青い日記帳 

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「川柳と浮世絵で楽しむ江戸散歩展」

たばこと塩の博物館で開催中の
企画展「川柳と浮世絵で楽しむ江戸散歩」に行って来ました。



美術散歩のとらさんの推薦とあれば行くしかありません。

とらさんの勧めするものに「ハズレ」無し

渋谷公園通り沿いにある、たばこと塩の博物館。
元専売公社、現在のJTが運営している博物館です。
ミュージアム・ショップにタバコや塩が売っているのはここだけかと。

流石、元専売公社だけあって資金は潤沢なのでしょう。
入場料金たったの100円です。(これいつから変ってないかな〜)

JTになってもメセナやりまっせ

今回の展覧会の面白い点は、浮世絵や「焼塩壺」などの作品だけでなく、
それぞれの作品に江戸時代の人々の詠んだ「川柳」が添えられています。

例えばこの浮世絵には

歌川広重「江戸名所 品川海晏寺紅葉見

こんな川柳が添えられています。
紅葉よりめしにしようと海晏寺

なるほど、いつまでも紅葉なんて眺めてるのやめて食事にでもしよう!
っといった趣旨でしょうか。ところが、どうやら様子が違うようです。
受付で入場料を払うともらえる小冊子に川柳の解釈が詳しく載っています。
それによると・・・

川柳に詠まれた「めし」とは「飯」は「飯」でも「食事」のことではなく
飯盛女」、つまり「遊女」のことなのだそうです。

つまり紅葉狩りの名所、品川の海晏寺に来たけど紅葉ももう見たので
さっさと品川宿へ繰り出して飯盛女と遊ぼうぜ!!ってな内容なわけです。

いやはや、なんとも。。。ストレートな……

これが、受付でもらえる小冊子です。

きちんと製本されていて100ページ以上に渡り
川柳の一句、一句の解説・鑑賞が記載されています。
その数なんと187句!!

これ一冊もらってくるだけでも十分価値あります。
とにかく読んでいて面白い。
読書しながらついでに作品も観る。そんな感じの展覧会です。

(とらさんから頂戴していたので事前に読むことできました。感謝感謝。)

東海道五十三次トランプ(ゴールド)
東海道五十三次トランプ(ゴールド)

数ある浮世絵&川柳セットの中で一番「実感」できたのがこれ。

葛飾北斎の「東都勝景一覧 飛鳥山

桜のお花見客で賑わう王子の飛鳥山。
画面中央に描かれている飛鳥山碑をお花見見物の人が見ています。
そこで、この浮世絵に添えられていた一句。

この花を折るなだろうと石碑見る

「おいおい、安兵衛、こりゃなんて書いてあるんだい?」
「そんなこと、おいらに聞かれても分んねえって」
「なんか小難しい文言書いてあるように見えるが」
「どうせ、『この花を折るな』だろう」
「なるほどね〜」と言ったかどうだか定かではありませんが…

因みにこの石碑、現在でも同じ飛鳥山に残っているそうです。
東京都北区王子1-1-3 飛鳥山公園内
 八代将軍徳川吉宗の命によって享保5年(1720)から翌6年にかけて、飛鳥山に桜が植えられ、享保18年には桜が根付いて花を開かせるようになり、水茶屋が10ヶ所建てられ、江戸市民の行楽の場となりました。
 元文2年(1737年)閏11月に、吉宗による事績を顕彰するための「飛鳥山碑」が建てられました。江戸時代には飛鳥山のランドマークともなり、浮世絵などで芝山に桜と石碑を描けば飛鳥山を示しました。
 現在も桜の季節になると、多くの花見客で飛鳥山公園は賑わいを見せています。



それでは、「今日の一枚」じゃなくて「今日の一句

妙見へ遊山北斗の星を連れ

【語釈】妙見=柳島妙見堂
【鑑賞】妙見菩薩は国土を守護し、災厄を除くといわれる仏様。江戸では柳島の妙見堂が有名で信者も多かった。その由来は、本尊の北辰妙見大菩薩(北斗七星のこと)が、堂前の松に降臨したとの伝えによっていて、この句も北斗七星を縁語として組み立てている。浮世絵師の北斎は熱烈な妙見信者で、彼の号北斎・辰政・卍などはこれにちなんでいる。

北斎が妙見信仰をいかに信仰していたのかについては、
こちらの記事で詳しく書いた通りです。

しかし、この川柳を知って北斎に限らず江戸の町に住む人々には
割合ポピュラーな信仰対象だったことが分りました。大収穫です。

展覧会は2月4日までです。是非。

北斎の謎を解く―生活・芸術・信仰
「北斎の謎を解く―生活・芸術・信仰」 諏訪 春雄
葛飾北斎は、日蓮宗や妙見菩薩、老荘思想など、複雑な信仰の持ち主だが、数多くの転居や画号の由来から、ある貫徹した信念にたどり着く。生き方と信仰をめぐる六つの謎を解き、北斎芸術の本質をさぐる旅へいざなう。


