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フェルメール「牛乳を注ぐ女」初来日!

フェルメールの「牛乳を注ぐ女」が今年、日本にやってきます。初来日です。

「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展
9月26日(水)−12月17日(月) 国立新美術館(六本木)
(昨年10月に見学してきた国立新美術館の写真はこちら

1998年にフェルメール巡礼の旅を始めてまず最初に観たのがこの作品です。

ご存知の通り、フェルメールの作品は世界に30数点しかないとされています。
フェルメール全作品解説(全作品画像あります)

その中でもまず間違いなく誰しも知っている作品が「牛乳を注ぐ女」。
その「牛乳を注ぐ女」が日本初公開となります!


「牛乳を注ぐ女」The Milkmaid 1658年頃 45.4×40.6cm

オランダのアムステルダム国立博物館(美術館)
Rijksmuseum(ライクス)所蔵の作品です。
(2005/3撮影)
ライクス・フィリップス・ウイング

Vermeerの作品で知名度がナンバー1なのは映画にもなった
真珠の耳飾りの少女」(「青いターバンの少女」)でしょうが、
作品の完成度の高さなどから鑑みると「牛乳を注ぐ女」が断トツでしょう。

真珠の耳飾りの少女 通常版
「真珠の耳飾りの少女」
スカーレット・ヨハンソン

アムステルダム国立美術館で購入してきた日本語版カタログにはこの作品について以下のような解説がなされています。(訳が多少変ですがご愛嬌)

「牛乳を注ぐ女」は、最も賛美されているフェルメールの絵画のひとつです。窓辺に立つその女性は、頭をわずかに傾けて注意深く牛乳をつぼに注いでいます。差し込む光は、見る人の視線をおのずと牛乳の流れへ向けます。その流れを見て、実際にその音が聞こえるほど鮮明に描かれています。この部屋では、他には何の動きもありません。
この題材の単純さは、仕事で日焼けした手をした頑丈な体つきの女性によって強調されます。彼女は質素であるが、カラフルな服を着ています。緑のオーバースリーブの付いた黄色のボディス、赤と青のスカート。一般的なメードの気品ある肖像画です。フェルメールがどのように現実を描写したかを知ることは魅了的です。彼は壁の穴、陰がかった爪の全体、ガラスの破片など実に細部にまで注意を払いました。彼の異なる題材の描き方は絶妙です。細部を観察してみると、いたるところに鈍い光や時には輝やく小さなハイライトのあることが分かります。絵具が少々厚めな部分には、より多くの光が当たります。このことはパンを見るとよく分かります。小さな点々は、皮のパリパリした感じを連想させます。

(2005/3撮影)
展示室の様子。

私の拙い感想はこちらに記してあります。

オランダの至宝と呼ぶべきこの作品が今回日本にやってきます。
ダ・ヴィンチの「受胎告知」もやって来てしまうので驚きはそれほど
ないかもしれませんが、これは千載一遇の大チャンスです。

チャンスを作ってくれたのは皮肉にも「アスベスト」です。
昨年、兵庫県立美術館で開催された「アムステルダム国立美術館展
(この展覧会にはフェルメールの「恋文」が目玉として来日しました。)

アムステルダム国立美術館展」の記事でも触れましたが、
ライクスにアスベスト使用問題が発覚したのは2003年4月のことでした。
以下は当時の新聞記事の引用です。

「レンブラントの代表作「夜警」やフェルメールの「台所女中」などを所蔵し、世界的に有名なアムステルダムのオランダ国立美術館は29日、館内で発がん性のある建築資材アスベストが使用されていたとして、閉館を決めた。同美術館は「早急にアスベスト使用の実態調査をまとめ、対応を決める」とし、「当分の間」は開館しない方針。」(2003年5月1日)

誰が翻訳したか知りませんが記事中の“フェルメールの「台所女中」”とは今回初来日するフェルメール「牛乳を注ぐ女」のことでしょうね。。。

Johannes Vermeer, 1632-1675 (Rijksmuseum Dossiers)
Johannes Vermeer, 1632-1675 (Rijksmuseum Dossiers)
Mariet Westermann

すぐに美術館は閉鎖され改修工事に入りました。
ただオランダ一番の美術館が何年も閉まるとなると観光的にもかなり痛手です。
安全の確認できた美術館の一番右側の通称「フィリップス・ウイング」で
館の代表的なコレクションをほんの一部ですが公開することになりました。
(スキポール国際空港でも一部の作品を展示)

The main building of the Rijksmuseum and the Philips Wing were closed to public and staff form 29 April 2003 as a precautionary measure. The reason was that asbestos had been found in parts of the museum.


