青い日記帳 

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松濤美術館での若冲展

今から四半世紀も前の、1981年。
昭和56年12月2日から翌年1月24日まで渋谷区松濤美術館で
何と、伊藤若冲の特別展示があったそうです。


これがその特別展のカタログ。
いたってシンプルな表紙です。
頁数もたったの14ページしかありません。

ところが中身はぎゅっと凝縮されていて濃厚。
まず最初のページには主催者である小林忠氏の言葉が。

小林忠氏は辻惟雄氏の直系のお弟子さん。
浮世絵研究家としても有名です。
若冲に関する本もお書きになっています。
伊藤若冲
「伊藤若冲」 小林 忠

さて、松濤美術館での伊藤若冲の特別陳列のカタログ
たまたま古本屋で入手できました。ラッキーでした。

お持ちの方もいるやもしれませんが
折角ですので中身をちょいとご紹介。

まずは、冒頭の小林先生のあいさつ文から。

異色の花鳥画家・伊藤若冲 小林忠

 伊藤若冲は、江戸時代中期、京都に活躍した画家である。その際立ってユニークな画業は、近年ことに評価を高め、振幅豊かな造形活動の総体が回顧され、仔細な点検が加えられつつある。ことに昭和四十六年・東京国立博物館において開催された「若沖」特別展観は、御物動植綵絵、鹿苑寺および西福寺の障壁画など代表作を網羅したものであり、彼の創造した個性的な芸術世界を正当に認識するために、またとない機会を提供してくれた。
 しかし、それからさらに十年の歳月が経過し、その間に新たに見出されたり、所在不明となっていたものの再発見が報告されたりなどして、東京の美術界には未紹介の若沖画がすくなからず蓄積されている。今回は、それらの中から質的にもっとも高い、魅力に富む作品九点を厳選して、開館間もない松濤美術館の一室を飾らせていただくことになった。数はすくないが見ごたえのある逸品ぞろいに、大方の御期待に応え得る展観になるものと確信している。


↑の文中にある東京国立博物館で昭和46年に開催された「若冲」特別展観。
プライスコレクションと動植綵絵が一堂に会したという夢の展覧会です。
この展覧会の図録は探せば手に入ります。


これまた以前、古本屋でgetしました。
驚くことにたったの840円でした!!
(現在の図録と違いオールカラーではありませんが…)

さて、さて松濤美術館の若冲展。
この年の10月にオープンしたばかりの松濤美術館での若冲の展示。
何処でどう展示されたの想像するだけでワクワクしてしまいます。
今度松濤美術館へ行く時は「ここに若冲が…」とかみ締めつつ。

出展されていた作品は9点。


禽獣花木図屏風
(現・プライスコレクションの「鳥獣花木図屏風」です)


白象群獣図

↑この2点が同じ展示会場にあったなんて!
これもし現在同じことが起きたら(ないだろうけど)
「鳥獣花木図屏風」の真贋問題にある程度の決着が
自分の目で付けられるはずです。

mixiに設置されているアンケート
プライスコレクション鳥獣花木図屏風の真贋問題についてhttp://mixi.jp/view_enquete.pl?id=10777563&comm_id=8433
伊藤若冲 鳥獣花木図屏風
「伊藤若冲 鳥獣花木図屏風」 山下 裕二



猿猴摘桃図


右から「白鶴図」「出山釈迦図」「樹下雄鶏図


右から「蝦図」「里芋図」「群鶏図

カタログはこの後に、若冲年譜、若冲参考文献と続きます。
参考文献の中に列挙されている「雑誌論文」の箇所がこれまた凄い。
明治17年から昭和56年までの全ての雑誌論文が記載されています。

松濤美術館のことですからきっと100円とかの入館料だったのでしょうね。
それでこれだけの作品を観られたのですから、何とも言葉に出来ません。

しかし、小林先生もまさか25年後にこれだけ世間で「若冲・じゃくちゅう」と
騒がれるようになるとは、思いも寄らなかったでしょうね。

若冲画譜
若冲画譜
伊藤 若冲

相國寺・承天閣美術館で5月13日から始まる「若冲展」に向け
ますます、弾みがついてきました。行くぞ!!京都!!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=941
江戸時代の若冲の絵、京都・金閣寺で発見
 京都市にある鹿苑寺(金閣寺)の蔵で見つかった絵が江戸中期の鬼才、伊藤若冲(じゃくちゅう)の作品「厖児戯帚図(ぼうじぎほうず)」であることが17日までに分かった。ほうきにまとわりながら遊ぶ子犬を描いたもので、署名などの特徴から30代後半の作とみられ、若冲初期の作品として希少性が高い。

 縦約102センチ、横約40センチで、絹の生地に着色し掛け軸に飾られている。子犬の毛の描写などに、若冲らしい写実性があるという。画題は子犬にも仏となるべき性質があるかどうかを問う禅宗の故事に基づく。
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この記事に対するコメント

松涛ってさすがですねえ・・・今のところこの美術館でわたしはハズレなしです。('90年代以降のことですが)
本も手に入ってよかったですね、薄くても充実。

先日京博に行きましたら、若冲展のポスターがありました。
「東京から皆さん来られるんやろなー」
そんなことを考えて楽しい気持ちになっておりました。
遊行七恵 | 2007/03/07 12:39 PM
松濤美術館でそんな昔に「若冲展」をやっていたとは驚きです。
とても思い出深い美術館で懐かしいです。
それに当時のカタログまで・・・素敵ですね。
いいですね。京都!
いきたいな。相國寺!!
ティダ | 2007/03/07 9:19 PM
@遊行七恵さん
こんばんは。

>薄くても充実。
そうなんです。
プライスコレクションに入る前に
松濤美術館で展示されていたことが
分っただけでも大収穫です。

小林先生の熱意。

若冲展のポスターですか!
どんな具合でした??
派手なのかな?

