青い日記帳 

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「中村宏 | 図画事件 1953-2007展」

東京都現代美術館で20日から開催される
「中村宏 | 図画事件 1953-2007」展のレセプションに
参加して来ました。



中村宏氏は1932年生まれ。現在74歳。現役の絵描きさんです。

中村宏氏について「松岡正剛の千夜千冊」の
こちらの本の紹介の冒頭に興味深い一節が載っています。
日本・現代・美術
「日本・現代・美術」 椹木野衣

ぼくの結婚式の仲人は中村宏である。10人たらずの結婚式を目黒の大鳥神社であげた。そのまま京都の稲垣足穂の家に行った。そのときも中村宏夫妻が同行した。中村宏はそのような新婚旅行は前代未聞だと言って、半分笑い、半分は気の毒そうな顔をしていた。

松岡氏や椹木氏にとっては現代の美術史を語る上で欠くことのできない人物であっても、一般の方で中村宏氏のお名前を知っている方少ないはずです。かく言う私もこの展覧会のチラシを昨年見るまで存じ上げていませんでした。

1960年代に活躍の場を持たれた画家さんのようです。
そして現在に至ってもまだ尚、筆を休めることなく
油彩画を描き続けていらっしゃるそうです。

74歳という年齢から「おじいちゃんの回顧展」なのかな〜と
予想していたのですが、見事にハズレました。
すみません。とってもお若い方でした。とても74歳には見えません。


スピーチをする中村氏。
(因みに後方にいるオレンジ色のマフラーの方は美術評論家の中原祐介氏です)

財団法人東京都歴史文化財団や東京新聞社のおエライさんの挨拶の
何倍も溌剌としたお声でユーモアをも交えたスピーチをして下さいました。

さて、さて展覧会ですが、
タイトルに「1953-2007」とある通り中村氏の初期の作品から
現在の作品まで余すところ無く300点の作品により具に紹介されています。

これまで大規模な個展は開催されていないとのこと。
今回の展覧会まで足掛け50年に渡り蓄えた作品を一挙に公開!
(こういうのって気分いいですよね)

開会式のスピーチ終了後、中原氏がおもむろにのし紙に包まれた
DVDを取り出し、中村氏にお祝いとして渡しました。

そのDVDというのがこちら。

「SLロマン紀行スペシャル」

会場もこれにはクスクスと笑みが。。。流石「悪友」です。
初期の作品から現在の作品までずーと画中に登場するものとして
蒸気機関車(SL)の姿が見てとれるからです。


円環列車・Aー望遠鏡列車」1968年

40年も前に描かれた作品とは思えませんね。
会田誠さんの作品と言われても気がつかないかもしれません。
(ひとつ目は流石に誰も描かないと思うけど…)

因みにチラシに用いられている作品は、1969年に描かれた
円環列車・Bー飛行する蒸気機関車」です。
著作権にうるさい松本零士氏に見せてあげたいです。
ちゃんと蒸気機関車に中村氏のサインが入っています!


会場には油彩画の他にも中村氏が手がけた表装なども展示されています。
こちらは1969年12月の「現代詩手帖」の表紙。


しかし、今から40年も前に機関車とセーラー服ばかり
描いていたといのもいやはやなんと言いますか。。。
やっぱり今でも「若い」はずです。

時代は一気に21世紀へ飛びます。
さて、これは何でしょう?

分った方、鉄チャンですね。筋金入りの。
ダイヤグラム、鉄道の運行図です。

作品名はずばり「鉄道ダイヤ」2001年のもの。

具象画一筋でやってきた画家さんが
21世紀を向かえ新たな側面を見せてくれています。
最近の作品は地下一階の展示室にありますが
一階の展示室と一瞬違った作家さんの展示かと
見間違いそうな感覚を受けます。

しかし、それも一瞬のことで、すぐにまた
中村ワールドへ。。。記号で繋がっているかのようです。

(地下一階では同時開催として「邱黯雄展」も開催中)

デルボー、キリコ、マグリット、ターナー、モネ、マネなども鉄道を描きましたが
これらの画家とはまた一風違った(かなり違うかな)中村ワールドが堪能できます。

会期は4月1日までです。
この後、名古屋市美術館へ巡回するそうです。

絵画者―1957‐2002
絵画者―1957‐2002
中村 宏

それでは最後に「今日の一枚

時節柄?やっぱりこれしかないでしょう。セザンヌやデュシャンもあったけど。
車窓篇TYPE 10-A」(レオナルド)



そうそう、
会場に1974年に美学校の油彩画工房で中村宏に師事した
俳優の佐野史郎さんの姿ありました。

それと山下裕二先生も。
もっとも山下先生は同じく明日から始まる「MOTアニュアル2007 等身大の約束」展を観にいらしたのかも……

ピカピカのぎろちょん
ピカピカのぎろちょん
中村 宏,佐野 美津男

追記:
「レセプションに行けるなんてすごいですね」と
ときたまコメントを頂戴しますが、全然凄くないんです。。。
ここの美術館の賛助会員になっているだけです。たらーっ
詳しくはこちら

