青い日記帳 

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横山大観「生々流転」

国立近代美術館で特別公開中の
横山大観「生々流転」を観て来ました。



美術館1Fに特設ギャラリーを設け横山大観の「生々流転」(重要文化財)全巻通してで展示してあります。(3月4日まで)全巻を通して観るのはこれが初めてでした。

40mにも及ぶ大作ですから展示も大変かと。
そんなに長い展示ケースをわざわざ作ったのかと心配しましたが杞憂でした。

何てことはありません、普通の展示ケースを繋げただけです。
フレキシブルな対応可能なケースに感動。何個繋げてあったのか…
もしまた行くことあったらカウントしてみようと思います。

40mという長大さにまず驚かされますが、この作品をいつも観て思うこと、
それは幅も結構あるという点です。55.3cmあるそうです。
正確には55.3×4070cm.ほとんど力技の世界です。

お金があるとこういうことできるのですから羨ましいです。
名を成すということは不可能を可能にしてくれます。

平山郁夫氏がヘリコプターに乗って京都を見下ろしスケッチし、
それを元に「平成の洛中洛外図」を描いてしまうこと思い出しました。

「拙者」にはまだこの「生々流転」の素晴らしさが理解できません。
力ずくの作品のように観えてしまいます。なので感想は特にありません。

この作品の素晴らしさは「近代日本の美術」にお任せます。

生々流転 Metempsychosis
1923(大正12)年 絹本墨画、画巻 55.3×4070cm sumi on silk, scroll
第10回院展 重要文化財
雲烟漂う山中で葉末に宿った霧のしたたりが渓流となり、水勢を増して千仞の岩壁にしぶきをあげ、山間の人里をぬけ、丘や山をこえていくうちに支流を集めて川となり、水郷を形成する悠々たる大江となって海へそそぎ、逆まく怒涛のうちに雲を呼ぶ。目に映るのはこうした変転きわまりない水の様相である。しかし、それはかたちを借りて現れた、生々流転の相にすぎず、味到すべきは、大観55歳にして達観された、相をこえた想、つまり、その一語にすべてがつくされるような「生々流転」の真理でなくてはならない。全巻に展開する流転の相、すなわち、かたちによって成り立つ実在は、その奥にあるべきかたちなき本質の仮象にすぎないとみられるからである。露、滴、渓流といったそれぞれの仮象の奥に、すべてを通じて動いてやまぬかたちなき水の真相に想い到る時、そこに水と一如とならんとする大観の精神そのものを発見する。展開する風景は、融通無礙、水の随処から、動いてやまぬ精神によって眺められている感がある。実在の仮象界をこえた空の世界に存する識心が、「生々流転」の真理をきわめつつ自然界の流転相をたのしむ、禅定の深妙なる境地を、水里画と絵巻物の原理にのっとって表現しようとしたと見るべきだろう。
大観はそれまでにも、1910年の〈楚水の巻〉以来いくつかの水墨画巻を描いている。それらはいずれも実景に取材したものであったが、その過程で水墨表現の本質と絵巻物形式の原理を会得した画家は、逆にその伝枕的な方式の究理的実現へと駆られて、実在の奥をきわめた自由な精神に映る流転の相をテーマとして着想したのではなかっただろうか。

「近代日本の美術―東京国立近代美術館所蔵作品選」 (1984年)

書くことないので「marquee」使ってスクロールさせてみました。
(macユーザーの方すみません。IEではスクロールして見えます。)




気魄の人 横山大観
気魄の人 横山大観

特設ギャラリーには「生々流転」の他にも大観の作品が数点展示されています。
「或る日の太平洋」「菊慈童」「東山」「春風万里乃濤」など。

しかし、これが「都路華香展」より混雑しているのですから。。。

一応、「今日の一枚」(一部分)


画像だと右端何も描かれていないようですが、一羽白鷺が飛んでいます。
岸にも二羽います。これ発見できたのは嬉しかったかな。

横山大観の世界
横山大観の世界
横山大観記念館,横山 大観

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=922
 所蔵作品展「近代日本の美術」では、今回1F特設ギャラリーにて、横山大観(1868−1958)の長大な画巻《生々流転》(重要文化財)を特別公開いたします。2002年のリニューアル開館後初めての全長40メートル一挙公開です。壮大なスケールを持つ《生々流転》の魅力をぜひご堪能ください。
 また同じ1F特設ギャラリーでは、併せて当館所蔵作品を中心とした大観の他の作品を展示いたします(一部展示替があります)。4F〜2Fの所蔵作品展とともに、どうぞご覧ください。

 《生々流転》は大気中の水蒸気からできた1粒の水滴が川をなし海へ注ぎ、やがて龍となり天へ昇るという水の一生を、40メートルにもおよぶ大変長い画面に水墨で描いた作品です。
 作者の横山大観は岡倉天心のもとで、菱田春草、下村観山らとともに近代日本画の革新を目指し、東洋の精神を基盤に西洋画の手法を取り込みながら、新しい表現様式を追求しました。輪郭線を使わず、色彩の面的な広がりにより空気を描こうとした朦朧体(もうろうたい)の技法などはその代表的な例といえるでしょう。
 《生々流転》は大観55歳の作で、長大な画面にもかかわらず、どこにも破綻のない完璧な構成によって組み立てられた密度の高い作品です。
 「生々流転」とは「万物は永遠に生死を繰り返し、絶えず移り変わってゆくこと」という意味の言葉です。大観の《生々流転》にも、繰り返し姿を変えながら終わることのない水の生涯が描かれています。彼の壮大な自然観や人生観をも読み取れるダイナミックな作品ですが、一方で画面のところどころに鹿や猿などの生きもの、川に舟を浮かべる人などの小さなモチーフが描きこまれ、ささやかな生命に対する温かい眼差しもうかがうことができます。
展覧会 | permalink | comments(10) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

