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「バスキア展」

森アーツセンターギャラリーで開催中の
「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」に行って来ました。


https://www.basquiat.tokyo/

アメリカ、ニューヨークで生まれ綺羅星の如く一世を風靡し、NYのアートシーンを大きく突き動かした画家・ジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat、1960年12月22日 - 1988年8月12日)

バスキアがもしまだ存命だったら還暦をそろそろ迎える歳となりますが、僅か27歳の若さでこの世を去ってしまい、今では文字通り伝説のアーティストとなっています。


Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York

会場入口で出迎える、伏目がちでどこか物憂げな表情のバスキアの写真を目にするとどうしても感傷的になってしまいます。

「もう少し長生きして多くの作品を描いて欲しかった」「親交の深かったウォーホルともっとハチャメチャな活動をして欲しかった」など、夭折したことをインプットされているが故に、否が応にもそう思うはずです。

しかし、そんなセンチメンタルな気分になっている暇はそこから先の展示空間には全く存在しません。あるのは圧倒的な熱量を帯びた初めて目にする作品群です。


「バスキア展」展示風景
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York

何年も前から「バスキア展」開催に向け作品交渉にあたり、当初は80点ほどの作品で構成される予定でしたが、開幕してみると180点ものバスキア作品で埋め尽くされることに。

展示作品が諸事情により減ってしまうことはよく耳にしますが、1.5倍にまで当初予定より増加する展覧会は、これまで聞いたことがありません。

鑑賞者の我々にとってはとても嬉しいことです。(保険料その他どれだけ高額になるのか心配しつつ…)


ジャン=ミシェル・バスキア「オニオンガム」1983年
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York

この作品中に「Made in Japan」という文字がはっきりと書かれています。お見逃しなきように!

さてさて、自分の記憶が定かなら、バスキア作品を目にしたのはBunkamuraで開催された「ベラルド・コレクション展」(2004年)が最後です。

しかもどの作品を観たのか今となってははっきりと覚えていません。ただバスキアという画家の存在はこれ以前からもちらほらと目にはしていました。

昨年、映画で当時のNYの様子やバスキアについて予習し、「バスキア展」に備え『Pen』も読み込んで出かけたおかげで、今回、知識はそれなりに頭の中にありました。


ジャン=ミシェル・バスキア「フーイー」1982年
高知県立美術館蔵
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York

ただ、そうした知識は実際にバスキアの作品と向き合うと、ほとんど必要ありません。それよりも鑑賞に堪え得る体力の方がよほど必須となります。

その理由は単純明快で、彼の作品それぞれが圧倒的なパワーを有しているからです。

残念なことに画集やwebの画像ではそれが微塵も伝わりません。落書きのように思えてしまう方もいるのではないでしょうか。

そんな人にこそ「バスキア展」はおススメです。とにかく実物が発する「作品力」は、身震いを覚え下手をすると自然に涙が流れてくるほど心を奥底から揺さぶります。


ジャン=ミシェル・バスキア「炭素/酸素」1984年
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York

一見するととてもラフに描きなぐった作品のように見えるかもしれません。でもバスキアは一枚の作品を完成させるのに何度も何度も修正を加えているのです。

満足して筆を起き、朝目覚めはやりここが違うと感じればまた筆を入れる作業を繰り返しました。

画商が完成するのを待てずに、バスキアに無断でアトリエから持ち帰ってしまったというエピソードも残されているほどです。


ジャン=ミシェル・バスキア「温度」1982年
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York

「無邪気な子どものような絵」という喩えもバスキア作品を前にすると、的を射ていない浅薄なものであるとすぐに理解できます。

逆に、考えに考え抜きそこに魂を込め描かないと、それこそ子どもの絵と同じになってしまいます。バスキアを「黒いピカソ」と讃える宮下規久朗先生の意見はなるほど尤もです。


ジャン=ミシェル・バスキア「無題」1985年
世田谷美術館蔵
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York

冷蔵の扉やこうしたスツールなどありとあらゆる身の回りにあるものをキャンバスとしたバスキア。珍しい立体作品として展示されています。

それにしても世田谷美術館がこんな作品を持っていたとは!世田谷美術館、この他にもバスキア作品出展しています。是非、常設展で見せて欲しいものです。

因みに画像右奥に写っている作品(「大寺院」)には京都を訪れた際に目にした五重塔が描かれています。きっと東寺の五重塔でしょう。


ジャン=ミシェル・バスキア「プラスティックのサックス」1984年
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York

