青い日記帳 

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二つの「バベルの塔」と…

今年のGWに公開される映画『バベル』
出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル
役所広司、菊地凛子。

公式サイト

なんでも、前売特別鑑賞券(1300円)を購入すると
ブリューゲルの『バベルの塔』ジグソーパズルが
もらえるそうなので早速、エサに釣られて前売り券を購入。

(近くの映画館だと前売りは販売していても特典が付かないということで、
こちらで調べて特典がもらえる映画館へ。)

これがもらってきたジグソーパズル

箱入りで結構立派。
煩悩の数と同じ108ピース。

もっとペラペラなもの想像していたので
窓口で渡された時はちょっと感動。
でもすぐに「これ鞄に入るか?」と心配に。
(かみさんの分もあるので…)

そうそう、チラシの裏面がいい感じでした。

『旧訳聖書 創世記11章』にある「遠い昔、言葉は一つだった。神に近づこうと人間たちは天まで届く塔を建てようとした。神は怒り、言われた。“言葉を乱し、世界をバラバラにしよう”。やがてその街は、バベルと呼ばれた。」これに続き、ウィーン美術史美術館にあるピーテル・ブリューゲルの傑作「バベルの塔」がどーんと配置されています。絵に比べてキャストの写真が小さめなのも効果的。

ところで、ブリューゲル(父)の描いた「バベルの塔」って2種類あります。
一枚はチラシにも使われているウィーン美術史美術館所蔵の作品。


それともう一枚はオランダのロッテルダムにあるボイマンス=ファン・ブーニンゲン美術館所蔵の「バベルの塔」


1563年にウィーンの「バベルの塔」を描いたすぐ後に
ロッテルダムの「バベルの塔」を描いたとされています。

一般的にウィーンの作品を「大バベル」ロッテルダムの作品を「小バベル」と呼び区別しています。大・小は絵のサイズの違いです。

それぞれ現地で観ましたが数字以上に「大バベル」は大きく見え、逆に「小バベル」は後から観た所為か想像以上に小さく見えました。
ボイマンス美術館所蔵の「バベルの塔」は見逃してしまうほど小さな作品でした。

「大バベル」114×155cm
The Tower of Babel

「小バベル」60×75cm
The "Little" Tower of Babel

それでは、どちらの作品が優れているかとなると「好み」の問題もあるので難しいのですが、「オランダ・バロック絵画館」のtoshi館長曰く「ウィーン美術史美術館にある大バベルと比べても精緻の極みで,私はこちらのほうが好きだ.

「こちらのほうが好きだ」と述べている方がボイマンス美術館所蔵の「小バベル」
確かに私のような素人目にも「小バベル」の描き方の緻密さ実感できました。
地上に蟻んこのように人間達がちょこちょこしている様子から様々な部分に
ブリューゲルのこの作品に対する思い入れが感じ取れました。

↑大・小バベルそれぞれの画像をクリックすると大きな画像見られます。
ご自身で2枚の「バベルの塔」の違いそれぞれ見比べてください。

1000ピース バベルの塔
1000ピース バベルの塔

因みに、「小バベル」のあるロッテルダムのボイマンス美術館はハン・ファン・メーヘレンによって描かれた有名なフェルメールの贋作「エマオのキリスト」を所蔵している美術館でもあります。

「エマオのキリスト」

ハンス・ファン・メーヘレン(1889-1947)。世紀の贋作事件で名高いフェルメールの贋作者1938年、新発見のフェルメール作品が高額で取り引きされ、ロッニルダムのボイマンス=ファン・ビューニンゲン美術館に収蔵された。作品は「エマオのキリスト」。オランダの権威ある美術史家もお墨つきを与えた。
ところが第二次大戦後の!945年、メーヘレンの手になる別の贋作がナチスの略奪絵画のなかに含まれていたことから足がつき、メーヘレンが自分の描いた贋作だと白状。オランダの美術史学界が大騒ぎしたのは言うまでもない。

「週刊美術館 フェルメール」(小学館)

現在でもボイマンス美術館にこの作品あります。
美術館側も嫌々展示していて、壁の一番高い位置に展示してありました。


しかもこの作品の前にはデジタル・アーカイブが設置されていて
作品をじかに観たいのに真下に行って見上げるしかありません。。。


アムステルダムに次ぐオランダ第二の都市としてフェルメールの作品を
持っていなかったことが焦りとなって贋作を掴まされてしまったのでしょう。
ここは一発開き直って「フェルメール贋作展」でもやったらどう?

