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「線の迷宮〈ラビリンス〉」第3弾開催!

目黒区美術館にて「線の迷宮〈ラビリンス〉 齋藤芽生とフローラの神殿」が2019年10月12日より開催されます。


https://www.mmat.jp/

「線の迷宮〈ラビリンス〉」展は決して派手な展覧会ではありませんが、コアな美術ファンの間ではちょっとした伝説となっている展覧会です。

これまで「細密版画の魅力」展(2002年)、「鉛筆と黒鉛の旋律」展(2007年)とシリーズ展開されてきました。

第2回目以降「線の迷宮〈ラビリンス〉」展が久しく開催されていませんでしたが、2019年秋に復活を遂げます!


齋藤芽生《徒花図鑑「斜陽葵」》2008年 個人蔵
Photo (C)Ken Kato
Courtesy of gallery Art Unlimited

今回は齋藤芽生さんの作品を中心に展覧会が構成されます。以前こちらの記事で紹介した作家さんです→齋藤芽生『徒花図鑑』

齋藤芽生(さいとう めお)
1973年東京都生まれ。現在東京在住、東京藝術大学准教授。おもな展覧会に、「VOCA 展 現代美術の新しい地平―新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、2005・2010年)、「アーティストファイル2009―現代の作家たち」(国立新美術館、2009年)、「祝祭と祈りのテキスタイル」(熊本市現代美術館、2010年)、「大原美術館 秋の有隣荘特別公開 齋藤芽生 密愛村」(大原美術館、2016年)他がある。また、おもな出版物に、作品集『徒花図鑑』(芸術新聞社、2011年)、『四畳半みくじ』(芸術新聞社、2014年)、絵本『吸血鬼のおはなし』(福音館書店、2009年)、絵本『カステラ、カステラ』(福音館書店、2013年)などがある。
1 花の迷宮


齋藤芽生《徒花図鑑「間男蔓」》 2008年 個人蔵
Photo (C)Ken Kato
Courtesy of gallery Art Unlimited

「徒花図鑑」の作品を一度にまとめて観られる好機。描かれているのは花でありながら、その実……

2 窓の光景


齋藤芽生
晒野団地四畳半詣「緋装束花嫁巡礼」》2006年 個人蔵
Photo (C)Ken Kato
Courtesy of gallery Art Unlimited

団地の窓をテーマとして描いた一風変わった作品群。しかし窓は内から外を見るものであるのと同時に、外から内を覗き見るものでもあります。

そして閉ざされたり解放されたりと、窓が有するメタファーは無限にあります。

3 旅をする魂


齋藤芽生《密愛村 「蝉時雨を売る少女」
2016年 個人蔵
Photo (C)Ken Kato
Courtesy of gallery Art Unlimited

一気に描く対象が広がります。「旅」と題したのはそのためでしょう。バラバラで見て来た齋藤芽生さんの作品が一堂に会した時、果たしてどんな印象を受けるのかそれが最も興味があります。

これまでの「線の迷宮〈ラビリンス〉」をご覧になられていなくても第3弾である「齋藤芽生とフローラの神殿」は必ず楽しめる展覧会となるはずです。


R. J.ソーントン編、ライナグル(花)とペザー(風景)画 ダンカートン版刻《フローラの神殿「夜の女王」
1800年 町田市立国際版画美術館蔵
《フローラの神殿》
19世紀の植物図鑑の名作《フローラの神殿》(1798-1807年刊行)は、博物学者 リンネが始めた雄しべと雌しべによる植物分類法に感銘を受けた、ロバート・ジョン・ソーントンにより編集されました。学生時代の齋藤芽生にも刺激を与えたという本作には、28種の花々の、堂々たる姿が描かれています。同時に、背景が無地となることの多い植物図鑑には珍しく、急峻な山岳や渓谷、古城など、趣向を凝らした世界各地の風景が描写されており、当時の世界に対するまなざしを見て取ることができます。
何万人も大挙して押し寄せる展覧会も大好物ですが、こうしたマニアックな展示も同様、それ以上にワクワクさせられます。

「線の迷宮〈ラビリンス〉 齋藤芽生とフローラの神殿」要チェックです!


「線の迷宮〈ラビリンス〉 齋藤芽生とフローラの神殿」
会期:2019年10月12日(土)〜2019年12月1日(日)
休館日:月曜日 ただし、10月14日(月・祝)及び11月4日(月・休)は開館し、10月15日(火)及び11月5日(火)は休館。
時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
会場:目黒区立美術館
https://www.mmat.jp/
主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館
協力:ギャラリー・アートアンリミテッド、町田市立国際版画美術館


齋藤芽生《密愛村掘嵬輸される乙女たち」》2011年 個人蔵
Photo (C)Ken Kato
Courtesy of gallery Art Unlimited


徒花図鑑 齋藤芽生作品集

齋藤芽生『徒花図鑑』レビュー

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「美術と文学の間で揺れ動いていた若い私にとって、博物学への興味は新鮮なビジョンをもたらした。一枚で独立した絵画ではなく、言葉と複数の絵からなる博物図鑑として、ものごとの体系を表現するアイディアを得たのだ。観察対象は外界の自然物ではなく、「表立って語られることのないひそやかな人生の縮図」だった。」
このように作家が語る、制作初期の《毒花(どくばな)図鑑》や《日本花色考》には、花に託された思春期の心理が、図鑑のかたちで表現されています。やがて花のモチーフから離れ、箱型の団地の窓を扱う一連のシリーズが始動。自らが幼少期を過ごした団地の記憶を元に描いた《晒野団地四畳半詣(さらしのだんちよじょうはんもうで)》では、窓枠の奥に人々の気配が描かれます。そしてその後、窓のうちの居住者へ向けられていた作家の観察眼は、外へと向かいます。図鑑や窓といった形式から脱し、日本各地への旅を重ねながらイメージを収集した現実の記録と過去の記憶がモチーフとなった《密愛村(みつあいむら)掘Ν検佞筺毀邁仟院覆里咾召)》。ここでは、ロードムービーの一場面をみるかのように、今も街道沿いに遍在する歓楽施設の跡地などが再構築されています。同時に、学生時代の作家にも刺激を与えたという植物図鑑《フローラの神殿》を展覧します。本作には、28種の花々の堂々たる姿が描かれるとともに、他に類を見ない詩的な背景描写がなされ、19世紀における世界へのまなざしを見て取ることができます。

本展は、齋藤芽生作品(約100点)と、植物図鑑の至宝《フローラの神殿》(30点)を同時に展覧し、「図鑑」のように複数の絵画と言葉で社会を描く現代作家の魅力に迫ります。
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