青い日記帳 

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「VOCA展2020」

上野の森美術館で開催中の
「VOCA展2020 現代美術の展望−新しい平面の作家たち−」に行って来ました。


http://www.ueno-mori.org/exhibitions/main/voca/2020/

新型コロナの影響で閉館を余儀なくされている美術館・博物館が多い中、上野で唯一開催に踏み切ってくれた「VOCA展2020」。

美術館関係者や主催者などの間で多くの時間を費やし議論が重ねられたかと思うと、こうしてオープンしてくれただけでも有難いことです。シンポジウムなどは中止となってしまいましたが。


「VOCA展2020」展示風景。

江上越の作品以外が全て写真撮影可能です。

<VOCA展とは>

今開催で27回目となる「VOCA展」は、平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に1994年より毎年開催している美術展です。今回の『VOCA展2020』を含み、これまでに延べ921人(組)の作家が出展し、ここから大きな躍進を遂げる作家を多く輩出しています。

日頃から親身で公平な立場で作家たちと接触している全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどから推薦委員を選出し、それぞれ40歳以下の若い作家1名を推薦していただき、推薦された作家全員に展覧会への出品を依頼しています。こうしたシステムのため、東京だけでなく全国で活躍する作家たちにスポットがあたることが同美術展の特徴の1つです。


VOCA賞

Nerhol(田中義久・飯田竜太)「Remove

今年度、VOCA賞を受賞したのは、Nerhol(田中 義久・飯田 竜太)。その他にも菅実花(VOCA奨励賞)、李晶玉(VOCA奨励賞)、黒宮菜菜(VOCA佳作賞)、宮本華子(VOCA佳作賞)、浅野友理子(大原美術館賞)とそれぞれ賞が贈られています。

ただ、賞を取った作品が必ずしも自分の好みに合うかどうかは別ですし、他の作品にめちゃくちゃ心奪われることもあります。

なので、毎年のことですが「VOCA展」は、好きな作品を3点見つけよう!と心に決め観るのが理想的。


高本敦基「組み立て式の社会」(パターンとコントラストの隙間)

我々の日常風景のひとコマを写した写真の中にあるいくつもの記号。その一つ(例えば横断歩道のストライプや工事現場にある三角コーン)に目を付け、画面に反復させ描いていきます。

人間疎外を増幅させる記号社会を逆手にとるかのようなユニークかつ美しい作品です。画像は一部だけですので、是非会場で他の作品もご覧になって下さい。


増田将大「Moment’#37

ゲルハルト・リヒター的な作品に見えつつ、かなりよく考えられていて、しばらく見ていると入れ子構造になっているのが分かります。

キャプションにも「その時の光景と投影された像の虚実のイメージが、入れ子構造のように積み重ねられ、画面上に捉えがたい光景色が生み出されている。」とありました。

この作品をどのような手段方法を用いて描いているかは、ここでは種明かしせずにおきます。伊庭靖子さんが好きならきっと惹かれる作品です。


今村文「お花のえ きく、りんどう、百日草

花の絵は評価が甘くなりがちな自分ですが、これは花を差し引いたとしても良い作品でした。引きだとトンドに薄っすらと何かが描かれているようにしか見えません。

でもタイトルが「お花のえ」なので、ぐっと近寄ってみると…確かにお花だらけではないですか〜



しかもかなり凹凸がある画面です。懐かしのおやつ「モコモコ」の表面のようです。

これ、蜜蝋画技法を用いているからだそうです。顔料を混ぜた蜜蝋を溶かしながら描いていくとのこと。

モコモコの正体は絵具が重層化したものだったのです。我々人間も単体では生きていけず多くの命の上に生を重ねています。そんなことを感じさせる宗教画のようです。あっ!だからトンドなのかな。



それと、側面にもお花がみっちりと描き込まれています。個人的にはこの絵が一等賞(Tak賞)でした。

・40歳以下の若い作家
・平面作品の新作


以上の2つの条件があることにより「VOCA展」では、こうして自分の好きな作品を見つけながら鑑賞することが出来ます。

あなたが選ぶ「VOCA展2020」は果たしてどの作品でしょう。


Nerhol(田中義久・飯田竜太)「Remove」(部分)

冒頭で紹介した「VOCA賞」受賞したNerhol(田中義久・飯田竜太)の作品ですが、その凄さは横からのぞき込んで初めて分かります。

どうなっているか理解できますか??是非会場で!!

「VOCA展2020」は3月30日までです。上野公園桜も見ごろを迎えています。自粛疲れにはアートが一番です。是非是非〜


「VOCA展2020 現代美術の展望−新しい平面の作家たち−」

開催期間:3月12日(木)〜3月30日(月)
開館時間:10:00〜18:00
※最終入館は17:30
会場:上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)
http://www.ueno-mori.org/
公式サイト:
http://www.ueno-mori.org/exhibitions/main/voca/2020/


山内マリコの美術館は一人で行く派展 ART COLUMN EXHIBITION 2013-2019』 (Bros.books)
山内 マリコ (著)


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