青い日記帳 

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養源院の宗達襖杉戸絵

京都養源院で俵屋宗達が描いた「襖杉戸絵」を観て来ました。

養源院

アトリエ5号星地区」のシルフさんから以前こちらの記事の
コメント
で京都へ行くなら養源院の宗達筆襖杉戸絵がお勧めと
教えていただきました。

2日、金曜日はある程度空き時間がとれたので「大絵巻展」鑑賞と
抱き合わせで(他にも行ったのですけどね。。。)養源院へ行きました。

京都国立博物館と七条通りをはさんで真向かいの位置に養源院はあります。
(蓮華王院三十三間堂の目の前です)地図はこちら

京博の「大絵巻展」が午前9:30からなので9時ごろ養源院へ行って
「襖杉戸絵」を観てから行けば丁度いいな〜と
計画立てていたのですが、甘かったです。

タクシーで七条通りを京都駅方面から東へ進むと博物館方面へ向け
ひたすら黙々と歩く人の姿が…嫌な予感です。これって竹橋の
近代美術館で開催していた「藤田嗣治展」へ向かう人の動きと一緒。

悪い予感は的中し京博のチケット売り場には既に長蛇の列。
「嘘でしょ〜平日なのに。。。」

でも30分これから炎天下に並ぶのも嫌ですし、何よりも楽しみにしていた
宗達の襖杉戸絵が観られなくなってしまいます。
(後回しにもできません、何せ予定いっぱいいっぱいなので)

京都・観光文化検定試験公式テキストブック
京都・観光文化検定試験公式テキストブック
京都商工会議所, 森谷 尅久

京都は余裕を持って行動したいといつも思うのですが
それはいつも叶うことありません。。。

運転手さんに「どうしますか〜」と聞かれ
「養源院を先にお願いします!予定通り。」と告げ、いざ。

養源院本堂

ここのお寺拝観料は500円です。普通です。
ところが自由に観てはいけないとかでテープによる解説をきちんと
聴くか、住職さんの説明をお聞きしながらでないと観られないとのこと。

事情を説明して時間のないことを受付の方に告げると
住職さんにその旨伝えて下さって短時間で終わらせてくれるとのこと。
有り難や有り難や。

これで宗達を拝めると思いきや、いきなり始まったのが血天井のお話。
血天井
此の本堂の左右と正面の三方の廊下の天井は伏見城落城の時、鳥居元忠以下の将士が城を死守し、最後に自匁した廊下の板の間を天井として其の霊を弔つたもので世に血天井と称して名高い。
(お寺でいただいたパンフより)

棒で天井を指しながら
「これは誰それが切腹した血の痕。」
「ここには手形の痕もみえます。」等と説明。

これが前フリで、いよいよ宗達!
「これらの武士の菩提を弔うため描いたのが宗達さんのこれらの絵です。」


波と麒麟図杉戸絵


白象図杉戸絵

宗達襖杉戸絵
此の本堂の襖(十二面)杉戸(八面)の絵は俵屋宗達の筆で、自匁した将士の英霊を慰める為に「お念仏、御回向」にちなんだ絵を画いたもので杉戸には象や獅子や麟麟等の珍しい行動を画いて居り、其の表現が奇抜で新鮮美に溢れ、又曲線美の効果が素晴らしい。
(お寺でいただいたパンフより)


唐獅子図杉戸絵

切腹の痕が生々しく残る血天井の下に、
こんなコミカルな動物達が控えています。

このギャップがたまらなく良いです。
ハケを用いて描いたらしくとても大胆な筆運びでのびのびと描かれてます。

白象が一番コミカルで愛らしい具合に仕上がっていますね。
しかし、よく観たこともない象さんをこんな自由闊達に描けたものですね。

観たことないといえば麒麟も同じです。
麒麟というかユニコーンです。
住職さんの手前「これ本当に麒麟なんですか?」と聞けませんでしたが…
良く観てユニコーン。普通に観て奈良公園の鹿かな。

