青い日記帳 

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「夢の実現」展

代官山ヒルサイドフォーラムにて開催中の
ダ・ヴィンチ没後500年 「夢の実現」展に行って来ました。


http://leonardo500.jp/

没後500年を迎えたレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画、彫刻、建築、工学系発明品等の未完作品約30点を最新の研究や技術を駆使して現代に復元し、展示する世界初の試みとなる展覧会が代官山で開催されています。

「夢の実現」展は、東京造形大学が主催、同大学の池上英洋教授が監修を務めています。教育目的での開催なので、入場料は無料。しかも豪華なブックレットまで貰える太っ腹ぶり。



更には、タブレット端末を利用した鑑賞ガイド(音声&映像ガイド)も受付で無料で借りられます。俳優の金剛地武志さんと、声優の徳井青空さんの掛け合いトークに、AR技術も取り入れています。

描かれた当時の色合いに復元された実物大の「最後の晩餐」の前で鑑賞ガイドをかざすと…ご覧の通り。



世界遺産「レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院」では、完全予約制でしかもようやく入れても15分しか鑑賞出来ない「最後の晩餐」ですが、代官山なら好きなだけ観ていられます。

現地と同様に見上げる場所に展示された「最後の晩餐」。テーブル上のお皿に盛られた魚料理(鰻らしい)やテーブルクロスの模様までも鮮明に再現されています。



会場であるヒルサイドフォーラムの2階展示室から、目線の高さで真正面に観られるのも優れもの。こうした見方が出来ることも「夢の実現」展ではならでのこと。

ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院では「観た」感じがまるでしなかった(体験しただけで鑑賞する余裕が全くありませんでした)ので、「最後の晩餐」を観るなら、この展覧会や大塚国際美術館です。



展覧会の構成は以下の通りです。

第1会場
ジネヴラの部屋
エンジニアの部屋
フィレンツェ時代の部屋
ミラノ時代の部屋
建築家の部屋

第2会場
VR『最後の晩餐のあと』
サイエンス・コーナー
インタラクティブ・ゾーン
学生活動紹介



復元された「聖ヒエロニムス

「レオナルドがかつて抱いた夢の一部を、500年後の今、実現させる」プロジェクトである「夢の実現」展では、主に次のような事に主眼を置き作られた作品で構成されています。

・下絵しかない作品への着色
・痛んだ作品を完全な状態で見せる
・制作を諦めた計画の実現


詳細はKINさんのコラムで。

欲望による悲劇と知恵による希望。『失われたアートの謎を解く』と、レオナルド・ダ・ヴィンチ「夢の実現」展


復元された「東方三博士の礼拝

聖ヒエロニムス」は着色されることなく放置されその後数奇な運命を辿ることになった作品。「東方三博士の礼拝」はこれほど大きな作品の下絵まで描いたにも関わらず、注文主の修道院との齟齬から中断されてしまった作品です。

共に彩色されていないのものを美術館やWebなどで目にしているので、あらためてこれが本当の色だよと言われると何やら落ち着かないものがあります。

少なくともこの2点は、事前にどんな作品なのかをwebの画像でも構わないので確認しておくことが大事かと。



レオナルドが下描きで筆を置いてしまった「東方三博士の礼拝」は、その後ボッティチェリの弟子、フィリッピーノ・リッピがピンチヒッターに起用され修道院に納品しました。

現在、ウフィツィ美術館所蔵のリッピが描いた「東方三博士の礼拝」を、今回、レオナルド版「東方三博士の礼拝」の復元に際し彩色を参考としたそうです。

レオナルドとも親交のあったリッピです。彼から作品の構想を直接聞いていた可能性も十分に考えられます。一枚の復元された作品を前にし、様々な妄想や物語が頭の中を駆け巡ります。


フィリッピーノ・リッピ「東方三博士の礼拝」1492年

さて、レオナルドといえば絵画だけでなく、建築、彫刻などまさに万能の天才に相応し活躍をした人物です。

その中から、手稿にアイディアを記したものの実現しなかった機会や建造物をこの展覧会では現実のものとして作り上げています。

3DプリンターやCGなど最新のテクノロジーを惜しみなく用いています。東京造形大学のデザイン学科の各先行領域の先生方や学生たちの活躍の成果は「天晴れ」の一言に尽きます。



レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチに基づく「集中式聖堂」(建築模型と3DCG)

それにしてもレオナルドの妄想の如き創造力の源は一体何に由来するものなのでしょう。エジプトのピラミッドと同サイズの「大墳墓計画」を立案してみたり、巨大な騎馬像を作る!と張り切ってみたり。

