青い日記帳 

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「大絵巻展」

京都国立博物館で4日まで開催していた
「大絵巻展」に行って来ました。



養源院の宗達襖杉戸絵や血天井を素早く拝観し、いよいよ京博へ。
時計の針が9:30少し前をさすころに入場。
この時点でこれだけの人人人・・・


国立博物館のパスポートを持っていたので
チケットを購入する列には並ばずにすんだので
それでも少しは早く入れたのですが、、、その先
入館までにまたずらりと行列が。。。

ただ思ったより進みは速く9:50分過ぎには博物館の中入れました。

絵巻で読む中世
「絵巻で読む中世」 五味 文彦

今回の旅行中この本↑を読み「大絵巻展」に臨むつもりだったのですが、
諸事情あって読めたのはたった十数頁。。。

だいたい絵巻物をまとめて観た機会なんて今までないので
行列の長さよりも果たして観て楽しめるのか?
ということをかなり不安視していました。
“観に来ただけ”で終わったら悲しいですからね。

ただそんな不安も会場内の作品を観ていくうちに
自然と解消されていきました。とても楽しかったです。


国宝「華厳宗祖師絵伝」義湘絵 巻第三
善妙さんが龍の姿に身を変え、義湘さんの乗っている船を支えています。

この一つ前の部分では船に乗っている人々の顔は冴えないのですが
龍に支えられたここの場面では一転して皆安堵の様子伺えます。

餓鬼草子」「地獄草紙」「病草紙」など平安時代に描かれた奇妙な絵巻がずらりと展示されていたのも一興。グロいけど皆国宝。

眼病の治療と称して目玉に針を突き刺し失明させてしまっている場面も
あったのですが、緊迫感全くなく笑っているようにさえ見えました。
おかしな絵巻です。「病草子」は全部出来たら見てみたいです。

国宝「法然上人絵伝」や重文「石山寺縁起
国宝「一遍聖絵」や国宝「華厳宗祖師絵伝」など
真面目な真面目なエライお坊さんらの絵巻が続いたかと思うと。。。

いきなり真打登場。
重文「福富草紙

大笑いしました。
巻上は前期展示だったそうで、見たのは巻下なのですが
このアホらしさなんとも言えません。

おならをすることで財をなした秀武を真似同じように儲けようと企んだ
隣家の夫婦(福富)が酷い目に遭うという典型的な昔話のパターン。

中将様の前で放屁の芸を見せようと福富がチャレンジするが…
何とおならでなく脱糞してしまうというとんでもない展開。(画像

勿論酷く叩かれ蹴られしてお屋敷から追い出されてしまいます。
血だらけの着物のまま。(画像

文字で書くととっても下品な内容ですが
この絵巻にはほとんど詞書がなく絵だけで
ストーリーを追っていくように仕上がっています。

すぐわかる絵巻の見かた
「すぐわかる絵巻の見かた」 榊原 悟

国宝「源氏物語絵巻」東屋(一) 
国宝「鳥獣人物戯画」甲巻

この二作品を観るには会場の中で更に別の列に並ばなくてはいけません。
30分〜60分待ちとか。。。

そこまで並ぶ根性ないので並んで観ている人の頭越しに観てきました。
まぁ、これで十分かと。「源氏物語絵巻」は近くで観るものでもないし、
「鳥獣人物戯画」は列の後ろからでもよーく観えました。


この二作品の裏側に展示されていた
国宝「信貴山縁起」尼公巻の方が観る価値ありかと。

消失してしまう以前の奈良の大仏殿がきちんと描かれていました。
当時を伺い知る一級資料です。

信貴山縁起絵巻―躍動する絵に舌を巻く
「信貴山縁起絵巻―躍動する絵に舌を巻く」 泉武夫

画中詞のこと書くの忘れていました。

詞書とは違い絵巻の場面場面に登場する人物の台詞を書いた文字が画中詞。
例えば、国宝「華厳宗祖師絵伝」 義湘絵ではこんなシーンで。。。

「やあ そのふね ちょっと」

「漫画のようね」と隣の方が言ってました。
まさにその通り。短絡的に結びつけてしまうの好きではありませんが。。。
今の漫画文化の元はすでに鎌倉時代からあったのですね。

