青い日記帳 

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“あなたが選ぶ花鳥風月コンテスト”投票結果発表

今年8月にホテルオークラで開催された
第12回2006年「秘蔵の名品アートコレクション展」〔花鳥風月〜日本とヨーロッパ〕
普段触れる機会のない作品を多数展示
出展される作品には企業や団体、ならびに個人所蔵のものが数多く含まれております。一般公開が非常に珍しい作品(西村五雲・西山翠嶂作の『日月鴎鶴図対幅』)も、宮内庁三の丸尚蔵館のご協力により出展されるなど、普段目にする機会のない逸品をご鑑賞できるまたとない機会です。


暑い中出かけたにもかかわらず、記事書いていませんでした。。。
ごめんなさい。井出先生。。。

で、どうして今頃この展覧会のこと書こうとなったというと。。。

一通のメールがホテルオークラから届いたことがきっかけです。
そのメールにはこうありました。
“あなたが選ぶ花鳥風月コンテスト”の結果が出ましたのでお知らせいたします。

そういえば、展覧会出口付近で“あなたが選ぶ花鳥風月コンテスト”の応募用紙に作品名記入して投票してきました。
その結果をご丁寧にもメールで知らせてきてくれたのでした。

申し訳ないです。記事も書き忘れていたというのに。。。
お詫びを兼ねてこの場でベスト10発表させていただきます。

1位 「芍薬の花束」   エドゥアール・マネ(村内美術館)
2位 「四季花鳥図屏風」 酒井抱一(陽明文庫)
3位 「夜桜」      横山大観(大倉集古館)
4位 「月見る虎図」  葛飾北斎(葛飾北斎美術館)
5位 「テームズ河のチャリングクロス橋」
            クロード・モネ(吉野石膏株式会社・山形美術館に寄託)
6位 「花」    モイーズ・キスリング(鎌倉大谷記念美術館・大谷コレクション)
6位 「花」      ジャン=バティスト・モノワイエ(東京富士美術館)
8位 「紫苑紅蜀葵」  小林古径(霊友会妙一記念館)
9位 「月出づ」    東山魁夷(山種美術館)
10位 「梅に鶯図」   円山応挙
(6位同率・計10作品)

これだけでは、どんな作品だか分かりませんよね。
3位大観の「夜桜」はいいとしても、
6位はキスリングとモノワイエで作品名は双方とも「花」。

忘れていたお詫びも兼ねて?画像入りで紹介します!
再度“あなたが選ぶ花鳥風月コンテスト”ベスト10の発表です。


1位 「芍薬の花束」エドゥアール・マネ


2位 「四季花鳥図屏風」酒井抱一


3位 「夜桜」横山大観


4位 「月見る虎図」葛飾北斎


5位 「テームズ河のチャリングクロス橋」クロード・モネ


6位 「花」モイーズ・キスリング


6位 「花」ジャン=バティスト・モノワイエ


8位 「紫苑紅蜀葵」小林古径


9位 「月出づ」東山魁夷


10位 「梅に鶯図」円山応挙

10位にランクインした応挙の「梅に鶯図」は私も一票投じました。

見事一位に輝いたマネの「芍薬の花束
確かに、マネの作品のイメージを一変させるくらいの衝撃私も受けました。
後日、この展覧会について仲間と話した際もまず一番にこのマネの作品が
話題にあがったほどです。

因みにこの展覧会監修者で東京純心女子大学教授の井出洋一郎先生は、この作品についてこう述べています。
 印象派グループの道を拓いて画壇で華々しい活躍をしたマネは、病床において友人や後輩の贈ってくれた花や果物を描くのみの寂しい晩年を送った。まだ50歳の若さである。画家としては最も脂ののりきった時代に、自由に大作に挑めない辛さを堪え、命を込めて描いた花瓶が珠玉のようなこの小品であった。マネは芍薬の花が好きで、初期から何点も描いているが、最晩年にはこの一点しかない。まさに真の傑作といえよう。先年のオルセー美術館での「マネの静物画展」にも特に請われて出品されている。
さらに興味深いのは、ガラスの花瓶の表面に金の七宝で焼かれた模様が、歌舞伎の「吉原由縁江戸桜」から助六の蛇の目傘で見得を切る名場面から写されたものであろうことである。この絵は、若い頃から浮世絵と日本美術を愛好したマネが、日本文化にあてた最後のオマージュであり、私たち日本人にあてた最高のメッセージに思えるのである。


ベスト10には入っていませんが、この展覧会で一番気に入ったのは
小林古径のこの作品でした。
河風」1915年

展覧会のタイトル「花鳥風月」の中の「風」を表した作品です。
花や鳥そして月はよく登場しますが、風って中々出てきませんよね。
形のないものゆえに表現しにくいのでしょうが、この古径の作品は
見事に夏の川面とそこを渡る涼しげな「風」を表現しています。

ただ、今記事を描きながら不思議に思ったのは、
どうしてこの作品にそれほど惹かれたか?という点です。
ちょっと考えたらすぐ分かりました。
庭から聞こえる虫の音が教えてくれました。

