべき応挙の「松に孔雀図」は9月29日の閉館日まで観られます。

三井記念美術館が所蔵する応挙の国宝「雪松図屏風」の画像をあらためてチェックしてから、大乗寺の襖絵を観るととても面白いと思います。

国宝「雪松図屏風」雪を描かずに雪を描いた天才・円山応挙の傑作【ニッポンの国宝ファイル14】


円山応挙「松に孔雀図」(重要文化財)寛政7年(1795)
兵庫・大乗寺

金地に墨だけで描かれているとは思えないほど、立体感がありそして「色」すら感じられます。この距離で観られるなんてまずありませんので、もうこれだけ1時間でも2時間でもかけて舐めまわすように鑑賞して下さい。

若冲などに比べると応挙作品はインパクトが乏しいように、今の我々の目だと見えてしまいます。しかし、当時の人々を驚かせ度肝を抜かせたのは、間違いなく円山応挙だったのです。


「円山応挙から近代京都画壇へ」大乗寺襖絵再現展示

応挙がライバルひしめく京都画壇でトップの座に登りつめたのにはわけがあります。それは身近にある自然を徹底的に観察し花鳥や動物たちを生き生きと映し出した写生画をウリにしたからです。

松の葉一本一本、枝や幹の表面のザラザラ感もしっかりと表しています。写真を知っている我々の目には新鮮味はないかもしれませんが、江戸時代の人々たちを応挙の写生画はまさにくぎ付けにしたのです。

写真を見慣れた我々には応挙作品は、凡庸に見えるかもしれません。しかし応挙の魅力は描写力だけでは決してありません。

そうでなければ、時代が明治となってからも竹内栖鳳や上村松園といった近代日本画家に受け継がれるはずがありません。


円山応挙から近代京都画壇へ」展示風景

展覧会の構成は以下の通りです。

すべては応挙にはじまる。
孔雀、虎、犬。命を描く。
山、川、滝。自然を写す。
美人、仙人、物語を紡ぐ。



円山・四条派主要画家の系譜

さて、大乗寺襖絵だけの展覧会のように書いてしまいましたが、展覧会自体は京都に誕生し後の日本画に大きな影響を与えた「円山・四条派」の絵師たちの作品を丁寧に紹介しています。

「円山・四条派」展とでも言うべき内容です。これだけまとめて体系的に観られる展覧会は今回が初めてのこと。京都に太いつながりがないと実現不可能な布陣です。


岸竹堂「猛虎図」明治23年(1890)
株式会社 千總

京友禅着物の老舗「千總」が所蔵する京都画壇の名品がかなりの数まとめて観られます。

造花工藝作家・岡田歩が千總コレクションを元に季節の花を制作

自分としてはまだまだ円山・四条派に対する知識が足りなかったことを痛感させられる展覧会でもありました。系譜などを傍らに新たにこの夏、円山・四条派について学ぼうと強く心に思った次第です。


山元春挙「しぐれ来る瀞峡」昭和6年(1931) 滋賀県立近代美術館
上村松園「羅浮仙女図」大正時代末期

応挙、呉春から、鈴木百年、岸竹堂、幸野楳嶺等へと受け継がれ、近代京都画壇を牽引した竹内栖鳳、山元春挙、今尾景年、上村松園等まで。

一度行っただけでは消化不良だったので、求龍堂より一般書籍としても出ている展覧会図録を徹底的に読んで再び藝大美術館へ伺うことにします。

日本美術史のなかで重要な位置を占める京都画壇。なかなか一筋縄ではいきません。勉強あるのみ。それにしてもよく開催できたな〜と感心しっぱなしでした。

「円山応挙から近代京都画壇へ」は9月29日までです。是非是非!!


「円山応挙から近代京都画壇へ」

会期
前期:2019年8月3日(土) - 9月1日(日)
後期:2019年9月3日(火) - 9月29日(日)
前期後期で大展示替え
※ただし、大乗寺襖絵は通期展示
午前10時 - 午後5時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日
※ ただし、月曜日が祝日または振替休日の場合は開館、翌日休館
会場:東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2、3、4
https://www.geidai.ac.jp/museum/
主催:東京藝術大学、朝日新聞社
後援:台東区
協賛:岡村印刷工業
展覧会公式サイト:https://okyokindai2019.exhibit.jp/

11月2日から京都国立近代美術館へ巡回します。


源「四季花鳥図」江戸時代中期〜後期
京都国立博物館

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江戸時代、京都では、伝統的な流派である京狩野、土佐派をはじめとして、池大雅や与謝蕪村などの文人画、近年一大ブームを巻き起こした伊藤若冲や曽我蕭白、岸駒を祖とする岸派や原在中の原派、大坂でも活躍した森派など、様々な画家や流派が群雄割拠のごとく特色のある画風を確立していました。しかし、明治維新以降、京都画壇の主流派となったのは円山・四条派でした。円山・四条派とは、文字通り円山派と四条派を融合した流派です。
円山派の祖である円山応挙が現れたことで京都画壇の様相は一変しました。応挙が得意とした写生画は画題の解釈を必要とせず、見るだけで楽しめる精密な筆致が多くの人に受け入れられ、爆発的な人気を博しました。京都の画家たちはこぞって写生画を描くようになり、応挙のもとには多くの門下生が集まって、円山派という一流派を形成しました。
四条派の祖である呉春は、初め与謝蕪村に学び、蕪村没後は応挙の画風を学んだことで、応挙の写生画に蕪村の瀟洒な情趣を加味した画風を確立しました。呉春の住まいが四条にあったため四条派と呼ばれたこの画風は、弟の松村景文や岡本豊彦などの弟子たちに受け継がれ、京都の主流派となりました。呉春が応挙の画風を学んでいる上、幸野楳嶺のように円山派の中島来章と四条派の塩川文麟の両者に師事した画家も現れたこともあり、いつの頃からか円山派と四条派を合わせて円山・四条派と呼ぶようになりました。
応挙・呉春を源泉とする円山・四条派の流れは、鈴木百年、岸竹堂、幸野楳嶺等へと受け継がれ、それぞれの門下から、近代京都画壇を牽引した竹内栖鳳、山元春挙、今尾景年、上村松園等を輩出しました。彼らは博覧会や、日本で初めての公設美術展覧会である文部省美術展覧会で活躍し、全国に円山・四条派の名を広めました。一方で、栖鳳たちは、自身の塾や、教鞭を執った京都府画学校や京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校で多くの近代京画壇の発展に資する後進たちを育てています。
本展では、応挙、呉春から戦前までの系譜を丁寧に追うことで、円山・四条派の全貌に迫るとともに、日本美術史のなかで重要な位置を占める京都画壇の様相の一端を明らかにするものです。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

円山応挙の形象を捉える力だけでなく気をも絵画化する写実の極致を見た想いです!
pinewood | 2019/09/29 6:45 PM
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