青い日記帳 

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「浮世絵の雪景色」

太田記念美術館で開催中の
「浮世絵の雪景色」展に行って来ました。



「雪景色を描く」至極当然のことのようでも、世界的には極めて稀なことかと。これほどまでに好き好んで雪の情景を描いたの、日本人くらいではないでしょうか。

モネやシスレーも何枚か雪景色を描いていますが、それもきっと浮世絵を見てからではないかと。積極的に死の季節「冬」のシンボルでもある雪を好んで描くことまずなかったはずです。

精神性の高い山水画などでは雪景色みられるものの、それは目の前の景色というより、心情・心象表現に近いものが感じられます。浮世絵のあっけらからんとした雪景色とはまるで別物。

勿論、浮世絵の世界だけでなく南画でも、与謝蕪村の有名な「鳶鴉図」や今年国宝に指定された「夜色楼台図」等にはっきりと雪景色描かれています。
「鳶鴉図」

ただし、南画は中国の山水画の系譜を引くもの。浮世絵のような「明るさ」は感じられません。これはやはり、分けて考えなくでは。

今回太田記念美術館で公開されている約60点の雪をテーマとした浮世絵。その大半が雪をとても前向きに捉え描かれていることにハッと気が付かされます。花鳥風月・雪月花。壱年365日、日々の暮らしを自然と共に楽しもうとする、江戸時代のご先祖さまたちの積極的な姿勢を見て取れます。

真夏の夜空に打ち上がった花火や桜や紅葉と同じように雪も、欠かすことのできない1年の大事なイベント、年中行事であったかのようです。暖房器具もろくすっぽない時代です。冷たい雪の降る雪がどれだけ人々にとってマイナスだったか想像に難くありません。


歌川広重「名所江戸百景 びくにはし雪中

実際、冬は死の季節であったわけです。

しかしながら、浮世絵に描かれた雪からはそんな暗いイメージつゆ感じ取れません。中にはいかにも雪中辛そうな場面を描いたものもありますが、それとてどこか滑稽な感が付き纏います。

人間の力ではどうすることも出来ない大自然が起こす現象に対し、世界中で最も滅茶苦茶ポジティブに対峙出来たのは疑いようもなく江戸時代の人々でしょう。

雪景色のみならず、着物の柄にまで雪の模様(雪持竹、雪持松、雪輪など)を積極的に取り入れてしまったのですから。。。

「浮世絵の雪景色」展覧会の構成。

1:肉筆画にみる雪景色
2:雪景色のなかの女性たち
3:江戸の町の雪景色
4:諸国雪めぐり
5:雪が彩る物語
6:雪の意匠



菊川英山「江戸花美人合

スノボやスキーに行くと雪がまぶしくて仕方ありません。

でも、江戸の女性たちにとってはwelcomeだったのかもしれません。雪がレフ板の役割を果たし、肌を白く浮き立たせてくれます。それにしても凄いぼた雪ですね〜

美人画はまだしも、雪景色を描くとなると、色彩に頼れなくなる分、絵柄や構成力の勝負となります。雪景色の浮世絵に大胆な構図が採用されているのは、淡白になりがちな画面を打破する目的も含まれていたのかもしれません。

大胆な構図で西欧人の度肝を抜いたこの作品もまた雪景色を描いたものです。

歌川広重「名所江戸百景 深川洲崎十万坪

そして、雪には見馴れた町並みを一新する作用があります。

景色が一夜にして一変していると、今でも「わっ!」と朝思わず声をあげてしまいます。神社仏閣から何から何まで雪化粧。町がリセットされたかのように映ったはず。

雪の降る季節、冬を死の季節と捉えるどころか、再生の季節と捉えるなら、街中を刷新してくれる雪をどうしてマイナスに考えるでしょうか。

浮世絵に描かれた雪景色の中に潜む前向きさは、そんな所に理由があるのかもしれません。


歌川広重「名所江戸百景 目黒太鼓橋夕日の岡

朝、カーテンを開けて一面の銀世界。
さてそこで一言。プラスorマイナスどちらの言葉発します?

会社行くの面倒。。。
路面が凍結する。。。
寒い寒い寒い。。。
雪かき大変だ。。。
電車動くかな。。。

東京は確かに雪に弱い街です。

でも、江戸時代の人と同じように、自然と上手くお付き合いして楽しく暮らすには、嘘でもいいから思い切り「やったー雪だ〜」と子どものころと同じ気持ちではしゃがなくちゃ!

