青い日記帳 

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「プリズム:オーストラリア現代美術展」

ブリヂストン美術館で開催中の
「プリズム:オーストラリア現代美術展」に行って来ました。



一週間以上も前に観て来た展覧会の感想を今頃書いています。
書かなかったわけではなく、書けなかったんです。

この展覧会つかみどころがなくて。

このまま感想アップせずに流してしまおうかな〜とも思ってました。
そういう展覧会今までに幾知れず。

「つかみどころがない」と今さっき書きましたが
実はこれがこの展覧会のメインテーマのような気がします。

決まった枠では括れない。既存の観方では通用しない。
かと言って新人さんの作品を観るわけではない。

だいたい、オーストラリアという国から絵画や彫刻
所謂アートが全然思い浮かんでこないのも要因のひとつ。

まだ赤道直下の南の島々やアフリカなどの方が
アートとしてのイメージが素直に浮かんできます。

決して遠い国ではなく、逆にヨーロッパやアメリカに比べれば
距離も時差も段違いに日本に近いにもかかわらず、こと美術に関しては…

あらためて考えるととても面白いことかもしれません。
旅行に行ったり知識としては色々知っていたり、
オージービーフやキウイフルーツ食べていたりするのに、こと美術に関しては…

何にも知らない。
って言うか、イメージすら沸いて来ない国。

そんな反省もこめて、折角ブリヂストンさんが開催してくれているのです。
行ってみて損はないかと思います。ただしよく分からないですけどね。

今回の展覧会に行ってみて思ったのですが、
既知の作家や作品を追体験として観ることも当然大事ですが
新人さんではなく、たまたま機会がなく知ることがなかった
美術作品に出会えるというのは滅多にないことなのではないでしょうか。

そういった意味では知らなくて分からない作品ばかりですが
そんな中から色眼鏡無くして自分の好きな作品を選べる良い機会です。


ローズマリー・ラング「燃えるエアーズロック No.1
   ↓

ローズマリー・ラング「燃えるエアーズロック No.6

面白い作品だとまず思いました。
ところが解説読むとそこに託されたメッセージはなかり深いものあります。

オーストラリアの象徴でもあるエアーズロックに見立てたものは
ヨーロッパ製の家具だそうです。よく観ると確かにソファーなどが判別できます。

それに火をつけて「豪快に」黒煙をあげさせて燃やしているのが下の作品です。
歴史にひとつのピリオドを打つ。そんな意味が含まれていそうな作品です。


パトリシア・ピッチニーニ「自然の小さな救済者−耐鉛害ポッサムの子孫・先祖

パトリシア・ピッチニーニはメルボルンに在住する女性アーティストさんだそうです。何処かで聞いたか見たことある名前だなーと思って調べてみると2003年に原美術館で「パトリシア・ピッチニーニ WE ARE FAMILY」展 を開催していたそうです。(観に行っていません。)

patricia piccinini(サイトはこちら)←のサイトにも載ってました。

彼女の作品は今回ひとつの部屋にまとめて展示されていました。
こんなような作品も確かありました。
 
サイクルパップス

エナメル塗装が施された奇妙な動物です。
ウーパールーパーのようでもありますが
質感から「人工的」な感覚嫌でも受けます。
昔ソニーが販売していたアイボともまた違った感覚です。

「割ってしまった卵はもとに戻せない。」
ピッチニーニの言葉だそうですが
まさに現在の科学技術、特にバイオの分野への警鐘を鳴らす重い一言です。

「孫」を代理出産したというニュースを聞いて
ピッチニーニの言葉が真っ先に浮かんできました。


展覧会会場で鼎さんにばったりお会いしました。
最後に鼎さんのお気に入りの作品をご紹介。

ホセイン・ヴァラマネシュ「落ちていた枝

枝をつぎはぎして大きな「作品」に仕上げたもの。
枝が葉脈のようにも見えます。素敵な作品です。

この展覧会は12月3日まで開催しています。

世界遺産 オーストラリア編
世界遺産 オーストラリア編

おまけ

11月のブリヂストン美術館の土曜講座は地中海学会秋期連続講演会「世界遺産への旅」です。全5回開催されますが、2006年11月18日(土)は恵泉女子学園大学助教授の池上英洋先生のご登場!お題は「古都アッシジとウンブリア諸都市」だそうです。池上先生にお会いしたい方是非この機会に。私は仕事があるので…

