青い日記帳 

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「第15回奨学生美術展」

佐藤美術館で開催中の
「第15回奨学生美術展」に行って来ました。



ex-chamber museumのDADA.さんから以前教えてもらった美術館。
知る人ぞ知るマニアックな美術館です。
私も今日初めて足を運びました。

正式には財団法人佐藤国際文化育英財団・佐藤美術館
(東京都新宿区大京町31-10)信濃町駅と千駄ヶ谷駅の中間くらいにあります。

美術館外観

佐藤美術館で1991年より開始した美大の学生を対象とした奨学金援助事業。
その15回目となるのが今回の美術展。
全国の美術系の大学から推薦を受け、
審査の結果選ばれた今回の奨学生は以下の17名。

・女子美術大学
西田 知世(日本画)

・多摩美術大学
高村 理映(日本画) 峰岡 正裕(日本画) 朴 寶正(油画)

・筑波大学
遠藤 悦史(油画)

・東京藝術大学
龍口 経太(日本画) 松井 冬子(日本画)
中本 智絵(文化財保存) 松永 龍太郎(デザイン)

・武蔵野美術大学
萩原 裕子(油画) 田中 恵美(版画)

・愛知県立芸術大学
藤城 正晴(日本画) 下村 雄三(油画)

・京都市立芸術大学
石橋 志郎(日本画)

・京都造形芸術大学
岡田 啓伸(油画)

・東京造形大学
吉井 彩子(版画)

・和光大学
李 京煥(版画)

これに加えて以下の4名の作品が特別展示され花を添えていました。

・招待作家
集治 千晶(6期・版画) 神戸 智行(9期・日本画)

・特別展示
高島 圭史(14回展買上) 石崎 昭亜(14回展買上)

誰も知らないな〜と見渡していたら。。。
いましたいました「有名人」
松井冬子さん。

MOTや横浜美術館で作品がどーんと展示されたり
テレビや雑誌にもかなり登場している松井さん。
asahi.com 細く鋭く、妖気漂わせ 松井冬子(日本画家)

この奨学金のシステム全然分からないのですが
奨学金2年間ももらうの??松井さん。

まぁそれは、それで作品でも。

「たちどころに破れた異物」

↑いつも松井冬子さんの作品を観て思うのは
まずタイトルの付け方が上手いことです。
これって専属のコピーライターでもいるのでは?と
勘繰りたくなるくらいに巧みです。

絹本着色。薄く薄く色がのせられています。
描かれているのは菊花ですが、菊の花が崩れ
変容しあたかも別の「生物」のようです。

また黒い部分は「MOTアニュアル 2006 NoBorder「日本画」から/「日本画」へ」でも観る者にぞっとする怖ろしさを与えた「夜盲症」のイメージと重なります。
「夜盲症」

たちどころに破れた異物」をはじめ、この展覧会の作品は全て
間近に近寄って観る事できるます。近寄れば近寄るほど乱れた菊の線が。。。

同じ藝大でも中本智絵さんの作品は打って変わって爽やかです。

「ソライロアサガオ」

今年の夏、我が家でもこの西洋朝顔「ヘブンリーブルー」が咲いたので
ぱっと目にとまりました。
でも実は最初は朝顔の花ではなく、その影に目がいきました。
「立派な影」という表現はおかしいですが、存在感が花と比べて遜色ありません。

勿論、大好きなブルーの朝顔や花が閉じるとピンクっぽい紫になる様子まで
丁寧に描かれていてすがすがしい気分にさせてくれます。


DADA.さんがお勧めしていらした龍口経太さんの「黒羽」という作品は
龍口さんが「ふわふわした感じにしようとしました。」と語る通り、
全身真っ黒な衣装を纏ったアキバのメイド喫茶の店員さんのような女の子が
画面いっぱいに羽を広げてそれこそ「ふわり」と浮かんでいるようでした。

【ここで突然ですが、告知です】
DADA.さんのバンド、ex-chamber musicがライブをやられます!

ex-chamber music(guest vocal:高宮マキ)
date:10/24(火)19:30start ※3バンド中2番目、20:30頃の出演になります。
place:高円寺ペンギンハウス(03-3330-6294)charge:1600円(ドリンク別)
幕内政治:bass 沼直也:drums 矢吹卓:keyboards 高宮マキ:guest vocal


お時間ある方是非!

