青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< October 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 酒とチョコと坊主にピアス | main | 「グレゴリー・コルベール展」 >>

「笑い展」

森美術館で開催中の
「笑い展:現代アートにみる「おかしみ」の事情」へ行って来ました。



円形の森美術館の約半分を「日本美術が笑う展」に使用。
「日本美術が笑う展」で円空や木喰さんにお別れするとそのまま
「笑い展:現代アートにみる「おかしみ」の事情」の会場へ。

「日本美術が笑う」展が非常に秩序立てられていたのに対して
「笑い展」は展覧会自体も笑いの対象になるほどのバカっぷり。

タダだから観ましたが、これお金払うとしたら幾らかな。。。

一応セクションは以下の4つに分けられていましたが…
1.前衛の笑い
2.小さな笑い
3.笑いの裏
4.逸脱する笑い返し

『身ぶりとしぐさの人類学―身体がしめす社会の記憶』 野村 雅一氏のお書きになった本に「笑い」について面白い文章があったので載せておきます。
ダーウィンは、人が往来で旧友に会うと、ちょうどいい匂いを嗅いだ場合のように微笑し、その微笑は漸次有声の笑いとなる、とのべているが、哄笑から微笑までを同一系列とかんがえるところにかれの笑いの輪のひとつの特徴がある。周知のように、日本人の笑いについて、民俗学者の柳田国男は「ワライ」と「エミ」とをまったく別のものとして、はっきり区別した。「ワライ」は聴覚に訴えるひとつの攻撃方法であり、視覚的な「エミ」は一種の会釈だというのが柳田の見解だが、少なくとも日本人の笑いに関するかぎり、柳田説のほうがおもいあたるふしが多いようだ。しかし、なにを笑いとみるかでさえ、こんなに意見が分かれるのも、笑いがダーウィンがいうほど単純なものでなく、ふつうかんがえられているよりずっと複雑で、多面的な現象だからだろう。
身ぶりとしぐさの人類学―身体がしめす社会の記憶
『身ぶりとしぐさの人類学―身体がしめす社会の記憶』 野村 雅一

柳田国男の行った
「「ワライ」と「エミ」とをまったく別のものとして、はっきり区別した。」
これって面白いな〜と思います。
こういう点に気がつくのが柳田大先生。

確かに言われてみればその通り。
笑いと挨拶は結びつかないけど
エミと挨拶は相性ピッタリ。

また、この文章の続きには様々な「笑い」が列挙されています。

音笑は、喜悦以外の精神状態で、憤怒を隠したりごまかしたりするために、
愧や羞恥を隠すために笑う人も往々みかける。
人が微笑をこらえるかのように口をすぼめると、気取った表情や、厳粛な、もしくは衒学的な表情になる。
冷笑の場合においては、真の、もしくはいつわりの微笑や音笑が軽蔑の表情を混じることがある、等々。


類語辞典でひくと更に…
微笑、含笑、スマイル、大笑い、高笑い、馬鹿笑い、大笑、高笑、爆笑、絶笑、抱腹絶倒、空笑い、作り笑い、無理笑い、苦笑い、噴き出し笑い、苦笑、微苦笑、失笑、くすくす笑い、薄笑い、忍び笑い、盗み笑い、盗笑。 

さて、さて展覧会では、こんな様々な笑いが、ごった煮のように会場内のそこかしこに展示??されていました。

当時物議を交わした赤瀬川原平の「お札」に始まり
展覧会の締めはドリフもびっくりの大量の金ダライが…

とにかくなんでもありの展覧会です。

全然笑えないものもあれば
完璧に自分のツボにハマってしまうものまで雑多に展示。

規則正しく美しく展示された日本美術を観た後に
これを観るとなんてまとまりのない秩序のない展覧会だと
ちょっと腹立たしくさえなりますが、人間不思議なもので
観ているうちに次第にこの無秩序さに慣れてしまいます。

外人さんの作品が多い中、日本人として頑張っていたのが
「MOTアニュアル2000 低温火傷」にも変てこな作品を出していた木村太郎。

大笑いを誘うような作品ではありませんが、どこかしらくすぐったくなるような
そんなくすっと笑ってしまうような作品を作り出す天才。
「Typical Japanese-English」という作品は順番待ちの列が出来るほど盛況。
覗き見的作品の中身は決して好んで見るようなものでもないのですが……

それと壁に背を向けていじけて座っている少年の作品があります。
これ監視員用の椅子だそうです!
で、誰も座っていなければ勝手に腰掛けていいとのこと。
これ本人がおっしゃっていたので間違いないです。
実際に私も日曜も火曜も座ってきました。

ART遊覧: 木村太陽展

タイトルと作家名わすれましたが
ケタケタ笑いながら動きまわる脳みそもそばにありました。

SMILY/ビー玉(DVD付)
SMILY/ビー玉(DVD付)
大塚愛

セクション3「笑いの裏返し」ここが一番笑えたかな。自分的には。

ロビン・ロードは言うことなし。
(日曜日に行われたパフォーマンスの様子はこちら

鳥光桃代の匍匐前進する背広姿の100体のサラリーマン人形には
最初ユーモラスな感じを受けますが、観ているうちにだんだん
無理にグローバル化を推し進めるリアルな人間を観ているような
そんなシニカルな笑いへと変化していきました。

それでは、最初にして最後の「今日の一枚

会田誠さんの「The video of a man calling himself Bin Laden staying in Japan-日本に潜伏中のビン・ラディンと名乗る男からのビデオ」



    

こたつに入りながら日本酒片手に「私、ヴィン・ラディンです」
「テロリストもう辞めました」「今日本に潜伏中です」
「この絵を描く人(会田)にかくまってもらってます」
「どうぞ探さないで下さい」「温泉好きね。混浴最高」
など等たとたどしい雰囲気の日本語で語りかけます。

この作品を観たのは二度目なのですが、今回は二畳ほどの
小部屋が用意されそこに座って観る事できます。
まるでコタツを挟んで向井側に会田さん、いやビン・ラディンが
自分に話しかけているような錯覚覚えます。

途中で咳払いしたり、咽たり、電話が鳴ったりする
そんな日常的なシーンもビン・ラディンが行うと笑いを誘います。

会田さんの友達が何かのはずみて「ビン・ラディンに似ている」と
言ったのがきっかけで実現した?このビデオ作品。
髭を伸ばすのに半年もかかったそうです。

確かに似てますね!