同時開催の
「MOTアニュアル2007 等身大の約束」はこちら


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=895
空に浮かぶ蒸気機関車、セーラー服姿の一つ目少女、高速で流れる車窓の風景・・・。
戦後一貫して具象にこだわり、独自の絵画を追求してきた中村宏(1932-)の作品は、
観る者に強烈な印象を残します。
1950年代、政治的・社会的な事件や事象を取材して描かれた作品群は「ルポルタージュ絵画」として注目を集めました。
それ以降も、時々の社会状況と深く関わりながら描かれてきた作品は広く支持され、戦後日本美術史において高く評価されています。
本展は、そのような中村作品を包括的にとらえ、油彩画約100点に、装丁・挿画・イラストレーションや資料など約200点を加えた総数300点を通して、制作の全貌を明らかにするものです。
さまざまな事件や事象を記録し伝えるところからスタートした中村の作品は、現在に至るまで、常に実際の鑑賞者を念頭において構想され、描かれてきました。
絵画の中に、鑑賞者に対してコミュニケーションを積極的に促すような“記号”や図”、“絵言葉”など、線描をベースにした独自の「図画」敵な要素を盛り込んだ幅の広い仕事が展開され、観る者の視点を捕らえるための独自の探求が続けられています。それゆえ中村の作品は、何よりもまず、ひとりの鑑賞者が事件に遭遇するかのように出会う画面として現れてくるのです。
常に個々の鑑賞者をまきこみ続ける「図画事件」の連鎖、あるひとつの異系の絵画の全貌をご紹介します。
展覧会 | permalink | comments(11) | trackbacks(7)

この記事に対するコメント

こんにちは。
そういえば松岡さんの奥様はイラストレーターなんですよね。
最近ではぜんぜん表に出てこられませんが。
tsukinoha | 2007/01/20 6:23 AM
望遠鏡列車が、千葉市美術館に出ていて、
この展覧会、見たいなぁと思っていたところです。
レポートを拝見して、ますます楽しみになってきました。
一村雨 | 2007/01/20 7:01 AM
昨日たまたま中村 宏のこと調べてました。
もっと若い方だと思っていたので正直驚きました。
なんかぶっ飛んでる、始まったら見に行こうと思ってます。
私も普通会員の方にでもなろうかな。。。お徳ですよね〜
みちよ | 2007/01/20 1:14 PM
@tsukinohaさん
こんにちは。

そうなのですか。
奥様見たことないです。
しかし旦那さんがあれだけ
本ばかり読んでいると家庭は大丈夫なのかと。。。

@一村雨さん
こんにちは。

強烈ですよ。
どの展示室も。
濃いですしね。それぞれの作品が。
中村氏から元気の素分けてもらえそうです。

行かれたら是非感想を。

@みちよさん
こんにちは。

おーーーそれは偶然!
40年も50年も前から
あのような作品描いていたのですから
驚いてしまいます。お話したのですが
これまたお元気!ニコニコされていました。
ここの会員は良いですよ。時間も潰せますしね。
Tak管理人 | 2007/01/20 1:52 PM
TBありがとうございます。
私も賛助会員ですが、このところ、なかなかレセプションに行けません。うらやましい限りです。
nemo | 2007/01/27 10:16 PM
こんばんわ〜。
正直あまり期待してなかったのですが、かなりよかったです。
円環列車にやられてしまいました。
あの構図、狂ってて大好きです。
あおひー | 2007/01/28 12:05 AM
@nemoさん
こんばんは。

レセプションの時間
もう少し遅ければ余裕を持っていけるのですけどね。
でも賛助会員はお得です!

@あおひーさん
こんばんは。

でしょ〜〜
ツボなんですよね。
もう70過ぎの方なのに。
女の子いつまでも大好きなんでしょう、きっと。
Tak管理人 | 2007/01/28 12:22 AM
こんばんは

中村さんの話は溌剌としていますね。
かくしゃくしている、なんてほめたら、蹴飛ばされそうな勢いでした...(^^;
lysander | 2007/01/30 11:55 PM
@lysanderさん
こんばんは。

ご本人にお会いできたのですね!
お若いですよねー
ああでないとあんな作品描けません、きっと。
Tak管理人 | 2007/02/01 12:46 AM
こんばんは。
レセプションの記事もありがとうございます。
予想以上に楽しめました。本当にエネルギッシュな方なのでしょうね。

>しかし、それも一瞬のことで、すぐにまた
中村ワールドへ。。。記号で繋がっているかのようです。

やはり絵が良いかなと思いながらも、
結局は機関車やセーラー服で繋がっているのですよね。
表現の形態は変われども、関心の所在はあまり変わらないとでも言うのでしょうか。
MOTの前回の展覧会とは正反対だなとも感じました。
はろるど | 2007/03/17 11:58 PM
@はろるどさん
こんばんは。

今日テレビにもお出になっていましたが
とてもあのお年には見えません。
お元気お元気。

MOTの前回の展示とは確かに
全然違いますね。世代的には
中村氏の方が遠いのですが、
感覚的には相性が良さそうです。

これからもますますお元気で
更に精力的に活躍してほしいです。
Tak管理人 | 2007/03/19 12:19 AM
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