つまらなかったら30分で出てきて他のお寺でも観に行こうと
思っていたそんな考えも全くの杞憂に終わったとても楽しい展覧会でした。

絵巻の楽しさ初めて分かった気がします。わーい

絵巻を読み解く
絵巻を読み解く
若杉 準治
文字と絵画によって物語をあらわす日本独自の芸術、『絵巻』。
 平安時代に物語の成熟とともに始まり、説話、軍記物、寺社縁起、高僧伝、御伽草紙と主題を広げながら発達した絵巻は、現代の映画や漫画、アニメーションのルーツともいわれます。また歴史的、文化史的にも貴重な文化財であり、当時の様相を時をこえて後世に伝えつづけています。
 本展は、現存する最古の絵巻「源氏物語絵巻」や、「鳥獣戯画」「信貴山縁起」といった古典的な名品をはじめ、「病草紙」「紫式部日記絵巻」「法然上人絵伝」など多くの国宝を含む約50件を、絵巻の特性や物語の表現方法、絵巻を描いた画家たちなどのテーマを軸に紹介します。
 文化財は、保護の観点から年間の展示期間が制限されていることが多く、これほどまとまって絵巻を鑑賞できるのは貴重な機会です。日本が世界に誇る絵巻の世界をご堪能ください。


展覧会 | permalink | comments(10) | trackbacks(5)

この記事に対するコメント

TAKさんがどんな感想(というより解説!!)されるのかとアップされるのを楽しみにしておりました!(^o^)丿

「餓鬼草子」「地獄草紙」「病草紙」もインパクトありますよね。ああいうものの方が子どもの眼はかなりひきます(^^ゞ
小学生の娘を(遠足の代休だったので)連れての観覧だったのですが、もしかした鳥獣戯画より印象強かったかも!グロい(*_*)でも。。。なんでも題材になるものだと妙に感心したりして。

平安女官がみんなで回し読みしたようなモノクロ絵巻もなんだかその時代の人たちのたのしみも現代の漫画も。。。いつの時代もみんな漫画好き??なんて勝手に想像していまいました。

今後こんなにまとめて見る機会って・・・いつくるのでしょうか? 絵巻は見るのにかなりの体力を要しますが(笑)
また次の機会も是非見たい。。。そんな気にさせられた展覧会でしたね。



十六夜 | 2006/06/06 10:22 PM
Takさん、オマジージュ事件お見舞い申し上げます。
ところで京博については、わたしもほぼ同じ感想でした。
入場待ちの長蛇の列を鳥羽僧正が描くと、素晴らしい「平成人物戯画」になったでしょうね。もちろん私も登場人物ですが。
とら | 2006/06/06 10:39 PM
こんばんは。
Takさんがあぢ〜〜京都におられた頃、私はナゼか涼しい横浜にいました。
関西では割と絵巻の展覧が多いのですが、こんなに『大』なのは久しぶりだと思います。
東京ではサントリーがたくさん素敵なのを所蔵しているので新規オープンが今からとても楽しみです。(必ずしてくれるはずだと思い込み中)
遊行七恵 | 2006/06/06 10:58 PM
Takさん、こんにちは。

私もGW中に行ってきましたが、凄い人人人・・・でした。
内容は、すごく面白かったです。

「信貴山縁起」尼公巻の奈良大仏殿は、すごく見たかったです(>_<) 私が見たときは「山崎長者の巻」でした。

この展覧会、本当は複数回行きたいですよねぇ・・・。
よっしぃ〜。o○ | 2006/06/07 12:41 PM
こんばんは。
この展覧会見たかったのですが、京都はちょっと遠いです。
巡回しないんですよね。とっても残念です。

この頃日本美術の良い展覧会が沢山あるような気がします。
古い時代の西洋絵画に対する憧れのようなものは、平成ではすっかり無くなって、堂々と日本美術の良さを味わっているのかなぁと思います。

「信貴山縁起」「華厳宗祖師絵伝」見たかったです。
画中詞、面白いですね。
詞書は長くて読めないけれど、セリフだと所々読めて楽しさ倍増ですね。
kyou | 2006/06/07 10:22 PM
@十六夜さん
こんばんは。

楽しみにされていた割にはしょぼい内容で
すみません。。。

「病草子」が今でも忘れられません。
なんなんでしょうあの独特の雰囲気。
ざわざわした感じがします。
小学生のお子さんにはきついですね。
大人が見ても…ですから。

モノクロ絵巻はもろ漫画のようでしたね。
文字が多くて江川さんの漫画かと思いました。

次回は。。。相当先になっちゃうでしょうね。
国宝や重文はそれでなくても管理維持大変らしいので。
ともあれ、観られて良かったです。

@とらさん
こんばんは。

あの行列には閉口しましたね。
でもとらさんの方が並ばれた様子。
お疲れ様でした。
「平成人物戯画」パラソルを日傘代わりに差した
人人人…あまり絵にならないかもしれませんね。