深く考えることなく、笑えない作品は思い切りスルーして
自分の笑いの感性にあった作品何点かみつかれば
めっけものの展覧会かと思います。

できればお友達と行かれるとより楽しめるかも。
私、一人で笑っててちょっとあやしかったかな。

笑う大天使(ミカエル)プレミアム・エディション
笑う大天使(ミカエル)プレミアム・エディション
上野樹里


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=908
私たちはみな、知っている世界や見えている風景、明らかな権力などに支配されがちですが、計り知れない自然や科学の力、目に見えない感覚や感情、新しい何かを創造する力なども、私たちが生きるためは欠くことのできないものです。現代アートは、しばしば説明のできないこれらのものを体験させたり、見せてくれたりします。それは、世の中の新しい見方や真実を追究する態度を教えてくれるものでもあります。時に不快な印象を受けるのも、社会の表面では隠されているものや、常識的な許容範囲を越えたものを提示することで、見えないものを見せようとしているからだとも言えるでしょう。
私たちを笑わせてくれるユーモアやジョーク、風刺や寓話などにも、これと似た役割があります。笑いは緊張感を緩和し、固定化した考え方や保守的な権力などに揺さぶりをかけ、それが真理であるのかを問いかけます。笑いはきわめて主観的なものでもあり、不快感と隣り合わせでもあります。『笑い展:現代アートにみる「おかしみ」の事情』は、むしろ脇役的な存在であるこの「笑い」の要素を集め、現代アートにある「おかしみ」を通して、作品のメッセージを読み取ろうとする試みです。笑いによって緩和された感受性の扉から、みなさんにはどのような世界が見えてくるでしょうか。

作品をただ笑っていただくもよし、その「おかしみ」の事情を考えていただくもよし。世界中から集結した50名の現代アーティストによる映像、写真、インスタレーションなど約200点。笑いのぎっしり詰まった森美術館をどうぞお楽しみください。


展覧会 | permalink | comments(4) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

たけぞうさん,はじめまして。TBありがとうございます。

私はダラダラ何も考えずに見ていたので,改めてこちらで理解を深めた,という愚か者。

>壁に背を向けていじけて座っている少年の作品

えーーあれがイスだったとは(よく読めよ,私。),と今驚きました。
近くの太陽さんの壁に書かれたメッセージはずっと見てたくせに。
あの子供の作品,よく覚えてます。ものすごくびっくりしたから。

ビンラディン,笑えましたね。
匍匐前進してる人形は,係員が段々集まってくる人形をばらして置き直してる姿に笑ってしまいました。ココ笑うトコじゃないし,と思いながら。
あもる | 2007/02/07 6:02 PM
@あもるさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

ダラダラ観ても楽しめる展覧会ですよね。
私も知らない人ばかりでした。

空いている時に木村氏の作品に監視員が
実際に座っていました。傍によったら
どうぞと勧められました(^_^;)

匍匐前進人形は立ち止まっても
なにやら哀れでシニカルな笑いを提供してくれますね。
Tak管理人 | 2007/02/08 6:00 PM
おはようございます。

>全然笑えないものもあれば
完璧に自分のツボにハマってしまうものまで雑多に展示。

全く同感です。
もう気楽な気持ちで見るしかありませんよね。
ただ意外と展覧会自体は悪くないなとも思いました。
「日本美術」よりも「笑い」に近いような…。

ロビンのパフォーマンスの記事へリンクさせていただきました。
なかなか大掛かりな展示でしたね。

最後になりましたが1000エントリ達成、おめでとうございます!
弐代目・青い日記帳のますますのご発展を願って…。
これからも宜しくお願いします!
はろるど | 2007/05/03 8:13 AM
@はろるどさん
こんばんは。

ロビンのリンクありがとうございました。
あれ今になって思うと凄いことだったのですね。
ビデオでも持っていけばよかったです。

さて、笑い展。
仰るとおり、この展覧会悪くないです。
ともすれば下品になってしまいがちな
内容ですが、そんなこともなく
一見雑然としているようで上手いこと
構成されているように思えました。

1000エントリ
気が付けば。。。という感じです。
塵も積もればなんとやらですね。

今後とも宜しくです!!
Tak管理人 | 2007/05/04 1:44 AM
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/908
この記事に対するトラックバック
六本木ヒルズの森美術館で「笑い」展を見てきました。 まず「日本美術が笑う」。入ると、笑った土偶と埴輪がお出迎え。素朴なだけに、土のあたたかみが加わって微笑んでしまいます。 「麗子像」のあったセクションのタイトルは「意味深な笑み」。この展覧会のテー
新旧・笑いのダブル展 | なまけたろうのページ | 2007/02/04 7:27 PM
森美術館(港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階) 「笑い展 - 現代アートにみる『おかしみ』の事情」 1/27-5/6 「日本美術が笑う」より続きます。同時開催中の「笑い展」です。この手の展覧会での「玉石混淆」はむしろ当然ではないでしょうか。肩の力を抜いて
「笑い展」 森美術館 | はろるど・わーど | 2007/05/03 8:07 AM