これはまだアスベスト問題が起こる前にライクスを訪れて撮影したものです。

改装中世界各国の美術館・博物館へライクスの膨大な所蔵品を貸し出しています。
これもまた以前「出張ライクス」という記事で触れました。

美術館の改装は当初の予定では2008年までかかるといわれていましたが
それがもっと延びてしまったのでしょう。今年フェルメールが来るとなると。

理由はどうであれ、フェルメールの作品が日本で観られるというのは
大変有り難く、夢のような話です。つとめて冷静を装って書いていますが
この話を耳にしてからかなり興奮しています。取るもの手につかず。。。

今年、来年と何かと身の周りが慌しく海外へ行く事多分出来ません。
フェルメール制覇の旅もあと2枚を残しストップしたままでいます。
我慢、辛抱の時期もあるさと、自分に言い聞かせ新年を迎えました。
でもまだ松の内も明ける前にこの嬉しいニュースがやって来ました。

何事にも替え難い最高のお年玉&誕生日プレゼントです。
情報を下さった方、どうも有り難うございました。感謝。

フェルメール―大いなる世界は小さき室内に宿る
フェルメール―大いなる世界は小さき室内に宿る
小林 頼子,藤原 怜子,蜷川 順子,徳丸 仁,阿部 純子

東京新聞社主催
「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展
9月26日(水)−12月17日(月) 国立新美術館(六本木)
17世紀オランダ黄金時代に風俗画家として活躍したヨハネス・フェルメール(1632―75年)。現存する30数点の中でも傑作中の傑作で、所蔵するオランダ国立美術館門外不出の作品である「牛乳を注ぐ女」が日本初公開となります。
当時、未曾有の経済的発展により富裕な市民階級が台頭したオランダでは、それまでの歴史画にかわり日常生活の情景を描いた風俗画が大いに流行した。本展では、ヤン・ステーンからゴッホに多大な影響を与えた19世紀のヨゼフ・イスラエルスまで、フェルメールの同作を中心に、油彩、水彩、版画、工芸品計110余点でオランダにおける風俗画の多様な展開を紹介します。


フェルメールの関連書籍はこちらにまとめてみました。

おまけ

ライクス・フィリップス・ウイングの入場券。

お楽しみは裏側。
マスターピースの中から選りすぐりの作品が図柄に用いられています。
やった!「ミルクメイド」
でも、これはかみさんのチケット。
私の裏側はレンブラントの「ユダヤの花嫁」でした。

こちらは「牛乳を注ぐ女」が用いられている切手
ベナン(Republique du Benin)発行。
小国が外貨を稼ぐ目的で出すパターンの切手。
他のフェルメールの作品の絵柄の切手と合わせて
6枚で約4ユーロでした。(2005年スキポール空港にて)

こちらはちょっとお下品な「牛乳を注ぐ女」さん。

タバコくわえながら注いだらいけません。
折角の「集中力」が殺がれてしまいますよ。
(1998年ライクス前のお店で購入)

それでは最後に「牛乳を注ぐ女」あれこれ
オランダの街中にはミルクメイドがあちこちに。
笑えます。

図書館などで見つけたら是非この本チェックして下さい。
「牛乳を注ぐ女」の原寸大の大きさ把握できます。
秋に実物観る前に予習も兼ねて。
原寸美術館 画家の手もとに迫る
原寸美術館 画家の手もとに迫る
結城 昌子


オランダ・ハーグにあるマウリッツハイス美術館。
ここには3点のフェルメール作品がありますが、
その研究成果が詳細に書かれた一冊。図版も豊富です。
Vermeer: In The Mauritshuis
Vermeer: In The Mauritshuis
Epco Runia,Peter Van Der Ploeg