@遊行七恵さん
こんばんは。

暑かったです!とっても。
この日は半袖で過ごしました。
入れ違いでしたね。。。

サントリー美術館も着々と出来上がっている様子です。
展示スペースも広くなるそうなので
オープンが待ち遠しいですね。

@よっしぃ〜。o○さん
こんばんは。

GWだと同じような混雑だったでしょうね。
ブログ拝見させていただきました。

あれだけのものが揃っているのですから
多少の混雑は仕方ないでしょうけど、それでもちょっと。

近くでやってくれたらそれこそ通いましたでしょうね。

@kyouさん
こんばんは。

巡回しないんです。。。
だから私も諦めていたのですが
たまたま仕事で関西でかけたのでラッキーでした。

「大レンブラント展」もここだけでした。
この時は行きましたよ、観る為に。
若かったな〜(しみじみ)

>「信貴山縁起」「華厳宗祖師絵伝」見たかったです。
大丈夫です、願い思いは叶うものです。
観たい観たいと思っていればきっと。
確率論的に観たいものを増やすという手もありです。
!(^^)!
Tak管理人 | 2006/06/07 10:45 PM
こんにちは。
相変らず大絵巻展、大混雑ですね。
私も福富草紙、笑ってしまいました。
展覧会の会場でひとりで吹き出してしまうなんて経験
あまりありません。
信貴山縁起絵巻の「護法童子」を見ることができて
大感激でした。
一村雨 | 2006/06/09 9:17 AM
@一村雨さん
こんばんは。

あの混雑ぶりは東京のそれとはちょっと違いました。
いい経験しました。

私も会場であれだけ笑ったことないかもしれません。
事前に図録手に入れて予習したはずなのに。。。

「護法童子」観たかったです。。。図録で我慢します。
Tak管理人 | 2006/06/11 12:55 AM
はじめまして。
美術展の感想サイトを巡ってこちらに流れ着きました。

「大絵巻展」充実していたようですね!いいなあ。
重文「福富草紙」下巻、見たかったです。
綺麗な絵巻も良いけれど、
グロい絵巻には人間の滑稽味や生活臭があって、好きなんです。
今、出光美術館で「福富草紙絵巻」が展示されているんですけど
(こちらの「福富」は重文とかではない)
放屁場面は見せてくれていなくて残念でした・・・。
菊花 | 2006/06/11 4:24 PM
@菊花さん
こんばんは。
はじめましてようこそ!

たまたま関西へ行く用事があり
ラッキーでした。会期ギリギリで
混雑していましたが満喫してきました。

出光の「福冨草子」は放屁場面展示されていないのですか。
それはもったいないというか、それ見せずしてどうするの?

もう少し絵巻について勉強したくなる展覧会でした。

今後とも宜しくお願いいたします。
Tak管理人 | 2006/06/11 5:45 PM
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仕事で大阪にしばらく滞在した。夜も毎日アルコールというハードスケジュール。土曜日の今日午前中にヤット開放されたので、京都国立博物館へ。大絵巻展はここ京都でしか観られない。しかも明日が最終日。 というわけで75分待ちの長蛇の列に並んだが京都は暑い。日傘
大絵巻展 @ 京都国立博物館 | Art & Bell by Tora | 2006/06/06 10:41 PM
京都国立博物館が気合を入れて開催している『大絵巻展』にこちらも気合を入れて出かけた。 大盛況とか大繁盛とか大混雑とか、とにかく何を聞くにも『大大大』だ。 入り口のチケット
大絵巻展 | 遊行七恵の日々是遊行 | 2006/06/06 10:51 PM
来ちゃいました、京都♪ なんてったって、この日の目的は京都国立博物館の大絵巻物展...
大絵巻物展@京都国立博物館 | たいくつな午後 | 2006/06/07 12:04 PM
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大絵巻展 京都国立博物館 | 徒然なるまままに | 2006/06/09 8:43 AM
この展覧会、大混雑という情報で、雨の中、9時前から正門に並びます。おかげで先頭で入館することができ、途中までは快適でした。ただ、展示順にじっくりと眺めていたため、源氏物語、鳥獣戯画のコーナーでは、10分近く並ぶ羽目になってしまいました。絵巻の性質上、右
大絵巻展 京都国立博物館 | つまずく石も縁の端くれ | 2006/06/09 9:10 AM