青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< October 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 「動植綵絵」に命名しよう(その5) | main | 映画「ゲド戦記」 >>

「国宝「随身庭騎絵巻」と男(をとこ)の美術展」

大倉集古館で昨日まで開催していた
「国宝『随身庭騎絵巻』と男(をとこ)の美術」展に行って来ました。



はろるどさんからこの展覧会に若冲の「乗興舟」が出展されていると
メールで連絡いただき、更にご丁寧にチケットまで頂戴しました。

出張前のわずかな時間しかありませんでしたが、神谷町から
坂を駆け上がり大倉集古館へ行って来ました。



そのお目当ての伊藤若冲「乗興舟」ですが2階に
ひっそりと展示されていました。

拓版画という技法でモノクロの世界を描き出した異色の作品です。
今は絶版となってしまったようですが、かつて「若冲の拓版画」という
本も出版されていたようです。「若冲の拓版画

大倉集古館所蔵の「乗興舟」は縦28cn,横1160cmもあります。
版画をつなぎ合わせ横・約11mにもおよぶ長大な版画巻に仕上げています。

今回は初めの部分の一部しか展示スペースの都合でしょうか、
展示されていませんでした。ほんの一部分です。



キャプションにはこう説明がありました。
若冲と大典が明和4年(1767)に二人で淀川を舟で下った際の情景を
若冲が「拓版画」と称される独特の技法で表し、大典が賛をつけている。


若冲と大典「二人の男の友情」が作らせたこの作品。
男(をとこ)の美術展」恐るべし。。。

さてこの作品版画ですから、同じものが数点存在しておかしくありません。
大倉集古館所蔵の「乗興舟」は京都国立博物館所蔵の物と同じだそうです。

文化遺産オンラインでそれは観ることできます。
伊藤若冲「乗興舟」(じょうきょうしゅう)
 伊藤若冲が相国寺の大典和尚と淀川下りをした折りの感興を絵画化したもの。ふつうの版画とは異なり、拓本をとるようにして作ったもので、当時としては知的でハイカラな感じがした。こうした拓版画を、若冲は冊子本の「玄圃瑶華」「素絢帖」などでも試している。

「乗興舟」の異版については、こちらの本に詳しく書かれています。
もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品
「もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品」 佐藤 康宏

また、「驚異のまなざし 伊藤若冲」によると
京博の作品の版木の一部は昭和初期まで、伊藤家縁者の家で
何と何と、濡れ縁の板に使われていたそうです!びっくり


それにしても地味な世界ですね。
同じ時期に製作していた「動植綵絵」は対照的です。
若冲の引き出しの多さをこの拓版画からも伺えます。

さて、さて若冲以外の作品も。。。
先ほども書いた
男(をとこ)の美術展」恐るべし。。。ですが
例えば酒井抱一の重要美術品「五節句図


五節供ですから5枚の絵が並べてあるはずですよね。
それが、4枚しか展示されていませんでした。
1/7小朝拝,3/3上巳,5/5,菖蒲,9/9重陽宴

一枚足りませんよね、そうです7/7乞巧奠がありません。
おかしいな〜と思ってよーーく解説を見ると。。。

「乞巧奠の作品は女性を主題にしたものなので今回展示していません。」

すげーー「フェミニズム」なんて知ーらない。
といわんばかりの潔さ。大倉さんじゃないとこんなこと出来ませんね。
公立の美術館がやったら大変の騒ぎになるだろうなーと
変なところに感心してしまいました。

で、次の展覧会が「館蔵日本美術による Gold〜金色が織りなす異空間」
今度はかい!


ついでにホテルオークラで開催される
「第12回 秘蔵の名品 アートコレクション展」
これも期待できる展覧会になりそうです。
詳しくはこちら

おまけ

主張先の新潟県十日町市松代駅のホームから撮影した草間彌生の作品です。

花咲ける妻有
大地の芸術祭 -越後妻有アートトリエンナーレ2006-
“随身(ずいじん)”とは、貴族が外出する際に警護にあたった近衛府の官人を指します。それには高い教養と優雅な美貌が求められたと云います。大倉集古館の「随身庭騎絵巻(ずいじんていきえまき)」(鎌倉時代)は平安末期及び宝治元年(1247)に実在した随身9名を描いたもので、理知的な写実描写を旨とする“似絵(にせえ)”の代表的作例であり、さらに年期の特定できる重要性等から国宝に指定されております。この特別公開を中心に、酒井抱一筆「五節句図」などにみる宮廷の美男、前田青邨筆「洞窟の頼朝」(期間限定)や刀剣・名将の肖像を通して浮かび上がる武者の美学、また信仰に身を投じた宗教者や江戸の市井の人々の姿など、日本美術に登場する人物像の諸相を、「男の中の男」をキーワードに展観する試みです。



展覧会 | permalink | comments(13) | trackbacks(6)