季節が変ってしまっているのですね。もう。

観た時は真夏。今はもう秋です。
古径の「河風」夏に観てこそ「本領」発揮します。

この時季こんなことしてたら風邪ひいちゃいますよね。

展覧会の感想をだらだら書かずに季節が移ろいでしまってはいけませんね。
反省。

それにしても、目に見えない風を絵に描いてしまうなんて…
こういう土壌があるからこそ、賢治は風に人格まで持たせてしまい
そして我々もその作品を抵抗感なく読めるのでしょうね。

風の又三郎―画本 宮沢賢治
風の又三郎―画本 宮沢賢治
宮沢 賢治, 小林 敏也
花鳥画の歴史は古く中国の唐時代にさかのぼります。日本人は中国から唐絵として導入した花鳥画に平安時代、和風の自然感情である「風月」を加え、「花鳥風月」と称し、和歌、やまと絵、工芸の最も重要な主題として宮廷社会で尊重して参りました。また近世から「花鳥風月」は衣装、漆芸、陶芸、料理など民衆の生活意匠にまで盛んに応用され、その美的感覚は21世紀の現在デザインまでに及んでいます。一方西洋絵画では「花鳥」は静物画、「風月」は風景画の領域にはっきり分離されます。西洋の美術史は、人間の労働の賜物としての果実や花卉、狩猟の獲物を記録する「静物」画を生み出しました。また生の自然の風物よりも、人間の創り出した「田園」や「景観」の理想美を重んじる「風景」画も、西洋美術の伝統に明らかに遺されています。
本展では、江戸時代のやまと絵から現代の日本画における「花鳥風月」画の代表作を中心に、近代の西洋と日本の油彩による静物画、風景画の名品を加えて、東西の名画の競演というかたちで約60点を展示構成いたします。盛夏の一日、オークラの新装なった涼しい会場で、自然の美しさに寄せる画家たちのこころを巡り、ゆっくりとご鑑賞いただければ幸いに存じます。
展覧会 | permalink | comments(6) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

こんにちは
ラインナップを見ると納得アリですね。
コンテストのこと忘れてました。
(プライスさんのエハガキのことも忘れてました)

風を描くのは本当にムツカシイです。
描くのも<見る>のも。

来年はどんなコンセプトの展覧会か、今から楽しみです。
この展覧会は普段展覧会に行かない人も大勢来られるようで、そのざわめきの中で時々面白い意見や感想を耳にするのが、案外楽しいです。
遊行七恵 | 2006/09/29 10:33 AM
Takさん

そうですか、いまごろ結果が来ましたか(笑

もう終わって一月たちますね。ご覧下さり有り難うございました。

監修する立場としては作品はみんな愛しいものですが、今回並べてみてやはりマネと古径にひかれました。あまり話題にはなりませんが、若冲の版画もよかったですよ。

来年は何が出るのでしょうね。お楽しみに。
井出洋一郎 | 2006/09/30 2:32 AM
@遊行七恵さん
こんばんは。

やはりマネの花には皆さん一様に
驚きと共に感動を得たのでしょうね。

秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる

古来こういう感性を持っていた日本人。
風を描くなんて当り前なのかもしれません。

>面白い意見や感想を耳にするのが、案外楽しいです。
あります。あります。そういうこと。
新鮮な驚きあって楽しめますよね。

@井出洋一郎さん
こんばんは。

展覧会に携わった井出先生自らコメントを
頂戴できるなんて幸せ者です。
ありがとうございます。

先生のブログなどを読ませていただき
展覧会の準備やあと片付けなどの様子が分かり
とても参考になりました。

若冲の版画、大倉集古館では少ししか観られませんでしたが
この展覧会でかなり長く観られて良かったです。

来年も楽しみにしております。
Tak管理人 | 2006/09/30 6:13 PM
Takさん、こんばんは。
TBをありがとうございました。

まずは順当な結果と言ったところでしょうか。
一位のマネは文句なしですね!(二位の抱一は少し微妙な気も…。)

大観の夜桜はまた見損ねました。
いつも展示期間に外るような感じで行ってしまいます。
縁のない作品というのもあるのですね。
如何でしたでしょう。
はろるど | 2006/10/01 12:22 AM
Takさん、こんばんは
人気投票をやっていたことに、全然気づきませんでした。
なんだかんだいって、日本人は四季のうつろい、花鳥のあでやかさに惹かれてしまうのですね。
それを再認識した展覧会だったのですが、出入り口の係員のうやうやしい態度に「やはり名門ホテル」とちょいビビッてしまいました〜
アイレ | 2006/10/01 3:57 AM
@はろるどさん
こんばんは。

抱一にしては??な作品でしたね。
でも一位のマネは順当。
はろるどさんもこのマネ良かったと
しきりにおっしゃっていましたものね。

大観の夜桜はそんなに無理して
見るものでもないように思えます。
お金をふんだんにかけた豪華な絵です。

@アイレさん
こんばんは。

会場がホテルだったので思わぬ知人と
ばったり会ってしまい驚きました。
お互い「どうして?」ってな感じでした。
美術館ではありえない鉢合わせです。

会場出た辺りのショップ付近に
投票箱が置いてありました。
自分の一票生かされたようで嬉しいです。
Tak管理人 | 2006/10/02 8:53 PM
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