【関連エントリー】
- 弐代目・青い日記帳 | レセプション:フェルメール 「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展
- 弐代目・青い日記帳 | フェルメール「牛乳を注ぐ女」を観る前に。
- 弐代目・青い日記帳 | 「牛乳を注ぐ女」あれこれ
- 弐代目・青い日記帳 | 新・あなたが選ぶ「フェルメール」
- 弐代目・青い日記帳 | 「窓辺で手紙を読む女」の感想
- 弐代目・青い日記帳 | 超お得なペアチケット:フェルメール展
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http://bluediary2.jugem.jp/?eid=881
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この記事に対するコメント

こんばんは。mixiで先日拝見して本当に驚きました。
フェルメールの、まさかこの作品が日本で拝見出来るなど思いもよりません。
大感激です!

台所女中!楽しみですね!

はろるど | 2007/01/05 11:02 PM
30数点中の3点をフリックコレクションで見て来たばかりです。
本当はMETにも行って4点目を!と思っていたのですが、TIME OUTでした。
4点目は秋の六本木になりそうです。楽しみにしています。
さちえ | 2007/01/06 12:11 AM
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
「受胎告知」に続きサプライズの連続ですね!
最初にこの情報を目にした時は、寝ぼけているのではないかと自分を疑いました♪(笑)
それにしても、ポンピドー・センター、モネ大回顧展、フェルメール・・・凄いラインナップですよね。
国立新美術館、とばし過ぎのようにも感じます。来年以降、大丈夫でしょうか。(^_^;)
新年早々来年の事を心配したら、鬼に笑い・・・
いやいや、蹴りとばされてしまいますかね。。。
TBありがとうございました♪
りゅう | 2007/01/06 12:48 AM
あけましておめでとうございます!
新年早々素敵なビッグニュースに喜んでおります。
なんとしてでも絶対見に行きます!
情報ありがとうございました。
かよ | 2007/01/06 1:05 AM
うわわわ!! フェルメールだ〜い好きなんです。テレ東の「美の巨人」で「牛乳〜」に出会ったのが最初でした(遅い出会いで恥ずかしいのですが)。「真珠の首飾りの少女」の映画も見ましたし。
それにしてもフェルメール巡礼の旅とは素晴らしいですね。私はせめてアムステルダムには行きたい…
情報ありがとうございます。
PS ルーブルDNP、評価していただいて嬉しいです(って、別に回し者じゃないんですけど、自分自身で見てとてもよかったのと、開設にこぎつけるまでのスタッフの苦労を知り合いから耳にしているので)。
SwingingFujisan | 2007/01/06 8:22 AM
楽しみですね。でも日本で見るのと外国で見るのでは、ずいぶん違う印象になるのがちょっとね。
「画家とモデル」も日本で見たときは、ぱっとしませんでしたし・・。
レオナルドもフィレンツエで見たときほど明るく美しく見えるかどうか。
gakko | 2007/01/06 10:16 AM
日本まで旅をするのですね。
日本の美術展覧会にかけるお金って。。。ものすごいガクでしょうね。
Takさんが小躍りしている姿が目に浮かびます。

でも混むのでしょうねえ。。。。

あとTakさんの狙うフェルメールは何枚ですか?
seedsbook | 2007/01/06 5:15 PM
@はろるどさん
こんばんは。
もったいない記事をどうもありがとうございます。
照れます。

しかし、これ観られるのはホントラッキーです。
台所女中の真の魅力明らかに!!

