青い日記帳 

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笑いトーク「江戸の笑う神仏」

森美術館で開催された「日本美術が笑う」展パブリックプログラム
“笑いトーク「江戸の笑う神仏」 ”に参加して来ました。
(「日本美術が笑う:縄文から20世紀初頭まで」展 関連イベント)



二週間前に行われた赤瀬川原平氏(作家、美術家)と山下裕二先生(明治学院大学教授)によるトークショー「日本美術応援団、展覧会を笑う」に続いてのパブリックプログラム。

今回のトークショー出演者は渋谷区松濤美術館学芸員の矢島新氏。
(矢島氏は山下先生の二つ後輩にあたるそうです。)

こちらの本を読んだ印象ではてっきり山下先生より年上の方と。。。
日本美術の発見者たち
日本美術の発見者たち
矢島 新,山下 裕二,辻 惟雄

今回はトークショーといっても出演者が矢島氏お一人なので
「講演会」のような感じのイベントとなりました。
パワーポイントの画像を見ながら配布されたレジュメに沿って
矢島氏が解説なさってくださいました。

矢島氏は平安時代の宗教美術がご専門とあって「根が真面目」だそうです。

「宗教美術の笑い」…アカデミックな分野では欠落していた部分。

矢島氏が提唱する「日本オリジナル」と呼べるものとして以下の5つを提示。
1・平安時代の女性的関係が表れた美術。
  (ヨーロッパや中国など支配者層の作った美術は男性的になる)

2・室町時代のわび茶の世界。

3・室町時代の素朴、稚拙(ヘタウマ)…こういったものを評価する気運があった。
  「稚拙の美」

4・江戸時代の宗達から光琳への流れ(琳派)
  (今回展示されている宗達の犬の絵など)

5・江戸時代の宗教美術の中に世界を類を見ない新しい表現。
  円空…本能的に笑いへ。
  木喰…苦労して笑いの境地へ達した。

以下は配布されたレジュメの内容です。

神仏の笑い

《微笑を浮かべる仏の系譜》
※白鳳期の金銅仏には童形が多い
 埴輸以来の国民性? 個人的念持仏としての小ささ故か?
 ・夢違観音
 ・鶴林寺観音立像

 小金鋼仏(個人的)⇔大仏(公的)→円空・木喰にも通じる
                     ⇔百済の微笑仏(石仏)
 ・瑞山の磨崖三尊

※平安〜鎌倉
 地方仏、鉈彫り
 ・神奈川弘明寺十一面

《1、中世後期の素朴様式》
 笑いを誘う素朴な表現
 縁起絵巻、御伽草子や参詣曼茶羅の素朴様式→庶民を信仰に誘う
 庶民的なものに始まるが、特殊な嗜好ではなく、上層階級にも浸透
 
 (社寺縁起絵巻)
 ・出光美術館八幡縁起絵巻(1322年)
 ・厳島明神縁起絵巻(1346年)
 ・出光美術館長谷寺縁起絵巻
           ⇔・春日験記絵巻(1309年)

 (御伽草子絵巻)
 ・日本民芸館つきしま物語絵巻
 ・日本民芸館浦阜物語絵巻
 ・西尾市立図書館小藤太物語絵巻
 ・ サントリー美術館かるかや

 (庶民的宗教画)
 ・富士浅問大社富士参詣曼茶羅
 ・成相寺参詣曼茶羅
 ・松尾寺参詣曼茶羅
 ・明長寺十王図

 (世俗画)
 ・新出の洛中洛外図屏風
 ・様式としての連続というより、素朴を認める態度の確立か?
 ・素朴を様式として認める態度→わびの美学と通底?中国美術からの自立

《2、近世宗教美術の笑い》
I、庶民的メディアの普及
 神仏への祈りが現世的な内容になったか?
 福神の笑い(祈りと言うよりパロディー)
 ‖臘迭
 浮世絵の七福神→めでたさ、祝祭の表現、都会的な福の祈願

供内なる仏の表現
 そればかりではないが、笑いは重要な要素
 ’魃(1685-1768)
 布教、高い境地と笑い、禅は宗教と言うより哲学
 禅画→禅僧の胸中をダイレクトに表出、新しい宗教美術、内なる仏

 円空(1632-1695)
 太古からの自然崇拝(アニミズム)の残存
 手段としてというより、天性の笑いか?
 →神の笑い(得体の知れなさ)

円空を旅する
「円空を旅する」 冨野 治彦

 L擽(1718-1810)
 木喰本人は苦行→回国、木食、参籠、千体仏
 聖人であることの自覚
 自省木食、年齢
 木喰の微笑仏の初めは静岡、自身像(83/73歳)が端緒
 回国達成後の新潟以降はほとんど微笑
 →仏の笑い(ひたすら、安心)

木喰仏
「木喰仏」 木喰,寺島 郁雄

以上、配布されたレジュメより。
詳しいことはまた時間のある時に書き足します。

余談ですが…
今回のトークショー日英同時通訳付でした。
矢島氏の解説のスピードは決して早くないので
同時通訳しやすそうではありましたが、
頻繁に「ヘタウマ」という言葉を用いていらっしゃいました。
「ヘタウマ」って英訳するとなんて言うのでしょう??
気になるな〜

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