青い日記帳 

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「バルセロナ展」

東京ステーションギャラリーで開催中の
「奇蹟の芸術都市バルセロナ」展に行って来ました。


http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

2019年4月10日より、長崎県美術館を皮切りに、姫路市立美術館、札幌芸術の森美術館、静岡市美術館を巡回してきた期待の「バルセロナ展」が東京ステーションギャラリーで始まりました。

長崎県美術館へ観に行かれた人の話やSNSなどの評判でテンションが上がり過ぎたせいもあり、少々肩透かしを食らった感も否めませんでした。


アントニ・ガウディ(デザイン)、カザス・イ・バルデス工房「カザ・バッリョーの組椅子」1904-06年頃

バルセロナには一度しか行ったことがありません。ただその一度の旅の印象はとても良いものとして残っています。少なくともマドリードよりは。

マドリードではプラド美術館や、ピカソの「ゲルニカ」があるソフィア王妃芸術センターばかり見過ぎたせいもあり、街自体のイメージが希薄です。

逆にバルセロナは街中の至るところにガウディの手掛けた建物があったり、食べ物が妙に安く美味しかったりと同じスペインを代表する大都市であっても楽しみ方はまるで違います。



誤解を承知で言うなら、マドリードが東京、バルセロナは大阪的な雰囲気を醸している街です。(それぞれ仲が悪くバルセロナは独立したくてたまりません)

日本で報じられない「バルセロナ」デモの実際
カタルーニャ州独立に対する市民の本音


サッカーFCバルセロナや、ガウディの「サグラダ・ファミリア」「グエル公園」それにボケリア市場など「次にまた行きたい街は?」と聞かれたら真っ先にバルセロナと返答するほど魅力にあふれています。

現在のバルセロナに魅了され、期待値が高過ぎてしまい、展覧会の本質を見極めることが一周目では出来ませんでした。

これから行かれる方はなるべくそうならないように、今のバルセロナのイメージは捨て、バルセロナという街の歴史(と言っても100年ほど)ざっくりと頭に入れてから観ることをお勧めします。


ラモン・カザス「影絵芝居のポスター」1897年

思っている以上に近代化に際し、文化芸術面ではパリからの影響を多く受けている街です。3章と4章でそれが明らかにされています。

展覧会の構成は以下の通りです。

1:都市の拡張とバルセロナ万博
2:コスモポリスの光と影
3:パリへの憧憬とムダルニズマ
4:「四匹の猫」
5:ノウサンティズマ―地中海へのまなざし
6:前衛美術の勃興、そして内戦へ


それとやはり避けて通れないのが戦争や内戦です。ピカソ、ミロ、ダリが次々とパリへ逃れるように渡って行ったの決して憧憬だけではありません。

しかし、折角の「バルセロナ展」です。ピカソやミロは他でも嫌と言うほど観られるので、この展覧会だけでしかお目にかかれない作家の優れた作品に注目すると俄然、良さが出てきます。


ルマー・リベラ「夜会のあとで」1894年頃
カタルーニャ美術館

新興ブルジョワジーたちが好んだ理想的な生活を描いた一枚。よく観ると日本か中国から渡ってきた調度品も描かれています。

名前も知らない画家の作品を一目見ていいな〜と思える瞬間は、展覧会の大きな醍醐味のひとつでもあります。それに多く出逢えるのが「バルセロナ展」です。


イジドラ・ヌネイ「ジプシー女の横顔」1902年
カタルーニャ美術館

個人的に一番惹かれた作家がイジドラ・ヌネイでした。比較的明るい作品が目立つ中、ヌネイ作品には心の奥底に潜む何かをノックするかのような良い意味での重さがありました。

東京ステーションギャラリーは「Multilingual Audio Support」で展覧会の解説を会場や自宅で気軽に聴けます。
http://mu1.site/tsg/その解説によると…

イジドラ・ヌネイは、はじめ風景を中心に描く画家でしたが、1896年、ピレネーの小村で病に苦しむ多くの人々を目にして以来、都市に生きる貧しい人や病人、社会の底辺に追いやられたジプシーの女性などを描くようになりました。こうした主題は、ピカソにも大きな影響を与えました。


ジョゼップ・リモーナ「初聖体拝領」1897年
カタルーニャ美術館

巡回してきた美術館に比べるとどうしても手狭な東京ステーションギャラリーなので、図録に掲載されているのに展示されていない作品もありますが、バルセロナという街に起こった芸術を知る好機であることに間違いありません。

ブダペスト展」で結局、ハンガリー近代美術の先駆者であるシニェイ・メルシェ・パールの作品が最も良いと感じたように、カタルーニャで活躍した作家に注目して観ると、本質がつかめるはずです。

「バルセロナ展」は4月5日までです。日本国内の巡回はこれが最終地となります。


奇蹟の芸術都市バルセロナ

会期:2020年2月8日(土)〜4月5日(日)
休館日:月曜日[2月24日、3月30日は開館]、2月25日(火)
開館時間:10:00〜18:00
※金曜日は20:00まで開館
※入館は閉館の30分前まで
会場:東京ステーションギャラリー
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/
主催:東京ステーションギャラリー[公益財団法人東日本鉄道文化財団]
特別協力:カタルーニャ美術館、カウ・ファラット美術館
協賛:マリエラ クラソンズジャパン、ライブアートブックス
後援:スペイン大使館、カタルーニャ州政府、カタルーニャ州政府貿易投資事務所、在バルセロナ日本国総領事館、インスティトゥト・セルバンテス東京、日本・カタルーニャ友好親善協会
助成:ラモン・リュイ財団、シッジャス文化財団
協力:日本航空
企画協力:神戸新聞社、キュレイターズ


『心おどるバルセロナへ 最新版』


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スペイン、カタルーニャ自治州の州都バルセロナは、食文化、スポーツ、世界遺産サグラダ・ファミリアなど豊かな観光資源で人々を魅了しつづける国際都市です。北はフランスに接し、南に地中海に望む温暖な気候、経済的発展、そして独自の言語文化を背景に、バルセロナは特異な芸術文化を形成してきました。特に、都市の近代化が進んだ1850年代から、万博を経て1930年代後半のスペイン内戦に至るまでの約80年間は、カタルーニャ芸術が最も成熟した時期でもありました。アントニ・ガウディをはじめ、リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネー、ジュゼップ・プッチ・イ・カダファルクなど現在のバルセロナの景観を形作った建築家たち、ここで若き日々を過ごしたピカソ、同じくここを足掛かりに世界的に活躍したミロやダリ、そして、カフェ「四匹の猫」を文化発信の場としたラモン・カザスやサンティアゴ・ルシニョルなど、多くの芸術家がこの時期、この街で多彩な活動を繰り広げました。本展は、絵画、ドローイング、彫刻、家具、宝飾品など約130点で、世紀末カタルーニャに満ちた熱気をあますことなく伝えます。
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