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シンポジウム「ポストバブルの建築シーン」

ジャパンファウンデーション 国際会議場で開催された
「PARALLEL NIPPON パラレル・ニッポン 現代日本建築展 1996-2006」関連シンポジウム「ポストバブルの建築シーン」に参加して来ました。



「PARALLEL NIPPON パラレル・ニッポン 現代日本建築展 1996-2006」は現在、恵比寿の東京都写真美術館で開催されている展覧会です。まだ記事は書いていませんが、先日既にこちらは見てきました。

参加パネリストはこんな豪華な顔ぶれ。
三宅理一(慶応義塾大学教授、司会)、三浦展(消費社会研究者)、ヨコミゾマコト(建築家)、藤森照信(東京大学教授、建築史家・建築家)、米山勇(江戸東京博物館助教授、建築史家)、金村修(写真家)


左から三宅氏、三浦氏、ヨコミゾ氏、藤森氏、米山氏、金村氏。

シンポジウムとは言っても三宅氏が司会進行役を務め、他の5人が順番にパワーポイントやスライドを使ってそれぞれ講演を行い会は進んで行きました。6時半から始まったこの会も終わったのは何と10時前。。。ただこれだけの長丁場でありながら時間の経過をあまり感じさせなかったのはパネラーそれぞれの個性的且つ興味深いトークによるものだと思います。

にこやかにそして爽やかにテンポよく三宅氏の司会で会は始まりました。
(三宅氏から「パラレル・ニッポン展」の概略が説明されました。)

建築の歴史―世界の名建築の壮大な美とドラマ
「建築の歴史―世界の名建築の壮大な美とドラマ」 三宅 理一

『下流社会』で一躍名を馳せた三浦氏がまず登場。

パッケージ化とパッサージュ化をキーワードに二極化する現代社会を語られました。
三浦氏曰くこの10年の日本を振り返ってみると、大きく分けて「パッケージ型」と「パッサージュ型」の二つの空間に分けることが出来とのこと。

「パッケージ型」とは郊外ではイオン・ショッピングモールに代表されるように、そこへ行けばあらゆる店舗や施設があり、まさにパッケージされている空間のこと。都心では六本木ヒルズは表参道ヒルズのような複合施設を指すそうです。

それに対して「パッサージュ型」とは所謂昔からの路地空間。下北沢や中央線沿線の街に代表されるようなごちゃごちゃとして街を指すそうです。

ファスト風土化する日本―郊外化とその病理
「ファスト風土化する日本―郊外化とその病理」 三浦 展

「パッケージ型」のショッピングモールなどが地方のあちこちに出来、特徴がなくまるでファスト・フードの店舗のようであることから「ファスト風土」と揶揄し話しが展開。

地方都市の「ファスト風土」の問題点をアメリカやパリの話も交えて解説。
アメリカではすでにショッピングモールの使い捨て時代に突入しているとのこと。

その反動として、パッサージュ型の街が見直されてきているということでした。

続いて建築家のヨコミゾ氏の登場。
ヨコミゾ氏は群馬県にある星野冨弘美術館を手がけたことで一躍メジャーになった建築家さんです。

富弘美術館 - Tomihiro Art Museum: Makoto Yokomizo
富弘美術館 - Tomihiro Art Museum: Makoto Yokomizo
アルフレッド・バーンバウム,ヨコミゾ マコト

今回は都市における極小住宅(狭小住宅)をご自身が手がけた三件の物件を紹介しながら解説。独特の建築理論が新鮮でした。

天空率が導入されたことによって都市の空間ががらりと変化したとヨコミゾ氏は述べていました。それは都市にニョキニョキと生えるタワー型のマンションなどが目だってくるようになったことからも分かるそうです。

これはミニ・バブルではないかと危惧していました。

そして一番の問題はタワー型の空間は「閉じた空間」となってしまう点。
塀などがない代わりに堅牢な外壁で周りを遮断しているように感じるとのこと。

よってヨコミゾ氏が一番気をつけるのは周囲との繋がりのようなものだそうです。

一番のビックネーム、藤森照信のお話も大変興味深いものがありました。

伊東豊雄建築設計事務所設計による「せんだいメディアテーク」は大変注目すべき建築物だということです。それは「外」と「内」がまるで反転しているかのような感じを受ける建物なのだそうです。

こちらに詳しい画像や解説があります。

建物を見ても分かるように、外観の存在がはっきりせず希薄になってきているとのご指摘。それはまさに内と外との融合から逆転現象を生み出していることになるのではないか?既存の考えでは到達できない新しい感覚。