「波と麒麟図杉戸絵」はニセ麒麟よりも波が主役のように観えました。
この波のデザインセンスとても1500年代のものとは思えませんよね。

「唐獅子図杉戸絵」は建物の一番奥にありました。
杉戸の板目に沿うようにして、上手い事利用して描いています。

獅子のヘアースタイルが蛯原友里ことえびちゃんのように見えました。
自害した武士たちもえびちゃんヘアーの獅子や面白顔の象さんが
見守っていてくれたら怨むどころか有り難がるでしょうね。

そうか〜それが宗達の狙いか〜

それにしても俵屋宗達って人、どんな人物だったのでしょうね。
記録がほとんど残っていないとか。。。
今で喩えると・・・中々これだけの人っていませんよね。

琳派美術館 (1)
「琳派美術館」 狩野 博幸

三十三間堂のずらりと並んだ「十一面千手千眼観世音菩薩」の迫力に
圧倒されるものいいですが、お隣のここ養源院で宗達の名画とじっくり
対面するのもまたおつなものです。そうそう血天井も。。。
(ここで紹介した他に「松図襖絵」などもあります。)

次に京都来る時もまた立寄りたいお寺の一つです。
シルフさんありがとうございました楽しい

文明の憂鬱
「文明の憂鬱」 平野 啓一郎

芥川賞作家の平野君がこの本の中の「無常ということ」というエッセイで
京都の景観に関してのすごくいい文章書いています。
若いのにやるな〜(少しだけ紹介しますね)

かつて子供のころに訪れた京都は、私を観光都市としての顔で丁寧に迎えてくれ、洗練された作り笑顔で見送ってくれた。大学時代に数年間をここで過ごすこととなったときには、学生の町としての顔で大らかに受け入れ、文句一つ言わずに好きなことをさせてくれた。そして今、それらの別々の顔とのつき合いがひととおり終えた後になって、私は初めてその奥に秘せられた本当の顔ともいうべきものを少しずつうかがい知るようになった。それは思いのほか、かなしい顔だった。なるほど、よそ者に見せてよい顔ではなかった。けれども私は、それを美しいと感じた。そして、それを隠そうとすることを、やはり奥ゆかしいと思った。
以下もお寺でいただいたパンフの解説です。

養源院略由緒
豊臣秀吉の側室淀殿が父浅井長政の追善の為、秀吉に願って養源院を建立し長政の従弟で叡山の僧であつた成伯法印を開山とし、長政の院号を以つて寺号としたのは文禄三年(一五九四)五月である。其後程なく火災にあい、元和七年(一六二一)徳川秀忠が夫人崇源院殿の願により伏見城の遺構を移建したのが今の本堂である。以来徳川家の菩提所となり、歴代将軍の位牌を祀つて居る。

山楽襖障壁画
太閤秀吉の学問所に狩野山楽が牡丹の折枝の散らしの図案的な襖絵を描いている。本堂祭壇の間は山楽が画いたもので、祭壇の腰の羽目板張付の金箔に唐獅子の雌雄を画いたもの三面がある。土居次義氏著桃山の障壁画。(日本の美術・平凡社発行)参照。

庭園
小堀遠州の作庭で東山連峯の阿弥陀ケ峯を遠景とし、水が北の池より南の池へ注ぐ風景を造作したもので、築山部分の涸滝石組のすばらしさ、南の池には海辺の奇石を多く用いた珍しい庭園で都林泉名勝図会に見られる。園内の一文字、十文字の手洗鉢は有名である。

鶯張廊下
本堂の廊下は総て左甚五郎の造つたうぐいす張りで有名である。
その他 | permalink | comments(5) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

