青い日記帳 

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「博物館に初もうで 子・鼠・ねずみ」

東京国立博物館で開催中の
「博物館に初もうで 子・鼠・ねずみ」に行って来ました。


https://www.tnm.jp/

トーハクのお正月企画「博物館に初もうで」もすっかり定着し、今では大勢の方で賑わう新年の風物詩となりました。

今年で17年目を迎えた「博物館に初もうで」。他館でも同じような取り組みをするところも増えてきましたが、やはり本家本元に伺わないと年が明けた気がしません。


真生流・山根由美氏に「いけばな」

今年の干支である子(鼠・ネズミ)がモチーフとなった作品を、本館2階の特別1室・特別2室で公開しています。まずはここから見始めるのがよろしいかと。


鼠草紙」江戸時代・18世紀

現在だと、鼠という動物にほぼほぼマイナスのイメージを抱きますが、元々は沢山子どもを産むことから、子孫繁栄の象徴とされたり、大黒天つながりで福をもたらす動物と捉えられてきたそうです。

天敵である猫は浮世絵にしばしば登場しますが、鼠は…いや居ました!


鈴木春信「鼠、猫と遊ぶ子供」江戸時代・18世紀

大事そうに子どもが鼠を抱えています。人の視線の先には猫が描かれていますが、鼠は目を合わせようとはしません。とても状態の良い浮世絵の中に垣間見られるほのぼのとした物語。隣には国芳の猫作品もありました。

ネズミはペストを運んで来る「悪魔」として今の我々には認識されていますが、まだ江戸時代の日本にはペストは存在しませんでした。1896年(明治29年)以前は日本国内では記録ないそうです。

だからこの浮世絵に描かれているように、ペットとして鼠を飼うこともごく一般的なことだったのでしょう。


古染付大根鼠図大皿 伊万里
伊万里 江戸時代・19世紀 平野耕輔氏寄贈

「大根食うねずみ」を「大黒ねずみ」にひっかけた判じ物との解説がありましたが、それが分からなくても純粋に可愛らしく、愛玩の対象であったことがよく伝わってきます。

もし今の時代、お皿に鼠の絵が描いてあったらさてどうでしょう。(ミッキーマウスは除いて)

鼠との距離感が我々よりも格段に近く、そしてとても愛されていた動物であったのです。あらためて「伊万里」や「鼠草紙」を観ると確かにとても可愛らしく表現されています。


重要文化財「鼠志野鶺鴒文鉢
安土桃山〜江戸時代・16〜17世紀

ネズミがモチーフとして描かれている作品だけでなく、名称に「鼠」が付く作品も出ています。美濃焼(岐阜県の陶器)の一種「鼠志野」はその代表格。

非常に大きな作品で、会場内でも存在感を示していました。これ観られたのが一番嬉しかったかも。

数少ない鼠志野茶碗では、重要文化財「山端」(鼠志野茶碗 根津美術館蔵)、重要文化財「峯紅葉」(鼠志野茶碗 五島美術館)などが有名です。


振袖 藍鼠縮緬地源氏香模様」江戸時代・19世紀

「鼠色」も勿論、一色ではなく実に多彩!グラデーションを活かしたものも。そう「色」でもネズミは大活躍し身近な存在だったのです。

干支にちなんだ展示だけにとどまらず、鼠を「再発見」出来る中々優れた展示構成・内容となっています。流石17年も続けていると見せ方も上手くなってくるものです。

「博物館に初もうで 子・鼠・ねずみ」コーナー以外の常設展示にも見応えのあるものが幾つもありました。いいな〜と思ったものをあげておきます。


貝譜」江戸時代・19世紀


伝説の面打たち


紅型衣装 白地竹梅鶴模様」沖縄本島・19世紀


花車図屏風」江戸時代・17世紀

「松竹梅図屏風」と「十二ヶ月花鳥図屏風」の真ん中に展示されたこちらの作品。作者不詳とのことですが、隅々まで丁寧に描かれており、とても見応えと迫力のある屏風です。

こんな立派な屏風絵を置ける部屋は一体どれほどの空間なのかと想像しつつ、細部に目をやると、かなり細かく丁寧に描き込まれていることが分かります。


花車図屏風」(部分)

何の模様なのでしょうか。仏教に由来するものなのかはたまた…まさか西洋の影響とかは受けていませんよね、まだこの時代だと。

でも、ヨーロッパの甲冑(プレートアーマー)の意匠にありそうですよね〜


長谷川等伯 国宝「松林図屏風」安土桃山時代・16世紀

国宝室では、2020年1月13日(月・祝)まで、日本の水墨画がたどり着いたひとつの到達点である 国宝「松林図屏風」も公開されています。

ベンチが後ろに下げられたので今年はかなり引いた位置から「松林図屏風」を観られます。



千葉市美術館の「目 非常にはっきりとわからない」をまさかトーハクでも?!

いやいや違います。2020年3月9日まで、本館1階 13室は展示環境改善ため閉室中です。通り抜けることは可能です。

「博物館に初もうで」は、2020年1月26日(日)までです。ミッキーやピカチュウはいませんが、十分過ぎるほど楽しめます!


「博物館に初もうで 子・鼠・ねずみ」

開館時間:9時30分〜17時
※金曜、土曜は21時まで開館
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、12月26日(木)〜2020年1月1日(水・祝)
※1月13日(月・祝)は開館、14日(火)は休館
会場:東京国立博物館 本館-特別1室・特別2室
https://www.tnm.jp/

尚、東京国立博物館では特別公開「高御座と御帳台」が2020年1月19日(日)まで無料公開されています。


天皇陛下の「即位礼正殿の儀」で使われた高御座(たかみくら)と御帳台(みちょうだい)が東京国立博物館本館特別5室で拝見できます。


『桜狂の譜 —江戸の桜画世界』
今橋 理子 (著)


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暦(こよみ)や方角を示す干支は古代中国で成立し、現在も私たちの生活に寄り添っています。令和二年は、十二支の最初にあたる子(ねずみ)年。そこで新春の訪れをお祝いし、子年の鼠をテーマとした特集を開催します。
十二支の鼠のほか、大黒様(だいこくさま、七福神の一人)の使いとしての鼠、子孫繁栄の象徴となった鼠など、鼠の様々な顔をご紹介します。江戸時代に流行した鼠色の着物や、永遠のライバル・猫との共演もお楽しみください。
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