バスキアはその短い人生の中で3回も日本を訪れています。某カフェの壁に直接描いたなど逸話も多く残されています。

そして彼ほど日本を愛した現代アーティストも珍しいのではないでしょうか。「プラスティックのサックス」にも日本語(日本の折り紙のパッケージなど)が描かれています。


プラスティックのサックス」(部分)
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York

正直なところ、「バスキア展」開催を心待ちにしていましたが、実際に作品を観てブログが書けるほどの感想を得られるか不安でした。上手く言語化できないのではと。

バスキア作品のどこがどう良いのかを言葉で説明するのは至難の業です。言語化した瞬間にチープなものとなり下がってしまうからです。

ところが、どうでしょう。こうしてスラスラと勢いよくブログに駄文を綴っています。そうさせたのは、取りも直さずバスキア作品の圧倒的な力です。


「バスキア展」展示風景。前澤友作さん所蔵の「無題」も出ています。
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York

繰り返しになりますが、会場で実際にバスキア作品と向かい合わないと言わんとしていることは伝わりません。

ここ数年で最も心を揺さぶられた展覧会であることは確かです。勿論今年のベスト10入り確定です。

四の五の言わずに、今すぐにでも六本木ヒルズ 森アーツセンターギャラリーへ行きましょう。これだけの規模の「バスキア展」が観られるのはこれが正真正銘最後です。


Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York

貴重なスケッチ、ドローイングもまとめて観られる好機です。

それにしても、展示作品多かったな〜

正直この半分、いや50点だけでも同じくらいの満足度を得られたはず。まだまだ感動の余韻当分冷めそうにありません。

※朗報です!「バスキア展」展覧会図録、一般書籍としても販売されます。Amazonでは9月30日出版予定となっています。


バスキア展 メイド・イン・ジャパン
ディーター・ブッフハート (編集), グルーヴィジョンズ (その他)
バスキア研究の世界的権威ディーター・ブッフハート氏が、バスキアと日本との多方面にわたる絆、日本の豊かな歴史や文化がその創作に及ぼした知られざる影響を明らかにする。世界各地から集めた約130点の絵画やオブジェ、ドローイングの図版のほか、ブッフハート氏、美術史家の宮下規久朗氏のエッセーやポートレート、年表などを収録した決定版。
「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」は11月17日までです。とにかく観に行きましょう!そして実物でしか味わえない大きな感動を得ましょう!!


「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」
Jean-Michel Basquiat Made in Japan


会期:2019年9月21日(土)〜 11月17日(日)
※休館日9月24日(火)
開館時間:10:00〜20:00(最終入館 19:30)
※ただし9月25日(水)、9月26日(木)、10月21日(月)は17:00まで(最終入館 16:30)
会場:森アーツセンターギャラリー
(六本木ヒルズ森タワー52階)
https://macg.roppongihills.com/jp/
主催:フジテレビジョン、森アーツセンター
特別協賛:株式会社ZOZO
協賛:損保ジャパン日本興亜
後援:アメリカ大使館、ニューヨーク市観光局、WOWOW、J-WAVE
キュレーター:ディーター・ブッフハート
アソシエイト・キュレーター:アナ・カリーナ・ホフバウアー、小野田 裕子
日本側監修:宮下 規久朗(神戸大学教授/美術史家)
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York


宮下規久朗氏(「バスキア展」日本側監修、神戸大学教授/美術史家)

ウォーホルの本を書いたことがあり、バスキアをアカデミックに紹介をする機会ということで日本側監修のご指名を受けました。本物の作品の前に立つと凹凸がはっきりしていて、鮮烈な色が印象的です。アフリカの歴史や黒人の歴史も詰まっています。それ以前に作品の持っている力が圧倒的なので、ぜひ会場で本物を見ていただきたいです。


Pen(ペン) 2019年10/1号 [ニューヨークを揺さぶった天才画家 バスキアを見たか。]

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1980年代のアートシーンに、彗星のごとく現れたジャン=ミシェル・バスキア。
わずか10年の活動期間に、新たな具象表現的な要素を採り入れた3,000点を超すドローイン グと1,000点以上の絵画作品を残しました。その作品は、彼自身の短い人生を物語るかのように、非常に強烈なエネルギーであふれているだけでなく、20世紀のモダニズム美術の流れを踏まえ、ジャズやヒップホップ、アフリカの民俗や人種問題など、黒人画家ならではの主題を扱っています。そのため、没後ますます名声が上昇し、今や20世紀美術最大の巨匠の一人として確固たる地位を占めるにいたりました。

本展では、バスキア研究の世界的権威ディーター・ブッフハート氏が、こうしたバスキアと日本との多方面にわたる絆、そして日本の豊かな歴史や文化がその創作に及ぼした知られざる影響を明らかにします。世界各地から集めた約130点の絵画やオブジェ、ドローイングで構成された、日本オリジナルで、日本初となる本格的な展覧会です。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

「温度」ではなくて「湿度」でしたよ。
私はこの作品が一番心に残りました。
きのぴ | 2019/10/05 7:12 PM
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