そろそろ、最後に「今日の一枚


歌川広重「忠臣蔵 夜討

雪と言えば、やっぱり忠臣蔵。なぜかこれも好きなんですよねー何度も何度も見ちゃう。他にも忠臣蔵討ち入りの場面を描いた浮世絵沢山ありますよね。

UKIYO-e TOKYOでは「忠臣蔵 名品展」も開催中です。

太田記念美術館「浮世絵の雪景色」は12月20日までです。

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次回展覧会:

《特別展》太田記念美術館開館30周年記念 
 『江戸の彩 -珠玉の浮世絵コレクション-』
 
2010年1月3日(日)〜2月24日(水)
前期:1月3日〜26日 後期:1月30日〜2月24日
(1月4、12、18、25、27〜29日/ 2月1、8、15、22日は休館致。)

太田記念美術館は昭和55年(1980)1月、原宿にオープンしました。来年1月で開館30周年を迎えます。当館の収蔵品の核となるのは、東邦生命会長を勤めた実業家・五代太田清藏(1893〜1977)が収集した浮世絵コレクション約1万2千点。五代太田清藏は多くの浮世絵が欧米へ流出したことを嘆き、大正末期から亡くなる昭和52年(1977)まで、半世紀以上にわたって収集活動を続けました。
 本展覧会では、太田記念美術館所蔵の膨大な作品の中から名品のみを選りすぐり、一堂に公開いたします。コレクションは菱川派など初期浮世絵から大正新版画まで幅広い年代の作品を含み、まさに浮世絵の歴史を通観できる内容となっています。また、優れた保存状態と美しい彫・摺の作品が数多く含まれることも、当コレクションの特色のひとつです。春信・歌麿・写楽・北斎・広重をはじめ、数年に一度しか見られない珠玉の名品が勢ぞろいする本展覧会を通じ、あらためて浮世絵や江戸文化の魅力に触れてみてください。


それでは最後に「今日の美味


焼かりんとう本舗 根津神社表門前店」の「焼かりんとう
展覧会チケットを差し上げたKさんのお土産。お心遣い感謝感謝です。一度食べてみたかったんです、これ。

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「大谷コレクション展」

ニューオータニ美術館で開催中の
「大谷コレクション展」に行って来ました。



今年のお正月に開催された、ニューオータニ美術館「新春展」と重複出展されている作品がたったの2点(西洋絵画)。他、日本画は全て違う作品が公開されています。「1月に観に行ったからいいや〜」と思っていらっしゃる方、今からでも遅くありませんニューオータニ美術館へgo!です。

出品作品リストあげておきます。
(入力ミスあったらゴメンナサイ)
アンドレ・ブラジリエヴエ「ヴェニス」
ベルナール・ビュフェ「カフェの男」「風車小屋」「黄色と緑色の花瓶の花束」「チューリップのある静物」
アンドレ・コタボ「赤いバラのブーケ」「海辺のフルーツ」「カンヌの散歩道のヤシ」「カフェ・ロトンド」
ラウル・デュフィ「メナラ宮の内部」
ポール・ギアマン「二つのヴァイオリンのある静物」「霧のヴェニス」
ピエール・ラプラード「ぶどう摘み」
マリー・ローランサン「遊ぶ子供たち」
モーリス・ド・ヴラマンク「花束」「橋のある風景」「ヴァルモンドア」「花束」
クロード・ワイズバッシュ「肖像」「サビナ人の略奪」

加藤栄三「秋」「牛」
竹内栖鳳「籬に雀(まがきにすずめ)」
橋本雅邦「林和靖春秋山水<三幅対>」
速水御舟「伊勢物語<双幅>」
山口蓬春「栗鼠(りす)」
横山華山「関羽張飛図(かんうちょうひず)」

この他に棗や茶器が数点公開されています。
アンドレ・コタボの力強い厚塗りの作品はどれも迫力満点。とりわけ「赤いバラのブーケ」など3D作品のようにこちらに迫ってくるものあります。

頂いた作家解説にコタボが日本の武術に親しみ、富士山に感激しそれを作品にも描き表していると書かれています。その富士山の絵、是非とも観たいものです。

因みに、京都・南座の1階東側ロビーにも同名の作品が展示されているそうです。詳しくはこちら


ピエール・ラプラード「ぶどう摘み」1927年

こちらの作家さんも初めて拝見する方。解説によるとフォーヴィズムの画家たちと交流するも、その影響を全く受けず(凄い!)淡くつつましい色調の作品を描いたとあります。「芸術は生活のうちから滲み出るものだ」という信念を持ち続けた作家さんだそうです。

ベルト・モリゾの描いたこちらの作品に似ていますよね。
(かみさんには否定されたけど…)

ベルト・モリゾ「桜の木」1891年

そうそう、カリエールとゲルハルト・リヒターを掛けあわせたようなちょっと心くすぐるクロード・ワイズバッシュの作品が観られたのも収穫。

展示室奥の小部屋に入ると日本画が待っています。


加藤栄三「

季節に合わせてのセレクション。
秋の訪れを喜んでか身体まで色変わりしてしまった雀。並んで展示された「」もまたオレンジ色を基調とした作品。秋ですね〜すっかり。で、今年の夏は一体どうしたの?

