青い日記帳 

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「画家が見たこども展」

三菱一号館美術館で開催中の
「開館10周年記念 画家が見たこども展―ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン」に行って来ました。


https://mimt.jp/kodomo/

西洋絵画の世界では幼子イエスやキューピットがしばしば描かれていたので、子どもが絵画に登場するのは特段珍しいことのように感じないかもしれません。

ただそれは神話やキリスト教の世界のこと。日常生活を営むフツーの子どもが登場するようになったのは17世紀、風俗画が多く描かれるようになってからのことです。


ウジェーヌ・カリエール「病める子ども」1885年
パリ、オルセー美術館蔵

そもそも「子ども」という概念が生まれたのもまだそれほど昔のことではありません。

子供は長い歴史の流れのなかで、独自のモラル・固有の感情をもつ実在として見られたことはなかった。〈子供〉の発見は近代の出来事であり、新しい家族の感情は、そこから芽生えた。

フィリップ・アリエス『〈子供〉の誕生―アンシァン・レジーム期の子供と家族生活



今回の展覧会では、中世から近代への移行期における「子ども」の存在に関しては触れずに、近代化を成し遂げた19世紀末パリで主に描かれた子どもの作品が主体となっています。

主に、ボナール、ヴァロットン、ドニ、ヴュイヤールらナビ派の画家たちが描いた子ども像は、今の我々がイメージするものとほぼ同じ。難しいことは抜きにして鑑賞できます。

ただし、子どもはいつの時代でも「恐ろしい」ものです。その視点を忘れずに「子ども展」を観て行くのが大切です。


『恐るべき子供たち』

「画家が見たこども展」展覧会の構成は以下の通りです。

プロローグ:「子ども」の誕生
1:路上の光景、散策する人々
2:都市の公園と家族の庭
3:家族の情景
4:挿画と物語、写真
エピローグ:永遠の子ども時代



ピエール・ボナール「乳母たちの散歩、辻馬車の列」1897年
ボナール美術館蔵

コロナ禍前に訪れたので、時間をかけ会場をゆっくりと3周しました。

興味深いことに、それぞれで気になる作品が変わってくるのです。また感じ方にも変化がみられました。通常の展覧会ではあまりこうしたことは起こりません。

同じ人間が同じ日に観て違いが生じるのですから、他の人と比べれば猶更です。作品リストにどの作品に惹かれたかチェック入れながら鑑賞し、カフェでお茶しながら語り合うにうってつけの展覧会です。


モーリス・ブーテ・ド・モンヴェル「ブレのベルナールとロジェ」1883年
オルセー美術館蔵

第1章にあるこのとてもインパクトのある作品。どことなく変であるゆえに気になり、ついつい見入ってしまいます。

直立不動でまるで仁王像のように立つ兄弟。折角描くのですからもう少し洒落たポーズでも取らせるのが普通ですよね。これだとなにも野外にいる必要はありません。

と思い、背後や足元に描かれている風景に目をやると結構丁寧に表現されていることが分かります。それにしても地平線が高いですね。

そして右の子が手に持つ植物(一本の枝)が全体のバランスを図るのか崩すのかどちらとも受け取れる微妙な役割をになっています。


モーリス・ドニ「子ども部屋(二つの揺りかご )」1899年
個人蔵(モーリス・ドニ遺族)

モンヴェル作品とは場所が離れていますが、このドニの作品も二人の子どもが横並びに描かれ、縦横のラインが画面上に活かされています。

一見何の関連性もないような作品も観る視点やキーワードを持ちながら鑑賞していると、見えなかった糸が急に繋がり、電気が走るような感動を受けます。

3周目に「2人の子ども」というテーマを勝手に設定し、「子ども展」を拝見すると新たな発見の連続でとても刺激的でした。皆さんもどうぞお試しあれ!


ピエール・ボナール「歌う子どもたち(シャルルとジャン・テラス)」1900年
ボナール美術館寄託D


エドゥアール・ヴュイヤール「乗り合い馬車」1895年頃
ハマー美術館蔵

世界巡回展としてこの後、ボナール美術館(南仏・ル・カネ)へ巡回する予定だった「画家が見た子ども展」ですが、再来年以降に展覧会を延期となったため、東京での展示期間が当初より大幅に延びました。

6月7日終了予定でしたが、何と9月22日(火・祝)まで開催されることに!

コロナ禍にあって色々と大変ですが、大幅会期延長は非常に嬉しいことです。違う感動を得るためにまたあらためて観に行きたいと思います。


あやちょと巡る。画家が見たこども展
https://radiotalk.jp/program/37484

和田彩花さんに話しかけられながら美術館巡りができる「あやちょと巡る。画家が見たこども展」。コロナ禍前までは、三菱一号館美術館 館内限定で聴けるコンテンツでしたが、どこでも聴けるように設定変更となっています。

勿論無料です。パソコンやスマホで聴けるので予習にピッタリです!

「画家が見た子ども展」は会期延長となり9月22日までです。是非是非〜〜


「開館10周年記念 画家が見たこども展―ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン」

会期:2020年9月22日(火・祝)まで
※当初の会期:2月15日〜6月7日
※延長分の会期:6月9日〜6月21日(日)→9月22日
開館時間:10:00〜18:00 
※会期延長内での夜間開館は全て中止させて頂きます。
休館日:月曜日(但し、祝日・振替休日、6/29、7/27、8/31は開館)
※会期延長内での「トークフリーデー」は設けないことにさせて頂きます。
会場:三菱一号館美術館
https://mimt.jp/
主催:三菱一号館美術館、ボナール美術館、日本経済新聞社
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
協賛:大日本印刷
協力:日本航空、ヤマトグローバルロジスティクスジャパン株式会社


ミュージアムショップ「Store1894」内に大人も子どもも楽しめるガチャガチャが設置されています。

おススメは、こども展サコッシュとこども展ピンズです!!


『かわいいナビ派』
高橋 明也 (著), 杉山 菜穂子 (著)

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5907

JUGEMテーマ:アート・デザイン



2020年に開館10年目を迎える三菱一号館美術館は、丸の内に位置する美術館として都市と芸術のかかわりにスポットをあてた企画や、建物の特性を活かした親密なテーマによる展覧会を数多く開催してきました。10周年を記念する本展では、19世紀末パリの前衛芸術家グループ「ナビ派」の画家たちが追求した親密なテーマの中から「子ども」に焦点をあて、都市生活や近代芸術と「子ども」との関係を検証します。フランス、ル・カネのボナール美術館の全面協力のもと、国内外の美術館および当館の所蔵品から、ボナール、ヴァロットン、ドニ、ヴュイヤールらナビ派を中心とした油彩・版画・素描・挿絵本・写真等約100点により展覧します。
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