青い日記帳 

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たった11枚の真作

ダ・ヴィンチ・コード封切になりましたね。
ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版
ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版
ダン・ブラウン, 越前 敏弥

昨夜フジテレビで放送していたこの番組

「“ダ・ヴィンチ・コード”ミステリースペシャル 天才ダ・ヴィンチ最大の謎と秘密の暗号〜モナリザ・最後の晩餐に隠された真実に迫る!〜」

予想していた通り、かなりハチャメチャな内容でした。
何にも知らずに観て鵜呑みにしてしまうと大変な誤解を招いてしまいます。

池上先生が危惧していた通りの展開になってしまうような予感です。

『ダ・ヴィンチ・コード』を読んだ歴史や美術史の研究者がもっとも違和感を覚えるとすれば、それはおそらく、作者が歴史上の"事実"と、言葉は悪いが"ガセネタ"とをまったく区別することなく舞台設定に用いている点だろう。「ここから先は信憑性にとぼしい」といった但し書きがついているわけでもなく、読んだ人々がすべてを等しく扱ってしまったらどうしよう―それが研究者たちの心配ごとなのだ。そしてこの心配はとりわけ、テンプル騎士団とシオン修道会に関する部分において顕著なものとなる。
ダ・ヴィンチの遺言
『ダ・ヴィンチの遺言』池上英洋

「ダ・ヴィンチ・コード」を肯定的に捉えていらっしゃる
池上先生でさえ憂慮するような部分がテレビの特番では「衝撃の事実!」
(CMの後!)として扱われ観ていてハラハラしてしまいました。

何が正しくて、何が正しくないか。
自分の頭で見極めるためにも
池上先生の『ダ・ヴィンチの遺言』
しっかり読まれることお勧めします。

さて、映画については他でも沢山扱ってくれるでしょうから
ここではダ・ヴィンチの残した絵画について、池上先生の説に
則って紹介していきたいと思います。

レオナルドは一体何枚くらいの絵画作品を残しているかご存知でしょうか?
私もこの『ダ・ヴィンチの遺言』を読むまでは、考えた事ありませんでした。

「たくさん描いたんだろうな〜」くらいの漠然としたイメージしか。

ところが、何と手稿やデッサンを除くとレオナルドの作品として
認められる真作は現在11点しか存在しないとのこと。

「えっ!?たった11枚??」本当に??

彩色段階まで至った作品で「ほぼレオナルド単独の真筆」作品と
考えられるのは池上先生のお考えでは次の11点しか存在しないとのこと。

「ダ・ヴィンチ・コード」で眉唾ものの「衝撃の事実」に驚くより
こちらの知っているようで知らない本当の衝撃の事実をとくとご堪能あれ。
(『ダ・ヴィンチの遺言』の中でリストアップされている順です。)


受胎告知」ウフィッツィ美術館


カーネーションの聖母」アルテ・ビナコテーク


ブノワの聖母」エルミタージュ美術館


ジネヴラ・ベンチの肖像」ワシントンナショナル・ギャラリー


岩窟の聖母」ルーブル美術館


白貂を抱く婦人」チャルトリスキ美術館


ラ・ベルフェロニエール」ルーブル美術館


ちょっと休憩。
タッシェン出版のこの「重い」ダ・ヴィンチの本
書店でお目にかかったこともあるはずです。
Leonardo Da Vinci: The Complete Paintings And Drawings
Leonardo Da Vinci: The Complete Paintings And Drawings
Frank, Dr. Zollner, Johannes, Dr. Nathan
2万円近くする本ですが、実物見ればそれも納得。
逆に2万円でお釣りがくるのはとってもお得かも。

閑話休題。残りの4点です。


最後の晩餐」サンタ・マリア・デッレ・グラーツィエ聖堂


「ラ・ジョコンダ」ルーヴル美術館


洗礼者ヨハネ」ルーヴル美術館


聖アンナと聖母子」ルーヴル美術館

以上11枚。これで全てだそうです。

「あれ?あの作品は??」
抜けているようなものもありますよね。
例えば「聖ヒエロニムス」「東方三博士の礼拝」など。
これらはレオナルドの真作ではあるけれども未完成なので×

「リッタの聖母」や「音楽家の肖像」など真作といわれている作品も
池上先生の目には「とても真筆には思えない。」そうです。

この11作品を軸にしてレオナルド作品完制覇してみたいですね。
(隣でかみさんが睨んでいます・・・)

レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上   岩波文庫 青 550-1
レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上 岩波文庫 青 550-1
レオナルド ダ・ヴィンチ, 杉浦 明平

