青い日記帳 

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「宇治山哲平展」

東京都庭園美術館で開催中の
「絵に遊び、絵に憩う。 宇治山哲平」展に行って来ました。



この展覧会はあまり乗り気ではありませんでした。
(正直行かないつもりでした)

宇治山哲平のことが嫌いだったわけではありません。
宇治山哲平の作品が嫌いに見えてしまっていたからです。

「見えてしまっていた」というのはポスターやチラシなどの紙媒体や
庭園美術館のサイトにupされている宇治山の作品だけを見てのことです。

例えばこんな風に。。。
能・鵺による

古代エジプト〈絵画47〉

実物を観ずにこういったイメージ画像だけを観ると
どうしてもジョアン・ミロの作品と重なって見えます。

ミロの作品は「偶然と直感で描れた」といわれるように
自由奔放でのびのびしている良い側面もあるのですが、
私はどうも好きになれずミロと聞いても食指が動きません。

ジョアン・ミロ
ジョアン・ミロ
ヤニス ミンク

端的に言えば、ミロの作品は好きではないのです。(言っちゃった汗

好きでないミロの作品と似ている、名前の知らない日本の画家の作品を
webや紙媒体でいくら観ても白金台まで行かせられなかったわけです。私を。

つまり実際に作品を観もせずに目茶目茶恣意的な判断で
「行かない」と決めてしまっていたわけです。
半分ミロのせいにしながら・・・

ところが、
先日この展覧会を観てきたばかりのはろるどさんとお会いした際に
実際に行って観たら想像していた作品と随分と違いとても良かったとの
感想を聞きました。はろるどさん曰く「実際に観ないと作品の持つ
質感を含めての良さを理解できない。」とのことでした。

私の感想なんて当てにはできませんが
はろるどさんの感想なら嘘はありません。

万華

シンメトリーに描かれていながら実際作品の前に立つと
とても東洋的な印象を受けました。
西洋の庭園風ですが私には曼荼羅のように見えました。

後で知ったことですが宇治山の画業の根底をなすものは
東洋写実の精神」なのだそうです。

数点観ただけで「ミロとは全然違う。似て非なるもの。」だと感じました。

自然界のリズムをもしキャンバスに描き表すとしたら
もしかしたら宇治山の作品に近いものになるよにさえ思えました。

太陽・月・星・水・火・土・石・風そして動植物。
それらに○△□の記号でそれぞれ形を与え表現した作品。
それが宇治山の作品なのでしょう。

「記号」で描かれているのに、とても「自然」を感じられます。

晩年の作品「やまとごころ
「故郷の大分・日田盆地の風物詩「底霧」の幻想的な乳白色の光景」を
描いたとされていますが、解説文を読まずしてそれが
自然を表しているものだとひと目で分かりました。
描かれているものは○、△、□だけなのに・・・

それと、はろるどさんから聞いていた質感。
画面からでは知ることできないのですがとてもザラザラしています。

人間の肌も間近でよく見ると細かな皺があったり、傷があったり、
シミがあったりします。「ツルツルな肌」は本来有り得ません。

「つるつる」という言葉はプラスチックやステンレスなどに
使うものであり、本来生き物を形容する言葉ではないと思います。

生き物=自然はとても「ざらざら」しているものです。

ザラザラした宇治山の作品が自然を表しているのも納得できます。

美しい自然に囲まれた庭園美術館

宇治山はマチエール(絵肌)にこだわったそうです。
批判もあったそうです。でも変えませんでした。
最後までつるつるな作品は描きませんでした。

もしどこかの美術館で宇治山の作品を単品で観たら
ここまで感じ取ることはできなかったはずです。

それぞれの作品がメロディーを奏で
この美術館の雰囲気ともシンクロし
心地よい春の空間を演出してました。

また、小さな子供が楽しそうに観ている姿もとても印象的でした。

石の華」など抽象画への転機となった作品も含めて
観ることによりはじめて理解できたように思えます。

反省しました
やはり行けるのであれば、行って観ないといけませんね。


帰りがけにDOUGHNUT PLANT(ドーナッツプラント)の○で埋め尽くされた
椅子を見て再度今回の事、心に省みつつ家路を急ぎました。





明日の新日曜美術館はいよいよ…
「ダ・ヴィンチ、全作品〜万能の天才が残したもの」
 大ベストセラーとなり、映画化もされた「ダ・ヴィンチ・コード」。そのレオナルド・ダ・ヴィンチをめぐる不思議な謎は尽きることがない。その中でもとくに、9〜19点とされる真作の少なさ、そして未完成作品の多さはもっとも深い謎だ。万能の天才が当時職人に過ぎなかった画家という職業を芸術家へと引き上げた頑なな完全主義に焦点を当て、その完全主義ゆえわずかしか残されなかった絵画作品を、NHKが所蔵するハイヴィジョン映像をもとに検証していく。
  ○△□といったシンプルなカタチに、鮮やかな色彩を駆使した絵画によって、 日本の近代美術史に独自の足跡を残した 宇治山哲平 (1910-1986)。幼くして画家への道を志し、 評論家の福島繁太郎に作品を認められたのをきっかけに、国展を主な発表の場として活動を行うようになります。長らく生活のための職業を持ちながらの日々が続き、画業に専念する生活に入ったころには 70歳を超えていましたが、精力的な制作は衰えず、生涯のほとんどを故郷の大分県を拠点に活動しました。