この記事に対するコメント

やはり行かれましたか!
私も はろるど さんのブログで行きたくなり、見て来ました。
なるほど若冲の絵にはそんな裏が在るのですか…
さすが大倉、奥が深い。七夕を飾らない辺りにも潔さを感じました。
まさに『をとこ』を感じさせます!
るる | 2006/07/31 8:56 PM
なんかマッチョな展覧会ですね(笑)
女性を排除した男達の小宇宙…ちょっとみて
みたかったです。大倉集古館おそるべし…。

Takさんのブログを見て「天上のシェリー展」も
行ってきました。階段に足がガクガクでしたが
おもしろかったです。

TBありがとうございました。
つが | 2006/07/31 10:10 PM
こんばんは
なかなか見応えある展覧会でしたね。
わたしは『虫太平記』が面白かったです。
若冲の淀川クルージングは8/2〜9/3に京博で展示されるので見てきます。
TBいたします。

十日町市の草間さん、山や森を背景に蠢いている、という感じですね。
遊行七恵 | 2006/07/31 10:38 PM
Takさんお帰りなさい。
チケット無駄にせずに済んで良かったです。
それにTakさんに見ていただけるなんてチケットも喜んでいるかと思います!

>若冲と大典「二人の男の友情」が作らせたこの作品

こういうことだったのですか?!
若冲に出会えて嬉しかったのですが、
何でこの展覧会でと首を傾げておりました。

>大倉さんじゃないとこんなこと出来ませんね。

ついでなら全部見たかったのですが、
この心意気は良いですよね。
私も拍手を送りたいと思いました。

夏のオークラ+大倉+泉屋はどれも見逃せませんよね。
これは全部見ること必至です!
はろるど | 2006/08/01 2:54 AM
@るるさん
こんばんは。

行きました。
はろるどさんに紹介されるまでは
行かないつもりだったのですが、
若冲あるとなれば行かねばなりません。
ちょっと慌しかったのですが行って良かったです。

@つがさん
こんばんは。

マッチョでしたねー
イタリアンな感じでした。
ピチピチのユニ来ているイタリア代表の
写真とかも並べて展示すると。。。
もっとお客さん増えるかもしれません。

エルメスちょっと怖いですよね。
風の日や雨の日は特に。
いつも有楽町の駅から目線上にして歩いています。

@遊行七恵さん
こんばんは。
TBありがとうございました。

「虫太平記」良かったですね。
笑いながら観てきました。
カメンライダーカブトも真っ青です。
記事に書きたかったのですが、久々に
PCに向かうと上手く頭の中整理できないものです。

草間さんのさくひんはとてもこの地に合っていました。
他は。。。

@はろるどさん
こんばんは。
TBありがとうございます。

チケットもありがとうございました。
おかげで旅立つ前に滑り込みで行ってこられました。
感謝感謝です。

若冲関連の本には結構紹介されている作品ですが
この目で見るのは初めてだったので嬉しかったです。
やはり実物を見てみないとね。

民俗学を趣味でかじっていたので
節供とか描かれていると食い入るように
観てしまいます。重陽の節供の解説が
イマイチ適切ではなかったように思えました。
まぁ、些細なことですが。

夏はあの「山」一体を半日くらいで見られたらな〜と
計画しています。
Tak管理人 | 2006/08/01 11:06 PM
Takさん、こんばんは
私は最終日に見てきました。
いやー、オリバー・カーンも真っ青な「をとこの世界〜♪」でした。
女性が一人くらい出てきてもいいくらいですが、そうしないところも大倉さんの潔さでしょうか?
でも切り口が楽しい展覧会ではありましたが。
そして恐ろしいことに最終日にはチラシがなくなっていました(チラシコレクターには痛いです…)
結構、人気なんですね「をとこの世界〜♪」←懲りない
アイレ | 2006/08/02 1:58 AM
若冲の作品がなぜ出展されていたのか分かりました。
男の友情から作られたものだったからなのですね。
抱一の7/7のも「参考」として出してくれても・・・と
思いました。

一村雨 | 2006/08/02 7:28 AM
@アイレさん
こんばんは。

チラシは私が行った時も無くなっていました。
同じくチラシマニアなので必死になって探しました。
やっと一枚手に入れたのがアップしてあるものです。
根性です!

