青い日記帳 

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「ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン」

パナソニック汐留美術館で開催中の
「ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン」に行って来ました。


https://panasonic.co.jp/ls/museum/

日本でも人気の高い、ラウル・デュフィ(1877-1953)の5年ぶりの展覧会は、絵画だけでなく、彼が数多く手掛けたテキスタイル・デザインも多く紹介されています。

ラウル・デュフィ作品の魅力としてその明るさがまずあげられます。多くの画家たちが抽象絵画がへの道を進む中デュフィはそれに追従せず、海や音楽といったモチーフを鮮明な色調で描き続けました。


ラウル・デュフィ「黄色いコンソール」1949年頃
油彩/キャンバス
大谷コレクション

晩年に至ってもまだ尚これだけ明るい多幸感あふれる作品が描けたデュフィ。多くの人から愛され高い人気を誇るわけもよく分かります。

今回の展覧会ではデュフィが学生時代に描いた珍しい初期作品も出ており、数こそ多くないものの初期から晩年までの彼の作品を一望できます。


左)ラウル・デュフィ「グラン・ブルヴァールのカーニヴァル」1903年
株式会社リソー教育(TOMAS)蔵
右)ラウル・デュフィ「モーツァルトに捧ぐ」1915年
大谷コレクション

美術学校時代の「グラン・ブルヴァールのカーニヴァル」は印象派への憧れが、「モーツァルトに捧ぐ」にはセザンヌへの傾倒がはっきりと見てとれます。

後のキュビズムやフォービスムといった時代の激しい潮流の中にあり、自己を持ち続けた結果として唯一無二の画風を作り上げて行ったのがデュフィなのです。


ラウル・デュフィ「ニースの窓辺」1928年
油彩/キャンバス
島根県立美術館蔵

それにしても、日本国内には佳いデュフィ作品がこんなにもあるのですね。上野の国立西洋美術館の常設展でも「モーツァルト」が観られます。

その昔(1965年)国立西洋美術館は、ラウル・デュフィの贋作「アンジュ湾」をフェルナン・ルグロから購入してしまった痛い経験もしています。

この話は過去に多くの著書で紹介されている有名な話です。

閑話休題。

展覧会の構成は以下の通りです。

1:絵画 生きる喜びー陽光、海、そして音楽
2:モードとの出会い
・『動物詩集またはオルフェウスの刊行』と木版画からの展開
・ポール・ポワレ、ビアンキーニ=フェリエ社とのコラボレーション
3:花々と昆虫
・薔薇
・様々な花
・花と葉
・昆虫
4:モダニティ
・モダン・ライフ
・幾何学的模様
特別展示:マイ・フェア・レディ


第1章で絵画をまとめて展示し、第2章以降は彼が手掛けたバリエーション豊かなテキスタイル・デザインを実際のドレス(洋服)などと共に見せています。



ビアンキーニ=フェリエ社のために手がけた布地のデザイン原画や下絵、当時のオリジナルの絹織物、版木や見本帳など116点が並びます。

展示数的にはテキスタイル・デザインの方がぐんと比率が高い展覧会となっています。

デュフィと言えども、流石に同じようなデザインが多いのでは…と思っていたのですが、予想に反し、実にバリエーション豊富!!

絵画ではできなかった新たなチャレンジをテキスタイル・デザインでは思う存分好きなように行えたのではないでしょうか。


貝殻と海の馬》1922−24年頃
金銀糸の入った錦
デュフィ・ビアンキーニ蔵


ヴァイオリン》1989年(デザイン1914−20年頃)
毛織物
デュフィ・ビアンキーニ蔵


幾何学模様の構図〔デザイン原画〕》1919−28年頃
グワッシュ/紙
デュフィ・ビアンキーニ蔵

「貝殻と海の馬」は、ファッション・デザイナーのポール・ポワレの衣装にも使用された生地です。ポワレとデュフィがこんなにも親密な関係にあったとは知りませんでした。

こうした、デュフィによる鮮やかな色彩と大胆なモチーフの布地は、上流階級の女性たちを魅了し大評判となったそうです。



Marimekko(マリメッコ)のデザイン??と思わせるとてもモダンなテキスタイルです。この柄は「うろこ」。よく見ると円形ではなく涙型の模様が重なり合っています。

くどいようですが、これもラウル・デュフィが手掛けたものです。

この展覧会にはデザイナーとしてのラウル・デュフィを存分に味わえる、新鮮な出会いに満ち溢れています。

「ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン」は12月15日までです。大規模展とは違った秋のひと時を過ごすのにもってこいの展覧会です。


「ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン」

会期:2019年10月5日(土)〜12月15日(日)
休館日:水曜日
開館時間:午前10時〜午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
※11月1日(金)、12月6日(金)は夜間開館 午後8時まで(入館は午後7時30分)
会場:パナソニック汐留美術館
(東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F)
https://panasonic.co.jp/ls/museum/
主催:パナソニック汐留美術館、産経新聞社
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、港区教育委員会
企画協力:株式会社テモアン

嬉しいことに、青幻舎さんよりとてもスタイリッシュな装幀で展覧会図録を兼ねた本が出ます。


ラウル・デュフィ 絵画とテキスタイル
パナソニック汐留美術館 (監修), 松本市美術館 (監修)

「色彩の巨人」デュフィ、ここに極まる。

音楽や社交をテーマとした油彩画など、生きる喜びに満ちた作品を描いたデュフィは、リヨンの絹織物製造業ビアンキーニ=フェリエ社のために、1912年からの16年間、テキスタイルのデザインも提供していた。鮮やかな色彩と大胆なモチーフの布地は、上流階級の女性たちを虜にし、瞬く間に大評判となった——

絵画作品に加えて、デザイン原画や下絵、オリジナルテキスタイル、復刻生産されたテキスタイルによる華麗なドレスなど、絵画とテキスタイル作品約150点を収録。


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この記事のURL
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JUGEMテーマ:アート・デザイン



華やかで明るい色彩と軽妙な筆致の作品で、現代でも多くの人々を惹きつける画家ラウル・デュフィ(1877−1953)。本展では、モダンで優美な絵画と、モードの帝王ポール・ポワレ(1879-1944)が使用した絹織物を含む、デュフィのテキスタイル・デザイン関連作品及び資料全152点を一堂に展示いたします。

陽光があふれる穏やかな南仏の海と活気ある室内を描いた≪ニースの窓辺≫をはじめ、音楽や社交をテーマとした油彩画など、生きる喜びに満ちた作品を描いたデュフィは、絵画制作に加えて、リヨンの絹織物製造業ビアンキーニ=フェリエ社のために1912年から28年までテキスタイルのデザインを提供していました。デュフィによる鮮やかな色彩と大胆なモチーフの布地は、上流階級の女性たちを魅了し大評判となりました。会場ではビアンキーニ=フェリエ社のアーカイブを引き継いだデュフィ・ビアンキーニから出品されるデザイン原画や下絵、オリジナルテキスタイル、プリント生地の為の試し刷りに加え復刻生産されたテキスタイルによる衣装作品などをご紹介いたします。

絵画とテキスタイル・デザインという二つの表現媒体を軽やかに越境しながら生み出された作品群を展観し、画家が目指した表現の本質と、デュフィの作品に付随する装飾性の意義に迫ります。
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