ところが突きつめて考えてみると、それは縄文時代の竪穴式住居であったり、アフリカの原住民の住居であったり、人類の初期の形態に祖先返りしているように思えるとのこと。これを現代建築が原始的状態へなりつつあるとまとめられていました。

ザ・藤森照信―総勢100名による徹底探究-歴史・設計・人間
ザ・藤森照信―総勢100名による徹底探究-歴史・設計・人間

米山勇氏は「建築写真」をテーマにお話されました。
「建築写真」で大切なのは垂直線と人間の姿を排除することだそうです。
ところがポストバブル以降、「人の復権」が目立ち建築写真にも
人間の姿が見えるようになってきたとことでした。

東京の近代建築
「東京の近代建築」 米山 勇

最後は写真家の金村修氏。
サングラスをかけたまま、スライドトークをするという離れ業。
独特のテンポでご自身の作品を語り続けました。
そしていつしか会場も金村氏のペースに。。。

Happiness is a Red before Exploding―金村修写真集
「Happiness is a Red before Exploding―金村修写真集」 金村 修

金村氏は1991年から東京を取り続けているそうです。
金村氏の写真作品のポイントは中心を画面に複数個作ることだそうで、カラーではなく白黒の遠近法を活用しトーンの遠近を表現するとのこと。また空はなるべくとらず、あおりもやらないそうです。

ところで、森山大道さんのこと嫌いなのかな??


これだけ、バラバラな5人がそれぞれ好き勝手に話した内容を三宅氏はまとめてしまうのですから驚きました。しかも笑顔で。。。いい人だ〜

その後シンポジウムらしく司会の三宅氏がパネリストに気を遣いながら話をされあれよあれよという間に9時半を過ぎてしまいました。

最後に会場から質問が。
「今、一番注目している場所、好きな場所は何処ですか?」

三宅氏…鶴見線の国道駅、岡山の牛窓
三浦氏…無くなっていくもの。地方の変貌。(自著の宣伝)
ヨコミゾ氏…日本橋方面
藤森氏…パッケージの抜け跡(店舗が撤退した郊外型大型店舗)
米山氏…日本橋
金村氏…東京


帰宅したばかりてまとまりありませんが、今日はこの辺で。

sur / FACE 14人の現代建築家たち
sur / FACE 14人の現代建築家たち
【収録内容】
安藤忠雄@淡路夢舞台(兵庫)
青木淳@馬見原橋(熊本)
坂茂@MIMC(東京)
原広司@京都駅ビル(京都)&札幌ドーム(北海道)
長谷川逸子@市民文化会館(新潟)
磯崎新@水戸芸術館(茨城)
伊東豊雄@せんだいメディアワーク(宮城)
隈研吾@馬頭町広重美術館&石の美術館(栃木)
黒川紀章@大阪国際会議場(大阪)
槇文彦@オフィス(東京)&風の丘葬斎場(九州)
内藤廣@オフィス(東京)
妹島和世&西澤立衛@小笠原資料館(長野)
丹下憲孝&丹下健三 建築都市設計研究所@フジテレビ本社(東京・台場)
谷口吉生@東京国立博物館・法隆寺宝物館(東京)


お知らせ&お誘い

明後日11日(土曜日)の午後3時から渋谷の國學院大學で美術講演会「「M.C.エッシャーの絵画と錯視構造」(Bunkamuraザ・ミュージアム協力)が開催されます。講師は木島俊介氏(Bunkamuraザ・ミュージアムプロデューサー・共立女子大学教授・美術評論家)です。入場無料。予約不要です。詳しくはこちら

この講演会に私も参加します。
ブログ仲間も数人参加してくれます。
そして講演会終了後はこの日から始まる「スーパーエッシャー展」を皆さんで鑑賞する予定です。もし宜しければこのブログをご覧の方も是非参加して下さい。

参加できそうな方はmixiでメッセージ送って下さい。
またメールでもokです。こちらから折り返しご連絡いたします。
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)では、日本の芸術を紹介するための展覧会セットを所蔵し、海外に巡回する巡回展事業を行なっています(国際交流基金巡回展)。
展覧会セットは、陶芸・工芸・郷土玩具など日本の伝統を紹介する展覧会から、現代美術・写真・建築・デザインなど現代の日本を伝える展覧会まで多岐にわたっています。

「パラレル・ニッポン 現代日本建築展 1996-2006」は、1996年から2006年の日本の現代建築を代表する建築を紹介する巡回展セットとして、日本建築学会との協力のもとに作成されます。2007年4月からの世界巡回に先立ち、このたび東京都写真美術館にて、写真美術館所蔵の写真作品を加え、国内にてお披露目することになりました。
講演会 | permalink | comments(7) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