閑話休題。

さて、他の気になった作品を。
高村理映さんの「迷宮に入る
物語性の感じられる作品です。
記憶の一場面のようでもあり。
これから訪れる異国のようでもあり。
もしかして毎日歩いている駅までの道のようでもあり。

藤城正晴さんの「侵触
はじめ遠目で観た時、李禹煥の「線より」かな〜とおもったのですが
線より
近くによってみると縦の線は描かれたものではなく
そのタイトル通り「しんしょく」されたようなものでした。
ちょっと観は薄気味悪いのですが、全体としては
とてもバランスの取れた良い作品だと思いました。

吉井彩子さんの「香華
ドイツにお住まいのseedsbookさんに是非お見せしたい作品でした。
散歩絵、記憶箱の中身
とっても細い線で描かれた13枚の作品がキリスト教の
祭壇画のような体裁で並べられ展示されていました。

招待作家の神戸智行さんの「陽のあたる場所
若冲の「蓮池遊魚図」と「池辺群虫図」を合わせたような作品。
特に「池辺群虫図」の要素が強いかな。
桂新堂のえびせんべいが食べたくなりました。

最後に特別展示の石崎昭亜さん
黒い道」は四曲一隻の屏風絵。
書かれているのは、とある街の何気ない風景。
信号、電線、電柱、アスファルトの道、家々…
どこにでもありそうな日常的な光景が屏風に描かれています。
ところが、よく観るとどこか変です。強烈な違和感おぼえます。

それはその日常的な風景の中に人間が一切描かれていないからです。

無機質なビル群を描いたのなら分かります。
ただそれが、どこにでもある街角を描いたがゆえに
人が一人もいないのはとてつもない違和感を与えます。
屏風絵は非日常的なものなんですね。やっぱり。

もう一枚、石崎さんの作品
冬の日
画面でもほのかに分かるかと思いますが
太陽が描かれています。(右上辺です。)

この作品凄くないですか?
今日一番長く絵の前に立っていたのこの作品です。

11月19日まで開催されているので是非。
入館料は無料です。

10月22日は神戸智行さんが「和紙に出会う」というイベントも行うそうです。
午後2時〜4時まで(入退場自由)
会場はこのビルの5階。
今日は休憩室になっていました。


【最後にもう一つ告知】

私の応援している三瀬夏之介さんが京都で個展を開催します。

三瀬夏之介展『奇景』
10月16日〜29日(ニュートロン 京都)
http://www.neutron-kyoto.com/
三瀬さんのブログ「シナプスの小人」も参照して下さい。

関西にお住まいの方。是非!!!

原寸美術館 日本編 画家の息吹を伝える

原寸美術館 日本編 画家の息吹を伝える
千住 博
第15回奨学生美術展
平成18年10月4日(水)〜11月19日(日)
幣財団では全国の美術大学より推薦を受けた優秀な学生に奨学金を支給しております。本展は彼等 の研究発表の展覧会となります。出品者は第15期奨学生17名と招待作家2名(6期・9期)です。
また、前回買上作品も併せて展示いたします。


展覧会 | permalink | comments(4) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

三瀬夏之介さんの個展 行かしてもらいますね〜♪
場所チェックしました。。
あんなところにこんなギャラリー&お店できているんですね。
(昔あのあたりで仕事していました。。)もう浦島太郎状態。
十六夜 | 2006/10/10 4:27 AM
おはようございます、TBありがとうございました!
今、そしてこれからのアーティストの作品をTakさんの視点でご覧になった感想、興味深く、そして楽しく拝見しました。
あったかい視線に感謝です!
ここで出会って印象に残ったアーティストをこの先も気にかけていただけると嬉しいです。

僕はまだ見に行ってないのですが、Takさんのレビューを観ていっそう楽しみになってきました。

あと、奨学金ですが、これから支給するんじゃなくて過去に支給したアーティスト、ということだと記憶しています。

P.S.ライブのお知らせまでしていただき、恐縮です(汗)
DADA. | 2006/10/10 7:47 AM
信濃町駅と「千駄ヶ谷」駅のあいだですね!!
| 2006/10/10 9:00 AM
@十六夜さん
こんばんは。

場所分かりにくいところなのですか。
でも行って下さるようで嬉しいです。
「宜しく」伝えておいて下さい。
とても優しくフランクな方です。

@DADA.さん
こんばんは。

以前、ここの美術館をDADA.に教えていただき
気にはなっていたのですが、延ばし延ばしに
していました。悪い癖です。

私はあまりこういった若い方の作品は
観て来ていないので、どんな感想書けば
よいのか迷いましたが、好きな作品だけ
つらつらと書かせてもらいました。

奨学金はこれからではなく
以前もらった人なのですね。納得です。

ライブ頑張ってくださいね!

@| | 2006/10/10 9:00 AM | さん
こんばんは。

ご指摘ありがとうございます。
早速訂正しておきました。
感謝です。
Tak管理人 | 2006/10/10 11:49 PM
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