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=887
 「川柳(せんりゅう)」は「俳句」とともに、わが国独特の短詩型の文芸で、江戸時代から多くの人びとに親しまれています。ともに五・七・五の17音で成り立ちますが、俳句が主として“自然”を詠んでいるのに対して、川柳は“人事”が主で、季語や切れ字(句の切れ目に使う「や・かな・けり」など)にとらわれることなく、人情の機微や社会生活の矛盾などをユーモアや風刺を込めて口語調で詠んでいるのが特徴です。
 もともとは「前句付(まえくづけ)」(七・七の題=前句=に五・七・五の句を付けたもの)と呼ばれる俳諧の中の雑俳の一種で、その選者として人気の高かった初代柄井川柳(からいせんりゅう)(1718〜90)が選んだ句を摺り物にして配った『川柳評万句合(せんりゅうひょうまんくあわせ)』の中から、明和2年(1765)柄井川柳の片腕といわれた呉陵軒可有(ごりょうけんあるべし)(?〜1788)が、前句を省いても十分に句意の伝わる付句(つけく)の秀作756句を抜粋した『誹風柳多留(はいふうやなぎだる)』(通称『柳多留』)を編集刊行したことに始まります。
 これが評判になって、付句を独立した句として鑑賞することが流行し、柄井の雅号をそのまま採って「川柳」と呼ばれ、盛んに作られるようになりました。
『柳多留』は、川柳らの死後も衣鉢を継いだ人たちによって続けられ、初編以降天保11年(1840)までの75年間にわたり167編を刊行、今日では“古川柳(こせんりゅう)のバイブル”とされています。
 今回の展示では、この『柳多留』収載の句を中心に、江戸名所・旅・生業(なりわい)<諸職>・吉原・歌舞伎・信仰<俗信>・遊戯などをキーワードにして、江戸時代の人びとの暮らしの哀歓を軽妙に詠んださまざまな句を約200点選び出しました。
 そして、それぞれの川柳の句意と直接・間接的に関係のある事象について、歌麿・写楽・北斎・広重ら著名絵師が描いた浮世絵や版本を出展するとともに、吉原遊廓で用いられていたきせるやたばこ盆、寺子屋で使用されていた机や本箱といった民具、近世遺跡から発掘された「焼塩壺(やきしおつぼ)」などの考古遺物も展示、江戸っ子たちの暮らしぶりを多角的に紹介します。


展覧会 | permalink | comments(9) | trackbacks(5)

この記事に対するコメント

こんばんは。
川柳のおかげで浮世絵や道具類がさらに生き生きとしてみえました。
いつか「落語を題材に浮世絵展」なんてのも企画されるといいなあ、と思いました(過去のことは知らないので、すでに開催済みでしたらご勘弁ください)。
キリル | 2007/01/11 11:33 PM
たばこと塩は浮世絵関係の展覧会のとき、いろんなオマケがありますが、今回の冊子はすごく嬉しい感じです。
あとあと楽しめますね。

ワンコイン 展覧会に オマケつき  七恵
遊行七恵 | 2007/01/12 9:26 AM
「Takさんの太鼓判押す江戸散歩」浮世絵もあり、川柳もあり。
とら | 2007/01/12 9:52 AM
こんにちは〜
今日行ってきました。
嬉しい美術館ですよね〜
川柳もとても楽しい展示ですが、
2Fたばこの資料展示のキセル、たばこ盆、マッチ入れ、
もう、これもまた垂涎ものだらけでした。
銀座線の中で川柳冊子を読んで、こちらの記事の通り、
妙見信者の所が面白かったです。
エッシャーのこと、北斎に教えてあげたかったなぁとも。
あべまつ | 2007/01/12 3:15 PM
@キリルさん
こんばんは。

仰る通りですね。
生き生きしていました。
当時の輝きはなっているようで。
十七文字の川柳が添えてあるだけで
あれだけ違うものなのですね。

@遊行七恵さん
こんばんは。

今回のオマケは力入っていますよね。
力作です。
これ500円でもいいかも。

「ワンコイン 500円でも 大満足」

@とらさん
こんばんは。

教えて頂いた通りの展覧会でした。
予習もばっちり!
今度はご一緒に。

@あべまつさん
こんばんは。

行かれましたか!
良かったでしょ。
塩の展示してある階でいつも
これなめさせてくれないかな〜
なんて考えながら見ています。
岩塩が海外では主なんですよね。
ご自宅でもお料理する際に使われています?

妙見信仰調べだすと面白いですよ。
  
Tak管理人 | 2007/01/12 11:10 PM
一年ほど前まで、王子の飛鳥山の近くに住んでいました。
石碑は気をつけて見たことがなかったですね。
あのあたりを散歩するといい風景に出会えたりして、楽しいですよ。
@浮世絵、春画ブログ・エピクロスさん
こんばんは。

王子界隈春先にそれこそお花見がてら
てくてく歩いてみたいものです。
石碑の前で同じ川柳口ずさみ。
Tak管理人 | 2007/01/20 12:29 AM
Takさま、ご無沙汰しています。ちょっとお門違いかもしれませんが、ギメ東洋美術館・・・の浮世絵展を見てきました。TBした貼絵は僅かですが、美しく、面白かったです。
cassiopeam101 | 2007/01/23 5:01 PM
@cassiopeam101さん
こんばんは。

北斎の海老の絵よかったですね。
ああいう小品でも緩んだとこが
感じられないのがスゴイです。

Tak管理人 | 2007/01/24 12:19 AM
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川柳で楽しむ浮世絵 | 遊行七恵の日々是遊行 | 2007/01/12 9:15 AM
かつくら六本木ヒルズ店で飯を食べた後、六本木通りを通って渋谷へ。空いていて快適。あっという間到着。 で、たばこと塩の博物館「川柳と浮世絵で楽しむ江戸散歩」を見る。これは面白かった。川柳と浮世絵を並べて見ると、その時代の空気がよく伝わってくる。。 誹風
たばこと塩の博物館 川柳と浮世絵で楽しむ江戸散歩 | Higashi Ginza Sweet Life | 2007/01/14 10:41 PM
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