青い日記帳 

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「The UKIYO-E 2020」

東京都美術館で開催中の
「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」展に行って来ました。


https://ukiyoe2020.exhn.jp/

大英博物館、ボストン美術館など海外のミュージアムが所蔵する浮世絵が里帰りを果たす「浮世絵展」はこれまでの何度も開催されてきました。

日本人にとってあまりにも身近過ぎる存在だったため、芸術的価値を認めるのにはしばらく時間を要したため、良い作品は大量に海外へ旅立って行ってしまいました。

しかし、日本国内にもちゃんと浮世絵の優品は残され守り継がれているのです。滅多に公開されないだけで。


東洲斎写楽「二代目岩井喜代太郎の二見屋娘お袖」1794年
平木浮世絵財団

例えば、「The UKIYO-E 2020」に出ている何枚かの写楽作品の中でも「二代目岩井喜代太郎の二見屋娘お袖」は、世界広しといえどもたったの1枚しか存在が確認されていない超レアな一枚です。

浮世絵発祥の国である日本が誇る、三大浮世絵コレクション(太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団)が、総力を結集して、これでどうだ!と言わんばかりの勢いでお宝作品ザクザク出しています。

その数、前後期合わせてなんと455点!


「The UKIYO-E 2020」展示風景

これだけの数があると展示も密になりがちです。しかも浮世絵は西洋絵画と違いサイズが小さいので一枚に複数名が群がるとそれだけで三密状態となってしまいます。

沢山良い作品を見せたいけど、三密も避けたい。そんな相反する願いを叶えたのがデザイナーの「おおうちおさむ」さんです。

密を避けることを活かして細長い部屋を幾重にも配置。年代順に展示されているので、辿りながら浮世絵200年の変遷を観ていくことを可能にしています。



時折こんな「のぞき窓」的なものも配されており、展示にメリハリを利かせるのに一役買っています。また壁の色も各章ごとに敢えて強い色を用いています。

これは作品保護のため、どうしても暗くなりがちな浮世絵展の会場には非常にプラスに作用しています。

展覧会の構成は以下の通りです。

第1章 初期浮世絵
第2章 錦絵の誕生
第3章 美人画・役者絵の展開
第4章 多様化する表現
第5章 自然描写と物語の世界



鳥居清倍「初代市川団十郎の暫」 重要文化財 大々判丹絵 宝永期(1704〜11)頃
平木浮世絵財団

江戸後期の広重や国芳作品は他の展覧会でも人気がありしばしば目にしますが、初期浮世絵を拝める機会はそう滅多にありません。

2016年に千葉市美術館で開催された「初期浮世絵展−版の力・筆の力−」以来の感動が第1章にありました。

鈴木春信にも影響を与えたとされる石川豊信の作品や、生没年不詳の鳥居清重が描いた歌舞伎役者は、錦絵となってからは味わうことの出来ない滋味に溢れています。


「The UKIYO-E 2020」展示風景

東京オリンピック・パラリンピックで多くの外国人観光客が訪れることを見込んで、日本に残された最上級の浮世絵を惜しげもなく見せようと企画された展覧会。

残念ながら海外の方は来られなくなってしまいましたが、その分、我々がたっぷりと時間をかけて観られます。日時指定制チケットなのでストレスなく鑑賞できました。


勝川春章 「車引 二代目市川八百蔵の桜丸 二代目中島三甫右衛門の藤原時平 三代目市川海老蔵の松王丸 九代目市村羽左衛門の梅王丸」1776年
日本浮世絵博物館

民間の太田コレクション、酒井コレクション、平木コレクションが有する膨大な量の浮世絵の中から、約60名の絵師の代表作をピックアップ。

窪俊満「高野 六玉川の内」(「紅嫌い」という心憎い通好みの技法が用いられています)
鈴木春信「機織り」(「空摺り」という技法を用いた絶品)
鳥居清長「大川端夕涼み」(40年ぶりの公開)

個人的にはこの3点が観られただけでも十分に幸せでした。


鳥居清長「大川端夕涼み」(重要文化財)
平木浮世絵財団

浮世絵の歴史を展観できる最高級レベルの「浮世絵の教科書」がまさにこの「The UKIYO-E 2020」展です。異論は観に行かれれば全くはさむ余地もないはずです。

浮世絵200年の歴史の一部分しか紹介しない展覧会が多い中、圧倒的な質と量で攻め込んで来るかのような「The UKIYO-E 2020」展。体力と時間に余裕のある時に行きましょう。

色々な意味で最初で最後となる日本三大浮世絵コレクション総動員展。是非お見逃しなきように。図録は宝物です。

「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」展は、当初の予定よりも会期延長され9月22日までです。是非是非〜


「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」

会期:2020年7月23日(木・祝)〜9月13日(日) 9月22日(火・祝)
前期展示:7月23日(木・祝)〜8月23日(日)
後期展示:8月25日(火)〜9月22日(火・祝)
※日時指定入場制
休館日:8月17日(月)、8月24日(月)、9月7日(月)、9月14日(月)
開館時間:9:30〜17:30
会場:東京都美術館 企画展示室
https://www.tobikan.jp/
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団、日本経済新聞社、BSテレビ東京、テレビ東京
協賛:花王、損害保険ジャパン、ダイキン工業、大日本印刷、三菱商事
協力:小学館、東海旅客鉄道
展覧会公式サイト:https://ukiyoe2020.exhn.jp/

展覧会公式サイトにある「浮世絵ジェネレーター」が超優れもので、時間泥棒半端ないです。


自由自在に浮世絵を作成できる「浮世絵ジェネレーター」が凄い!


教えてコバチュウ先生! 浮世絵超入門
小林忠(著)

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5940

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浮世絵は、江戸時代の庶民たちに愛好された、日本を代表する芸術の一ジャンルです。その人気は海を渡り、印象派の画家をはじめとする欧米のアーティストたちに大きな影響を与え、ジャポニスム旋風を巻き起こしたことはよく知られています。また、葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、世界で最も有名な日本の絵として、多くの人々に愛されています。
本展覧会は、質、量ともに日本の三大浮世絵コレクションと言っても過言ではない太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団の名品をはじめて結集し、選りすぐった約450点の浮世絵版画を展示します。浮世絵版画の名品は海外に流出したと言われることもありますが、実は日本国内に世界最高水準の浮世絵コレクションが存在するのです。浮世絵の初期から幕末まで、代表的な浮世絵師たちによる名品の数々をお楽しみください。

前期展示:7月23日(木・祝)〜8月23日(日)
後期展示:8月25日(火)〜9月22日(火・祝)
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