青い日記帳 

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「パッション20」

東京国立近代美術館工芸館で開催中の
「パッション20 今みておきたい工芸の想い」展に行って来ました。


https://www.momat.go.jp/cg/

展示品だけでなく、重要文化財の赤レンガの建物(旧近衛師団司令部庁舎)自体も魅力の近代美術館工芸で鑑賞が出来るのも残り一ヶ月を切りました。

東京国立近代美術館工芸館は、2020年に国立工芸館(通称)として石川県金沢市へ移転するため、東京の工芸館では「パッション展」が最後の展覧会となります。


東京国立近代美術館工芸館

いつも通いなれた美術館がある日を境に突如無くなってしまう(移転してしまう)なんてこと『失われたアートの謎を解く』ではありませんが、時として起こりうるのです。

明治43(1910)年3月に建てられた当時の姿を今に残す、中央の階段回りとホールの部分も心なしか寂し気な雰囲気が漂っています。



東京国立近代美術館工芸館の石川県移転について

決まったことについてとやかく言っても仕方ないですし、金沢へ行く楽しみも増えると思えば、それはそれで。それでも現在の建物が工芸館で無くなってしまうのは事実。

3月8日までの最後の展覧会です。カメラ携え出かけましょう。写真撮影可能です。



因みに、この和室も含めた展示室は、東京国立近代美術館本館の設計者である谷口吉郎氏によって設計されたものです。それも味わいながら最後のお別れを。

「セルフガイド」と称したオールカラーの小冊子を受付で貰えます。パッションに満ちた作家の言葉や時代背景などを美しい写真による作品カタログです。裏表紙に「さらば。」とあるのがまた何とも悲しい。

展示は古いものから近年作られたものまで、実に多彩な内容。まさに最後の蔵出し企画展です。


川口淳「」1991年

人間国宝の作品があったかと思えば、基盤やキラキラした物体を用いたこんなサイケな箱まで出ています。この温度差が実に愉快。

工芸品は絵画に比べより、身の回りにあり、使ってなんぼのものです。そうした観点からすると、マッチ箱さえも作品として成立するのが素敵ではありませんか。


芹沢げ陝マッチ箱

堅苦しい展示品ばかりだと思っていたら大間違いです。しかも近美工芸館の展示はいつも抜群に優れているのです。見せ方が上手いし、組み合わせの妙も心得ています。

重要文化財に指定された鈴木長吉「十二の鷹」を小名木陽一「赤い手ぶくろ」越しに眺めたりすることが出来たりと、最後の最後まで攻めた展示をしています。


小名木陽一「赤い手ぶくろ」1976年


鈴木⻑吉「⼗⼆の鷹」1893年

かつて、シカゴ万博で展示された姿(12羽揃い踏み!)で展示されてる様は実に壮観です。

展覧会の構成は以下の通りです。

日本人と「自然」
1)作ってみせる 
2)囲みとって賞でる
オン・ステージ
3)垂れ下がって気を吐く 
4)ジャパン・プライド
回転時代
5)モダンv古典 
6)キーワードは「生活」 
7)古陶磁に夢中 
8)線の戦い 
9)私は旅人
伝統⇔前衛
10)「日常」 
11)人間国宝 
12)オブジェ焼き 
13)日本趣味再考 
14)生地も一色 
15)「工芸的造形」への道 
16)素材との距離
工芸ラディカル
17)瞬間、フラッシュが焚かれたみたいだった 
18)オブジェも器も関係ない 
19)人形は、人形である 
20)当事者は誰か



平田郷陽「桜梅の少将」1936年

何度か目にしている作品ですが、今回初めて着物内を自由に飛び回る鳥(千鳥)たちの姿が実に愛らしいことに気が付き、そればかり見ていました。

腹部辺りにいる黒い鳥など、とぼけた顔をしています。舞楽を舞う少将の複雑な心の内を表現しているのが、この鳥たちなのでしょうか。「雅楽の美展」でもまた観られるかしら。


高橋禎彦「花のような」2004年

四谷シモンの「解剖学の少年」とも久しぶりに会ったので挨拶をと思っている間に、高橋禎彦に魅了されといった具合にとても愉快でシンプルに楽しめる展示です。

気に入った作品の写真を撮り、「#20passions」を付け発信すると、その場で工芸館オリジナルの「パッション・バッグ」も貰えちゃいます。

最後の最後まで至れり尽くせりの工芸館。これまで素敵な展覧会を数多く開いてくれてありがとうございました。



皆さんも、工芸館に「さらば。」を言いに出かけましょう!

東京国立近代美術館工芸館最後の展覧会「パッション20」展は3月8日までです。是非是非!!


所蔵作品展 パッション20
今みておきたい工芸の想い


会期:2019年12月20日(金)〜2020年3月8日(日)
開館時間:10:00〜17:00
※入館時間は閉館30分前まで
休館日:月曜日(1月13日は開館、2月24日は開館)、年末年始(12月28日[土]−2020年1月1日[水・祝])、1月14日[火]、2月25日[火]
会場:東京国立近代美術館工芸館
https://www.momat.go.jp/cg/
主催:東京国立近代美術館、文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会


『工芸の見かた・感じかた―感動を呼ぶ、近現代の作家と作品』
東京国立近代美術館工芸課 (編集)


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工芸を「パッション」の語とならべて考えることは、もしかしたらふだんはあまりないかもしれません。なぜなら工芸に注がれるパッションは姿かたちや質感にすっかり溶け込んで、むしろ背景の諸事情をいちいち分析する間もなく味わえるよう整えられてきたからです。しかし何を選び、未来へとつなげるのかを考える今、工芸に託されてきた知恵と愛とを見過ごしてしまったらもったいない!

来年はいよいよオリンピックイヤー。世界との出合いは国際的な視野を広げるだけでなく、私たちの内側に目を向ける好機でもあります。日本の近代は工芸をとおして何を感じ、想いを託してきたでしょうか。作家の言葉や活動・出来事から20を抽出し、それぞれの局面に浮かび上がるパッションをご紹介します。
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