青い日記帳 

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「出光美術館名品展 機

出光美術館で開催中の
開館40周年記念「出光美術館名品展 受け継がれる伝統の美
―絵巻・室町屏風と中国陶磁」



開館40周年記念ということで「確変モード」に突入している出光美術館。
今年は力の入れ具合が違ってます。「持ってる物見せちゃうよ〜」的な
ノリの展覧会が今年から来年にかけて続きます。

先日ご紹介した「国宝 風神雷神図屏風展」や青磁、書、焼き物まで
幅広いジャンルのレベルの高い展覧会が開催予定となっています。

出光さん、お願いです。以前もお願いしましたが
「友の会」なんぞ作ってくれないでしょうか?
「年間パスポート」系でもいいです。通いますから。

今回の展覧会も前期と後期でそれぞれ観たいものあるんですよね。。。
ニクイことに。
(因みに明日から26(金)までは展示替の為閉館するそうです。)
27日から始まる後期も行きたいです。。。

さて、さて。
この展覧会に行ったのが先週の日曜日のこと。
前期に出展されていた「国宝 伴大納言絵巻」を観るためです。

平安時代に制作された絵巻物が平成の今の世まで伝わっているという事実に
いつも驚かされます。1000年の時を経ているわけです。
想像が追いつきません。

絵巻物ですので全場面展示するわけにもいきません。
国宝ですしね。制約もあれこれあるでしょう。
で、今回は上巻の応天門炎上の場面が展示されていました。
思いっきり味わいつくす伴大納言絵巻
「思いっきり味わいつくす伴大納言絵巻」 黒田 泰三

一番インパクトあるシーンです。
中央に真っ赤な炎をあげ「ごうごう」と音が聞こえんばかりに
燃え上がる応天門。まさに「炎上」。

その炎の勢いの凄まじさをさらに増幅させているのが逃げ惑う人々。
「混乱」「錯乱」をこれほどまでに上手く表した作品は世界的にも
稀なのではないでしょうか。観ているこちらまでなにやら落ち着きません。

この伴大納言絵巻、展示は今日で終わってしまいまいたが
10月7日からここ出光美術館で「国宝 伴大納言絵巻展」
―新たなる発見、深まる謎―と題し展覧会が開催されます。


長谷寺縁起絵巻

室町時代に描かれたこの絵巻物三巻を出光さん持っているそうです。
「伴大納言絵巻」よりリラックスしてふつ〜に楽しむことできました。

気に入ったのが↑の中巻。
仏か神かはたまた鬼か区別のつかない怪しい連中が描かれています。
(中央には助けを求めるかのような人間が。)
風向きとか同じ画面の中で四方から吹いているかのようです。
なんだか好き勝手やっているようで楽しげでもあります。


今回だけでなくこれは結構ちょくちょく出しているので
ご覧になられた方も多くいらっしゃるはず。

国宝 古筆手鑑「見努世友」

各時代の代表的な書作品の断簡をあつめた能書家全集のようなものです。

で、これ観て何が楽しいのか?
正直筆を持つ機会の滅多にない私などには
その良さも分かるはずもないのですが、、、
こちらの文章読んだら何となく分かった気がしました。

 日本語の「学ぶ」が「まねぶ」即ち真似から来ていることは興味深い。しかもこの真似は表面的な操作ではなく、いわば全身をもって能動的に遂行される典型事例の反復である。その目的は(あるいは結果は)、自らその具現例を実現することによって、その「型」を身につけることである。このような真似を「模倣」と区別して「なぞり」と呼ぶことにしよう。
(中略)
 模倣が、模倣対象の特徴パターンの認知、同一パターンの製造と言う対象操作の行為であるのに対し、「なぞり」とはむしろ手本に導かれた身体活動のパターンの経験である。そこで習得されるものは、文字の形よりも、主として動きの緩急の「型」であり、筆遣いの「呼吸」である。この内的な身体活動の「型」が身につくなら、結果として文字の形も似てくるであろう。こうして「模倣」が外的な(客体の)特徴の再現であるとすれば、「なぞり」は内的な(主体の)活動の「型」の反復である。

ことばと身体
「ことばと身体」 尼ヶ崎 彬

なるほど、なるほど〜筆遣いの「呼吸」
感じ取るように観ればいいのですね。
古筆手鑑「見努世友」は後期も場面を替えて展示されています。

最後に一枚。牧谿の作品です。

叭々鳥図
落款がまっすぐ押されていなかったりもしますが、それはご愛嬌。

水墨画にあそぶ―禅僧たちの風雅
水墨画にあそぶ―禅僧たちの風雅
高橋 範子

そうそう、4月から出光美術館ちょっと館自体もリニューアルしました。
エレベータ降りると正面にコインロッカーありましたが
改装したらしく、今行くとこんな感じになってます。


雰囲気随分と変るものですね。大林組の仕事だそうです。
(ロッカーは館内に新たに設けられています。)

11日11月からは「「出光美術館名品展」その2が開催されます。
仁清、等伯などなど。こちらも見逃せません。

やっぱ出光さん、年パス作って!!