フェルメールの贋作事件に関してはこちらの本がよくまとまっています。
謎解き フェルメール
謎解き フェルメール
小林 頼子,朽木 ゆり子


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=884
本作『バベル』は、旧約聖書で人間の愚かさの象徴として描かれる“バベルの塔”をモチーフにして展開される物語である。監督は、『21グラム』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。舞台となるのは日本を含めた計4ヶ国で、各地で別々に発生した悲劇的事件が平行して進み、時間の流れは前後して描かれるというパズルのようなヒューマン・ドラマである。出演は、ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナルと日本からは役所広司という錚々たるキャストが顔を揃えた。また役所の娘役で出演した菊地凛子の演技が既に高い評価を受け、世界デビュー作にして第64回ゴールデングローブ賞助演女優賞にノミネートされるという快挙を成し遂げた。
フェルメール | permalink | comments(7) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

このパズルは平面ですよね?
バベルの塔の立体パズルがあったら、メチャクチャ難しそう・・・。
アキっぽ | 2007/01/09 6:28 AM
このジグソーパズル、欲しいなあ・・でも、意外に扱っている映画館は少ないんですね。わざわざ行くのもなぁ・・とひるむ。

大バベルは幸いにも2回じっくりと観ることができ、大好きな絵のひとつです。昨年は美術史美術館で買った大きなフリューゲルのカレンダーで1年を過ごすことができました。

小バベルは見ていないのでその精緻な描写をこの目でみたいものです。

小バベルの塔の下から4段目の階に聖餅、聖像、聖旗を掲げた宗教列が描かれていますが、これがプロテスタントに対して激烈な迫害を行ったカトリックへの風刺だとみる学者もいるそうです。
当時フランドルはカトリック国であるスペイン王国に支配されており、巨大な権力に対する警告をも倒壊間近の塔に象徴させた・・ここは若桑みどり氏の受け売りです。

小バベルの方が完成に近い上、上部の暗雲立ち込める雰囲気が不気味ですよね。

ロッテルダムかぁ・・遠いなぁぁぁ
aki | 2007/01/09 11:21 AM
前に日本にきたのは、「小バベル」ですね?双眼鏡と単眼鏡を持って、見に行ったのを覚えています。ブリューゲル父の絵はどれもそうですが、じっくりゆっくり、長い時間をかけて見ないと全てがわかりません。
映画「バベル」監督が「21グラム」の監督なら期待できますね。でも最近いろんな別の話が、どこかでふっと一つの事に結びつく・・・という展開の映画多いと思いません?
GAKKO | 2007/01/09 7:50 PM
@アキっぽさん
こんばんは。

平面平面(^^ゞ
立体は無理。
神の怒りもかうしね。

@akiさん
こんばんは。

そうなんですよ
意外と少なくて困りました。
たまたま渋谷に出る用事があったので
渋谷でgetできましたが地元では
チケットだけでパズル付いてきません。

美術史美術館は「格式」のようなもの
感じられますよね。
あそこにいるだけで満足できます。
フェルメールを見逃しているので
また必ず行かねばならぬ一つです。

小バベルの解釈面白いですね。
細かくあれこれ描かれていますので
様々な解釈が可能になりますね!

>上部の暗雲立ち込める雰囲気が不気味ですよね。
そうなんです!!
ここが一番のポイントだと思うんです。私も。
akiさん流石です!お目が高い。

@GAKKOさん
こんばんは。

「小バベル」来たことありましたか!
調べてみないと(^_^;)
仰る通りブリューゲルの絵は
じっくり、ゆっくり丹念に
時間をかけてこそよさが分りますよね。

実は映画はそれほど期待していません。。。
Tak管理人 | 2007/01/10 12:21 AM
映画は佳品でしたよ。

ラピスラズリ(青)を細かく打ち砕く場面がよかったです。
http://www.gaga.ne.jp/pearl/top.html
AECTON | 2007/03/31 5:56 PM
@AECTONさん
こんにちは。

佳作・・・やっぱりといった感じです。
まとまりなさそうです。
女優さんだけクローズアップされていますしね。

まぁ、とりあえず観に行ってきます。
Tak管理人 | 2007/04/01 11:19 AM
小バベルを先日、上野・東京都美術館で観て来ました。美術史美術館所蔵の大バベルと比較された点が興味を惹きました。暗雲確かに不気味、塔の若干赤みがかった彩飾も小バベルに厳かな雰囲気を醸し出した様ですね。よく銅版画を制作する際ルーペを用いるらしいのですが、バベル絵画を観るのにルーペや歴史の知識も必要見たいです…。若桑みどり説を作品で調べるには、特にー。本展示から映画では<バベル>、<メトロポリス>、そして<月山>等も又、見たくなりました。
PineWood | 2017/06/14 2:45 PM
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