青い日記帳 

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『東京幻想作品集』

芸術新聞社より刊行となった『東京幻想作品集』を読んでみました。


東京幻想作品集
東京幻想(著)

廃墟ブームとやらは一体いつからこれほどまでに市民権を得てきたのでしょう。かく言う自分も学生時代廃屋と化し放置された病院に友達と忍び込んだりしたものです。

そんな廃墟ブームに便乗したかのような作品に一瞬でも思ってしまったら、著者の東京幻想氏に対して失礼にあたります。


六本木ヒルズ

東京幻想(とうきょうげんそう)

イラストレーター。東京の風景を自然に埋もれた廃墟として描くことで人気を集める。ゲームやアニメの背景の作画、東京幻想VR(DMM)などで幅広く活躍中。
OFFICIAL BLOG:https://ameblo.jp/tokyogenso/
作家Twitter:https://twitter.com/TOKYO_GENSO

実際の廃墟ではなく、人々の往来で賑わう大都市東京の街を想像力を駆使し描き出します。初期作品からそのスタンスは一貫しています。

ただし、彼が表現する廃墟と化した東京の街は、確かにボロボロで目も当てられないような姿をしているように一瞬見えるのですが、しかし夢や希望といった前向きな要素が非常に強く感じられます。


東京都庁(東京アラートどころではありませんね!)

そしてまた、人がいなくなった大都市東京の街の姿は、つい最近まで我々が実際に経験した、非常事態宣言下の街の様子と重なり合うものを感じずにはいられません。

5月下旬に出された非現実的な街を描いた『東京幻想作品集』は奇しくもリアルな世界とシンクロを果たしてしまったのです。

全部で77作品が収められています。その中にはこんなスチームパンク風の作品も含まれています。


東京ビッグサイト(東京国際展示場)

「廃墟を描くのにちょっと飽きてきた時期があるんです。そんな時に、ふと自分のペンネームが東京”幻想”だったことに気づきました。それで、前から描いてみたかったスチームパンク風の街並みに挑戦しました。」

東京幻想作品集』には、謎のベールに包まれている作家にこうした50の問いかけをしています。

それに丁寧に応えているのも好印象です。タイのアユタヤなど東南アジアからの影響も受けていると「50問50答」で知り、深く納得しました。


秋葉原

最後にもう一度だけ言います。単なる廃墟好きが描いた東京の街ではありません。東京幻想は、現実にしばられない想像力をフル回転させ作り上げた独自の世界観です。

オリジナリティーがそこに強く感じられるからこそ、多くの人の共感を誘うのです。

コロナ禍の今、東京幻想氏が新たに描くとしたら東京のどんな姿なのでしょう。それも想像しなが観ると一層彼の作品に寄り添えるはずです。


東京幻想作品集
東京幻想(著)



東京に何が起きたのか?

廃墟化した東京の街を圧巻の創造力で描き出すクリエイター・東京幻想。
ありえない未来の情景が想像を掻き立てる、儚くも美しい世界がここに──



『東京幻想 ART BOOK』

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5883

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