青い日記帳 

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「白髪一雄展」

東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の
「白髪一雄展」に行って来ました。


https://www.operacity.jp/ag/

吉原治良を中心に1954年に兵庫県芦屋市で結成。それから約20年に渡り前衛的な作品を世に送り出してきたアーティスト集団「具体」。

具体美術協会

時代は平成から令和へと変わり、2020年再び東京でオリンピックが開催される年に、前回1964年東京オリンピックの頃に制作された抽象絵画が、ここ数年で熱い視線を集めているのをご存知でしょうか。

とりわけ海外(アメリカ)での評価は目覚ましく、2013年に「GUTAI」展が、NYのグッゲンハイム美術館にて開催されるなど我々日本人が知らないところで、昭和時代の作品に注目が注がれているのです。


Gutai: Splendid Playground

グッゲンハイム美術館「GUTAI」展紹介動画。

「具体」が海外で高い評価を受けている理由は幾つかあります。戦後登場したポップアートや前衛芸術はアメリカ中心でしたが、およそ半世紀が経過しようやくアジア(日本)の前衛芸術にも目が向けられるようになりました。

また、アートマーケットで取り扱う作品が「品不足」となり、新たに埋もれていた「具体」作品に白羽の矢がたち、評価がぐんと上がった点も見落とせません。


白髪一雄「うすさま」1999年
個人蔵

関心度の高い「具体」の中でも、白髪一雄(1924年〜2008年)の人気はずば抜けたものがあります。ジャクソン・ポロックやイブ・クラインを髣髴とさせるアクションペインティングは、言葉の壁を易々と飛び越え世界へ大きく羽ばたいています。

横須賀美術館で2009年に開催された「白髪一雄展」格闘から生まれた絵画の時と今では白髪に対する評価は、大幅に変化しています。


白髪一雄「長義」1961年
東京オペラシティ アートギャラリー蔵

それにしても、意外だったのは今回が東京の美術館では初めて開催される「白髪一雄展」だったことです。もっと多く目にしているようでしたが、全くの気のせいでした。

そんな風に感じるのは、常設展や展覧会で一枚だけでも白髪作品を観ただけで、その迫力に圧倒され、何十枚も観たような満足感に浸されるからかもしれません。

今回の「白髪一雄展」には、初期から晩年の作品まで約60点を始め、貴重な資料など総数約110点が並びます。油彩画60点と少ないように感じるかもしれません。

しかし彼の油彩画は一枚一枚がとてつもない「気」を発しているので、それで十分どころか、この数でも食中りしてしまいそうです。


白髪一雄「遊墨 壱」1989年
東京オペラシティ アートギャラリー蔵

展覧会の構成は以下の通りです。

1. 知られざる初期作品
2.「具体」前夜
3.「具体」への参加
4.「水滸伝シリーズ」の誕生
5.「具体」の解散と密教への接近
6. フット・ペインティングへの回帰と晩年の活動


「水滸伝シリーズ」や日本の歴史に由来したタイトルなど、この手の抽象絵画にしては珍しく個々にはっきりとした作品名が付けられています。

作品タイトル「無題」では海外に何点も送った際に見分けがつかなくなるという、幾分後ろ向きな理由からタイトルが与えられた「水滸伝シリーズ」

その後、延暦寺で修行を積み、1971(昭和46年)に得度し法名を「素道」を得た後は、タイトルに必然性が伴うようになり、後付けだったものから逆転。ある意味ここからが白髪の真骨頂なのかもしれません。


白髪一雄「酔獅子」1999年
個人蔵

写真撮影が可能な作品があったので、数点アップしましたが、どれも画像で見る限り確かに同じように見えるかもしれません。

ところが、ぐっと近寄ると個々の作品の強烈な個性が目に飛び込んできます。



白髪一雄「酔獅子」(部分)

ゴッホもたじたじの厚塗りです。白髪の代名詞でもある、床に広げた支持体に足で直接描く「フット・ペインティング」の荒々しい痕跡。観ている者に迫りくる大波のようです。

抽象絵画は何を描いているのか分からないので敬遠されがちです。でも白髪作品からは、形と色で表現された生命の躍動を誰しもが強く感じられるはずです。

それは、小学生の頃、だんじり祭りで目にした山車に乗った人の鮮血が、イメージソースとなっている白髪の赤に大きな要因があります。

だからこそ、支持体にべっとりと塗りつけられた鮮烈な赤色に鑑賞者はやられてしまうのです。

こうした高い普遍性を内包している点が、白髪一雄が世界で通用する一番の理由かもしれません。時に鬼気迫り、時に優しく包み込まれるような赤色。


白髪一雄「うすさま」(部分)

作品に記されたサインにも注目です!

少し気が落ち込んでいる時や仕事の疲れが溜まっている時にこそ観に行きたい展覧会です。会場内に生命力が溢れかえっています。「圧倒的」や「迫力」という言葉ついつい口に出してしまいますよ。

「白髪一雄展」は3月22日までです。これは観に行って損なし。是非是非〜


「白髪一雄展」

会期:2020年1月11日(土)〜3月22日(日)
開館時間:11:00〜19:00
(金・土は11:00〜20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、2月9日[日](全館休館日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー[3Fギャラリー1, 2]
https://www.operacity.jp/ag/
主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社
特別協力:尼崎市、公益財団法人 尼崎市文化振興財団
協力:ヤマトグローバルロジスティクスジャパン株式会社、株式会社ログ キャビン


TAMATA 白髪 フランネル 毛布 ブランケット ふわふわ 掛け毛布 敷き毛布 50"x40"


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白髪一雄は、戦後日本の前衛芸術を牽引した具体美術協会の中心メンバーとして知られ、近年改めて国際的に熱い注目を集めています。兵庫県尼崎市に生まれた白髪は、具体美術協会に参加する前年の1954年より、床に広げた支持体に足で直接描く「フット・ペインティング」の制作を始め、その実践と探求により、未知の領域を切り拓いてゆきます。
従来は制作の手段にすぎなかった身体運動(アクション/パフォーマンス)をまさに画面の主役に据えるそのラディカルな方法は、既存の芸術的、社会的な常識を一気に飛び越え、人間がものを作る行為の原初にたち返る画期的なアイデアでした。
具体美術協会解散後も先鋭な制作原理を貫いた白髪の作品は、空間や時間、物質や運動のなかで人間存在のすべてを燃焼させる圧倒的な力をはらんでおり、同時に、絵具の滴り、滲み、粘性や流動性、堅牢さ、といった油彩画ならではの魅力を豊かに備えています。
白髪の探求は、人間の資質と感覚をいかに高めるかという問題や、宗教的な精神性の問題など、独自の人間学的アプローチを含んでおり、様々な視点からの検証を待っています。
白髪の没後10年以上を経て開催する本展は、東京で初の本格的な個展として、初期から晩年までの絵画約60点をはじめ、実験的な立体作品や伝説的パフォーマンスの映像、ドローイングや資料も加え、総数約110点で作家の活動の全容に迫ります。
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