@ティダさん
こんばんは。

驚きました。
しかも例の屏風絵が出ていたなんて。。。
ブームになる前です。
これを当時ご覧になられた方の
素直な感想をお聞きしたいものです。

行きますよ!京都!!
Tak管理人 | 2007/03/07 10:28 PM
松濤美術館では写真展の企画もあり
度々行っていました。
81年には若冲の存在すら知りませんでした。
時代の変化や自分の変化を、今日のブログを
読ませていただくと何だか考えてしまします。

>明治17年から昭和56年までの全ての雑誌論文が記載されています。
興味深いです。
 今日もありがとうございます。
ヤンバル | 2007/03/07 10:56 PM
こんばんわ。
これはさすがに知りませんでした!
カタログを見つけてくるとは、Takさんさすが!!
また若冲で盛り上がれるかと思うと、相國寺すごく楽しみです。
あおひー | 2007/03/08 12:15 AM
私も最近、古本屋の美術書探ししてます。
欲しい図録をのんびり捜してます。
昔の図録等、1000円以下だったりして…楽しいですよね?
先日は20数年前の『ボストン美術館所蔵 日本画名品展』買いました。若冲の白い鸚鵡も出ていました。
過去の展示会に想いを馳せるのも又一興。
るる | 2007/03/08 8:08 AM
はじめまして。「マグリットの鈴やけん玉ってヘンな形」と思って
検索で参りました。(佐野のオブジェの話のところにたどりつきました)
若冲は「なんでも鑑定団」で聞き覚えがある程度ですがこの象さんのユーモラスな表情に思わずコメントしてしまいました。
京都は行けそうにありませんが機会があったら見に行きたいです。
楽しんできてください。
JUKI | 2007/03/08 11:28 AM
松涛は僕はずっと前から毎回足を運んでいますがほんとにこった展示をやりますね。
若冲は昔は知る人ぞ知る存在だったのでしょうね。
ところで新国立美術館はコレクションを持たないという。
だから日本文化がだめになるのです。
どんどん日本の美術品が海外に流出していきます。
プライスコレクションなんかはいい例ですよね。
日本の若手の美術家も海外に目を向けていると訊きます。
TAKさんはこの問題をいかがお考えですか?
oki | 2007/03/09 10:39 PM
@ヤンバルさん
こんにちは。

私も81年には若冲の「じゃ」の字も
知りませんでした。これ開催していること
分ってもきっと観に行かなかったはずです。

価値観が変るとはまさにこの事。
さてこれから25年さきはどうなっていることやら。

@あおひーさん
こんにちは。

若冲はめぐり合わせが良いようです。
気持ちに占める割合がかなり多め。
もしかしたらフェルメールに匹敵するかも。
相国寺楽しみです!

@るるさん
こんにちは。

古本屋さんめぐりたまりませんよね。
何を見つけようと目的持っていくわけでもなし
ぶらぶら行くと思わぬ出会いが待っています。

るるさんもいい買い物されましたね〜
引きがいいですね!
今度ブログで紹介でもしてください!!

@JUKIさん
こんにちは。
初めまして。

佐野プレミアムアウトレットのマグリット玉
あれそっくりですよね?良かったです
同じように思ってくれる方がいらして。
自分だけならどうしようと思っていました。。。

若冲の描く動植物がたまらなく好きです。
人物画はイマイチですが。。。
京都楽しんできます!

今後とも宜しくお願い致します。

@okiさん
こんにちは。

村上隆さんが著書「芸術起業論」で
http://www.kaikaikiki.co.jp/news/list/gentosha/
こちらに紹介されているようなことを
お書きになっています。
これ一気に読める本です。

海外と日本国内では「美術」に対する
根本的な考え方の違いがあるように思えます。
それは「観る」側でなく「描く」側により
大きな溝があるようです。

国立新美術館で開催される「日展」のような
公募展がメインなのですから。。。
Tak管理人 | 2007/03/10 4:13 PM
こんにちは。

この展示の数年後に、「禽獣花木図屏風」はカリフォルニアへ旅立ったんですね。
ギメ東洋美術館の「龍図」といい、広重の写生帳といい、海を渡ってしまった美術品の数々に溜息が出ます。

「動植綵絵」は国内に残って本当に良かったと思います。
mizdesign | 2007/03/11 8:14 PM
@mizdesignさん
こんばんは。

>この展示の数年後に、「禽獣花木図屏風」はカリフォルニアへ旅立ったんですね。

そうなんです。
で、ちょっと穿った見方すると
世間にお披露目してはくつけてから
旅立たせたとしたら・・・

「動植綵絵」が国内にあること思うと
ほんと救われますよね。
Tak管理人 | 2007/03/12 11:44 PM
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