そうそう、今夜23時からNHK衛星第2「迷宮美術館」でこんな番組やります。
「レオナルド・ダ・ヴィンチの魔力」
 画家、建築家、彫刻家、舞台美術家、音楽家など、ありとあらゆる顔を持ち、「万能の天才」の名をほしいままにしたレオナルド・ダ・ヴィンチ。美術史上、最も有名で、最も謎に満ちた巨人の魅力にスポットをあてる。パトロンで友人でもあったメディチ家のジュリアーノを失い、失意のうちに「モナリザ」を携えてフランスへと旅立ち、異郷の地で死を迎える天才の最晩年の姿や、「最後の晩餐」の創作過程の悩みなどを描きだす。


因みにこの番組に池上先生も出演されています。
お時間ある方是非。ご覧になって下さい。
画家、建築家、彫刻家、舞台美術家、音楽家。ありとあらゆる顔を持ち、「万能の天才」の名をほしいままにしたレオナルド・ダ・ヴィンチ。自らは「画家」を称し、膨大な素描やスケッチを残したダ・ヴィンチは、その絵画の中に、どんな思いを込めたのか。美術史上、最も有名で、最も謎に満ちた巨人、レオナルド・ダ・ヴィンチの魔力を解き明かす!

<本日の特別展>再現!最後の晩餐 〜裏切りものは誰だ?〜
ダ・ヴィンチの出世作となった最後の晩餐のシーンをスタジオに再現。
段田安則が、「最後の晩餐」を製作中のダ・ヴィンチに扮し、創作過程の悩みなどを打ち明けながら、絵に施した演出の秘密を解き明かす。
実は、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」は、従来の画家たちが描いたそれとは決定的に違っている。従来、ユダは「裏切りもの」として、はっきりわかるようにテーブルの端や手前に描かれていたが、ダ・ヴィンチはそのユダをまさに、他の使徒と同列に置き、よりサスペンスに満ちた一瞬、劇的シーンを描いているのだ。
1人1人の表情。その人物の位置関係。さらには食卓の食べ物や室内の装飾など、ダ・ヴィンチは絵の中に多くの秘密と、謎を残している。
段田安則扮したダ・ヴィンチの制作が進むにつれ、恐るべきドラマチックな演出が浮かび上がってくる・・・。
<迷宮伝説>ダ・ヴィンチとモナリザの秘密
 誰もが認める天才であり、絵画のみならず、建築、数学、科学などあらゆる分野にその才能を発揮したレオナルド・ダ・ヴィンチは、しかし、50歳になっても、なんらかのプロジェクトを完成させたことが一度もなかった。数少ない絵画作品のほかは、次々と公共性の高い事業に参加しても、いずれも未完成。華やかな名声を得ながらも拭い去れない挫折感。そんな彼が描くことになる「モナリザ」。この絵に彼はそれまでの全ての力を注ぎ込んだ。
 しかし、パトロンで友人でもあったメディチ家のジュリアーノを失い、失意のレオナルドはフランス王フランソワ一世の招きに応じ、64歳でフランスへと旅立つ。「モナリザ」を携えて。そして、そこでレオナルドは死ぬまでモナリザに手を加え続けたという。
 実は、未完成だといわれているモナリザ。そこに秘められたダ・ヴィンチの驚異の技法。故郷のダ・ヴィンチ村を描きこんだといわれる背景、また、母の顔とも彼自身の顔とも重なるというその面差し。モナリザにダ・ヴィンチが込めた数々の謎と天才ともてはやされながら、異郷の地で死を迎える彼の最晩年の姿を描く。

【司会】段田安則,住吉美紀
TV番組 | permalink | comments(8) | trackbacks(3)

この記事に対するコメント

こんばんは。
昨日この番組をちらっと見ましたが、
もうとんでも番組になっていましたよね。
バラエティーとしてやってくれれば良いのですが、
何だか妙なドキュメンタリーになっていました。
これだからテレビは…(以下自粛…。)

しばらく大変なことになりそうです…。
はろるど | 2006/05/21 11:49 PM
うーちゃんは、研究♪
逆にワシントンで巨人は次に遺言するはずだったの。
逆にフジテレビで告知したかも。
けれどもきょうはイメージするはずだったの。
BlogPetのうーちゃん | 2006/05/22 10:15 AM
こんにちは、朝霞からよれよれで帰ってきました。

ダ・ヴィンチは画家というより研究者というのが
私のイメージですね(昨年のヒルズも行きました)。

>タッシェン出版のこの「重い」ダ・ヴィンチの本
丸善で見かけました。2万円とは驚き。
shamon | 2006/05/22 5:05 PM
@はろるどさん
こんばんは。

観なきゃいいのに、観てしまって後悔してます。
映画もそうかな〜
嫌な予感です。。。

しかしあん番組酷かったですね〜
(クリステルだけかな)