  画家としての専門教育は受けず、中央の画壇からは離れた立場で制作を続けた宇治山は、さまざまな模索を経つつ、長い年月をかけて独自のスタイルを確立させていきました。カラフルな色彩とあまたの幾何学モチーフが作り出す抽象的な絵画作品 ── ある作品はリズミカルな、またある作品は優しく穏やかな表情をもちますが、そのベースには、意外にも仏教美術や古代オリエント美術への強い憧れがあるといいます。そして、いずれの作品にもハッピーなイメージが漂い、見る人の心にポジティヴな波動を与えるかのような、不思議な生命感にあふれています。

  宇治山の 50年に及ぶ活動を振り返る本展は、首都圏においては実に30年ぶりの本格的な回顧展です。晩年に描かれ未完に終わった大作を初公開するほか、アトリエに残されていた遺品によって彼のアトリエの再現も試みます。この“知られざる美の探求者”が作り上げた、大いなる含みに満ち、それでいてどこかモダンな魅力に彩られた世界を、一人でも多くの方に「発見」していただければ幸いです。
展覧会 | permalink | comments(4) | trackbacks(4)

この記事に対するコメント

Takさん
何時、行かれました?
ひょっとして、松岡と一緒ですか?
そしたら、先週かな?
私は、今日の昼過ぎにうろうろしてました。
目黒駅を出たら雨が降り出してしまい、DUEを準備して行ったのに、出すのを忘れてしまいました(笑)。
3階のサンルームまで、展示に使われていたのには、驚きました。
作品は、タイトルが変わっても中身があまり変わらないと言うか、古墳(前方後円墳と言うよりは、柄の部分が短い柄鏡式か帆立貝式に近いかな)や円筒埴輪をモチーフにしたアイコン?が面白かったです。
ただ、質感は、たしかに本物を観ないと分らないですよね。
ミュージアムショップがカフェの隣に引っ越して来ていたのは知りませんでした。
図録は売り切れでした。
鼎 | 2006/04/08 11:25 PM
Takさんこんばんは。
戯言のような拙ブログを引用していただいて恐縮です。

実はTakさんがミロをお好きではないとは初めて知ったのですが、
宇治山の作品にはその類いの抽象画とはまた異なった魅力があります。
私も全く知らない画家さんで、
ポスターを見た際はデザイン画のような感じなのかと思っていたのですが、
実際に見るとまさに仰る通り、全く印象が異なって驚きました。
あの質感と、Takさんも触れられた「東洋的な印象」。
それが共に深く心に残ります。

見て損はしない、充実した展覧会でした。
庭園美術館もやりますよね!
はろるど | 2006/04/09 12:28 AM
Takさん、宇治山は「発見」でした。抽象画はよく分からないのですが、他に誰もいない部屋で一人彼の大きな画の前に立っていると、なんとなく彼のメッセージが分ってくるような不思議な体験をしました。
とら | 2006/04/09 8:52 AM
@鼎さん
こんにちは。

これ行ったのは先週ですね。
松岡と一緒です。
一人でのんびりとあの辺散策しながら
観てきました。まだ桜も少し残っていました。

3階のウインターガーデンは
最近よく使っていますね。
褪色するようなものは置けないでしょうが
あそこにあるだけでがらりと印象変わります。

ミュージアムショップは経営が新しくなったそうです。
今度それも記事にしますね。

@はろろどさん
こんにちは。

いけませんね、ポスターだけで判断しては。
サイトを見るとこの美術館独自の企画だとありました。
行って良かったです。
名前の知らない画家さんの埋もれた作品を
観ることもとても有意義です。
新鮮な感覚を得ることできました。

再度お礼もうしあげます<m(__)m>

@とらさん
こんにちは。

タイトルもまたそれぞれいいですよね。
「無題」とかにしない点が。
タイトルと作品だけで解説なくとも楽しめました。
Tak管理人 | 2006/04/09 11:35 AM
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 ○△□で構成される抽象絵画。水晶の粉を混ぜた鮮やかな色彩。  でも、ミロやクレーあるいはカンディンスキーを観るような感覚で、肩の力をを抜いて哲平の画の前に立つと、彼の抽象世界に入っていくことができる。  そして耳にはポリフォニーの音楽、眼には夢
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目黒の庭園美術館は旧朝香宮邸を利用した美術館。アール・デコの優美なデザインが魅力である。展示室になっている内部も、照明器具・ガラス工芸・タイルなど当時の美しい室内装飾が楽しめる。 宇治山哲平の作品は、色鮮やかな○△□で画面を構成する抽象
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