青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< August 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 『図説 モネ 「睡蓮」の世界』顛末記 | main | 台湾「星のやグーグァン」にも内海聖史作品があります。 >>

「印象派の女性画家たち」

アーティゾン美術館で開催中の
「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 印象派の女性画家たち」を観て来ました。


https://www.artizon.museum/

アーティゾン美術館の前身であるブリヂストン美術館は、モネ、ルノワール、セザンヌといった「印象派」及びその周辺の画家たちの名品と出会える場でした。

常設展示として都内で、西洋絵画の優品を手軽に観られるのはブリヂストン美術館だけでした。1952年(昭和27年)開館と言うのですから驚きです。

どれだけ多くの人に西洋絵画の魅力を伝えて来たのか計り知れない功績をなしています。


クロード・モネ「睡蓮の池」1907年
アーティゾン美術館蔵

それだけでなく、アーティゾン美術館(旧:ブリヂストン美術館)の素晴らしい点は、これまで蒐集してきた2500点以上の収蔵品に満足せず、休館期間中も含めコレクションを増やしているところにあります。

同時開催されている、石橋財団コレクション選」特集コーナー展示「新収蔵作品特別展示:パウル・クレー」では新たにコレクションに加わった24点のクレー作品を一挙公開しています。


「新収蔵作品特別展示:パウル・クレー」展示風景

バリエーション豊かなクレー作品の青騎士時代からバウハウス時代などの作品も含まれており、これだけで立派な展覧会がひとつ開催出来てしまう充実ぶりです。

クレー作品を目当てに今回アーティゾン美術館を訪れる方も何割かはいらっしゃるはずです。

そして更に驚いたのが今日紹介する「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 印象派の女性画家たち」でした。


ベルト・モリゾ「バルコニーの女と子ども」1872年
アーティゾン美術館蔵

全8回開催された印象派展に最も多く参加したのがベルト・モリゾです。娘を出産した翌年(1879年)の第4回印象派展以外全てに作品を出しています。

アーティゾン美術館開館に際し、モリゾを含む、印象派を代表する4人の女性画家たち、ベルト・モリゾ、メアリー・カサット、マリー・ブラックモン、エヴァ・ゴンザレスの5作品を購入したのです。新たに!

印象派は成立時代は悪評に苛まれましたが、今では西洋絵画の中でも1位、2位を争う人気を誇ります。これについては説明は無用でしょう。


メアリー・カサット「日光浴(浴後)」1901年
アーティゾン美術館蔵

日本だけでなく、世界中から注目されており、下世話な表現を用いるなら非常にお高くとてもとても手が出せるものではありません。

しかも個々の作家の代表作とも呼べる質の作品を5点も買い揃えるとは驚き以外の何物でもありません。

メアリー・カサットは第4回目から第8回印象派展に続けて作品を出しています。


メアリー・カサット「娘に読み聞かせるオーガスタ」1910年
アーティゾン美術館蔵

カサットの作品にはこうした母子像が多くあります。彼女自身が大事にしていた主題です。

絶版になってしまっていますが、『共視論』 (講談社選書メチエ)の第1章 北山修「共視母子像からの問いかけ」はカサットの母子像と浮世絵のそれとを比較しながら「まなざしの共有」について論じている非常に興味深い内容です。

どこかで入手出来たら是非読んでみて下さい。



キャプションや解説に多くの写真が使われているのにも注目です。これらも新たにコレクションに加わった芸術家の肖像のヴィンテージ写真です。

これまで、写真はコレクションになかったと思います。

モリゾやカサットと語る上で欠かせない存在であるマネの初めて目にする写真なども展示されています。


エヴァ・ゴンザレス「眠り」1877-78年頃
アーティゾン美術館蔵

エヴァ・ゴンザレスの作品の筆致はマネのそれを髣髴とさせるものがあります。そう彼女はマネの正式な弟子だったのです。

他の女性画家が印象派展に作品を出す中、エヴァ・ゴンザレスは師匠マネに倣い一度も印象派展には出展することはありませんでした。

マネをはじめ多くの画家のモデルも努めた彼女ですが、出産後34歳の若さでこの世を去ってしまったのは悔やまれます。


マリー・ブラックモン「セーヴルのテラスにて」1880年
アーティゾン美術館蔵

アングルに師事し、サロンと印象派展それぞれに作品を出していたマリー・ブラックモンの作品は、この出会いが契機となり、今後注目せざるを得なくなります。

実に面白く興味深い一枚です。この時代の様々な様式がいい塩梅に混じり合い画面を作り上げています。

画像で見るよりも随分と明るい印象を受ける作品でもあります。ところで真ん中の男性は意中の彼女の肩をいつになったら抱けるのでしょうね。頑張って!



絵画だけでなく写真、そして当時の資料から近年海外の美術館で開催された『印象派の女性画家たち』『パリの女性画家たち 1850年から1900年』のカタログも展示されています。

日本一、もしかしたら世界一、贅沢で芳醇な「コーナー展示」ではないでしょうか。「印象派の女性画家たち」は10月25日までです。

この展示だけを目当てにアーティゾン美術館へ行っても十分に元は取れます!!是非是非〜(しかし凄いな〜〜)


「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示
印象派の女性画家たち」


会期:2020年6月23日(火) 〜10月25日(日) ※会期変更
開館時間:10:00〜18:00 *入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日
会場:アーティゾン美術館4階展示室 石橋財団コレクション選 特集コーナー展示
https://www.artizon.museum/
主催:公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館

【同時開催】
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり(6階展示室)
第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」(5階展示室)
「石橋財団コレクション選」特集コーナー展示「新収蔵作品特別展示:パウル・クレー」(4階展示室)


画家モリゾ、マネの描いた美女〜名画に隠された秘密(字幕版)

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5915

JUGEMテーマ:アート・デザイン



アーティゾン美術館では、4階展示室にて「石橋財団コレクション選」と題し、2,800点余りからなる収蔵品の中から作品を選んでご紹介して参りますが、その一角に「特集コーナー展示」を設け、毎回異なるテーマにより収蔵品に新たな光をあてる企画展示を行ないます。2020年は2期に分けて展示をし、第1回は2020年6月23日[火]から10月25日[日]まで「印象派の女性画家たち」と「新収蔵作品特別展示:パウル・クレー」を、同時開催します。
アーティゾン美術館は、その前身であるブリヂストン美術館の1952年(昭和27年)の開館より、印象派の絵画をコレクションの中心のひとつに据えて参りましたが、開館に向けてこの分野をより充実させるべく、印象派を代表する4人の女性画家たち、ベルト・モリゾ、メアリー・カサット、マリー・ブラックモン、エヴァ・ゴンザレスによる5点の作品をコレクションに迎えることが出来ました。このたびは、これら新収蔵作品を一挙公開すると共に館蔵の関連作品8点、さらには同様に新しく収集された西洋の芸術家の肖像のヴィンテージ写真のコレクションからの写真作品6点もあわせて展示いたします。
展覧会 | permalink | comments(0) | -

この記事に対するコメント

コメントする