青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< April 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 監修者が語る「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の見どころ解説動画が凄い! | main | スマホアプリ型音声ツアー「東京国立博物館〜東洋館見聞録〜」 >>

「琳派展 ― ひきつがれる装飾と簡素の美 ―」

加島美術で開催中の
「琳派展 ― ひきつがれる装飾と簡素の美 ―」に行って来ました。


https://www.kashima-arts.co.jp/

琳派の絵師として名のしれている、尾形光琳、尾形乾山、酒井抱一、鈴木其一、中村芳中、神坂雪佳などの作品を、ガラスケース無しの露出展示で観られるのが何と言っても加島美術「琳派展」の一番の魅力でしょう。

時節柄咳やくしゃみが出そうな方はマスクをするなり、口にハンカチをあてるなりして拝見しましょう。何かあったらそれこそ一大事です。


酒井抱一「秋草之図

新型コロナの影響で閉館を余儀なくされている展覧会が多い中で、日本美術の優品を間近に観られる好機です。

しかも、今回の「琳派展」に出ている作品はみな、品のよいものばかり。金銀ギラギラ系の作品はなく、花鳥画や雛人形など身近なモチーフを描いた優しいもので占められています。

「優美な琳派展」とでも言えましょうか。


尾形乾山「桜図

展示会場は1階と2階に分かれており、1階では酒井抱一や鈴木其一らその弟子たちの作品をまとめて展示。

白眉だったのは2階の中村芳中の作品群です。優しい琳派の中でも更に上をいく芳中の作品は、やさしさを超えて、ゆるゆるな琳派と言っても過言ではありません。


中村芳中「寒椿画賛」(川上不白賛)
中村芳中「白梅画賛

この他にも良い芳中が多く出ていました。伺ったところによると一点を除いてほぼ初お披露目とのこと。2014年に千葉市美術館で「光琳を慕う―中村芳中」展にも出ていないものばかりです。

天然でマイペースな人のことを指す「はんなり」という京都便がお似合いの芳中。

何かと嫌な話題が多い今のご時世、芳中作品の前でしばしそれらを忘れ彼の世界に没入するのもよろしいかと。あたふたしても始まりませんからね、何も。


2階展示室

手前に展示してあるのは、神坂雪佳「文庫箱 硯箱」です。


神坂雪佳「文庫箱 硯箱」蒔絵

文庫箱はかなりの大きさです。

中や蓋の裏側(内面)のデザインも気になるところです。「観たいな〜」と指を加えていたら画廊の方が「ご覧になられますか」とまさかのお誘い。


文庫箱開閉。

蓋の外には鹿、内側には浪が。


硯箱ってこのようにパーツの組み合わせで出来ているのですね。

雪佳の記した文字も確認できました。

それにしても、平日の昼間、ランチで賑わう京橋界隈のビルの2階でこのようなものを静かに拝見できるとは何て嬉しきことなのでしょう。

「優しい琳派展」は精神的にも思いやりが感じられます。


1階展示室

展示販売会を兼ねた展示会なので、キャプションの下に絵のお値段が記されているのも加島美術「琳派展」ならではのポイント。

普段、美術館や博物館で「この絵いったいお幾ら万円なのかしら…」と思いつつも中々知り得ない「絵の値段」をダイレクトに知ることが出来ます。

中には頑張れば手が届きそうな作品もあったりするので通常の展覧会では味わえないワクワク感も付随されるまさにお得な「琳派展」です。

「琳派展 ― ひきつがれる装飾と簡素の美 ―」は3月29日(日)までです。会期中無休、無料で拝見出来ます。是非是非〜〜


「琳派展 ― ひきつがれる装飾と簡素の美 ―」

開催期間:2020年3月20日(金・祝)〜3月29日(日)
開館時間:10時〜18時
会期中無休
会場:加島美術 
〒104-0031 東京都中央区京橋3-3-2
https://www.kashima-arts.co.jp/
入場料:無料
作品点数:約25点
主催:加島美術

本展は、華々しくきらびやかなだけではない琳派の側面を多くご紹介いたしております。例えば江戸琳派の大家である酒井抱一による「秋草之図」。秋草は琳派の絵師たちに好んで描かれてきたモチーフです。秋の野の草花のデザイン的な描写や、バランスよく配置された構図は、琳派の装飾的技法の特徴がよく表れています。その他にも桔梗や杜若など、琳派の代表的なモチーフの作品が出展されております。時を経て、同じモチーフを再構築しながら進化してきた琳派の歴史をぜひお楽しみください。


『「琳派」最速入門: 永遠に新しい、日本のデザイン』 (和樂ムック)
竹内 順一 (監修), 名児耶 明 (監修), 安村 敏信 (監修)


Twitter:https://twitter.com/taktwi
Facebook:https://www.facebook.com/bluediary2/
Instagram:https://www.instagram.com/taktwi/
mail:taktwi(アットマーク)gmail.com

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5806

JUGEMテーマ:アート・デザイン



江戸時代の京都、俵屋宗達から始まった日本画の系譜「琳派」は、約400年にわたって現代まで受け継がれて来ました。2018年にはパリのチェルヌスキ美術館で琳派展が催されるなど、今や世界中の美術ファンを魅了するほどにまで成長した日本の「琳派」ですが、知名度が高まるにつれて、琳派作品の絢爛豪華なあしらいばかりが注目されてきているのも事実です。しかしその真髄は、作品に使われる金箔や銀箔などの贅沢な材料にあるのではなく、卓越したデザインセンスと画技の洗練性にあります。多くの絵師たちが私淑することによって自ら研鑽を積み、時代を超え、その美意識が継承されてきた「琳派」。どうぞご期待ください。
展覧会 | permalink | comments(0) | -

この記事に対するコメント

コメントする