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「フィリップ・パレーノ展」

ワタリウム美術館で開催中の
「フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると」に行って来ました。


http://www.watarium.co.jp/

フランス人アーティスト、フィリップ・パレーノの日本の美術館では初個展となる展覧会が、国立新競技場からほど近い、ワタリウム美術館にて開催されています。

回顧展ではなく、1994年から2006年にかけて制作した作品をワタリウム美術館の2階から4階のフロア全体を使い再構成しています。

まるで展覧会自体が一つの作品のように感じます。


2階と3階会場

現代アートの展覧会にしては、作品解説がとても丁寧で分かりやすく好感が持てます。受付で作品の解説シートが手渡されます。

代表作である「しゃべる石」(その名の通り、石が何やら語りかけているの作品です)のテキストもお願いすればもらえます。


フィリップ・パレーノ「しゃべる石」2018年

何の変哲もない石の前で、ただ講釈を垂れるのを聞いているだけでは、面白くありませんし、全て聞き取れませんので、テキストは事前に貰った方が賢明です。

ほんの一部だけ紹介すると、こんなことを少々偉そうにしゃべり続けています。石が。

「人生を調整するツールが必要です。見ると絵文字の次元への動きになります。次元のスペースの不可能なトポロジー が頓挫。 注目してください 。 そして、留意してください。アニミズムと永久に続く動き。ユニバーサルな力学。サイバネティクスとバイオニック。 オートマトンにとって、永遠こそが永久性ですアートは歩く死体であり、しゃべる石なのです。」



フィリップ・パレーノ「マーキー」2016年

「フィリップ・パレーノ展」の大きな特徴の一つに作品が常に変化している点があげられます。

白熱電球やネオン管は時に激しく点灯したかと思うと、しばらくすると何の前触れもなく消灯し、やかましかった音も消え、静寂が訪れます。

鑑賞者の動作などで変化しているのか、はたまた床に置かれたコンピュータープログラムでコントロールされているのか、それとも全くのランダムなのか。。。


フィリップ・パレーノ「マーキー」2016年

その答えは、会場の壁に記してありました。

作品の光や音は、美術館屋外の気温、気圧、風の方向に反応して動き、時には作品同士が反応しあいます。自然の小さな動きに合わせて、常に変化する展示です。ぜひ、会場内でゆっくり時間を過ごしてみてください。

このことに後から気が付いたので、もう一周(2階から4階まで)見る羽目になりました。

他の作品も同じような仕組みになっており、「まるで展覧会自体が一つの作品のように感じ」るとの感想はまんざら間違いではなかったのです。


フィリップ・パレーノ「吹き出し(白)」1997年

天井に浮かんだ風船は、漫画のセリフで用いられる吹き出しで、尻尾のように付いている先から言葉が発せられている体となるのでしょう。

Twitterに代表されるSNSが浸透し、誰でも気軽に言葉を発することが出来るようになりましたが、そんな時代は長い人類の歴史の中では極めてレアケースです。

基本的にいつ、どの土地にでも話したくても話せない事情が山ほどあるものです。また言葉にしてしまうと陳腐化してしまう懸念もあります。


フィリップ・パレーノ「リアリティー・パークの雪だるま」1995-2019年

メインビジュアルを飾る氷の彫刻「雪だるま」は、もうかなり溶けてしまい、ぴちょんくんのようになっていました。

常に変化する展示、最終日まで果たしてもつのか心配です。

展覧会について、本人がこちらで色々と語っています。

「展覧会」を疑え。フィリップ・パレーノと島袋道浩が語るアートのありかた

「フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると」は3月22日までです。


フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると

会期:2019年11月2日(土)〜2020年3月22日(日)
開館時間:11:00〜19:00(最終入場時間 19:00)
※毎週水曜日は21:00まで延長
休館日:月曜日 
12月31日〜1月3日は休館
※ただし11月4日、12月30日、1月13日、2月24日は開館
会場:ワタリウム美術館
http://www.watarium.co.jp/
主催:ワタリウム美術館

この展覧会は、1994年から2006年にかけて制作された作品-オブジェのプレゼンテーション、あるいは再構成である。
タイトルはこれらの作品がつくられた年代を重ね合わせている。1994年の《しゃべる石》からスタートし、1995年、ワタリウム美術館により企画され、ヤン・フートがキュレーションした「水の波紋」展のために制作された《リアリティー・パークの雪だるま》、そして2007年に発表された最初の《マーキー》まで。
これらの年代が過度に露出することで、このモチーフが誕生した。
このモチーフにより、タイトルに「語る」という言葉が与えられた。
ここに筋書きはない。
そして始まりも終わりもない。
ここで、オブジェたちは互いに会話しはじめる。
それぞれのオブジェ同士には関係がある。カメラを通して、ワタリウム美術館周辺の気圧や風の方向などの細かな出来事にも 反応する。すべては空気の変化や換気に反応している。 オブジェたちは一緒になって、ここの状況をつくっていく。今、2019年11月1日から、一連の語りが完了する2020年3月22日まで。
 
フィリップ・パレーノ


夢みる美術館計画 ワタリウム美術館の仕事術


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同時代の重要なアーティストの一人、フィリップ・パレーノの日本初となる大掛かりな展覧会です。

パレーノの特徴は、映像、彫刻、ドローイング、テキストなど多様な手法を用い、展覧会を一貫したひとつのメディアとして捉えていることです。

つまり展覧会は一連の出来事が展開する空間であり、個々の作品の意味ではなく、「オブジェクト」として展覧会の可能性を探っていくと、展覧会はオープンスペースとなり、時に応じて変化するフォーマットとなります。

展覧会に訪れることが、空間的・時間的境界や感覚的経験を伴う唯一無二の体験となることを目指しているのです。

本展では、パレーノの代表作である白熱光が点滅する「マーキー」や、天井に張りつく風船「吹き出し」のほか、1995年にワタリウム美術館と伝説のキュレター、ヤン・フートがコラボレートした展覧会「水の波紋展」で制作した氷の「雪だるま」がその姿を新しくし登場します。

無色透明なこれらの作品を通し、パレーノが見ている近未来の風景が広がるのでしょうか。最先端でありながら懐かしい、現れては消える不思議なパレーノワールドです。
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