こんばんは
養源院といえば、まず血天井のイメージが強くて、子供の頃、手に赤絵の具を塗ってベニヤ板にペタッ 
「必殺・血天井だ〜〜」と遊んでいたことが思い出されます。←ロクデナシ・ナナエ
白象さんは割りに画集などにもよく出ているようですが、越後獅子のようなポーズの唐獅子やナゾな麒麟はあんまり外に出ないようです。面妖曲馬団という趣ですね。

遊行七恵 | 2006/06/05 10:54 PM
@遊行七恵さん
こんばんは。

>面妖曲馬団という趣ですね。
まさにその通りですね(^^♪

私も象さんの絵だけがあるとばかり思っていました。
予習しないでいったので。
思わず麒麟や獅子も見られてラッキーでした。

そして何故か住職さんが拝観料要らないと
言ってくださいました。どうして??
アリガタヤアリガタヤ。
Tak管理人 | 2006/06/05 11:13 PM
おはようございます。
養源院いらしたのですね。通称「宗達寺」とも言われますが、京都では「血天井」で有名です。

血天井はここ養源院のほかにも京都では4箇所残されていて、 宝泉院、正伝寺、源光庵、興聖寺(宇治)があります。
いずれも伏見城の遺構を移築したお寺です。
関ヶ原合戦の前哨戦ともいわれる伏見城落城の際、城を死守した徳川方将兵が切腹した廊下の血痕を、各々の寺の天井に移築して弔ったといわれています。

源光庵なんか血まみれの足跡があって鮮烈です。それにしても宗達のデザインセンスは当時としても卓越してますよね。
この人の履歴は結構、不詳な部分が多く、あの象の絵も象を見たことがないのに生き生きと描かれています。
(日本に象が来たのは、徳川吉宗の享保14(1729)年)

おっしゃるように波のデザインだって、北斎の生まれるずっと以前ですからね。
このお寺の近くの三十三間堂や少し足を伸ばせば、庭園のきれいな智積院(国宝の襖絵もいっぱい保有)もあるので、またご訪問の際は、是非、お立ち寄りくださいね。

私もひさびさに京都へ行きたくなる記事でした♪
シルフ | 2006/06/06 8:59 AM
私も養源院はたいそうお気に入りで、
その存在を知らない人と京都に行くときには、
必ず連れて行きます。
宗達の杉戸絵といい、建物の歴史的由来といい、
「隣の三十三間堂に負けてていいのか!」という迫力ですよね。
もっと宣伝してほしいような、ほしくないような…

宗達の描いたユニコーン風の麒麟は、
小野不由美著「十二国記」に出てくる麒麟そのもので、
私にはキリンビールのそれよりも馴染みやすかったです(笑)
姿は鹿、ひづめは馬、しっぽは牛、額は狼で、角が一本。
という存在なので、奈良公園の鹿でいいんですよ^^;
秋津(Arthur-co. in mixi) | 2006/06/06 6:23 PM
@シルフさん
こんばんは。

お勧めの養源院初めて行って来ました。
コンパクトなお寺ですが
見応えは十分にありますね。

血天井ってこの寺だけではないのですか〜
京都にあと4つもある!
うーん全部見なくてはいけませんかね。
一つだけ見たとなると霊を弔えないかも。

実はですね・・・智積院も行ってきたんです。
長谷川等伯の襖絵を観るために。
それと・・・

記事少しずつ書いてアップしていきますので
お楽しみに!

養源院はおかげさまで京都行くたびに
訪れるお寺になりそうです。
ありがとうございました。

@秋津さん
こんばんは。

おおーー秋津さん常連さんでしたか。
京都って詳しい方多いですね〜ほんと。
三十三間堂は団体客専用で
こちらは個人でひっそりと。

>奈良公園の鹿でいいんですよ
それ伺って安心?しました。

小野不由美著「十二国記」観てみますね。
Tak管理人 | 2006/06/06 9:50 PM
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京都よいとこ | 京都よいとこ | 2006/07/09 11:41 PM