青い日記帳 

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『名所江戸百景』略して『江戸百』

集英社新書ヴィジュアル版はかなりツボを突く内容の本出してくれます。
以前こちらでも紹介した「フェルメール全点踏破の旅」もそのひとつ。

フェルメール全点踏破の旅
フェルメール全点踏破の旅
朽木 ゆり子

朽木さんにの本を読んでいると羨ましさばかり心に浮かび
実際問題としてあまり読書に集中できないのですが、
今月発売になったヴィジュアル版の第四冊目のこれは心底楽しめます。

原信田 実

タイトルにある「江戸百」って何?何?と書店で戸惑いましたが
カバー裏の解説読んで納得。
広重の有名な『名所江戸百景』、略して『江戸百』。

そうか…「名所江戸百景」シリーズのことを略してそう呼ぶのか〜
「江戸百」ね。覚えておきます。両国の「江戸博」と勘違いしてしまいそうですが。

で、この新書の凄い点は何と言ってもその「江戸百」がカラーで全て掲載されていること。制作順に全120点掲載されています。図版を見ているだけでも充分楽しめます。



見開きの片方のページに「江戸百」の一枚の絵が掲載されています。
ただし、単なる作品の解説ではなく「謎解き」と題するとおり
「江戸百」に隠された江戸庶民の本当の姿を解き明かしていきます。

これ新書で出してしまっていいの?とこちらが要らぬ心配してしまいます。
それくらい、中身が濃く、そして幕末の江戸を知る手引書となる一冊です。

石原千秋氏が述べていらっしゃいましたが、最近の新書ホント充実しています。
(中には内容が薄っぺらなものもありますけどね)

そして、『謎解き広重「江戸百」』 原信田 実 のもう一つの特筆すべき長所は巻末にある「年表」「地図」「絵索引」です。

特に白眉なのは「絵索引」制作月順に全ての作品が収められています。カラーで!

贅沢だ〜いいのか集英社。これが1000円ちょっとで。
もっともっと高くても買いますよ。
「名所江戸百景」関連の本を丁度探していたところなので最高に嬉しい一冊です。

こちらで試し読みもできます。

謎解き広重「江戸百」
謎解き広重「江戸百」
原信田 実
あの広重「江戸百」には謎が隠されていた!!
広重一世一代の「名所江戸百景」は絵葉書のような名所絵ではなく、安政大地震から復興する様子を中心に幕末に向かう時代の息吹を伝えるジャーナリスティックな連作だった!? 


一家に一冊!『謎解き広重「江戸百」』 原信田 実
連休何処へも行かれる予定のない方強力におススメします。

因みに、集英社新書ヴィジュアル版、現在4冊出ていますが
残り2冊のうちの一冊がこれ。次はこれかな。
江戸を歩く
「江戸を歩く」 田中 優子,石山 貴美子
東京の街を歩いてみると、身近な場所に江戸の名残を発見できる。千住、浅草、深川、日本橋、神田、本郷、品川……。「記憶の風景」をもとめ、江戸学者・田中優子と写真家・石山貴美子が、歩く! 見る! 感じる! 四季に彩られた水の流れ、祭りの風景、人々の日常のたたずまいの中からは、江戸の賑わいが聴こえてくる。そして、近代におしつぶされてきた江戸のうめき声さえもが。江戸をめぐる鎮魂と癒しの旅へ。

今年の四月に東京国立博物館で見た「江戸百 吾妻橋金龍山遠望


最後に櫻井進氏の「江戸の無意識 都市空間の民俗学」の一節をご紹介。

『名所江戸百景』の俯瞰的な視線は、江戸の都市住民を実名的存在として捉えるのではなく、江戸の都市空間を構成する部分的な要素として描こうとしているのである。だから、個々の存在は江戸という全体の中ではたんなる要素にすぎず、その存在を主張することができないのである。『江戸名所図会』は、江戸城を中心とする世界を構築するために、江戸城から七つの方角にのびる放射線によって江戸を分断し、隅田川という江戸の外部へ向かう視線を消去することによって、江戸を安定したシステムとして虚構化した。それと同様に、『名所江戸百景』も、全体を春夏秋冬の四部に分けることによって、江戸情緒といわれる生活感情を虚構として形成したのである。そこでは、顔を持った個々の人間が主人公なのではなく、その場面全体に充満した雰囲気や気分がテーマになっている。


