青い日記帳 

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国芳・暁斎 〜なんでもこいッ展だィ〜

東京駅ステーションギャラリーで開催中の
「国芳・暁斎 〜なんでもこいッ展だィ〜」に行ってきました。



歌川国芳(1797-1861)と河鍋暁斎(1831-1889)の二人の作品それぞれ60点ずつが展示されていました。
二人を分けて展示するのではなく、比較できるような展示構成です。

このように展示されると、自然に二人を比べながら鑑賞したくなります。
また二人の間に共通するものを探したり、どちらが好みかなどの視点から
作品に向かいあいたくなります。


美術館側もそれを知ってか知らぬか、キャプションを「赤」と「青」に
分けてくれています。赤が河鍋暁斎、青が歌川国芳。
色だけ見れば二人のどちらかの作品かが分かる仕組みです。(多分)

ポスターやチラシをよーく見るとここでも同じように
色分けして二人の名前が書かれています。
感心してしまったのですが、このポスター、チラシかなり
上手く図面構成されていて、真ん中に三分の一に展覧会のタイトルや
文字情報が書かれ配色は黒。
上三分の一は青の歌川国芳『宮本武蔵と巨鯨
下三分の一は赤の河鍋暁斎『新富座妖怪引幕
で、よーーく見ると上に青いライン、下に赤いラインが入っています。
上の青色は海の青、下の赤色は妖怪が垂らす血の色。

ついでに言うと、この展覧会の会期の日付けの
12/ 11土〜1/23日の「土」が青色「日」が赤色で書かれてます。

拍手!!!!!!もうこの時点で拍手!!!!!!

ここまで手の込んだポスター、チラシ作っておいて内容が悪いわけがないです。
(宣伝だけ派手で駄目な展覧会はありますけどね)

で、やっぱり中身も素晴らしい〜です。
第一展示室に入るや否やどーーんと暁斎の『新富座妖怪引幕』(1880)がお出迎え。
縦4m、横17mの引幕はステーションギャラリーの展示室には収まりきれない長さ。
17mをL字型に折り曲げて展示してありました。
これだけでも充分迫力あるのに、それに加えて絵が凄い!!
酒を飲みながら4時間で描き上げた作品(@_@)暁斎の「狂」斎たる所以垣間見られます。

国芳の『蝦蟇手本 ひやうきん蔵』(1847c)笑えます。天保の改革によって
役者絵が発行できなくなってしまったゆえの苦肉の作。
詳しくはこちら。
大変ユーモアに富んでいます。人ではなくカエルが紋付着て刀を掲げています。
因みに二ツ巴の紋はオタマジャクシ(゜゜)〜刀はナメクジになってます。

風景画でも暁斎の『那智ノ瀧』や国芳の『佃島
それぞれ大胆な構図で甲乙つけがたいものがあります。

有名な暁斎の『枯木寒鴉図』(1881)
明治十四年に開催された第二回内国勧業博覧会で妙技二等賞(このときの絵画での最高賞)を得た作品。暁斎が当時この作品に「百円」の値をつけたところ、会場係員が高価すぎると非難したが、暁斎は“鴉の値ではなく数十年間、絵のために大変な苦労を重ねてやっと学びえたものにたいする値だ。全国的な規模の展覧会なので買い手の有無に関わりなく値をつけた”という内容を答えたという。この作品を百円の値で榮太樓總本舗の主人が買い付けたため、人々は驚き、暁斎は大いに面目を施したという。
当時の100円って今のいくらくらいなのでしょうか?

同じ動物絵でも国芳は大好きな猫を沢山描いています。
其のまま地口猫飼好五十三疋』名前からすぐ分かるとおり「東海道五十三次」のパロディーです。
上手く描かれてます。日本橋は猫の前に鰹節が2本。これで「日本ダシ」→「日本橋」
(地口とは語呂合わせのことです。)

こうして最後の美人画が展示してある展示室まで二人の作品を見比べながら
どちらもそれぞれとてもユーモラスで生き生きした作品を残しているな〜
甲乙つけ難いものがあるな〜などと一人勝手に思いながら
第四展示室に入って解説を読むと・・・

「ここまで二人の違いを知ろうとか、共通性を探ろうとか、ましてや優劣をつけようなどと考えていたあなた、それがいかに愚かだったことかがおわかりでしたでしょう。」といった内容の解説文字が!!
「やられた!」と思いました。
まんまとやられました。

ポスター、チラシの段階で既にこの仕掛けは仕組まれていたのです。

そうその通り、二人のどちらが良い悪いなんて全く関係なし。
どちらにどんな特徴が見られるかなんて些細な問題。
そんなちゃちな考えでは理解できないはるかにスケールの大きな二人の、
そして、全然別次元の展覧会なのでした。

不覚・・・(残念!)私まだまだ甘いです。
「切腹!」まではしたくないので、
絶対リターンマッチ望みます。

待ってろよ!暁斎、国芳!!