大人になればなるほど、年を重ねれば重ねるほど人は行動や考えが慎重になってゆくものですが、レオナルドに関してはどうやらその逆だったようです。


「オルフェオ」劇のための舞台装置

ミラノ時代に何度か結婚式の祝祭演出を依頼され、舞台設営や席の配置、舞台背景画、はたまた衣装デザインなど手広く手掛けたとのこと。

一生に一度のイベントをレオナルドに演出してもらえるなんて羨ましくもあり、妬ましくもあり。

祝祭演出はとても好評だったとのこと、彼が生前に実現できた業績の中でこれが最も快く多くの人を喜ばせたものと言えるでしょう。絵は途中で止めちゃうし、彫刻は夢のまた夢だし。


第2会場
VR『最後の晩餐のあと』

第2会場では、インタラクティブにレオナルドの世界観を楽しめる空間となっています。お手伝いの学生さんたちが丁寧に解説・サポートしてくれます。

VRゴーグル「オキュラス」を装着し「最後の晩餐」の絵の中へ!そこには一体何が待っているのでしょう。そして目の前に飛び出してくるものの正体とは?!

こうしたコンテンツも無料で体験できます。


レオナルド・ダ・ヴィンチ「ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)」

右が現在の「モナ・リザ」です。ニスが変色しスフマート技法で描かれた艶々の肌も経年劣化しひび割れだらけです。特に背景は折角、空気遠近法で描かれているのに残念な色合いになっています。

何層も薄く絵具を重ね合わせ描くスフマート技法は完成して間もなく、劣化が始まったそうです。1505年頃ほぼ完成してから500年経過した今、科学の力で当時の姿に蘇らせたのが左半分となります。

会場では復元されたものが展示されています。


復元された「ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)」

こうして画像だとさほど違いが分からないものですが、実際に会場で観るとこれまで目にしていた「モナ・リザ」は何だったのだ?!と思うと同時に、これが真の姿とされても納得できない自分がいるはずです。

「ダ・ヴィンチの絵画全16点を本来の姿で見てみたい」「当時の技術では実現できなかった発明品を500年後の今の技術で実現したい」という願いでスタートした東京造形大学「Zokei Da Vinci Project」。

思っていたよりも何倍も良い展覧会に仕上がっていました。写真撮影も可能です。是非足を運んでみて下さい。

ダ・ヴィンチ没後500年 「夢の実現」展は、1月26日までです。会期が短いので今すぐにでも会期中無休で毎日夜の8時30分まで開館しています(8日は15時まで)。是非是非〜


ダ・ヴィンチ没後500年 「夢の実現」展

会期:2020年1月5日(日)〜2020年1月26日(日)
会期中無休
会場:代官山ヒルサイドフォーラム(代官山ヒルサイドテラスF棟内)
開館時間:11:00〜20:30(入館は20:00まで)
※1月5日(日)は12:00開館、1月8日(水)は15:00閉館となります。
主催:学校法人桑沢学園 東京造形大学
後援:イタリア大使館、イタリア政府観光局、イタリア文化会館、公益財団法人日伊協会
観覧料:無料
公式サイト:http://leonardo500.jp/



展覧会会期中には、サカナクションの山口さんや、ヤマザキマリ氏(東京造形大学客員教授)のトークイベントのほか、茂木健一郎氏が参加するシンポジウム、アントネッロによる音楽イベントなど、レオナルドが生きた時代やルネサンス美術など、ダ・ヴィンチに関連した多数のイベントも予定されています。詳細は公式サイトでチェックです。
公式サイト:http://leonardo500.jp/

ヒルサイドテラスお隣の代官山蔦屋書店にてトークイベントを行います。お時間のある方是非お越し下さい!

池上英洋×原基晶×takトークイベント
2020年01月14日(火) 19時〜
代官山 蔦屋書店 1号館 2階 イベントスペース


レオナルド・ダ・ヴィンチ: 生涯と芸術のすべて』 (単行本)
池上英洋(著)

【祝】日本語で書かれたイタリアに関する優れた著作に対して贈られる「フォスコ・マライーニ賞」を池上英洋先生が受賞されました。


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ルネサンスの巨人レオナルド・ダ・ヴィンチは、今からちょうど500年前の1519年に亡くなりました。
彼は<最後の晩餐>や<モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)>という、世界で最も知られた絵画を描いた画家ですが、67年の生涯で残した作品は驚くほど少なく、現存絵画は16点ほどしかありません。
しかもその多くは未完成や欠損しており、完全な姿で残っている完成品は4点しかありません。
そこで東京造形大学では、今年一年ですべての絵画をヴァーチャル復元する作業に挑戦しています。
未着色のものに彩色を施したり、消失部分を科学的根拠に基づいて復元するなどして、完全な状態で全16作品を展示できれば、世界初の試みとなります。また完成に至らなかったブロンズ製騎馬像や、構想していた巨大建築物、当時の技術では実現不可能だった工学系発明品なども、縮小模型や3DCGなどによって実現します。同展ではまた、彼の絵画空間のなかに入り込んだり、彼が考案した機械を動かすVRなども体験できます。それらの多くが、やはり世界で初となります。
「夢の実現」展が目指しているのは、その名の通り、まさに「レオナルドがかつて抱いた夢の一部を、500年後の今、実現させる」ことなのです。
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