知っているようで知らない「江戸時代」
教科書で習ったことのない「江戸時代」

近いようで遠い「江戸時代」を知るうえでの良き「手引書」となる一冊です。
謎解き広重「江戸百」
謎解き広重「江戸百」
原信田 実


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この記事に対するコメント

こんばんは
いい本ですね〜時々『名所図』の今昔比較展などがありますと、そのたび色々感慨にふけりますが、この本一冊でそれがいけそうですね。
これまでいくつか現場を訪れましたが、やっぱり楽しいです。

ところで、大阪の地下街には『浪花百景』とシカゴ美術館所蔵名画が陶板になって、飾られています。
ときどきそれを観るのも楽しいです。
遊行七恵 | 2007/04/27 11:11 PM
こんばんは。
『金刀毘羅宮 書院の美 応挙・若冲・岸岱』(芸大美術館7/7〜)のチラシの裏に、同時開催『芸大コレクション展 歌川広重《名所江戸百景》のすべて』とありました。
東京藝術大学創立120周年企画だそうです♪
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2007/collection200707/collection200707_ja.htm
【展示作品】
歌川広重(初代および二代)『名所江戸百景』全120図
歌川広重(二代)『安藤広重像』

素晴らしい情報網をお持ちのTakさんですから既に入手済みかと思いましたが、一応ご報告まで。

『名所江戸百景』全120図に、若冲、応挙・・・
って、なんか凄いですよね!!(≧▽≦)b
芸大美術館デビューしちゃおっかな〜(^_^)
りゅう | 2007/04/28 12:25 AM
@遊行七恵さん
こんばんは。

大阪にもあるのですか!
そりゃそうですよね。
東京にあって大阪にないもの
まず無いですからね。

この新書ほんとよくできています。
内容もさることながら
「江戸百」が手元でじっくり
観られる喜びがたまりません。

@りゅさん
こんばんは。

そうですか〜
藝大で開催するのですか!!
これは絶対に行かなくては。

素晴らしい情報ありがとうございます。
教えていただくまで知りませんでした。

それにしても、そうすると藝大美術館
ほんと凄いことになりそうですね。
今年の夏は。

機会があったらご一緒しましょう!
Tak管理人 | 2007/04/28 5:32 PM
Takさま、こんばんわ。
こちらでご紹介いただいた「謎解き広重『江戸百』」を
早速求めましたところ、
タイムリーなことに
実物を見られることがわかり、
ニューオータニ美術館へ
何をさておいても!と出かけてきました。

ブログにもちょっと書きましたので、
Takさんへの感謝の気持ちも込めて、
トラックバックさせていただきます。
沙羅茶 | 2007/05/04 10:58 PM
@沙羅茶さん
こんばんは。

そうなんですよね。
ニューオータニ美術館まさに
ナイスタイミングで展覧会
開催してくれています。
前後期に分かれているので
それがちと悩みの種でもありますが。

でも思い立ったら即行動ですよね。

TBありがとうございました。
Tak管理人 | 2007/05/06 7:06 PM
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 ニューオータニ美術館で開催中の 「江戸の四季~広重・名所江戸百景」を見てきました。 つい先日原信田実さんの「謎解き 広重『江戸百』」を手にし、              (集英社新書ヴィジュアル版) 広重の描く江戸百景をゆっくり楽しもうかと思っていた
広重江戸百景 | 夢雫 | 2007/05/04 10:47 PM