カーンだったら「探しまくれ!クズども!!」と
怒鳴られてしまいそうですね。

こんなおかしな切り口の展覧会もまた楽しいものです。
大倉ちょっと好きになりました。

@一村雨さん
こんばんは。

「男の友情」なんですねーー若冲さん
生涯独身でしたからね。
七夕観たかったですよね。
悔しいから作品目録を帰りがけに立ち読みしてきました。
Tak管理人 | 2006/08/02 11:58 PM
Takさま、ご無沙汰しています。TB多謝です。目録解説書などがなく、会場を出た途端全て忘れてしまいました。こちらを伺って、はあ、はあ、そうだった!と改めて納得しました。この前の何かの展示のようにこちらが先にあったら良かったのに・・・、なんて思いました。若冲展を次に見たいと願っています。ああ、Brutusの特集号は買い求めました。
cassiopeam101 | 2006/08/04 9:14 AM
@cassiopeam101さん
こんにちは。
ことらこそご無沙汰しております。
毎日暑い日が続きますがお元気でしょうか。

若冲展はえらい混雑振りでした。
といっても北斎展ほどではないのですけどね。
テレビの影響が大きいみたいです。
ブルータスも会場で販売されていました。
昨夜(金曜夜)に行ったのでが
数週間前とは比べ物にならないほどの人でした。
Tak管理人 | 2006/08/05 12:23 PM
今日は、こちらも花火大会だったと思います。
けっこう近いので、8時過ぎまで、打ち上げる音がうるさいと思います。

描き方の他に、枡目の中央と隅の違いもあるのですね。

           濃い色   描き方  作者?by 佐藤康宏
「鳥獣花木図屏風」 枡目の中央  雑    ? 稚拙な模倣作
「樹花鳥獣図屏風」 枡目の中央  雑    弟子達(工房)
「白像群獣図」    枡目の隅   正確       若冲

こんなところでしょうか?

静岡に往きたくなりましたが、ちょっと時間がないなぁ。
鼎 | 2006/08/05 6:17 PM
まだ、記事も書いていませんが、「乗興舟」は、アートコレクション展では、かなり長く(2メートル以上)展示されていました。それでもまだ、全巻展示ではないようです。淀川とは、英語の表記で知りました。
ak96 | 2006/08/05 11:50 PM
@鼎さん
こんにちは。

桝目描き分かりやすくまとめられましたね。
大まかにそんな感じだと思います。

私も静岡の作品をもう一度この目で
確かめたくてうずうずしています。

どちらにせよ、色を使いすぎているように思います。
「白像群獣図」とはやはり別物といった感あります。

@ak96さん
こんにちは。

そうでしたか。
応挙も同じような作品を描いているので
(日本にはないのですが)
いつの日か、二つ比べるようにして
展示してもらえる日が来ること願ってます。
Tak管理人 | 2006/08/07 8:26 AM
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
この記事に対するトラックバック
大倉集古館では「随身庭騎絵巻」と男の美術という展覧会を開催している。 http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/shukokan/otoko.html 案内文にはこうある。 “随身(ずいじん)”とは、貴族が外出する際に警護にあたった近衛
随身庭騎絵巻と・・・ | 遊行七恵の日々是遊行 | 2006/07/31 10:32 PM
大倉集古館(港区虎ノ門2-10-3 ホテルオークラ本館正面玄関前) 「国宝『随身庭騎絵巻』と男の美術」 6/3-7/30 いつもさり気なくお宝を見せてくれる大倉集古館の展覧会ですが、今回もまたいくつかの見応えある作品が展示されていました。テーマは「男」(をとこ)。日
国宝「随身庭騎絵巻」と男の美術7月30日 大倉集古館(会期終了)  この日は一人でのんびりと久々に美術館巡りをすることができました。 (ジュビロ磐田のファン感に行かなかったことは目をつぶって欲しい!!!)こんな感じに動いたことを記しておきますね。 花
国宝「随身庭騎絵巻」と男の美術 | 青色通信 | 2006/08/02 1:44 AM
六本木一丁目、泉ガーデンのエレベーターを登ると、今年初めての蝉しぐれが聞こえました。大倉集古館に着いたのが午後3時50分。てっきり5時まで開館だと思っていたら、4時半閉館ということで少々あわてました。1階では、江戸時代の絵巻「虫太平記絵巻」が面白かっ
国宝「随身庭騎絵巻」と男の美術 大倉集古館 | つまずく石も縁の端くれ | 2006/08/02 7:29 AM
『男(をとこ)の美術』 凄いタイトルです。 大倉集古館で7月30日まで開催されていました。 武者の美学、また信仰に身を投じた宗教者や 江戸の市井の人々の姿など、 日本美術に登場する人物像の諸相を、 「男の中の男」をキーワードに展観する試みです。
男の美術@大倉集古館 | 翠松庵no散歩道 | 2006/08/04 11:02 PM
国宝「随身庭騎絵巻」に感動。「五節句図」酒井抱一筆、「維摩黙然」下村観山筆もよかった。「乗興舟」 伊藤若冲も必見。(於 大倉集古館 30日まで) おまけ。次に8/3日から開催の大倉集古館「館蔵日本美術による Gold〜金色が織りなす異空間」、泉屋博古館 分館
国宝「随身庭騎絵巻」と男の美術 | 徒然なるまままに | 2006/08/05 11:47 PM