青い日記帳 

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小川信治「FRENCH MILK CROWN, 2001」

ヴァイスフェルト(レントゲンヴェルケ)で開催中の
小川信治「FRENCH MILK CROWN, 2001」展に行って来ました。
R o e n t g e n w e r k e A G

先日、大混雑の中訪ねた「A@A アート・アット・アグネス 2007」
会場でのレントゲンの池内社長と邂逅については記事に書いた通り。こちら

その際に、池内さんから「六本木で今、小川の面白い個展やっているから観に来て」と誘われ、いざ六本木へ。平日昼間の六本木、芋洗坂をテレ朝方面へ小気味良く下っていくその途中にレントゲンはあります。
東京都港区六本木6-8-14 コンプレックス北館3F

ビルの入口には普段なら開催中の展覧会の案内が出ているはずなのに今回は何にも出ていません。ちょいと不安になります。でもsayakaさんの芸力にもちゃんと載っていたし大丈夫大丈夫と言い聞かせ狭い階段を。
芸力
不安を抱えつつこの階段を…

ビックリするよ
池内さんがこんなこと仰ってたこと階段を上りながら思い出しました。

ウソではありませんでした。いやはや、ビックリ!
だってこれですもの。


FRENCH MILK CROWN 1-8 / 2001 / 63x75cm / oil on canvas
(この画像はギャラリーより送っていただいたものです)

小川信治さんの代表的な作品は、名画の中から人物だけを抜き去ってしまう。
そんな作品を多く手がけていらっしゃいます。
「WITHOUT YOU」と題された作品です。

2000年の夏、小川氏がフェルメールの作品から人物だけを抜き去った作品を
青山のレントゲンクンストラウムで発表されました。
小川信治個展「ZONDER JOU」(オランダ語で「WITHOUT YOU」)

その当時作ったページはこちら。(目茶目茶下手。。。お見苦しい)

こちらは昨年、大阪国際美術館で開催された「小川信治展」に出展された作品。


小川氏に対して抱いているイメージはどうしてもこの人物無し絵画。
それを期待、予想して出向いてギャラリーで出迎えたのがこれらですから
そりゃ〜「びっくりするよ」池内さん!!



一瞬、佐藤卓の「おいしい牛乳」のパネル解説の一部かと思っちゃうほど錯乱。
頭ごちゃごちゃになりながら立ちすくんでいると、事務所奥から池内さんの声が。
はっと我に返りました。でも池内さんの声で正気づくのも何だかな〜

デザインの解剖〈4〉明治乳業・おいしい牛乳
「デザインの解剖〈4〉明治乳業・おいしい牛乳」 佐藤 卓

その後、二人であれこれ談笑。
池内さんからこの絵の秘密?を色々と教えて頂きました。

私はてっきり小川氏の新作かとばかり思っていたのですが
豈図らんや、意外にも2001年の作品だとか。
それって「WITHOUT YOU」シリーズともろ重なる時期。

2001年に名古屋市民ギャラリーで一度展示されたきり、
小川氏のアトリエにしまい込まれていたものを、今回
6年ぶりに「発掘」し晴れてこの個展の開催となったそうです。

なので、あまり宣伝もしていないとのこと。
ポストカード(招待状)も作らず、看板も出さずに営業。
FRENCH MILK CROWN 1-8」の画像はギャラリーから
送っていただいたものです。感謝感謝。
(&一番↓の個展解説も!サンクス日暮さん)

で、今回7点+1点、合計8点の「ミルククラウン」だけが展示されているのですが、一見すると皆同じ「王冠」なのに実はそれぞれ違うことが分ります。一滴だけはね方(跳びはねている方向)が違います。それぞれ。

牛乳が一番美しく見える瞬間を人間カメラ小川氏が捉え油彩で描き起こす。
まさに神業のような作品です。
1/10000秒のシャッタースピードと同じ性能の
内的身体能力を備えている作家さんです。

それをまた7枚の連作で微妙に変化させて提示する。
なんてニクイことを!!そういうのツボなんですよね。。。

因みに。
小川さんの作品見ちゃうとこれ、とてもウソっぽく見えてしまいます。
立体なのに。


小川氏の作品は、ミルクでありながら大理石のようでもあります。
美しいモノは美しいモノとしか比喩できません。

でも、どうしてそんなにも、たかが牛乳に心奪われてしまうのでしょう?

大きな要因として、「光の表現」があげられると思います。
今一度「FRENCH MILK CROWN」の画像を観て下さい。
瞬間を捉えたカメラアイにまず感心しますが、よーーく見ると
それだけではなく、小川氏がいかに光の表現、影のつけ方等に
気を配っているかが手に取るように分かってくるはずです。

ミルククラウンに関する研究
こちらの真面目なサイトにミルククラウンについての
様々な実験結果や画像、動画があります。
これを観てから、もう一度小川氏の作品を観て下さい。
更なる驚きが待っているはずです。

小川氏の個展は27日までです。

Frabosk カプチーノクリーマーLOVE 178.31
Frabosk カプチーノクリーマーLOVE

それでは最後に「今日の一枚」と行きたいところですが。。。
8点全て同じような作品なので…
G A L L E R Y C A P T I O Nで開催された
「小川信治 二つの点」でも、ご覧あれ。

こちら


【池内シャチョーからのお知らせ】
次回の個展もこれまたビックリ企画。

Simon PATTERSON 「The Last Supper, 2001」
サイモン・パタソン個展
2007年2月3日−2月25日

ネームペインティングという「肖像画」
画面には「名前」しか書いていないそうです。
例えば「ガブリエル」とか。
この名前から各々想像する顔があります。
それがサイモンの作品?!