以下プレスリリース
勇壮な武者絵をきっかけに、幕末の浮世絵界で大活躍した浮世絵師、歌川国芳(1797-1861)。国芳は初代歌川豊国(1769-1825)門下にありましたが、北斎に私淑し、勝川派、琳派などに学び(『浮世絵師歌川列伝』中公文庫より)、これを糧として自らの作風を確立していきました。武者絵はもちろん、風刺画、美人画、歴史画、風景画と幅広い分野で精力的に活躍し、役者絵や風刺画など、浮世絵に対する幕府からの規制が激しくなるなか、機知に富んだ作品を発表し、庶民の喝采を浴びました。国芳は一門を築きあげ、そこからは芳幾・芳年などの優秀な弟子が育ち、その系脈は水野年方(としかた)、鏑木(かぶらき)清方(きよかた)、伊東深水(しんすい)と、昭和期まで続きました。
一方、狩野派の号をもち、正統な画歴をもつ河鍋暁斎(1831-1889)は、国芳門に6歳で弟子入りした経験があります(のちに暁斎は『暁斎画談』で楽しげな国芳門の様子を紹介しています)。9歳からは狩野派門に学び、19歳で狩野派の号を得て、その仕事で名をあげました。しかしこれにとどまることなく多彩な分野で活躍したのは、国芳門での経験があったのではと推測されます。暁斎は、内外を問わず絵を研究し、画鬼と称され、活発に制作、その名は明治期前半において、富裕層から庶民まで、抜群の知名度を誇りました。また、日本国内だけでなく海外にも知られ、例えば弟子のなかには近代日本建築界において、強い影響を及ぼしたジョサイア・コンドル(1852-1920)もいました。
本展は両絵師の作品を、1.役者似顔絵、2. 武者絵・風景画、3. 戯画・風刺画・動物画4.画稿類、5. 美人画とテーマといったに分けて比較検討するものです。
それぞれの絵師の特徴を生かし、浮世絵版画を縦3枚につなげる珍しい国芳の版画や、暁斎の横17mに及ぶ妖怪引幕、猫好きで有名な国芳の猫を描く版画や、暁斎の百円という当時の破格の高値で買い手がついた、あの鴉の肉筆画など、盛りだくさんの贅沢な内容になっています。
展覧会 | permalink | comments(15) | trackbacks(7)

この記事に対するコメント

初めまして、コメントありがとうございました。

以前開催された北斎展に行けなかったのがとても悔しかったので、今回再び浮世絵を拝見する機会が訪れてとても幸運でした。
二人のスケールの大きさを前に圧倒されていただけのような気もしますが(笑)、確かに突き動かされたという気持ちの良い感覚が未だ私の中に残っています。私も青が大好きです。海も空もとても素敵な「青」でしたよね。


そしてミュシャ展も今から楽しみで楽しみで…。
ちなみに私の一番好きな画家はターナーです。

では、失礼致します。
ユウキチ | 2004/12/20 2:33 AM
@ユウキチさん
コメントありがとうございます。
ステーションギャラリーは良い浮世絵の展覧会
開催してくれますよね。雰囲気やキャパ的に
浮世絵の展示に向いているような気がします。
妙に赤レンガと合うんですよね。

今回の二人の展覧会は初めの展示室から
大迫力で圧倒されました。
「ヤイ!小僧!来やがったな〜ちゃんと観ていけよ!!」と
睨みをきかされているような暁斎の『新富座妖怪引幕』驚きました。

Tak管理人 | 2004/12/22 10:17 AM
おはようございます.

ぼくも行ってきました.
東京ステーションギャラリーは初めてです.
赤レンガの第2室はいい感じでした.

TBさせていただきます.
今回はTakさんの記事を読んでから行ったので,「やられた!」と思うことはありませんでしたが,やはり違いに目がいってしまいました.

本年中はコメント&TBありがとうございました.
Takさんのblogをいろいろと参考にさせていただきましたし,コメントにも励まされました.来年もよろしくお願いします.

おけはざま | 2004/12/27 9:08 AM
@おけはざまさん
こんにちは。
コメントありがとうございます。

こちらこそ、おけはざまさんの精力的な活動に
感化され重い腰あげ行った展覧会数知れずです。
今までこんなに多くは流石に行っていませんでしたからね。

blog書くようになってから、皆さんとの
つながりが出来てとても嬉しく思います。
自分が思った感想が、他の方も同じこと書かれていると
「そうだよなーー」とうなずいてしまうこと度々。

来年も素敵な展覧会が目白押しのようです。
楽しみは尽きません。

年末年始どうぞお身体ご自愛なされ
良いお年をお迎えください。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。
Tak管理人 | 2004/12/27 8:06 PM
はじめまして。
本日、東京ステーションギャラリーの国芳・暁斎展を見て来た者です。
キャプション色分けの件、こちらを読ませて頂くまで全く気が付きませんでした。(滝汗) ともあれ、とても良い展覧会でしたね。 出来れば会期中にもう一回くらい覗いてみたいと考えています。
もとよし | 2005/01/10 1:41 AM
@もとよしさん
こんにちは、初めまして。
コメント&TBありがとうございます。
ステーションギャラリーの狭さが?功を奏して
暁斎の幕絵の迫力がとてもよく伝わってきましたね。