美味しそうな栗を手にする、山口蓬春の「栗鼠」もまた好し。

でもって、一番の収穫は竹内栖鳳の「籬に雀(まがきにすずめ)」が拝見出来たこと。栖鳳と聞くとリアル過ぎる色合いで表現した山種美術館さんの「班猫」がまず最初に頭に浮かんできますが、今回公開されている「籬に雀」は、ほとんどモノクロームの世界。

縦長の構図(87.5×18.0)内に、竹で作られた粗い垣の先端に一羽の雀がぽつんととまり虚空を見つめている姿が描かれています。カッ!とこちらを睨みつける「班猫」とはこの点も大きく違います。

竹は水墨画のように墨の濃淡で潔く表わされながらも、しかとした存在感を示します。僅かに彩色が施された雀の色が、ハイビジョンカラーよりも色鮮やかに見えるのを見事に引き立てています。

この作品だけを観るためだけに、出掛けても損はなし。
いや〜いいもの見させて頂きました。

山口さんのトークショーがこの後控えていたので、早々においとましましたが、出来ればもっともっと「籬に雀」拝見していたかったです。

最後に「今日の一枚


ベルナール・ビュフェ「風車小屋」1951年

ビュフェ好きな割には中々タイミングが合わず拝見出来ずにいたので、ここでまとめて4点拝見出来たのはラッキーでした。アンドレ・コタボの厚塗りとは対照的なストイックな絵肌がたまりません。

「大谷コレクション展」は9月27日まで。
大きな展覧会秋は目白押しですが、ニューオータニ美術館もお忘れなく!

ニューオータニ美術館
〒102-0094
東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート 6F
Tel:03-3221-4111

開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで).
休 館 日:月曜日(ただし9月21日は開館).出品点数:約30点.
入 館 料:一般¥500、小中生¥200
宿泊者無料、20名以上の団体は各¥100割引


「大谷コレクション展」が終わると…こちらが控えています!!

肉筆浮世絵と江戸のファッション
↑リンク先の美術館サイトが異常なまでに充実しています。

肉筆浮世絵と江戸のファッション 町人女性の美意識
10月3日(土)〜11月23日(月・祝)
前期:10月3日〜10月25日
後期:10月27日〜11月23日

前後期で大幅に展示替え行うそうです。

生誕100年記念 グラフィックデザイナー 野口久光の世界 香りたつフランス映画ポスター展
11月28日〜12月27日

この展覧会も興味とてもそそられます。
年末までニューオータニ美術館要チェックですね!

それでは最後に「今日の美味


かりんとう たちばな」(銀座)の「かりんとう
Aさんありがとうございました〜18日は宜しくお願いいたします。

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「近代日本画 美の系譜」展

大丸ミュージアム・東京で開催中の
「水野美術館コレクションの名品より 近代日本画 美の系譜〜横山大観から高山辰雄まで〜」展に行って来ました。



ベル・エポックの輝き−魅惑の宝飾からガラス工芸まで−」展に続き大丸東京店オープン記念第二弾となる展覧会は近代日本画。今まで行くたくとも行けずにいた長野の水野美術館所蔵の約60点の名品が大丸東京10階にやってきています。

キノコノコノコゲンキノコ♪でお馴染みのホクト株式会社社長 水野正幸氏が蒐集したのが「水野コレクション」なのだそうです。とても良いご趣味で。

サブタイトル(横山大観から高山辰雄まで)にもあるよに明治初期から平成の世まで、日本画の流れをコンパクトに見渡すことができる展覧会。

横山大観の作品は取り立てて好きではなく、感動することも稀なのですが、今回展示されていたこちらの作品の前では思わず足を止めてしまい見入ってしまいました。
横山大観「

鶉は中国絵画では縁起の良い鳥として好んで描かれ、その影響を受け江戸時代の日本画にも多く登場します。大観もそれを踏まえて描いたのでしょう。

でもちょっと寂しそうな感じもしなくもありません。よく見ると片足上げています。一羽の鶉。画面前面三分の二を紅葉しかけの木々の葉が寒くて辛い冬の訪れを暗示しているせいもあります。