名作に出会える東京首都圏美術館博物館ガイド
名作に出会える東京首都圏美術館博物館ガイド
成美堂出版編集部
平成18年は出光美術館が開館して40周年の節目の年にあたります。これを記念して膨大な収蔵品の中から代表作約120点を厳選。コレクションが誇る二大国宝「伴大納言絵巻」と古筆手鑑「見努世友」をはじめ、鎌倉・室町時代の仏画や説話物語絵巻、牧渓、玉澗、雪舟など日本・中国の絵画や書跡、さらには中国陶磁史を彩る作品の数々を通して、東洋の麗しき美の伝統を概観します。
展覧会 | permalink | comments(8) | trackbacks(6)

この記事に対するコメント

こんばんは。
この名品展、さりげなくすごい作品がでてますよね。そんな広くない会場ですが、ものすごく見応えがあります。
リニューアルしたんですね。なんとなく雰囲気違うな、と感じていたのですが(鈍いやつです)。
自由なランナー | 2006/05/25 10:49 PM
池上先生のブログで何時もお名前を拝見しています。
出光美術館では今秋に『伴大納言絵巻上・中・下巻』まとめて展示があるとのことです。その折には学芸員の黒田によるセミナーも予定されているとのことです。
かれこれ4〜5年前に上・中・下巻を一年ごとに展示され、その時も黒田さんの解説セミナーがありましたので、今回も楽しみにしています。
わん太夫 | 2006/05/26 12:41 AM
@自由なランナーさん
こんにちは。

自由なランナーさんのように陶磁器などの知識があれば
もっともっと楽しめたのですが…
それでも十分ですかね。
出光確変モードしばらく目が離せません。

@わん太夫さん
こんにちは。
コメントありがとうございます。

学芸員の黒田さんのお話是非伺ってみたいです。
絵巻物ってどうしても一部分しか観られないので
今年の秋はかなり期待しています。
楽しみです。
京都の「大絵巻展」に貸し出せなかったわけですよね。
春と秋に公開するのでは。

今後ともよろしくお願いいたします。
Tak管理人 | 2006/05/26 7:48 AM
こんばんは。

伴大納言絵巻は素晴らしかったです。
一気に秋の展覧会が待ち遠しくなってきました!

>エレベータ降りると正面にコインロッカーありましたが
改装したらしく、今行くとこんな感じになってます。

そうですね。私もエレベーターを降りて驚きました。
今後はこれを手始めに、
館内を順次整備していくそうなので楽しみです。
さらに良い美術館になりそうですよね!
はろるど | 2006/05/26 10:39 PM
私も「伴大納言絵巻」が見たくて行きました。
目の当たりにすると、色鮮やかなのに驚きました。
10月にまた展示があると知って感激です。
例の「後ろ姿の男」の場面は展示されるのでしょうか。楽しみです。

この絵巻に関する本を読んだので、トラックバックさせていただきました。


kyou | 2006/05/27 6:16 PM
@はろるどさん
こんばんは。

燃えてましたねー応天門。
激しくメラメラと。

コインロッカー新しく
館内に設置されましたが
あそこのスペース元々なにが
あったか覚えてません。。。
たしか壁でしたよね?!

@kyouさん
こんばんは。

「伴大納言絵巻」だけ観に行くつもりが
ほかもあれこれ結局観てしまい
時間が無くなってしまいました。。。

チラシに使われている屏風絵も
状態は悪かったですが面白い作品でした。

TBありがとうございます!!

Tak管理人 | 2006/05/28 12:41 AM
Takさん、TBありがとうございます。
5月に前期を見て、この前の金曜日、仕事の後に
寄りました。今回もいいものがたくさん出ていました。

珠光の青磁の碗、白い象に乗った普賢菩薩、北野天神縁起絵巻、明恵上人の書状など、いろいろありすぎて困るほどです。確かに、年間パスポートほしいですね。
| 2006/06/11 4:27 PM
@郁さん
こんばんは。

焼き物については全く良さが
分からないので郁さんのブログで
勉強させてもらいました。

出光の作品はどことなく怪しいのですが
それでもついつい観に行ってしまいます。
年パス希望!!
Tak管理人 | 2006/06/11 5:47 PM
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