>しばらく大変なことになりそうです…。
全くです。。。

@shamonさん
こんばんは。

お帰りなさいませ。

>ダ・ヴィンチは画家というより研究者というのが私のイメージですね
そうですね、確かに。
あの手稿なんて観ると画家という側面は見えてきません。
一流の研究者です。

タッシェン欲しいんです、昔から。
でもな〜床がもたないな。。。きっと。
Tak管理人 | 2006/05/22 11:32 PM
 講釈師見てきたような嘘をつき、と言います。『ダ・ヴィンチ・コード』は、小説(fiction)だし、ハリウッド映画です。映画を見てきましたが、金をかけたなりに面白く出来てました。

 TVがフィクションをあたかも「歴史の事実」であるかのように扱う神経がおかしいのですね。
 ケーブルで、Fox の「ダ・ヴィンチコード〜真実と虚構の境界線」というのをちらっと見ましたが、こっちはテンプル騎士団の虚構を『薔薇の名前』のウンベルト・エーコに語らせるなど、一応虚構について反論を絡ませる構成ではありましたが、所詮TV番組では、虚実を取り混ぜたバラエティにしかなりえないような気がします。

 映画のトム・ハンクスは「歴史の事実」を説得するほどの貫禄はないし、「アメリ」のオドレイ・トトゥが良く演ってましたが、全体としてハリウッド的と言うか、アメリカ人的というか、見方が妙にひねらず通俗的で、わかりやすいストーリー展開でした。やっぱりこれは講談です。

 ところで、Takさん、

>この11作品を軸にしてレオナルド作品完制覇してみたいですね。
>(隣でかみさんが睨んでいます・・・)

 多分「ブノワの聖母」がまだですね。これ、いい絵ですよ。今はどう展示されているのかわかりませんが、間近に自然光でとっくり見られるので、よけい良く感じられるのかもしれません。

 私、ルーヴルの「岩窟の聖母」が好きなのですが、ロンドンのナショナル・ギャラリーにこっちのほうの大きなデッサン(もちろんご覧でしょうが)があって、それがまた良いので、それを見るとナショナル・ギャラリーよりはルーヴルのほうを見たくなって困ります。



xfrt | 2006/05/24 2:17 AM
@xfrtさん
こんばんは。

昨夜映画観てきました。
ジェットコースターに乗っているような
気分にさせられる素早い展開の作品でした。
まぁ、よくまとめたものです。

トムハンクスに関しては全くの同意見です。
キャスティング・ミスですね。
ほんとアメリカ的な映画でした。

ダ・ヴィンチの作品でまだ観ていないのは3点あります。
「カーネーション」と「ベンチ」と「ブノワ」です。

>間近に自然光でとっくり見られるので、
>よけい良く感じられるのかもしれません。

そうなのですか。ますます観たくなりました。
コンプリート是非成し遂げたいものです。

「岩窟の聖母」はどちらかというと
ロンドン版の方が好きなんです。
初めにこちらを観たせいかもしれません。
初印象は強烈に残るものですね。
Tak管理人 | 2006/05/24 10:24 PM
Takさん、

 毎度すみません。またぼけてました。

 ナショナル・ギャラリーのデッサンは「聖アンナと聖母子」のほうでして、ルーヴルに行きたくなるのはそのせいでした。

 うっかり勘違いしたのは、あるときこのデッサンの前で、多分ロンドンの中学生を引率してきた教師が、同じような絵が3枚あると、ナショナル・ギャラリーとルーヴルの絵の説明をしてたのを思い出したせいでした。
xfrt | 2006/05/25 2:41 AM
@xfrtさん
こんばんは。

「聖アンナと聖母子」のデッサンって
確かちょっと離れた場所に展示してありましたよね?
勘違いかな。
一枚だけぽつんと。

ナショナル・ギャラリーまた行きたいです。
館内の雰囲気、ルーヴルとは違いますよね。
Tak管理人 | 2006/05/25 10:32 PM
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THE DA VINCI CODE/ダ・ヴィンチ・コード | 冷たい月の陽炎 ETERNAL/Fate+ | 2006/05/21 11:42 PM
[[img(http://www.dhnet.be/pictures_news/art_36229.jpg)]] '''「The Da Vinci Code」'''大人気らしいですね! なんでも予想収益(?)は''’164億円'''だとか…(゜д゜)ビクーリ 原作者の[http://www.amazon.co.
フィクションとノンフィクション | 日々の泡、浮かんでは消えていく毎日の記録 | 2006/05/23 11:55 AM
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モナ・リザの色調 | 徒然なるまままに | 2006/06/09 8:46 AM