blog:池上英洋の第弐研究室
ブリヂストン美術館は、石橋財団創設50周年を記念した展覧会の一つとしてオーストラリア現代美術展を開催いたします。本展のために制作された2点を含む73作品、35人の作家による本展は日本における従来のオーストラリア・アート展とは異なった視点で構成されており、規模に於いても、視点の新しさに於いても日本で初めての展覧会になります。オーストラリアは今や私たち日本人にとって身近な国の一つですが、それにしては私たちのオーストラリア観はステレオタイプなものではないでしょうか。本展は、日豪交流年という好機を捉えて、この国の文化アイデンティティーの側面に焦点をあて、日本ではあまり意識されていないもう一つのオーストラリアを探ろうとするものです。

オーストラリアは220年の歴史を持ち、国民主権国家としては建国100年を迎えたばかりの若い国です。しかし、先住民文化、植民の歴史、多文化国家といった素顔を併せ持つこの国は多様で、流動的な文化アイデンティティーを持っています。それぞれのプリズムを通して過去を振り返り、現在を語り、未来を思う作家たちは、その多様性を絵画、写真、立体、インスタレーション、映像といった媒体に託しました。オーストラリアという現代のディアスポラ空間に生きる作家たちにとって、この国は自らのアイデンティティーを鋭く見つめ直す機会と時間を与えてくれる場所であり、その研ぎ澄まされた意識から生まれた作品は、時に鋭く、時に静かに、日本という異質の土壌で同時代を生きる私たちに多くを問いかけています。
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この記事に対するコメント

TAKさん、大変ご無沙汰しております。
和田何某の盗作騒動でこちらが荒らしの標的になって以来ほとんど拝見していませんでした、これからよろしくです。
ブリヂストンは個人的に注目の美術館です。
新しい館長になってから、現代美術に比重をシフトさせていますね。
この前の「夏の常設展示」も最後の部屋を現代作家で飾っていましたしー。
ところで館長をめぐる問題を二つ。
現代美術館は日本テレビ放送網の会長が館長を勤めていますが、漫画とかアニメとかで集客を図っている、これが健全な美術館かということ、もうひとつは世田谷美術館もそうですが非常勤の館長が多すぎるのではないかということ、TAK様のご意見を伺えれば幸いです。
oki | 2006/10/19 9:59 PM
@okiさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

館長さん新しくなられたのですか。
それはそれは。
ザオ。ウーキーとかやってくれたのも
その新館長さんのおかげなのでしょうかね。

さてさて、丁度今読んでいる本
「スキャンダル戦後美術史」で
東京都現代美術館の館長と集客について書かれています。
「ハウルの動く城」展は最悪でした。
まぁ良いほうに考えれば美術館の場所を知ってもらった
ことくらいでしょうかね。駅から遠いですから。

非常勤の館長が多い件については、お役所仕事から
抜けきっていないというかどっぷり漬かっている証ですね。
とにかく「箱」が多すぎます。
潰してしまうのではなく、使い方を考えていかないといけませんね。
Tak管理人 | 2006/10/20 12:03 AM
こんばんは。TBをありがとうございました。

>決まった枠では括れない。既存の観方では通用しない。

こういう現代アートの展覧会が一番好きです!
どうも最近、講釈の多い現代美術展が目立つような気もしまして…。
ブリヂストンはいつも自由な感覚で作品を見せてくれますよね。
来年もこの系統の展覧会があればとも思っていたのですが…。
残念です…。
はろるど | 2006/12/12 9:42 PM
@はろるどさん
こんばんは。

先日お会いした時にお話したように
この展覧会大赤字だそうです。
カタログやグッツも売れずに
館長さん嘆いていらっしゃいました。

上手いこといきませんよね。
是非ともブリヂストン美術館アネックスを
作ってもらって現代アートはそこで
開催できるといいですね。
Tak管理人 | 2006/12/13 10:55 PM
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