![]() 2018.03.27 Tuesday
「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」
東京ステーションギャラリーで開催中の
「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」展に行って来ました。 ![]() http://www.ejrcf.or.jp/gallery/ 絵画展は行くけど、建築展には中々足が向かないとよく耳にします。でも実際に展覧会へ行ってみると美術展同等もしくはそれ以上に混雑し賑わっていたりするものです。 実際の建物を展示することは不可能なので、どうしても模型やモックアップ(実物素材による原寸大の部分模型)、写真パネルが主となります。 ![]() 浅草文化観光センター 建物を観るのであれば、外へ出て浅草なりマルセイユなりと出向けば願いは叶います。「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」では、副題にもあるように、建物の紹介がメインではなく、隈研吾が用いてきた物質に焦点を当てている展覧会です。 いま、あなたがいる建物は何で出来ているでしょう。木造建築家屋でしょうか、それとも石や金属で作られた建物でしょうか。 街中を歩いていていても、周囲の建物がどんな「物質」で出来ているのか専門家でない限り、気にしないものです。ところが、隈研吾のそれはそれを否でも意識させるものが多くあります。 ![]() スターバックスコーヒー太宰府天満宮表参道店 「梅ケ枝餅」の店が軒を連ねる大宰府の表参道に忽然と現れた木のオブジェのようなスタバ。「大宰府 スタバ」で検索してみて下さい。ビックリするはずです。自分もここで珈琲を飲んできましたが、視線が落ち着かずキョロキョロ不審者のようでした。 さてさて、建物を構成する物質というとどんなものが思い浮かびますでしょうか。この展覧会では10のセクションから成り、それぞれ物質によって分けられています。 展覧会の構成は以下の通りです。 ・竹 ・木 ・紙 ・土 ・石 ・瓦 ・金属 ・樹脂 ・ガラス ・膜、繊維 かなり意外なものも含まれています。例えば「瓦」。屋根にのせる瓦を隈研吾は建物の壁面に用いています。 ↓ ![]() 中国美術学院民芸博物館 こちらは「石」で作られた美術館です。 ↓ ![]() ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム ダンディ このように、一般的な建築展と展示されているものはさほど変わりありませんが、見せ方が大きくこれまでと異なります。建物への新しいアプローチの仕方を教えてくれる展覧会なのです。 建築を学ぶ学生さんらしい人を多く見かけましたが、普段こうした展覧会では目にすることのほとんどない、年配の女性の姿もあり、隈研吾のここ数年で爆発的に知名度がアップしたことも影響しているのでしょう。 ![]() 品川新駅(仮称) ![]() 新国立競技場 おばさまたちや、建築素人にも楽しめる要素が満載なのです。「安藤忠雄展」も盛況でしたが、やはりあちらも見せ方に徹底的にこだわっていましたからね。 「建築とは、結局のところ物質である。物質と人間との会話である。世界という得体のしれない大きさなるものが、物質という具体的存在を通じて、人間と会話するのである。物質が違うと、会話の仕方も変わり、こちらの気分も大いに変わってくる。20 世紀は、コンクリートのせいで、会話は固くなり、人間の表情もずいぶん暗くなった。 もう一度、様々な物質と、いきいきとした会話をはじめよう。」隈研吾 紙や土、石、繊維といった素材が隈研吾の頭の中でどのように関連し繋がりをみせているのかを、各セクションでフローチャートのように記されています。 ![]() 最後にまとめて映像で、建築物全てが関り合っていることを示す映像があります。 これが実に興味深い!「積む」「粒子化」「包む」「編む」「支えあう」この5つに全ての素材と建築が有機的につながるというのです。 作品リストにも同じ図が掲載されているので、それを頼りに観て行くと、他の建築展では味わえない魅力を感じられるはずです。 これまで手掛けた建造物と今、まさに現在進行形で工事が行われている建物まで、物質ごとに丁寧に紹介しています。 ![]() 浮庵 こうしたインスタレーション的な作品も展示されていて飽きさせません! 「浮庵」は、塩ビ製の風船にヘリウムガスを注入して浮かせ、その上からスーパーオーガンザという世界最軽量のポリエステル繊維の布をかけて茶室としたもの。 移動の際は折り畳んでスーツケースに入れて持ち運べるそうです。 イメージしていた建築展と同じようで違うこと分かって頂けましたでしょうか。そうそう全て写真撮影可能です。色々と楽しめる展覧会です。 「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」展は、5月6日までです。是非!!なるべくお早めに。 ![]() 「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」 会期:2018年3月3日(土)〜5月6日(日) 開館時間:10:00 - 18:00 金曜日:10:00 − 18:00 ※金曜日は20:00まで開館 ※入館は閉館の30分前まで 休館日:月曜日(祝日の場合は火曜日) 会場:東京ステーションギャラリー http://www.ejrcf.or.jp/gallery/ 主催:東京ステーションギャラリー[公益財団法人東日本鉄道文化財団]、隈研吾建築都市設計事務所 協賛:大成建設株式会社、株式会社丹青社、株式会社 長谷工コーポレーション、株式会社 安藤・間、株式会社イトーキ、株式会社大林組、鹿島建設株式会社、コクヨ株式会社、越井木材工業株式会社、小松精練株式会社、株式会社ジェイアール東日本建築設計事務所、清水建設株式会社、住友林業株式会社、セントラル硝子株式会社、大光電機株式会社、大日本印刷株式会社、太陽工業株式会社、大和リース株式会社、株式会社 竹中工務店、東急建設株式会社、TOTO株式会社、戸田建設株式会社、ナイス株式会社、株式会社乃村工藝社、不二サッシ株式会社、文化シャッター株式会社、前田建設工業株式会社、三井住友建設株式会社、株式会社LIXIL 協力:株式会社新建築社 JA109/隈研吾特集 Kengo Kuma:a LAB for materials Twitterやってます。 ![]() Facebookもチェック! この記事のURL http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5054 JUGEMテーマ:アート・デザイン ![]() |