青い日記帳 

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「日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壺・八橋蒔絵螺鈿硯箱」

東京国立博物館東洋館内TNM & TOPPAN ミュージアムシアターにて上映中のVR作品「日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壺・八橋蒔絵螺鈿硯箱」を観て来ました。


http://www.toppan-vr.jp/mt/

トーハクこと東京国立博物館へ行くと、特別展だけでなく常設展も観たいものがあり過ぎて、途中でヘトヘトになってしまいます。

今日こそはポイントを絞って鑑賞するぞ!と思ってはいても、いざ館内に入るとあれもこれも観たいとの欲が先行し、虻蜂取らず状態に。

ある時から、鑑賞の途中にTNM & TOPPAN ミュージアムシアターをはさむようにしてから、とても効率良く観て回れるようになりました。


東洋館

東洋館地下1階にあるTNM & TOPPAN ミュージアムシアターは凸版印刷が東京国立博物館と共同で制作したVR作品を、ゆったりのんびりと寛ぎながら鑑賞できる知る人ぞ知る穴場スポットです。

映画と同じように、上映時刻が決まっているので、あらかじめチケットを購入しその時間に合わせてシアターへ向かうようにしています。

因みに現在のVR作品上映スケジュールは以下の通りです。

上演日時:
水・木・金12:00、13:00、14:00、15:00、16:00
土・日・祝・休日11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00



VR作品『日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壷・八橋蒔絵螺鈿硯箱』のご紹介

youtubeの1分足らずの動画でもその面白さが伝わってくるかと思います。ただこれだけでは良さが5パーセント程しか伝わりません。

実際にシアターへ足を運ぶと300インチ(横幅6.6m、高さ3.7m)もあるスクリーンに、超高精細4KプロジェクタによるVR映像投映のコンボにより、観たこと体感したことのない映像体験が出来ます。

映画館や動画と決定的に違うのは、その都度その都度、専属ナビゲーターさんが登場しライブ解説をしてくれる点です。BGMもその都度ナビゲーターさんが選んでいます。


(左)重要文化財「色絵月梅図茶壺」と国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」、(中)茶壺の内側から透かした視点での鑑賞、(右)専属ナビゲーターによるライブ上演 VR作品『日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壺・八橋蒔絵螺鈿硯箱』より 監修:東京国立博物館 制作:凸版印刷株式会社

2013年1月に東京国立博物館・東洋館地下1階にリニューアルオープンした「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」は昨年(2019年)9月に来場者20万人を突破しました。

VRで常に魅力的な作品をを手がけていることや、2018年にはシアター自体をリニューアルさせるなど、ソフト・ハード両面で新たな取り組みを積極的に行っています。リピーター率が高いのも納得です。

さて、さて現在上映中の「日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壺・八橋蒔絵螺鈿硯箱」ですが、これがとてもお得なんです。何故かというと一度で2作品を紹介してくれるのです。

まずはこちら。


重要文化財「色絵月梅図茶壺」 仁清 東京国立博物館蔵

仁清は天皇や公家など身分の高い人々のために作品を作り、色絵によって焼き物の新境地を開きました。その代表作である「色絵月梅図茶壺」には、絵画のように色彩豊かに満月と紅白梅が描かれています。

スクリーンにまず実物大の茶壷が映し出されます。大画面にぽつりと。ナビゲーターがぐんぐんと拡大していき画面いっぱいに。



CTスキャンなどのデータを活用し、作品の造形だけでなく金泥のわずかな盛り上がり(工芸品の表面の凹凸)まで精緻に再現しているので、VRなのか実物なのか分からなくなります。

そして一番の見どころは、茶壺の中の映像です。普段目にすることの出来ない茶壺の内側は勿論何も描かれていません。しかし、内側から意匠を透かした姿を見ることで、バーチャルリアリティならではの工芸品鑑賞を体験できます。