しかも今回は『最後の晩餐』を扱うそうです。
キリストと12人の使徒。合計13名の名前が
ヴァイスフェルトの中に展示されるとか。

展示できるの?池内さん??

それと例の件、検討中です。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=900
株式会社レントゲンヴェルケは、来る2007年1月9日より27日まで、小川信治「FRENCH MILK CROWN, 2001」を開催致します。
「神の目、悪魔の手」とも賞賛される、緻密で丁寧な平面作品で知られる小川信治。実はそこには「世界にはどんな事でも起こりうる」という些か凶暴なテーマが隠されています。
名画を忠実に模写し、そこから主題を取り除く「WITHOUT YOU」、また、逆に緻密に加筆された「PERFECT WORLD」、1枚の絵を二つの世界に分けてしまう「連続体」、さらに06年、初の公立美術館(国立国際美術館)での個展で発表された驚異的な新シリーズ「モアレの風景」。小川は溢れ出るテクニックとセンスを筆先から迸らせます。
今回展示する「FRENCH MILK CROWN, 2001」は、7+1枚の組み作品で、一見全く同じに見えながら全てに差異がある8枚のミルククラウンのペインティングです。
ミルククラウンとは、ミルクの表面に一滴のミルクを落下させた時に一瞬だけ現れる形態です。小川はこれを好んでモチーフとして作品化しており、「PERFECT WORLD」のサブシリーズとして「PERFECT MILK CROWN」の名称で展開してきました。FRENCH MILK CROWN, 2001」は、その集大成と言えるでしょう。
この作品は2001年に名古屋市民ギャラリーで一度展示されたきり、しまい込まれていました。6年ぶりに日の目を見る事になります。
展覧会 | permalink | comments(3) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

Takさんこんばんは。
これは何やらとても意表を突かれた感じで楽しめました。
まさかミルククラウンが登場するとは思いもよりません。
仰る通り陰影などもとても精緻に付けられていましたよね。
様々な表情を見せていました。

国立国際美術館での個展も拝見したかったです…。
はろるど | 2007/01/24 11:17 PM
はじめまして。keyakiyaです。小川さんの個展のことが書いてありましたのでコメントを寄せます。実は、私は大阪の国立国際美術館での個展を見ています。とても興味深く見てしまいました。フェルメールの人物を取りさった絵までは、技術的な模写力には凄いと感嘆してみていましたが、ミレーの「落ち穂拾い」からひとりずつ取りさった絵の所で、立ち止まってしまいました。これはおもしろい!人物の組み合わせにミレーはどれだけの知恵を絞り出したことか。それをいとも感嘆に一人ずつ消してしまう。ミレーは何と屈辱的であり、何と幸福的であろうか。小川さんはなんと大胆でなんと破廉恥であろうか。しかしとても快作でした。浮世絵の春画の男女のからみからも、人を消していました。(小部屋で、未成年者立ち入り禁止。公立美術館で未成年者立ち入り禁止コーナーがあるとはびっくり)一番コンセプトが理解しやすい作品でしたね。笑ってしまうんですが真面目に見つめました。レオナルド・ダ・ビンチの「最期の晩餐」からも人を消去していました。あれもこれもといろいろ見ると罠に少し飽きるので、シリーズで見るとインパクトが強いでしょうね。

小川さんの行為は消し去る、それともあるものを抽出する、どちらに主眼があるのか今のところ私には不明ですが、方法論としては昔から使われていたものです。

それにしてもすごい迫真の描写力の持ち主であってこその表現です。
keyakiya | 2007/01/25 12:01 PM
@はろるどさん
こんばんは。

驚くよ〜と言われていたにもかかわらず
やっぱりギャラリーへ入ったとたん
ぽかーーんとしてしまいました。
良い意味で想像を裏切られました。

この作品(と似たもの)アグネスにも
持って行っていたそうです。

@keyakiyaさん
こんばんは。初めまして。
コメントどうもありがとうございます。

>私は大阪の国立国際美術館での個展を見ています。
羨ましいです。
行く気になれば行けたので
大変悔やんでいます。今。
ギャラリーに大阪の個展の
図録が置いてありました。
ぱらぱらとめくってきました。

>ミレーは何と屈辱的であり、何と幸福的であろうか。
>小川さんはなんと大胆でなんと破廉恥であろうか。
フェルメールにしてもミレーにしても
人物の配置は大きさ
考えに考え抜いてそこに
描き込んでいるはずです。
だからこそ皆、安心して見られます。
それを大胆にも消し去ってしまうのですから。。。
あとにの残された風景のなんと不安なことか。

ムンクの「叫び」とは違った不安感が襲います。

>すごい迫真の描写力の持ち主であってこその表現です。
これは誰しもがきっと認めてくれるはずです!
Tak管理人 | 2007/01/25 10:59 PM
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「小川信治『French Milk Crown,2001』」 ヴァイスフェルト | はろるど・わーど | 2007/01/24 11:14 PM