青い日記帳 

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ヨコミゾマコトの富弘美術館

昨日から引き続き富弘美術館についてです。



でも、今日は富弘さんの作品ではなく、
2005年4月に新しくオープンした富弘美術館新館「建物」のお話です。

まずはおさらい。
旧富弘美術館は同じ敷地内に1991年5月にオープンしました。


現在この建物は取り壊されて跡形もありません。
ただし、国道122号線沿いに建つこのオブジェは健在です。


元々美術館用に建てた建築物ではなかったことや
毎年何十万人という人が訪れる美術館のため、
次第に老朽化も目立ちだしてきたため、新たな美術館を建てることに。

新美術館建設にあたってはニュースでも一時話題になったので
記憶に残っている方もあるやもしれません。
新富弘美術館建設国際設計競技を実施しました。

 美術館では常設展示のほか特別展も随時行ってきたが,展示面積が少ないことや,水彩画の展示に室内環境などで問題があることが分かった。それで美術館の拡張が計画され,隣接して新館を建設することになった。
 設計は内外の建築家による公開の国際設計競技(コンペ)方式で実施された。インターネットで公募した新美術館のコンペには,世界54カ国・地域から1,211件が寄せられた。館長の金子さんは「これほど反響があるとは思わなかった。恐らく設計競技史上の世界記録でしょう」という。
 外国人を含む世界で活躍する建築家を審査員に,第1次審査で5案に絞り込み,結局,ヨコミゾマコト案が当選作となった。一辺52mの正方形の中に,直径5mから16.4mの円筒状の展示室とそれぞれの機能を持った部屋が33個並ぶという斬新なスタイルの美術館である。

鹿島紀行「第14回 富弘美術館」より。

こうしてヨコミゾマコト氏のプランが採用され2005年4月に晴れてオープン。

入口」がこの面に当たります。



同じ面の「事務所」と「応接室」のつなぎ目は外からはっきりと分ります。


引いて見るとこんな感じです。

黒い部分(ガラスの内側にブラインド)が事務所
緑の部分が応接室です。ともにガラスの外壁。

このように外観は真四角の建物に見えますが、
館内へ一歩足を踏み入れると本当に円形の部屋ばかり。
紙の上に描いた空想の建物が現実化した稀有な「場」が広がります。

図書コーナーから見たロビー
円筒形の筒の中に居るような(居たことないけど)不思議な感覚です。
初めは戸惑います。方向感覚や立ち位置が分らなくなります。

ところが次第にそれに馴染んできてしまいます。身体が。
そうなればしめたもの。あとはとにかく愉快愉快。

ほら、外が見えます。
壁の厚さは10cmほどでしょうか。

富弘さんの作品は大きなサイズのものはありません。
「口に筆を加えて描く」と言っても一日で描ける量はごく僅かです。
とても疲れる「作業」だそうです。

そんな富弘さんのほぼサイズの同じ小品を展示するには
この美術館は大変機能的だと思います。



普通一般の美術館ですとサイズがまちまちな作品が
展覧会毎に展示されますが、ここ富弘美術館に関しては
常に一定の大きさの作品展示が出来ればよいわけです。

星野富弘さんの作品を展示するには大変適している美術館だと思います。
富弘さんご自信も最終コンペ案の中でヨコミゾ氏の案が一番気に入ったそうです。

「風のへや」からウッドデッキへ出られます。
眼下には草木湖の景色が広がります。


この手前に植えてある木、ちょっと邪魔な気もしないでもないです。
この面にはカフェもありますが、カフェからの眺めも遮ってしまいます。

これはヨコミゾ氏の意図したものではないそうです。
当時の東村の村長さんが建物が完成してから
やたらと難癖つけてきたようです。田舎にはありがちな話です。

こちらにその一端が記されています。
富弘美術館で村長と設計者らが対立、空調トラブルを巡り問題が表面化
建築家さんも振り回されて大変ですね。

Q:2001年に独立され、現在に至るまでの間で最も辛かった事は何ですか?
A:辛かった事といえば富弘美術館が出来上がった直後かなぁ。
 コンペ当時と村長さんが代わって、新村長さんの体制になってから今まで積み重ねてきた事の多くが受け入れられなくなって行き、従来と全く違う方針になって行く事に対して抵抗を感じたんです。まぁよくある話しなんですけどね、それは。

http://www.yc.ycc.u-tokai.ac.jp/2k/offtime/yokomizo/yokomizo.htm

そのカフェで一休みしてきました。
コーヒーは水出しコーヒー。美味。


ガラスに丸い模様が描かれています。
葉っぱの描かれているガラスもありました。

これ、新緑や紅葉の季節なら見晴らし最高でしょうね!

美術館の外からカフェを見るとこんな感じです。


それでは、最後の一枚。
富弘美術館の屋根?には模様が施されています。
丸い模様です。これ、33個あるそれぞれの部屋に呼応しています。

ただし、地上からでは見えません。
駐車場脇の山登って撮影してきました。

見えないところにそんなことしても。。。と批判もあるかもしれませんが
楽しいじゃーないですか、この発想。なんでも無駄無駄と合理的に
切り捨ててしまうこのご時勢、こんな遊び心あっても宜しいかと。
くどいようですが、ここは星野富弘さんの美術館なのですから!

富弘美術館 - Tomihiro Art Museum: Makoto Yokomizo
アルフレッド・バーンバウム,ヨコミゾ マコト


クリックすると画集一覧が出ます。

昨年開催されたシンポジウム「ポストバブルの建築シーン」での
ヨコミゾ氏の発言などをこちらにまとめてあります。



この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=934
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この記事に対するコメント

初めまして!
といっても、時々訪れては大好きな絵画の情報を仕入れています。
今回の星野富弘さんの美術館はまだ行ったことがないのですが、
一見モダンすぎて、富弘さんの絵の雰囲気とはかけ離れた印象を持っていました。そう感じませんでしたか?
でも、Takさんの紹介文と写真を見て、とても行きたくなりました。
車は混雑していませんでしたか?
mica | 2007/02/28 12:26 AM
@micaさん
こんばんは。初めまして。
コメントありがとうございます。

見て下さってありがとうございます。
ご期待に添えない点多々あるかと
思いますがご勘弁あれ。

さて富弘美術館ですが、私はとても
気に入りました。富弘さんの作品も
ヨコミゾさんの「作品」もとても
マッチしているように思えました。

車は日曜日でしたが空いていました。
冬ですからね。。。

Tak管理人 | 2007/03/02 9:30 PM
初めまして。
いつも拝見して、
たくさんの展覧会情報がありがたく、
また楽しませていただいています。

今回の星野富弘さんの美術館のお話、
5月に行く予定を立てているところでしたので、
とても参考になりました。
わたしにとって
すごくタイムリーな話題でしたので、
この機会に、とご挨拶させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
沙羅茶 | 2007/03/03 11:33 PM
@沙羅茶さん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

御ひいきにしていただき恐縮です。

富弘美術館、新しくなってから
行こう、行こうと思いつつも
中々行けずにいました。
季節的に寂しいものありましたが
お客さんも少なく作品と
建物それぞれたっぷり堪能できました。

春に行かれたら
TBでも送って下さいね!

今後とも宜しくお願いいたします。
Tak管理人 | 2007/03/04 6:31 PM
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さてさて、今更感がありますが、そんなことは関係なくエントリーしますよ。(笑) ...