言葉で説明してもこの感動は伝わらないので、是非ミュージアムシアターでご覧になって下さい。今なら本館2階に本物の「色絵月梅図茶壺」も展示されています。


重要文化財「色絵月梅図茶壺」 仁清 東京国立博物館蔵

シアターで、「黒い部分は元々は銀色でした。」と説明され、確かに屏風絵などでも銀は空気に触れると劣化(硫化)し、黒く変色してしまっています。

それは焼き物でも同じことです。裏面の大きな黒い部分は、元々銀色に輝くお月様だったのです。



ついでに、梅花の黒い部分も本来は銀色で、紅白梅を現していたことになります。現在でも京焼の美しい茶壺ですが、江戸時代はもっともっと華やかだったことでしょう。

仁清は派手さはあっても、嫌味にならないいい塩梅に仕立てるのが本当に上手いと思います。

今回のVR作品は2本立て。おつぎはこちらです。


国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」 尾形光琳作 東京国立博物館蔵

尾形光琳は琳派を代表する天才作家で、数々の名作を生み出しました。漆芸の代表作「八橋蒔絵螺鈿硯箱」は、外側には燕子花と八橋が、内側には水の流れがデザイン的に表わされています。



光琳作品でも仁清同様に、工芸品の中に入り込み内側から絵柄を鑑賞する場面が最もエキサイティングな時です。意匠がこんな風に考えられ施されていたことなどただ作品を観ているだけでは分からないことが多く出てきます。

内側から観ると、橋がぐるりと硯箱を一周するかのように配置されていることが分かります。それに水流!!

仮想体験を通して本来の作家の意図を知る。テクノロジーはおかしな方向に使ってしまうととんでもない過ちを犯してしまいますが、このVR技術は文化財の新たな知見を得るために非常にプラスに作用する「正しい使い方」の代表的存在です。



光の変化に応じた金蒔絵のきらめきや、見る角度に応じた螺鈿細工の色の変化も表現出来てしまうVR技術。日進月歩で進化しているのでしょうね。

そうそう、橋の部分に付いた傷は、敢えて施されたものなのだそうです。八ツ橋を往来する人の「痕跡」を記すために。

30分ちょっとで映像は終わります。ゆったりとした座り心地の良いソファーのような椅子に身体をあずけ、スクリーンに映し出される茶壺や硯箱に入り込む。

学びながら疲れも取れる一石二鳥のミュージアムシアター。次回トーハクへ行かれた際は是非体験してみて下さい。因みに映画館と違い、一番前の列が特等席です。


VR作品「日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壺・八橋蒔絵螺鈿硯箱」

場所:東京国立博物館東洋館地下1階 TNM & TOPPAN ミュージアムシアター
期間 :2020年1月2日(木)〜3月8日(日)
上演日時:水・木・金12:00、13:00、14:00、15:00、16:00
土・日・祝・休日11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00
*所要時間約35分、各回定員90名
公式サイト:http://www.toppan-vr.jp/mt/


帰りにショップでついつい買ってしまいました。。。

「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」について
「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」は、VRによる文化財の新しい鑑賞方法を体験できる施設です。「バーチャルリアリティで時空を超える」をコンセプトに、東京国立博物館の収蔵品を中心とする文化財デジタルアーカイブをVR技術で可視化。専属ナビゲーターがライブでVRを操作する上演で、あたかもコンピュータが生成する三次元空間の中にいるかのような感覚で文化財を鑑賞できます。文化財の往時の姿の再現や肉眼では鑑賞することが難しい細かなディテールの拡大など、デジタルならではの文化財との新たな出会いと楽しみ方を提供する空間です。
http://www.toppan-vr.jp/mt/


『伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)


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バーチャルリアリティで堪能する名品の世界

仁清の重要文化財「色絵月梅図茶壺」、そして尾形光琳作の国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」は、いずれも江戸時代につくられた日本を代表する工芸品です。本作品では、この2つの名品をバーチャルリアリティならではの方法で鑑賞します。細部を拡大して見たり、作品を“内側”から見たりする視点によって広がるのは、名工が作り出した絶対的な美の世界。日本が誇る名宝の美しさをミュージアムシアターでご堪能ください。
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