展示している場所が笑えました。
ここしかないと言う場所ですね。
将に有効利用の極致。
箱根の山を越える事ができなかった作品が多くて残念でした。
鼎 | 2007/02/16 12:21 AM
空間処理の巧みさ、画面に広がる気迫に圧倒されます。
画家というよりも哲学者ではないか、といつも思います。
ルネサンスやロマン派の画家を連想しますが、それ以上の
魅力を感じます!
RICICO | 2007/02/16 8:30 AM
まだ、この展観は見ていませんが、部分的には何度もみています。
雪舟の「山水長巻」なら走って駆けつけますが・・・
拙者もこの作品の良さがまだわからないのじゃ。
朦朧体・・・うん!朦朧としている、という段階なのである。
大観自体よくわからない・・です。
GAKKO | 2007/02/16 11:28 AM
> 箱根の山を越える事ができなかった・・・・
都路華香の方ね。
ごっちゃになってしまいました。

「生々流転」を見る列は、蟻の行列のようでした。
鼎 | 2007/02/16 7:36 PM
Takさんこんばんわ。
スクロールに独りではしゃいでしまいました。すばらしいです!!
皆さんのコメント拝見していても大変な人混みなのですね。

まだ見ていないので、「フレキシブルな展示」や「ここしかない」といった記述に、想像をめぐらせますが、すっごく作り込んだケースではないのですね。大きすぎた期待が少々現実を見ました。
いつもは部分だから楽勝に見れますが、全部となると大変ですね…。
私は大観さんの中では好きな1点です。富士山や桜のイメージが壊れて、代表作として格別だと思ってます。
とーくる(K) | 2007/02/16 10:28 PM
都路華香の前期を見た時に、
大観先生の「生々流転」を見ました。
良くとぎれないまま40メートルを入れるショーケースがあったものだと、変なところを感心しました。

酔心飲み倒した人が、朦朧体を表現した超大作。
最後の龍と煙のような雲がおぉ〜と思いました。
あべまつ | 2007/02/16 10:40 PM
@鼎さん
こんばんは。

あそこでしか全部見せられないそうですね。
企画展とのからみもあるのでこれから先も
あまり期待できないかもしれません。
(期待していないですが)

都路華香の作品は京都から出したくないという方
多いのでしょうか?ね。

@RICICOさん
こんばんは。
大文字になってからは初めましてですね。

大観がどのような想いから
この絵を描きあげたのかが知りたいです。
何度も観ているうちにそれが分ればいいのですが。。。
私には無理かな。

@GAKKOさん
こんばんは。

朦朧体とは言い得て妙ですよね。
上手いこと言ったものです。
たいしたものです。
こういう「言葉」がついてくることも
大家たる所以でしょう。

>大観自体よくわからない・・です。
同じく。

@とーくるさん
こんばんは。

混雑していると言っても
オルセー展や藤田展ほどではありません。
そんなに苦労せずにご覧になれるかと。

ここの展示ケースもおお!!と思いましたが
都路華香展のスケッチを展示してある
キャビネットは更におお!!!!です。
モロー美術館のような感覚で楽しめます。

楽しんで来てください!
常設展も中々でしたよ。

@あべまつさん
こんばんは。

40mのケースに感心いきますよね?!
私もあれにはびっくりしました。
聞けばなんてことは無かったのですけどね。

芦雪が酒に酔った勢いで描いた作品の方が
好きかな〜今、森美術館に展示されている
寒山十得なんていい感じですよ〜
Tak管理人 | 2007/02/16 10:47 PM
仕事帰りに駆けつけて見てきました。
夜7時過ぎていたせいもあって、空いてましたよ。
私には横山大観の朦朧とした執念が
40mに渡って続いているように見えました。
「生々流転」生まれ変わり死に変わっても
まだ悟りの境地に達していない感じ。
雲と龍と太極図?の締めが力業っぽいなー、と。
菊花 | 2007/02/16 11:39 PM
こんばんは。
Takさんはあまりお好きではありませんでしたか。
私も大観は全て良いとは思わないのですが、
これは初めて拝見した時からお気に入りです。
岩肌の部分や、川の流れなど、
とても雰囲気が出ていると思います。
やはり絵が上手いですよね。(と、大家に向って怒られてしまいそうですが…。)

華香の後期を先日見てきました。
また記事に出来たら、華香展の方にもTBさせていただきます!
はろるど | 2007/02/17 10:03 PM
@菊花さん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

夜だとゆっくり観られていいですよね〜
長く細く続くあの展示室。

>私には横山大観の朦朧とした執念が
>40mに渡って続いているように見えました。
なるほど。大観の執念ですか。
確かにそれもありますね。
意地というかなんていうか。。。

最後のシーンてもっと派手でも良いような気がしました。

@はろるどさん
こんばんは。

名前で観てそして判断してはいけないと思いつつも
どうも駄目ですね。変な屏風絵よりかは
はるかにはるかにましですけどね。
まだまだ「修行」が足らないようです。
精神的にも。

はろるどさんの文はしっかり読ませてもらいました。
「お手本」として次行く時はその通りに見てみますね。
Tak管理人 | 2007/02/18 9:19 PM
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