もしかしてここは「深草の里」ではないかと勝手に想像。
「深草の里」とは『伊勢物語』第123段に登場します。

むかし、おとこありけり。深草に住みける女を、やうやうあきがたにや思けん、かかる歌をよみけり。
   年を経て住みこし里を出でていなばいとど深草野とやなりなん
女、返し、
   野とならば鶉となりて鳴きをらんかりにだにやは君は来ざらむ
とよめりけるにめでて、行かむと思ふ心なくなりにけり。


京都深草に住む女に飽きた男は別れを歌に込め詠む。(ここから女性の方注目!)別れ話をされた女はさてどうしたか?ここで有名な「野とならば鶉となりて鳴きをらんかりにだにやは君は来ざらむ」という和歌を詠みます。これは恋の上級テクニック。

「私は鶉となって鳴き続けましょう。もしかして貴方が狩りに(「仮に」との掛け言葉)またここ深草へやってきた時に気付いてくれるように。。。」

この歌に心をすっかり持っていかれた男は「行かむと思ふ心なくなりにけり」深草を去る気持ちが失せてしまったというのです。これ完全に女の勝ちです。「お願い!行かないで!!」と迫るよりも何十倍もこの場合効果発揮しています。

そんな恋のかけ引きのワンシーンをもしかして大観は描いたのかな〜と。
この絵のポストカード販売されていました。ラブレターとして「伊勢」の女の歌一首添え別れ話を持ち出しそうな男へ出すと上手くいくかも。

さて、大観のお弟子さんの堅山南風が描いた「横山大観先生」

昭和32年に描かれた一枚。大観が亡くなった前年。

こちらは昭和43年に描かれた作品。
堅山南風「朝の月

かなり大きな作品(181×151cm)。ほぼ全面に花を敷き詰め、葉っぱを赤く色づけしています。こういう大胆でちょっとばかばかしいくらいに突き抜けている作品好きです。佳い作品に出会えました。

また西郷孤月の「月下飛鷺」も↑とは違って朦朧体で描かれていますが、独特の雰囲気を醸し出している優品。画面の明るい日本画にあってほぼ全面が黒。そして縦長の画面下方に小さく小さく白鷺が飛んでいる様子が描かれています。ありふれた表現ですが自然の雄大さ感じさせる一品。

安西冬衛の有名な一行詩「春」
てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った
を想起させる作品でもあります。

杉山寧の「」や山口蓬春「夏蔭」、舞を舞う女性の口元がポイントの伊東深水「鏡獅子」などなどとにかく他にも見所満載でした。水野美術館一度は行ってみないといけませんね、これは。話には聞いていましたがこれだけ質の高い充実したコレクションをお持ちとは。。。天晴。

それでは最後に「今日の一枚

上村松園「夕べ
このところ、松園の作品に「ずるさ」を感じるようになりました。
「透け」て見える着物。「ちらり」と覗くその視線。そして色使い。
これだけの要素を取り揃え更にダメ押し的に素足をほんの少しだけ
のぞかせていたりするもんですから、もうお手上げ。

水野美術館コレクション「近代日本画 美の系譜展」は28日まで。

「横山大観」殺人事件 (講談社文庫)
「横山大観」殺人事件 (講談社文庫) 内田 康夫

最後に「今日の美味

 
かりんとう専門店「日本橋錦豊琳」のかりんとう。
野菜、きんぴらごぼう、胡麻、黒こしょう、そば塩、洗双糖の6種類を買ってみました。既にもう一袋ありません。スナック菓子感覚で食べらます。お酒のおつまみにもいいかも。食べ切りサイズで一袋330円と値段も手ごろ。

行列ができるのも納得。
かりんとう専門店 日本橋錦豊琳

〒100-0006
東京都千代田区丸の内1-9-1
東京駅ステーションシティー
JR東日本東京駅構内地下(1階)「グランスタ」内


追記:一村雨さんから頂戴したコメントにあったこちらの歌。

夕されば野辺の秋風身にしみて鶉鳴くなり

『千載集』にある藤原俊成作の歌です。

口語訳すると…
「夕暮れになると野辺を吹き渡ってくる秋風が身にしみて感じられ、心細げに鳴く鶉の声が聞こえることだ。この深草の里は。」

「名歌名句鑑賞事典」によると…
『伊勢物語』百二十三段の女が詠んだ歌(野とならば鶉となりて鳴きをらんかりにだにやは君は来ざらむ)を展開させ、捨て去られ鶉となって寂しげに鳴く女を秋の夕暮れの景に置き、その深草の里で作者が感じる実際の哀感と物語世界とを交錯させて、寂寥の情感を形象化している。『無名抄』によれば、俊成はこの歌を自讃歌(自身の代表作)としていた。


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