こんばんは。いつも楽しく(こっそり)拝見しております。
私もパラレルシンポに参加しておりました。
長時間で疲れましたが、内容が濃かったのでヨカッタです。
いつもながらの充実した速攻レポアップ〜♪。
興奮さめやらぬうちにバッチリ復習できてウレシイです。
みっちょる | 2006/11/10 2:22 AM
こんにちは。
お誘いありがとうございました。
テーマだけバトンリレーのように設定して、自由に語ってもらうという形式が上手く機能してましたね。
面白かったです。
mizdesign | 2006/11/10 8:35 AM
豪華な顔ぶれで、しかも濃い内容だったようで大当たりなシンポジウムですね!
ヨコミゾさんのされたお話、もしよかったらもう少し教えてください。
展覧会のほうは、ちょうど来週恵比寿に行く用事があるので見てこようと思います。

石内都さんのも見たかったなー。傷痕を撮った作品が好きです。
(世田谷美術館のほうは、駅からの遠さに挫折しかかってます…)
よめこ | 2006/11/10 11:18 AM
こんばんは
以前モダニズム展で藤森先生が講演会されたとき、色々と考えさせられる問題に気づかされたりしました。
参加したかったなーというのが本心からの声です、くすん。
後日upが楽しみです。

ところで國學院のお隣に渋谷郷土資料館があり、現在折口信夫展が開催中です。
渋谷からのハチ公バスで(100円が嬉しい)わたしは24日に向かいますが、よろしかったら明日そちらにもいかがでしょうか。
でもエッシャーと折口とでは胃が逆立ちするからアカンかもしれませんね。失礼しました。
遊行七恵 | 2006/11/10 10:29 PM
@みっちょるさん
こんばんは。

ありがとうございます。
堂々と観られるブログになるよう頑張りますね。

しかしホント、内容の濃いシンポでしたね。
仕事終えてから急いでいった私にはこたえました。
とにかく急いで書いたので支離滅裂かと。
手直しこっそりします。

@mizdesignさん
こんばんは。

あんなに遅くならなければ
終わったあとビールでも飲んで
mizさんから補足も聞けたのですが。。。
それが残念です。
また機会があれば是非。
来週は別口でよろしくです!!

@よめこさん
こんばんは。

確かに大当たりでした。
金村さん好きになりました。
以前からちょっと気にはなっていたのですが
キャラもしっかりたっていて面白い人です。

恵比寿の展覧会とはあまり関係のない話が
多かったようですが、それでもヨコミゾさんの
作品とか展示してありますので(パネルで)楽しんで来下さい。

@遊行七恵さん
こんばんは。

藤森先生のお話は専門家のmizdesignさんの記事を
待ちましょう。。。ひとつだけ「現代建築は
原初的な形式の建物になりつつある」面白い指摘です。

それと「外」と「内」の境界線がなくなりつつあるとのこと。

折口展も実はチェックしていて
これも國學院で講演会があるので
それに合わせて行こうと思っています。
人形も展示されるそうです。
「死者の書」の!!

>エッシャーと折口とでは胃が逆立ちするからアカンかもしれませんね。
よくばらないようにします。はい。
Tak管理人 | 2006/11/10 10:58 PM
Takさん、羨ましい!
Takさんの行動力、情報力、本当に尊敬しちゃいます。
頭の中は一体どうなっていらっしゃるんでしょうねぇ〜?笑

藤森照信さんといえば、
先日お知らせした、明日まで銀座・奥野ビル地下で開催中の
「ローマの土と日本の鉄」
http://www.spinn-aker.co.jp/kobo/us-guide.htm
(最近宣伝ばかりですみません…)
の、鉄作家・青田さんは、
『ニラハウス』の手摺も手がけてる方なんですよ〜!
鉄作家…?と、はてなマークだらけだったのですが、
ちょっと興味を持ってしまいました。鉄も恐るべし!
でも難しくて頭に入りません〜(>_<)


nao | 2006/11/10 11:09 PM
@naoさん
こんばんは。

昔からナンにでも顔突っ込むタイプなので。。。
尊敬には値しません。
キャパ狭いのに無理やり詰め込んでいるので
既に頭の中パンク状態です。

出ましたね奥野ビル
最近ご無沙汰していますですはい。
例の飲み屋にはよく行くんですけどね。

鉄も面白い素材だと知り合いが言ってました。
その人は敢えて錆びさせるんですけどね。

宣伝バンバン大歓迎でございます。naoさん特権です。
Tak管理人 | 2006/11/13 12:31 AM
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ポストバブルの建築シーン | 柏をたのしむ@水上デザインオフィス | 2006/11/11 12:24 PM