キャプションやポスターの色分け。
こんな所ばかりに目がいってしまう私ですが
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
Tak管理人 | 2005/01/10 4:59 PM
土曜日に観てきました。
細かなところまで楽しめる、面白い展覧会でした。
TBさせていただきました。
lysander | 2005/01/10 7:08 PM
1月10日 ザオ・ウーキーと併せていってきました。
どちらかというと苦手な分野,某画廊から只券をもらわなければ絶対に行かなかったのですが,おもしろかったですねぇ。

私も,国芳と暁斎を比較しながら見ていました。
暁斎のほうが劇画チックだなぁ なんて思いながら見ていました。
他の浮世絵がそうであるように,両方とも芸術作品として,描かれたわけではなくなかったのでしょうね。
じゅん | 2005/01/10 8:27 PM
@lysanderさん
コメント&TBありがとうございました。
面白い作品満載の展覧会ですよね。
一人でのんびりと時間をかけて観てきました。
ステーションギャラリー偉い!です。

@じゅんさn
こんばんは。
比較してしまいますよね、どうしても。

国芳の方がまだ浮世絵らしい作品が多いですね。
その分、暁斎が目立ちます。
暁斎って今の画家さんに例えるとしたら
誰に相当するのでしょう?
破天荒で勢いのある作家さんいますかね。。。
Tak管理人 | 2005/01/10 8:38 PM
Tak様
こんばんは、イッセーです。
国芳・暁斎展行ってきました。面白い展覧会でした。ステーションギャラリーもよかった。TBさせていただきました。
今年もよろしくお願いします。
イッセー | 2005/01/12 2:53 AM
暁斎に匹敵する作家。
第1室の「新富座妖怪引幕」をみたとき,ちょっと棟方志功を連想しましたが・・・
現存作家では,ちょっと思い浮かばないですねぇ。
じゅん | 2005/01/12 6:48 AM
@イッセーさん
こんばんは。
ステーションギャラリーに所狭しと沢山の作品が
展示してあってそれだけでも見応えありましたね。
早い時期に行ったせいかのんびり観られました。
TBありがとうございます。

@じゅんさん
コメントありがとうございます。
なるほど〜棟方志功ですか。
棟方志功をもっとはちゃめちゃにした感じもしますね。
現代作家、、、クッキとかどうです?
イタリア人の現代作家にいないかな。。。
Tak管理人 | 2005/01/12 8:22 PM
またまた閉幕間際に駆け込みで行って参りました。
いやいや,ステーションギャラリー,なかなかやってくれますね。
この展覧会は,なかなか素晴らしかったと思います。
特にTakさんのBlogで予習して,キャプションの色分けも刷り込んでから訪れたので,スムーズに見られました。
それにしても,この二人のこと今まであまり知らなかったのですが,ビッグですね。特に,私は,国芳に圧倒されました。
ステーションギャラリーとしては,バルテュス展以来の快挙だと思います。
vagabond67 | 2005/01/23 12:46 AM
Takさん、

「国芳・暁斎ーなんでもこいッ展だィ」も今日が最終日、万難を排して東京駅に行ってきました。大体二人を比較するのは・・・と思っていましたが、画題の似たものをうまく配置していて、素晴らしいハーモニーをかもし出しているようでした。キャプションの色分けを教えていただいて助かりました。

頑張って横浜に廻って、「マルセル・デュシャンと20世紀美術」を観てきました。こちらもチェックシートを作成して、デュシャンの作品と彼に向き合ったアーティストの作品を比較させようとしてしていましたが、残念ながら作品の配置がまずくて、チェックシートに取り組むエネルギーがなくなってしまいました。
とら | 2005/01/23 5:56 PM
@vagabond67さん
コメント&TBありがとうございます。
滑り込みセーーフでしたね。
この一点いや一回行けたのは大きいですね。

http://bluediary2.jugem.jp/?eid=121
ここにも書きましたが、国芳を見ていると
アンチンボルトのこと思い出してしまいます。
時代や国が違ってもこういう奇抜なアイデアの
持ち主はいるもんですね。
バルテュス展懐かしい〜〜出光で『叫び』展示してた時ですよね。

@とらさん
コメントありがとうございます。
こちらも滑り込みセーーフですね。
万難を排して行かれただけの価値は充分にあったかと思います。
キャプションの色分けはホント偶然にあれれ・・・と気が付いたものです。
この時は一人で確か行ったのでぐるぐるあちこち観てまわりました。

デュシャン展まで行かれたとなると、かなりの充実した日曜日(^^)
確かに配置わかりませんよね。私も係りの方に何度も聞いてしまいました。
(それでも分からないこと多かったですが・・・)
Tak管理人 | 2005/01/23 9:39 PM
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