@さちえさん
こんばんは。

さちえさんもかなり贅沢なフェルメールの
見方していますね。フリックの後にミルクメイドとは。
この作品、昔METで開催した「フェルメール展」でも
貸し出しされなかったものです。それが六本木に来るとは。

@りゅうさん
明けましておめでとうございます。
大変素晴らしい新年の幕開けですね。

朝日や読売ならいざしらず
東京新聞が開催してしまうのがミソ。
今年の頑張りようは何かありますね。

国立新美術館はキャパが広いので
同時に展覧会を幾つか開催できますが
お客さんを初年度からうまく捌けるのかな〜
まぁ何はともあれ楽しみです。

@かよさん
明けましておめでとうございます。
絶対行きますどころか
何回でも行きましょう!
焼き付けておくこと必至です。
楽しい一年になりそうですね。

@SwingingFujisanさん
こんばんは。

フェルメール好きに悪い人はいません。
オランダの古い諺にもあります。←嘘です。

オランダはとても良い国です。
また行きたいと思わせる何かがあります。
アムステルダムもハーグもデルフトも
電車ですぐの場所です。
一度行かれると全部まとめて楽しめます。

ついでにミッフィーにも会えます。

ルーヴルDNPの感想です。
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=866

@gakkoさん
こんばんは。

印象が違うのもまた「をかし」。
私はアフェーとホームと呼んでいますが
現地で観るのと国内で観るのそれぞれに良さがあります。
なので今回も「国内で観るフェルメール」楽しみです!

@seedsbookさん
こんばんは。

オランダ絵画展はさほど混雑しないと思います。
また時間帯を絞って行けば大丈夫かと。
プラス思考なもので、気楽に考えています。

>あとTakさんの狙うフェルメールは何枚ですか?
残り2枚です。
バッキンガムとダブリンです。
Tak管理人 | 2007/01/06 9:55 PM
Takさん、こんばんは。
Takさんのブログで、遅ればせながら、「牛乳を注ぐ女」来日の件を知りました。
なんか、一気にハッピーになってしまいました。
9月が待ち遠しいです!
なまけたろう | 2007/01/08 1:47 AM
Takさん、お久しぶりです。
とっても遅ればせながら。。。笑
お誕生日おめでとうございます&明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします!

来月初オランダです。楽しみっ!!!
Takさんのブログで予習してますっ!
kyoko | 2007/01/08 11:24 AM
@なまけたろうさん
こんばんは。
TBありがとうございました。

気分最高ですよね!
日本で見られるなんて。
何度でも通います。
共に盛り上げていきましょ!!

@kyokoさん
こんばんは。
明けましておめでとうございます。
よいお正月お迎えになられましたでしょうか。

来月オランダへ行かれるのですか!
それはそれは羨ましい。
アムスとハーグそれにどこでしょう?
お土産話期待してます。
Tak管理人 | 2007/01/08 11:28 PM
初めまして。川上と申します。若冲展の先行プレビューの頃から読ませていただいております。

もしかしたらご存知かもしれませんが、JALからバッキンガム宮殿のフェルメールを見るツアーが発売されています。8月20日出発の1本だけです。

バッキンガム宮殿の分は見ていないとおっしゃっていたような気がしましたので、おせっかいかとは思いましたがご連絡させていただきました。

本日は取り急ぎご連絡まで。

川上 | 2007/06/26 8:04 PM
@川上さん
こんばんは。
初めまして。

コメントありがとうございます。

JALが企画しているフェルメールツアー
存じ上げておりませんでした。
情報ありがとうございます。

バッキンガムの「音楽のレッスン」は
以前一日違いで見ることできず
以来チャンスに恵まれていません。

喉から手が出るくらい行きたいのですが
今年は仕事の関係で海外は無理なのです。
残念です。

ただ、必ず観に行きます!
また何か情報ありましたら
教えていただけると助かります。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。
Tak管理人 | 2007/06/26 10:28 PM
こんにちは、Takさん。

いつも拝見させていただいておりますが、初めてコメントいたします。

フェルメール始まりますね。
初日朝一に行く予定です。
Takさんのお話しを思い出しながら、楽しんで観るつもりです。
小桃 | 2007/09/23 1:13 PM
@小桃さん
こんばんは。初めまして。
コメントありがとうございます。

始まりますね〜
もうどうにも居ても立っても。。。
作品も無事到着しセッティングされたようです。
あとはオープンを待つばかりです。

またコメントお寄せくださいね。
Tak管理人 | 2007/09/24 1:07 AM
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フェルメール来日 | なまけたろうのページ | 2007/01/08 1:42 AM